整形外科(運動器)の医学テーマ
整形外科(運動器)の医師国家試験 頻出テーマを54項目、中分類ごとに整理しました。気になるテーマから要点と出題実績を確認できます。
整形外科総論
- 運動器の解剖(関節軟骨・筋)解剖
関節軟骨は関節面を覆う硝子軟骨であり、骨端を保護し関節運動を滑らかにする関節構成組織の一つである。
- 骨折(総論・小児骨折・脂肪塞栓症)概念
骨折は外力により骨の連続性が断たれた状態で、エックス線写真で骨折線や骨皮質の不連続として同定され、治癒過程で仮骨が形成される。
- 開放骨折疾患
開放骨折は骨折部が創を介して外界と交通している骨折であり、創が汚染され感染のリスクが高い。
- 複合性局所疼痛症候群疾患
外傷や長期固定後に異痛・発汗異常・骨萎縮(Sudeck)を生じる難治性の疼痛症候群。
- 骨形成不全症疾患
I型コラーゲンの先天異常による疾患。易骨折性・青色強膜・感音難聴の三徴を呈する。
脊椎
- 頸部脊椎症疾患
頸椎の変性による脊髄症・神経根症。手指巧緻運動障害と歩行障害を緩徐に進行させる。
- 後縦靱帯骨化症疾患
後縦靱帯骨化症 (OPLL) は、椎体後面を縦走する後縦靱帯が骨化して脊柱管が狭窄し、脊髄や神経根が圧迫される疾患である。
- 腰椎椎間板ヘルニア疾患
腰椎椎間板ヘルニアは椎間板の髄核が線維輪を破って脱出し、神経根や馬尾を圧迫して腰下肢痛や神経根症状を来す疾患である。
- 腰部脊柱管狭窄症疾患
腰部脊柱管狭窄症は脊柱管の狭窄により馬尾・神経根が圧迫され、神経性間欠性跛行をきたす疾患である。
- 脊椎圧迫骨折疾患
脊椎圧迫骨折は脆弱性骨折の代表で、骨粗鬆症を背景に軽微な外力で発生する骨折である。
- 脊柱側弯症疾患
脊柱側弯症は脊柱が冠状面で側方へ弯曲する変形で、原因不明の思春期特発性側弯症が最も多い。
- 腰椎分離・すべり症疾患
成長期スポーツの疲労骨折としての腰椎分離症と、中高年に多い変性すべり症の対照。初期は X 線に写らないこと、保存療法と骨癒合。
上肢
- 肩関節脱臼疾患
前方脱臼が多い肩関節の外傷。腋窩神経麻痺を合併し、若年者で反復性に移行しやすい。
- 肩関節周囲炎疾患
肩関節周囲炎 (五十肩) では肩関節周囲の炎症により肩の疼痛と運動制限〈可動域制限〉を呈し、中高年に好発する。
- 腱板障害疾患
腱板障害は肩関節の回旋筋腱板 (棘上筋など) の損傷や断裂により、肩痛と筋力低下を呈する疾患である。
- 上腕骨骨幹部骨折疾患
上腕骨骨幹部骨折は上腕骨の中央部である骨幹部に生じる骨折であり、転位により周囲を走る神経が損傷されやすい。
- 上腕骨顆上骨折疾患
上腕骨顆上骨折は小児の肘関節周辺骨折で最も頻度が高く、コンパートメント症候群やVolkmann拘縮を合併しうる。
- 肘内障疾患
肘内障は小児の手を急に引っ張り上げた際に橈骨頭が輪状靭帯から亜脱臼した状態で、好発年齢は 2-6 歳である。
- 離断性骨軟骨炎疾患
反復する負荷で生じる骨軟骨障害(野球肘)。遊離体(関節ネズミ)によるロッキングを呈する。
- 橈骨神経麻痺症候
橈骨神経麻痺は上腕での外的な圧迫などにより橈骨神経が障害され、手関節や手指の伸展が損なわれる末梢神経麻痺である。
- Colles骨折疾患
Colles骨折は橈骨遠位端骨折の一型で、転倒して手掌をついた際に手関節が背屈強制されて生じる。
- de Quervain病疾患
de Quervain病は長母指外転筋腱および短母指伸筋腱の腱鞘炎であり、手関節橈側の疼痛・腫脹を主徴とする。
- 胸郭出口症候群と上肢の局所疾患疾患
腕神経叢と鎖骨下血管の絞扼、テニス肘の誘発テスト、突き指で生じる槌指の腱性と骨性の違い。
下肢
- 発育性股関節形成不全疾患
乳児期の股関節脱臼で、開排制限と皮膚溝の左右差を呈する。リーメンビューゲル装具で整復・保持する。
- Perthes病疾患
小児の大腿骨頭に生じる阻血性壊死(骨端症)。片側性の股関節痛・跛行で発症する。
- 大腿骨頭すべり症疾患
大腿骨頭すべり症では、骨端線を境にその先の骨頭が、頸部に対して後方かつ下方へ転位する。
- 変形性股関節症疾患
変形性股関節症は股関節軟骨の退行性変化により、疼痛と関節可動域制限を緩徐にきたす疾患である。
- 大腿骨頭壊死症疾患
大腿骨頭壊死症は、骨頭への血流の障害により骨の組織が壊死し、関節の機能障害や疼痛を引き起こす疾患である。
- 大腿骨近位部骨折疾患
大腿骨近位部骨折は高齢者の転倒によって頻発する骨折で、股関節部の疼痛と歩行困難を呈する。
- 変形性膝関節症疾患
変形性膝関節症は膝関節の軟骨摩耗と変性により疼痛と機能障害を呈する退行性疾患である。
- 前十字靱帯損傷疾患
スポーツ中の着地・切り返しで生じる膝靱帯損傷。関節血腫と膝崩れ、Lachmanテスト陽性。
- 膝靭帯・半月板損傷疾患
膝靭帯・半月板損傷は、競技中の捻挫や接触などで生じる膝関節の靭帯断裂・半月板断裂を含む外傷群である。
- アキレス腱断裂疾患
アキレス腱断裂は運動中に好発し、後方から蹴られたような感覚と断裂音を自覚して発症する。
- 足関節捻挫疾患
足関節捻挫は足関節の靱帯損傷により疼痛・腫脹・関節不安定性を呈する外傷であり、内反強制による前距腓靱帯損傷が最多である。
- 外反母趾疾患
外反母趾は母趾 MTP 関節の外反変形であり、不適切な靴(ハイヒール等)が誘因となる。
- 変形性関節症疾患
変形性関節症〈OA〉は関節軟骨の変性・摩耗により関節の変形と疼痛を生じる退行性疾患である。
- 偽痛風疾患
偽痛風はピロリン酸カルシウム (CPPD) 結晶が関節に沈着し急性関節炎を生じる病態である。
- 総腓骨神経麻痺疾患
総腓骨神経麻痺は、腓骨頭部で総腓骨神経が圧迫されて生じる代表的な絞扼性の末梢神経障害である。
- 人工関節置換術手技
荷重を受ける股・膝関節の変形・疼痛に行う置換術。感染性関節疾患は禁忌。
骨・関節感染症
- 化膿性関節炎疾患
関節腔への細菌感染で発赤・腫脹・熱感を呈する。関節液は混濁し、緊急の関節穿刺を要する。
- 化膿性脊椎炎疾患
黄色ブドウ球菌による椎体の感染症。発熱と腰背部痛を呈し、糖尿病や血液透析が背景となる。
- 脊椎カリエス(結核性脊椎炎、Pott病)疾患
脊椎カリエス〈結核性脊椎炎、Pott 病〉は結核菌が椎体に感染して生じる慢性の脊椎感染症であり、進行性に椎体破壊をきたす。
- 腸腰筋膿瘍疾患
腸腰筋膿瘍は腸腰筋内に膿瘍を形成する感染症であり、腰痛と股関節伸展制限を特徴とする。
- Brodie骨膿瘍疾患
Brodie骨膿瘍は慢性骨髄炎の一型であり、急性期の症状に乏しく慢性に経過する。
- 化膿性腱鞘炎疾患
手の化膿性腱鞘炎は、刺創などを契機に腱鞘滑膜へ細菌感染が及んだ化膿性炎症で、屈筋腱に沿って生じる。
骨軟部腫瘍
- 骨軟骨腫疾患
骨軟骨腫は骨の表面からコブ状に突出する隆起を呈する、頻度の高い良性骨腫瘍である。
- 類骨骨腫疾患
若年男性の長管骨皮質に生じる良性骨腫瘍。夜間に増悪する疼痛、CTでニーダスを認める。
- 骨巨細胞腫疾患
骨巨細胞腫は長管骨の骨端部に好発する良性骨腫瘍で、局所では破壊性に増殖することがある。
- 骨肉腫疾患
骨肉腫は骨原発の悪性腫瘍であり、骨形成性の間質細胞が腫瘍性に増殖する疾患である。
- 悪性軟部腫瘍疾患
悪性軟部腫瘍は筋肉・脂肪・結合組織などの軟部組織に発生する悪性腫瘍の総称である。
- 骨転移・転移性骨腫瘍疾患
転移性骨腫瘍は他臓器の悪性腫瘍が骨に二次的に到達して増殖する病態であり、原発巣の精査を要する。
- 軟骨肉腫・Ewing肉腫・軟部肉腫疾患
骨肉腫以外の原発性骨腫瘍と軟部肉腫。軟骨肉腫と Ewing 肉腫の対照、生検の前に MRI・生検経路は切除範囲に含める原則、血行性の肺転移。