感染症の医学テーマ
感染症の医師国家試験 頻出テーマを43項目、中分類ごとに整理しました。気になるテーマから要点と出題実績を確認できます。
感染症総論・感染対策
- 感染経路・隔離予防策(接触・飛沫・空気感染)概念
空気感染は 5 μm 以下の飛沫核を介して感染が成立する伝播様式で、長距離・長時間の伝播が可能である。
- カテーテル関連血流感染症 (CRBSI)疾患
カテーテル関連血流感染症 (CRBSI) は中心静脈カテーテル留置に伴う血流感染症で、原因不明の発熱・悪寒戦慄を契機に疑い、血液培養とカテーテル先端培養で診断、カテーテル抜去とバンコマイシンで治療する。
- 抗菌薬療法(適正使用・VCM)制度・法規
抗菌薬の適正使用では、培養検査に基づき起炎菌を推定したうえで適切な抗菌薬を選択することが基本である。
- 消毒薬概念
消毒薬は、病原微生物を不活化して感染を予防する目的で用いる薬剤で、対象や病原体の種類に応じて使い分ける。
- ツベルクリン反応検査
ツベルクリン反応は、結核菌の既感染の有無を調べる遅延型反応を利用した皮内反応検査である。
- 針刺し事故制度・法規
針による血液曝露でHBV・HCV・HIV感染のリスクを負う事故。曝露後の検査と予防対応を要する。
- 不明熱症候
原因不明の遷延する発熱。感染症・悪性腫瘍・膠原病・薬剤が4大原因。
ウイルス感染症
- 水痘疾患
水痘は水痘・帯状疱疹ウイルス (VZV) の初感染により生じる急性のウイルス感染症で、小児に好発し全身に水疱性の皮疹をきたす。
- 帯状疱疹疾患
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス (VZV) の再活性化により、片側の皮膚分節 (デルマトーム) 領域に疼痛と水疱を生じる感染症である。
- 伝染性単核症疾患
伝染性単核症は EB ウイルス (EBV、HHV-4) を主因とする急性ウイルス感染症で、唾液を介して水平感染し、思春期から若年成人に好発する。
- サイトメガロウイルス感染症疾患
日和見感染や胎内感染(TORCHのC)を起こすウイルス感染症。封入体を認め、感音難聴・肺炎・腸炎を呈する。
- HIV 感染症疾患
HIV 感染症はヒト免疫不全ウイルス (HIV) が CD4 陽性 T リンパ球 (ヘルパー T 細胞) に感染して破壊し、進行すると後天性免疫不全症候群 (AIDS) として日和見感染症や悪性腫瘍を発症する疾患である。
- 尖圭コンジローマ疾患
HPV6/11型による性感染症。外陰部にカリフラワー状の疣贅を生じる。
- 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)疾患
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) はSARS-CoV-2による呼吸器感染症である。
- デング熱疾患
デング熱は蚊が媒介するウイルス感染症であり、東南アジアなど熱帯・亜熱帯地域で流行する。
- エボラ出血熱疾患
エボラ出血熱はエボラウイルスによる致死率の高いウイルス性出血熱で、一類感染症に分類される。
細菌感染症
- 黄色ブドウ球菌・MRSA疾患
黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus) は皮膚常在菌であり、各種感染症 (皮膚軟部組織感染・敗血症等) の原因となる。
- 溶連菌性咽頭炎疾患
溶連菌性咽頭炎はA 群 β 溶血性連鎖球菌による上気道感染症であり、小児に好発する。
- 猩紅熱疾患
猩紅熱はA 群 β 溶血性連鎖球菌による小児に多い感染症で、全身の発疹といちご舌を呈する。
- 丹毒疾患
丹毒は真皮に生じるA 群 β 溶連菌による急性細菌性感染症で、顔面や下肢に好発する。
- B 群連鎖球菌 (GBS)疾患
B 群連鎖球菌 (GBS) は新生児の重篤な感染症 (敗血症・髄膜炎等) の原因菌であり、妊婦の腟内保菌が垂直感染の経路となる。
- リステリア症疾患
リステリア症はListeria monocytogenesによる感染症で、妊婦が感受性高く重症化しやすい。
- 破傷風疾患
破傷風は破傷風菌が産生する神経毒素により筋強直・開口障害 (牙関緊急) を呈する感染症である。
- 性感染症(淋菌性尿道炎・性器ヘルペス)疾患
淋菌性尿道炎は Neisseria gonorrhoeae による性感染症であり、尿道に強い炎症を生じる代表的な男性尿道炎である。
- 緑膿菌感染症疾患
感受性試験でカルバペネム系・ニューキノロン系・アミノ配糖体系の 3 系統すべてに抵抗性を示す緑膿菌を多剤耐性緑膿菌 (MDRP) といい、ペニシリン系・セフェム系への抵抗性は判定基準に含まれない。
- 細菌性赤痢疾患
赤痢菌の経口感染による腸管感染症。発熱・しぶり腹・粘血便を呈する。
- ペスト疾患
ペスト (黒死病) はペスト菌 (Yersinia 属) による細菌感染症であり、げっ歯類に寄生するノミが媒介する。
スピロヘータ・クラミジア・リケッチア感染症
- 梅毒疾患
Treponema pallidumによる性感染症。無痛性硬性下疳に始まり多彩な全身症状を呈し、近年増加。
- マダニ媒介感染症(ライム病含む)疾患
マダニ(= 硬ダニ)は、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)などのウイルス性疾患をヒトに媒介する節足動物である。
- レプトスピラ症 (Weil 病)疾患
レプトスピラ症は Leptospira 属の細菌による人獣共通感染症であり、Weil 病はその重症型に相当する。
- ツツガムシ病疾患
リケッチアによる感染症で、刺し口・発熱・皮疹の三徴を呈する。テトラサイクリン系が奏効。
- クラミジア感染症疾患
非淋菌性尿道炎の最多原因で性感染する。尿PCRで診断し、上行性に精巣上体炎を合併する。
真菌感染症
寄生虫・原虫感染症
- マラリア疾患
マラリアはマラリア原虫がハマダラカを介してヒトに感染し発症する原虫感染症で、熱帯・亜熱帯地域に多い。
- アメーバ赤痢疾患
アメーバ赤痢は赤痢アメーバ原虫の経口感染による原虫感染症で、主に大腸にタコつぼ状の潰瘍性病変をきたす。
- ランブル鞭毛虫症 (= ジアルジア症)疾患
ランブル鞭毛虫症はランブル鞭毛虫による原虫感染症であり、海外渡航後の下痢の原因となる。
- 吸虫症(肝吸虫・肺吸虫)疾患
肝吸虫症は肝吸虫 (Clonorchis 属) の寄生で起こり、生の淡水魚の摂取を介して感染する。
- アニサキス症疾患
アニサキス症はアニサキス幼虫が寄生した魚介類の生食により発症する寄生虫疾患である。
- 疥癬疾患
疥癬は、疥癬虫(寄生性のダニ)が皮膚の角質層に寄生して起こる皮膚感染症であり、強い掻痒を特徴とする。