公衆衛生・医学総論の医学テーマ
公衆衛生・医学総論の医師国家試験 頻出テーマを205項目、中分類ごとに整理しました。気になるテーマから要点と出題実績を確認できます。
公衆衛生と健康の概念
- 予防医学(一次・二次・三次)概念
予防医学は、発病前の発症予防を担う一次予防、早期発見・早期治療を担う二次予防、社会復帰・再発防止を担う三次予防の 3 段階に分けられる。
- ヘルスプロモーション概念
ヘルスプロモーションとは、各人が自分の健康とそれを左右する要因とを主体的に管理し、より良い方向へ改善していく過程であり、その核心は健康を支援する環境づくりにある。
- プライマリヘルスケア概念
プライマリヘルスケアは、すべての人が健康に到達するための基本的な保健医療である。
- ポピュレーションアプローチ概念
ポピュレーションアプローチは広く集団の全員に働きかけ、リスク分布を望ましい側へずらして健康増進を図る手法 (= ポピュレーションストラテジー) であり、ハイリスクアプローチはリスクの高い人々にしぼって介入する手法である。
- 行動変容ステージモデル概念
行動変容ステージモデルは、健康行動の変化を、無関心期に始まり関心期・準備期・実行期を経て維持期に至る 5 つの段階としてとらえ、段階ごとに適した介入を選ぶ枠組みである。
- 社会的健康規定要因(SDH)・スティグマ概念
社会的健康規定要因(SDH)とは、所得・教育・職業・人とのつながり・社会的な孤立など、医療の外側にある生活環境や社会の構造を指す。
- 医学史・ノーベル賞概念
医学史では重要な医学的発見とそれを成し遂げた人物の組み合わせが問われ、ノーベル生理学・医学賞の受賞業績もあわせて頻出する。
疫学
- 研究デザイン概念
研究は介入の有無により、人為的な操作を加える介入研究と、対象をありのまま観察する観察研究に大別される。
- コホート研究概念
コホート研究は要因(曝露)の有無で集団を 2 群に分け、前向きに追跡して疾患の発生を比較する観察研究である。
- 症例対照研究概念
症例対照研究は、ある病気がある人とない人を分けて集め、過去にさかのぼり原因となる要因を比べる観察研究である。
- ランダム化比較試験(RCT)概念
RCT (ランダム化比較試験) は、対象者を介入群と対照群へ無作為に割り付け、両群を比較して介入の効果を検証する研究手法である。
- 有病率・罹患率・率と比概念
有病率は、ある一時点でその疾病に罹患している者の割合を示す指標である(時点調査)。
- 相対危険度(リスク比)・オッズ比概念
相対危険度(リスク比、RR)は、危険因子に曝露した群の罹患率を曝露していない群の罹患率で割った比(Ie/Io)で、コホート研究から求められ、危険因子にさらされることで疾病の発生する確率が何倍になるかを示す。
- 寄与危険割合概念
寄与危険割合は曝露群で曝露によって増えた罹患の割合を示し、集団寄与危険割合〈PAF〉は要因を取り除いたとき集団全体の発症者のうち予防できる割合(分母は集団全体の罹患数)を示す。
- 疫学における誤差・交絡概念
誤差は測定や推定で得られた値と真の値との差で、偶然誤差と系統誤差(バイアス)に大別される。
- 検定概念
統計的仮説検定のP値は、帰無仮説(両群に差がない)が正しいと仮定したときに、観察された群間差が生じる確率である。
- 遺伝子-環境交互作用概念
遺伝子-環境交互作用とは、一方の要因 (例: 遺伝要因) の有無によって、もう一方の要因 (例: 環境曝露・飲酒習慣) が疾患に及ぼす影響の大きさ (相対危険度) が異なる現象をいう。
- スクリーニング概念
スクリーニングは、集団の中から疾患の疑いのある者を早期に見つけ出すための検査である。
- 感度・特異度概念
ROC曲線はカットオフ値を変化させたときの、縦軸に感度・横軸に「1−特異度」(偽陽性率)をとった関係を描く曲線であり、感度と尤度比から描くものではない。
- 検査前確率・検査後確率・反応適中度概念
検査前確率 (事前確率) は、検査を行う前に病歴などから推定する、その患者が疾患をもつ見込みである。これに対し検査後確率 (事後確率) は、検査結果を加味した後の疾患の確からしさを指す。前者は病歴聴取で得られる情報量に応じて変わる。
- 尤度比概念
尤度比は検査の診断能を表す指標であり、陽性尤度比は感度を(1−特異度)で割って算出する。
- EBM(根拠に基づいた医療)概念
EBM(根拠に基づいた医療)は、最善の科学的根拠を医師の臨床判断と統合して医療を行う方法論である。
- 診療ガイドライン制度・法規
診療ガイドラインは最良のエビデンス(EBM)に基づき、特定の臨床状況での推奨を体系的にまとめた文書である。
- メタアナリシス(メタ分析)概念
メタアナリシスは複数の研究から同じ疫学指標を抽出して統合し、まとめた指標を算出する研究手法である。
保健統計
- 日本の総人口・人口構成・人口転換概念
日本の総人口に関する統計は、5年ごとの国勢調査や毎年の人口動態統計によって把握される。
- 国勢調査概念
国勢調査は5年に1度実施される全数調査であり、ある時点の人口を把握する人口静態統計に分類される(人口動態調査ではない)。
- 人口動態統計概念
人口動態統計は出生・死亡・婚姻・離婚・死産の 5 事象に関する統計で、厚生労働省が毎年公表する。
- 出生率概念
合計特殊出生率は1人の女性が生涯に産む子どもの数を年齢別出生率から推計した値である。
- 生命表・平均寿命概念
生命表は、年齢別の死亡率をもとに各年齢の生存数や生存率・平均余命などを算出してまとめた統計表である。
- 死因統計概念
死因統計は人口動態統計の一部であり、主な死因別の死亡率がどのように移り変わってきたかを示す。
- 悪性新生物の疫学・死亡統計概念
部位別の悪性新生物死亡順位と年齢調整死亡率の動向に関する疫学。
- 自殺統計概念
自殺統計は、わが国の自殺者数・自殺死亡率や、その動機・手段・年齢分布などの動向を扱う人口動態の指標群である。
- 不慮の事故〈年齢階級別事故死〉概念
不慮の事故による死亡は、年齢階級によって主要な死因の構成が大きく異なり、予防の重点も年齢ごとに変わる。
- 標準化死亡比(SMR)概念
標準化死亡比(SMR)は、ある集団で実際に観察した死亡数を、別に算出した期待死亡数で割って求める間接法の年齢調整指標である。
- 患者調査概念
患者調査は厚生労働省が実施する基幹統計で、全国の医療施設を利用する患者数や受療状況を推計する。
- 国民生活基礎調査概念
国民生活基礎調査は、国民の保健・医療・福祉・年金・所得など生活の実態を把握するために厚生労働省が実施する基礎的な統計調査である。
- 雇用・労働力統計概念
労働力統計(労働力調査)は、完全失業率や年齢階級別の就業者数の推移などを示す、総務省の基幹統計である。
- 高齢化の国際比較概念
高齢化の国際比較では、老年人口割合(65 歳以上人口の割合)を諸外国と比較する知識が問われる。
医の倫理と患者の人権
- 医療倫理の4原則概念
医療倫理の4原則は自律尊重・善行 (与益)・無危害・公正 (正義とも呼ぶ) の4つからなり、臨床における意思決定の基盤となる。
- ヒポクラテスの誓い・ジュネーブ宣言制度・法規
ヒポクラテスの誓いは、古代ギリシャに起源を持ち、医師が守るべき職業倫理について記された宣誓文であり、後のジュネーブ宣言の原型となった。
- ヘルシンキ宣言制度・法規
ヘルシンキ宣言は、世界医師会が採択した、人(ヒト)を対象とする医学研究の倫理原則を定めた国際的な宣言である。
- リスボン宣言制度・法規
リスボン宣言は、患者の権利を国際的に示した宣言で、世界医師会 (WMA) が採択したものである。
- 医師の職業倫理指針概念
医師の職業倫理指針は、医師が遵守すべき倫理的な行動規範を定めたもので、日本医師会が策定している。
- 医師のプロフェッショナリズム概念
医師のプロフェッショナリズムとは、医師に求められる倫理的・社会的な行動規範である。
- インフォームド・コンセント概念
インフォームド・コンセント (IC)は、医療者が病状・治療法・代替案・リスク・予後を十分に説明し、患者が理解したうえで同意する一連のプロセスであり、承諾書(同意書)そのものを指すのではない。
- 患者の自己決定権・共同意思決定(SDM)・市民参画(PPI)概念
患者の自己決定権は医療における意思決定の最優先原則であり、障害の有無にかかわらず患者本人の意向が尊重される。その根拠は患者の価値判断を最優先する点にある(リスボン宣言に基づく)。
- セカンドオピニオン概念
セカンドオピニオンは、他の医師の意見を求めることを患者の権利として認める仕組みである。
- 医療面接概念
医療面接は患者の主訴・現病歴・既往歴・解釈モデル・心理社会背景を把握し、信頼関係を構築するための対話技法であり、開放型と閉鎖型の質問を組み合わせ、共感的な応答態度を中心に展開される。
- 患者とのコミュニケーション概念
患者とのコミュニケーションでは、患者の自己決定権を尊重し、傾聴と共感を基本としつつ、明確な情報提供と感情への配慮を行う双方向の対話が求められる。
- SPIKESモデル概念
SPIKESモデルは、悪い知らせの伝え方の6段階モデルである(場面設定・認識・希望・情報提供・共感・戦略)。
- 服薬アドヒアランス概念
服薬アドヒアランスとは、患者が自らの意思で治療方針に同意し服薬を続ける態度を指す。
- 個人情報保護制度・法規
個人情報保護法のもとで、医療機関は患者の個人情報を本人の同意なく第三者に提供してはならない。
- 研究倫理制度・法規
人を対象とし介入を伴う医学研究は、被験者保護のため、実施前に倫理審査委員会による倫理審査を経てから開始される。
- 臨床試験・治験概念
臨床試験は新薬の有効性・安全性を評価する試験で、非臨床試験・第I〜III相を経て製造販売され、市販後に第IV相が行われる。
医師法と関係法規
- 医師法制度・法規
医師法は、医師の資格・免許・国家試験・業務・義務・行政処分などを定める基本的な法律で、医師の身分と医療行為の根拠を規律する。
- 医師の義務制度・法規
医師の義務は応召義務や届出義務など、それぞれ個別の法律に根拠規定が置かれている。
- 異状死とその届出義務制度・法規
異状死とは、診療中の経過からは予期できない死や、外因 (事故・中毒・自殺・他殺) による死などをいい、通常の病死とは区別される。
- 薬事制度(医薬品医療機器等法・薬剤師・PMDA)制度・法規
医薬分業・薬価・PMDAなど医薬品医療機器等法に関わる薬事制度。
- 麻薬及び向精神薬取締法制度・法規
麻薬の保管・廃棄・事故届出・施用記録などを定める法律。
診療情報と各種証明書
- 診療録(カルテ)制度・法規
診療録 (カルテ) は、医師が診療の内容を記載することを医師法で義務づけられた公的な文書である。
- 問題志向型医療記録(POMR・SOAP)概念
POMR (問題志向型医療記録) は診療録の記載様式で、まずプロブレムリストを作り、各問題を SOAP の順で記述する。
- システムレビュー概念
システムレビュー(ROS)では、患者の主訴と直接関係しない症状まで皮膚・頭部・頸部・胸部など臓器の系統ごとにもれなく尋ね、医療面接の終盤に行うことで、主訴のみでは思い至りにくい病気の見落としを防ぐ。
- 入院診療計画書制度・法規
医療法に基づき入院から7日以内に作成・交付する書面。傷病名・入院期間・検査計画等を記載する。
- 処方箋・お薬手帳概念
処方箋は医師が患者に投与する薬剤の種類・用量・用法を記載した文書であり、調剤の根拠となる。
- 治療薬物モニタリング(TDM)概念
TDM(治療薬物モニタリング)は、薬物の血中濃度を測りながら有効域に収まるよう投与量を調整する手法である。
- 死亡診断書制度・法規
死亡診断書と死体検案書は、ある人の死を法律的かつ医学的に証明する唯一の公文書である。
- 出生証明書・死産証書制度・法規
出生証明書は分娩に立ち会った医師または助産師のみが記載でき出生届に添える書類であり、立ち会わなかった医師・保健師・看護師・家族は作成できない。
終末期医療と死の概念
- 終末期医療概念
終末期医療 (エンド・オブ・ライフケア) は回復が見込めない患者に延命より QOL 維持・苦痛緩和を重視し、患者の自己決定権と尊厳を尊重するケアである。
- ACP・リビングウィル・DNAR(事前指示)概念
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は将来の意思決定能力の低下に備え、患者の価値観や治療の希望を事前に話し合う過程である。
- 緩和ケア概念
緩和ケアは生命を脅かす疾患に伴う苦痛を予防・緩和することで、患者と家族のQOLを改善するアプローチである(WHO 2002 定義)。
- がん性疼痛管理概念
がん性疼痛管理は、癌患者の痛みを WHO 方式に基づき段階的な鎮痛薬で和らげる治療体系である。
- 悪液質疾患
担癌や慢性消耗性疾患による高度の栄養失調と全身衰弱。骨格筋の分解が亢進し栄養補給でも改善しにくい。
- 死の受容・グリーフケア概念
グリーフケアとは、身近な人との死別に伴う悲嘆反応に対して提供されるケアの総称である。
- 死の判定(三徴候・法的脳死判定)概念
法的脳死判定は、脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に失われたことを確認する法定の手続きである。
- 臓器移植制度・法規
臓器移植は臓器の機能不全に対し他者の臓器を移植する治療であり、我が国では臓器移植法に基づいて行われる。
- 解剖(病理・行政・司法)・死関連法規概念
病理解剖(剖検)は、病死体に対し遺族の承諾を得て死因の究明や病態の解明のために行う解剖で、死因が既に明らかな場合でも遺族の希望があれば実施でき、その結果は家族に説明される。
- 死体現象・生活反応概念
死斑は死後に血液が重力で身体の低い部位に集まり皮膚が紫赤色を呈する所見 (皮下出血ではない) で、死の確徴 (確定徴候) の一つである。
- 窒息死・縊頸死(溢血点)概念
死体の眼瞼結膜にみられる溢血点は死亡前の頭部うっ血を示す法医学的所見で、絞頸や胸腹部の圧迫による窒息死で強く発現する。
- 医療事故調査制度制度・法規
医療関連死とは、診療の過程で生じた予期しなかった死亡で、診療と直接の因果関係がある死亡を指す。
医療の質と安全の確保
- 医療安全・医療安全管理概念
医療安全とは、医療行為に伴う有害事象を予防し、発生した事象の再発を防止するための組織的な体制をいう。
- インシデントレポート制度・法規
インシデントは、現に患者へ実害は生じていないものの、わずかな手違いで害が及びえた事例 (= ヒヤリ・ハット) を指す。
- 医療安全支援センター概念
医療安全支援センターは、医療法に基づき設置され、患者の相談や苦情に対応する窓口機関である。
- 医療の質・クリニカルインディケーター概念
医療の質は、患者中心性をはじめ、有効性・適時性・公平性・安全性など多面的な要素から評価される。
- クリニカルパス概念
クリニカルパスは医療行為の標準化により医療の質を保証し、根拠に基づく医療の実践と在院日数の短縮に寄与する。
医療法と医療体制
- 医療法制度・法規
医療法は医療提供体制の基盤を定める法律であり、各都道府県が立てる医療計画の根拠ともなる。
- 医療計画概念
医療計画は、医療法に基づき各都道府県が地域の実情に応じて医療提供体制を確保するために策定する基本計画である。
- 医療圏制度・法規
医療圏は医療法に基づく医療提供体制の地理的単位で、身近な医療を担う一次、一般的な入院医療を担う二次、高度・専門医療を担う三次の3段階に分けられる。
- 病院・病床の種別(特定機能・地域医療支援・病床)概念
地域医療支援病院は、かかりつけ医などを支援して地域医療の充実を図るための病院である。
- 地域医療構想・地域連携クリニカルパス概念
地域医療構想は将来必要となる医療機能の量を、二次医療圏を単位とする構想区域ごとに見積もり、機能の分化と連携を都道府県が主体となって進める構想である。
- 救急医療体制概念
重症度別に初期・二次・三次救急に区分される救急医療の体制。三次は救命救急センターが担う。
- 災害医療概念
災害医療は大規模災害時に被災者に対して行われる医療活動全般を指す概念で、DMATの活動だけを指すのではない。
- へき地医療概念
へき地医療支援機構は、医療が届きにくいへき地・離島への医療支援を都道府県単位で担う組織である。
- チーム医療・多職種連携概念
チーム医療とは、複数の専門職が対等な立場で連携し、それぞれの専門性を活かして患者中心の医療を実践する体制であり、看護師主体や医師主体で構成するものではない。
- コメディカル業務と医師指示概念
各コメディカル職種の業務範囲と、医師の指示を要する医療行為の区分。
- 医療従事者の就業者数概念
医療従事者の就業者数は職種ごとに大きく異なり、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・保健師などが含まれる。
- 退院後ケア計画概念
退院後ケア計画は、入院中の患者が退院後に安定した生活を送れるよう、医療・介護・家族支援を含めて策定する計画である。
- オンライン診療概念
リアルタイム双方向通信による遠隔診療。対面同様に処方箋の交付が認められる。
- 医師の働き方改革制度・法規
医師の働き方改革は、研修医を含む医師の労働時間に上限規制を設け、長時間労働を是正する枠組みである。
- トランジション医療概念
移行期医療は、小児期に発症した慢性疾患の患者が成人診療科へ移る際に、薬の管理や受診を少しずつ自分で行えるよう支える医療である。
社会保障と医療経済
- 社会保障制度・社会福祉概念
憲法25条の生存権を基盤とする社会保障・社会福祉の制度と根拠法。
- 医療保険制度(混合診療含む)制度・法規
日本の医療保険制度は、すべての国民がいずれかの公的医療保険に加入する国民皆保険制度を原則とする社会保険である。
- 高額療養費制度制度・法規
高額療養費制度は、医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超過分が支給される制度である。
- 国民医療費・医療経済概念
国民医療費は、保険診療の対象となる傷病の治療に要した費用の推計であり、厚生労働省が毎年公表する。
- 公費負担医療制度・法規
公費負担医療は公費で医療費をまかなう制度であり、全額を公費で持つ公費優先と、医療保険を先に使う保険優先との二つに大別される。
- 生活保護制度・法規
生活保護は生活に困窮する者に対し、健康で文化的な最低限度の生活を保障する公的扶助の制度である。
- 相対的貧困・社会経済環境概念
相対的貧困は、等価可処分所得 (= 世帯の収入を世帯員数で調整した所得) が社会全体の中央値の半分を下回る状態をいい、世帯規模により判定が変わる。
地域保健
成人保健と健康増進
- 健康日本21制度・法規
健康日本21 は、国民の健康づくり (健康寿命の延伸) を推進することを目的とした国の健康増進施策である。
- 健康増進法制度・法規
健康増進法は国民の健康の増進の総合的な推進に関する基本的事項を定める法律である。
- 特定保健指導制度・法規
メタボ健診(40〜74歳)でリスクを階層化して行う保健指導。
- 生活習慣リスク因子(飲酒含む)概念
生活習慣リスク因子は、喫煙・飲酒・食習慣・運動不足など、生活習慣病の発症に関わる修正可能な因子の総称である。
- 非感染性疾患(NCDs)概念
非感染性疾患(NCDs)は、感染性疾患に対する概念で、生活習慣に関連して慢性の経過をたどる疾患の総称である。
- たばこ対策制度・法規
たばこ対策とは、たばこ煙の発がん性物質・ニコチン依存・受動喫煙による健康被害を予防する公衆衛生施策で、規制法の整備・受動喫煙の防止・ニコチン依存症治療の保険適用などからなる。
- がん対策(がん検診・がん登録・患者支援)概念
対策型がん検診は、地域住民を対象として死亡率減少を目的に公的に行われるがん検診の制度である。
- 自殺対策概念
希死念慮・自殺企図への危機介入と予防。自殺リスクの高い人を一人にしないことが原則。
母子保健
- 母子保健法制度・法規
母子保健法は、母性ならびに乳幼児の健康の保持と増進を図ることを目的として制定された法律である。
- 母子健康手帳概念
母子健康手帳は、妊娠の届出をした者に交付され、妊娠・出産・育児に関する情報を一元的に記録・管理する手帳である。
- 乳幼児健康診査制度・法規
乳幼児健康診査は母子保健法に基づき、発育・発達・疾病の早期発見を目的に実施される健診である。
- 新生児マススクリーニング概念
新生児マススクリーニングは、先天性の代謝異常などを早く見つけるために全新生児を対象に行う検査である。
- 母子保健統計(乳児・周産期・妊産婦死亡)概念
乳児死亡率は、生後1年未満の死亡数を出生1000に対する比で表す母子保健指標である。
- 母体年齢別出生統計概念
母体年齢別出生統計は、年間の総出生数に対する各年齢層の出生数の割合を示す保健統計である。
- 健やか親子21制度・法規
健やか親子21(第2次)は3つの基盤課題と2つの重点課題からなる母子保健の国民運動計画である。
- 母体保護法概念
母体保護法は、母性の生命健康を保護する目的で、不妊手術および人工妊娠中絶に関する事項を定めた法律である。
- 児童虐待・DV・性暴力被害への対応制度・法規
児童虐待防止法は「児童虐待の防止等に関する法律」の通称であり、虐待の定義・通告義務・保護者への措置などを定める。
- 児童相談所概念
児童相談所は都道府県(指定都市等を含む)が設置する児童福祉の専門機関で、その所長は医師である必要はない。
- 次世代育成支援対策推進法制度・法規
次世代育成支援対策推進法は、子どもが健やかに生まれ育成されることを目的とする法律である。
- 遺伝カウンセリング概念
遺伝カウンセリングではまず疾患に関する情報提供を行い、検査の可否は本人の自律的判断に委ねるもので、医師がクライアントの意思決定を誘導してはならない(意思決定権はクライアントにある)。
- 小児入院療養環境概念
小児入院療養環境は、入院中の小児患者の心身の成長・発達を支える医療・生活環境の総称である。
高齢者保健
- 介護保険制度(施設サービス含む)制度・法規
介護保険制度は介護保険法を根拠とし、40 歳以上から徴収する保険料と公費を財源に、要介護・要支援と認定された高齢者へ介護サービスを現物で給付する社会保険である。
- 要介護認定概念
要介護認定は介護保険のサービスを利用するために必要な介護の度合いを判定する手続きである。
- 地域包括ケアシステム・地域包括支援センター概念
地域包括支援センターは、高齢者の保健・福祉・介護を総合的に支援する地域の中核的な相談窓口である。
- 在宅医療概念
在宅医療は、通院が困難な患者の自宅や施設を医療者が訪問して提供する医療であり、外来・入院と並ぶ医療提供の形態の一つである。
- 訪問看護制度制度・法規
訪問診療は通院が困難な患者の居宅に医師が定期的に訪問して継続的に行う在宅診療である。
- ポリファーマシー概念
ポリファーマシーは、必要以上に多くの薬剤を併用することで有害事象の危険が高まる状態をいう。
- 後期高齢者医療制度制度・法規
後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者を対象とする独立した医療保険制度であり、従来の被用者保険の一部ではない。
- 高齢者虐待防止・成年後見制度(権利擁護)制度・法規
高齢者虐待防止法は、高齢者に対する虐待の防止と養護者への支援を目的とする法律である。
- 医療ソーシャルワーカー概念
医療ソーシャルワーカー(MSW)は、医療機関における社会福祉の専門職であり、療養や退院に関する施設間の連携調整を担う。
- ヒートショック(入浴関連事故)概念
ヒートショックとは、急な温度差によって血圧が大幅に上下し、心筋梗塞や脳卒中の引き金となる状態をいう。
障害者福祉
- 国際生活機能分類(ICF)概念
ICF(国際生活機能分類)は WHO が策定した分類で、健康状態を生活機能(心身機能、次に身体構造、加えて活動・参加)と背景因子(環境因子と個人因子)の 2 部構成でとらえる。
- 障害者福祉・ノーマライゼーション概念
ノーマライゼーションとは、障害のある人が健常者とともに地域で普通に暮らせる社会の実現を目指す理念である。
- 障害の受容概念
障害受容は時間を要する過程であり、いったん受容に至っても一気に完成するものではない。
- リハビリテーション概念・回復期リハ病院概念
リハビリテーションは、急性期を含む発症後早期に開始し、患者の生活機能の改善や社会参加を支援する取り組みである。
- ユニバーサルデザイン概念
ノーマライゼーション・バリアフリー・ユニバーサルデザインは障害者福祉の基本理念にかかわる概念である。
- QOL(Quality of life)概念
QOL(生活の質)は身体面・精神面・社会面の3要素からなる、生活の質を表す総合的な指標である。
精神保健福祉
- 精神保健福祉法制度・法規
精神保健福祉法は、精神障害者の医療と保護および社会復帰の促進を目的とする法律である。
- 精神科入院形態・精神保健指定医制度・法規
精神科入院は精神保健福祉法に基づき、任意入院・医療保護入院・措置入院など複数の形態が定められている。
- 精神保健福祉センター制度・法規
精神保健福祉センターは、地域の精神保健福祉に関する技術的中核を担う行政機関として位置づけられる。
- 精神科デイケア・社会復帰施設概念
精神科デイケアは、精神障害者の社会復帰を支援する通所リハビリテーションのプログラムである。
- 医療観察法制度・法規
医療観察法は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療および観察等に関する法律である。
- 精神障害者の医療統計概念
精神病床の在院日数や入院疾患(統合失調症が最多)などの精神科医療統計。
感染症対策
- 感染症法制度・法規
感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、1998年制定)は、感染症を危険度に応じて1〜5類などに分類し、届出義務・入院勧告・就業制限・公費負担を定める法律である。
- 感染症発生動向調査概念
感染症発生動向調査は、患者が発生したときの防疫(発生の予防)をねらいとして、感染症の患者報告数がどう推移するかを把握する仕組みである。
- 予防接種制度・法規
予防接種は予防接種法に基づき、定期接種(A類疾病は集団予防、B類疾病は個人予防)・任意接種・臨時接種に分類される。
- ワクチンの種類概念
ワクチンは感染症予防に用いる生物学的製剤で、予防接種法に基づく定期接種と本人の希望による任意接種に大別される。
- 標準予防策・個人防護具(PPE)概念
標準予防策は、感染症の有無にかかわらずすべての患者に適用する感染対策の基本である。
- 院内感染対策概念
院内感染対策は、医療施設の中での病原体の伝播を防ぐための組織的な管理体制である。
- 検疫法・渡航医学制度・法規
検疫とは、有害物質や病原体を、海外から国内へ持ち込ませず、国外へも持ち出させないよう、空港や港湾で確認する業務である。
- 新興・再興感染症・人獣共通感染症概念
新興・再興感染症は新たに出現した、あるいは再び流行が拡大した感染症の総称である。
- バイオテロリズム疾患
バイオテロリズムは、病原体や毒素を意図的に拡散して人を害する行為であり、用いられる可能性の高い病原体が知られている。
食品保健
栄養
学校保健
産業保健
- 産業保健(総論・THP・高齢労働者対策)概念
産業保健は、働く人の健康障害を防ぎ、安全で快適な職場をつくるための保健医療活動である。
- 産業医概念
産業医は、労働安全衛生法に基づき事業場で労働者の健康管理や安全衛生の助言・指導を行う医師である。
- 健康診断(一般・特殊・生物学的モニタリング)概念
職場の健康診断は労働安全衛生法に基づき事業者が実施するもので、雇入時健診や定期健診などが法令で規定されている。
- 作業環境管理・許容濃度概念
労働衛生の3管理は、有害物質を扱う場をととのえる作業環境管理・作業のやり方をととのえる作業管理・労働者の状態をみる健康管理の3本柱からなる。
- 職業性疾患(職業癌・振動障害含む)概念
職業性疾患は、労働の形態や作業環境への曝露に起因して生じる健康障害の総称で、職業癌・じん肺・振動障害などを含む。
- 作業態様による障害(職業性腰痛・頸肩腕症候群)概念
頸肩腕症候群は、長時間のパソコン作業 (VDT作業) などの不良姿勢により後頸部から両肩に筋緊張をきたす病態で、若年労働者に好発する。
- メンタルヘルス対策概念
職場のメンタルヘルス対策は、労働者の心の健康を維持・促進するための取り組みの総称で、4つのケアから構成される。
- 労働者災害補償保険法(労災保険)制度・法規
労働者災害補償保険(労災保険)は、業務上の事由や通勤による労働者のけがや病気などに対して給付を行う制度である。
- 産前産後休業制度・法規
産前産後休業は労働基準法に基づき、妊産婦に認められた就業を免除される期間である。
- 妊産婦の就労保護・母性健康管理措置概念
事業者は法令に基づき、妊娠中および産後の女性労働者に対して母性を保護する措置を講じる義務を負う。
環境保健
国際保健
- 国際保健・国際協力(ODA・JICA)概念
国際保健とは、世界規模での健康課題に国際的な協力を通じて取り組む公衆衛生の一分野である。
- 世界保健機関(WHO・健康定義)制度・法規
世界保健機関(WHO)は国際連合の専門機関の一つで、保健衛生分野の国際協力を担う。
- 国際機関概念
国際保健に関わる主要な国際機関には、WHO・UNICEF・JICA・UNESCO・UNHCR・ILO・FAO などがある。
- 保健医療の国際宣言・提言制度・法規
保健医療に関する国際的な提言・宣言は、各分野の基本原則や理念を定めたものである。
- SDGs・UHC概念
SDGsは、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で採択された17の目標である。