皮膚科の国試出題テーマ
皮膚科で医師国家試験に出題されたテーマ56件を中分類ごとに整理し、第100〜120回での出題数を添えました。CBT対策のテーマ3件も含みます。
皮膚科総論
- 皮膚の解剖・構造と機能概念
皮膚は表皮・真皮・皮下組織の 3 層からなる人体最大の臓器で、各層に特有の細胞と付属器が存在する。
10問 - 皮膚科検査法概念
皮膚科の主な検査法にはTzanck試験・硝子圧法・ダーモスコピー・苛性カリ (KOH) 直接鏡検法・サーモグラフィーなどがある。
6問 - 発汗概念
掌蹠多汗症では、汗を出すエクリン汗腺そのものの数は変わらず、その働きが過剰に高まることで生じる。
3問 - デルマドローム概念
デルマドロームとは、内臓悪性腫瘍などの基礎疾患に伴って出現する皮膚病変の総称である。
4問 - 表皮の細胞動態・角化とバリア機能概念
基底層から角層へ至る表皮の分化(角化)とターンオーバー、および皮膚が担うバリアと免疫防御の仕組み。
湿疹・皮膚炎・蕁麻疹
- 湿疹疾患
掻痒を伴う表皮の炎症。紅斑→丘疹→小水疱→落屑へと至る湿疹三角の経過を辿る。
2問 - 接触皮膚炎疾患
IV型アレルギー(遅延型)による皮膚炎。接触部位に一致した紅斑を呈し、パッチテストで診断。
4問 - アトピー性皮膚炎疾患
アトピー性皮膚炎は IgE 関連の皮膚バリア障害を基盤とし、乳児期から瘙痒を伴う湿疹が左右対称性に慢性・反復性に消長を繰り返す炎症性皮膚疾患である。
8問 - 色素性蕁麻疹疾患
色素性蕁麻疹は皮膚への肥満細胞の浸潤を特徴とする肥満細胞症の一型で、小児に好発する。
4問 - 蕁麻疹疾患
蕁麻疹は、一過性の膨疹(浮腫性紅斑)が痒みを伴って出没することを特徴とする皮膚疾患である。
5問 - 血管性浮腫疾患
血管性浮腫 (Quincke 浮腫)は皮下組織・粘膜下組織に生じる限局性の浮腫を呈する疾患である。
1問
紅斑・紫斑・薬疹
- 薬疹疾患
薬疹は薬剤摂取に起因するアレルギー性または免疫性皮膚反応の総称で、固定薬疹・蕁麻疹型・多形滲出性紅斑型・Stevens-Johnson症候群 (SJS)・ 中毒性表皮壊死症 (TEN)・ 薬剤性過敏症症候群 (DIHS)など多様な臨床型を含
12問 - 中毒性表皮壊死症(TEN)疾患
中毒性表皮壊死症 (TEN)は重症薬疹の一型で、広範囲の表皮壊死・剥離を来す致死的疾患である。
8問 - 結節性紅斑疾患
結節性紅斑は下肢伸側に急性・多発性に生じる有痛性の紅色皮下結節で、様々な全身疾患に随伴する反応性の脂肪織炎である。
7問 - Sweet病疾患
Sweet病 (急性好中球性皮膚症) は好中球の遊走を背景に、発熱とともに圧痛のある浸潤性紅斑が顔面・四肢に出現する皮膚疾患である。
4問 - 紫斑疾患
紫斑は疼痛や掻痒感をともなわない赤紫色の皮疹で、硝子圧迫法 (diascopy) で圧迫しても退色しないのが特徴である (圧迫で退色すれば紅斑)。
3問 - 凍瘡疾患
凍瘡 (しもやけ)は寒冷曝露を契機として手足指などの末梢に生じる炎症性病変である。
1問 - Kaposi水痘様発疹症疾患
Kaposi水痘様発疹症はアトピー性皮膚炎等の皮膚バリア障害を背景に、単純ヘルペスウイルスが二次感染することで広範な水疱・びらんを生じる疾患である。
6問 - 紅皮症と皮膚そう痒症概念
全身が紅斑と落屑で覆われる紅皮症と、皮疹がないのに痒みが続く皮膚そう痒症の原因と診療。
- 血管炎の皮膚症状(血管サイズ別)概念
障害される血管の太さによって皮膚症状が変わることを軸に、血管炎の皮膚所見を読む。
炎症性角化症・付属器
- 尋常性乾癬疾患
尋常性乾癬は境界明瞭な紅斑上に銀白色の厚い鱗屑を付着する慢性の炎症性角化症で、四肢伸側・頭部・体幹に好発する。
11問 - 乾癬性関節炎疾患
乾癬性関節炎は乾癬に合併する炎症性関節疾患であり、HLA-B27 陽性、リウマトイド因子陰性の血清陰性脊椎関節炎に分類される。
5問 - 扁平苔癬疾患
紫紅色で光沢のある扁平丘疹と口腔粘膜疹を呈する。Wickham線条が特徴でKoebner現象を示す。
6問 - Darier病疾患
Darier 病は ATP2A2 遺伝子変異による常染色体優性遺伝の角化異常症である。
2問 - 尋常性痤瘡・酒さ疾患
尋常性痤瘡 (にきび)は、毛包と皮脂腺を場とする慢性の炎症性疾患であり、思春期に好発する。
3問 - 円形脱毛症疾患
毛包への自己免疫機序により境界明瞭な円形脱毛斑を生じる。ステロイド外用が第一選択。
1問 - 壊疽性膿皮症疾患
壊疽性膿皮症は、中心部に潰瘍を伴う紅斑を呈する原因不明の無菌性の好中球性皮膚疾患である。
4問 - 鶏眼疾患
鶏眼は持続的な圧迫・摩擦で生じる限局性の角質増殖性病変であり、中心に楔状の角質芯をもち圧痛を伴うのが特徴である。
1問
水疱症・膿疱症
色素異常・母斑
- 真皮メラノサイト系母斑(太田母斑・蒙古斑・ウンナ母斑)疾患
太田母斑は顔面の三叉神経領域に好発する青褐色斑で、真皮メラノサイトが増生して生じるメラニン性の色素斑である。
7問 - 色素性母斑疾患
色素性母斑は色素細胞 (メラノサイト) 由来の良性腫瘍であり、いわゆる「ほくろ」にあたり、先天性のものと後天性のものがある。
2問 - 単純性血管腫疾患
単純性血管腫は出生時から存在する顔面等の境界明瞭な紅色皮疹を呈する母斑で、加齢で自然消退せず成長とともに拡大する。
1問 - 尋常性白斑疾患
尋常性白斑は色素細胞 (メラノサイト) の破壊により皮膚に境界明瞭な脱色素斑 (白斑) を生じる後天性の疾患である。
2問 - 黒色表皮腫疾患
黒色表皮腫は腋窩・鼠径部などの間擦部に出現する、角化を伴う褐色の色素沈着性皮疹である。
3問 - 色素失調症疾患
色素失調症は新生児期から下肢を中心に水疱を生じ、その後水疱跡に色素沈着が出現する遺伝性皮膚疾患である。
1問
感染性皮膚疾患
- 伝染性膿痂疹疾患
黄色ブドウ球菌やA群溶連菌による急性の皮膚感染症(とびひ)。水疱・痂皮を生じ伝染する。
4問 - ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群 (SSSS)疾患
SSSS (ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群) は、全身の皮膚が熱傷のように発赤・剥脱する急性の表皮剥脱性疾患である。
4問 - 皮膚真菌症疾患
皮膚真菌症は皮膚・粘膜・付属器に真菌が感染して生じる疾患群であり、起因菌により癜風 (Malassezia)と白癬 (白癬菌)に大別される。
5問 - 皮膚軟部組織感染症(蜂窩織炎・壊死性筋膜炎・ガス壊疽)疾患
蜂窩織炎 (蜂巣炎)は表皮から真皮・皮下脂肪組織に及ぶ細菌感染であり、病態の主体は皮下組織の炎症で表皮の変化ではない。
25問 - 口唇ヘルペス疾患
口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルス (HSV) の再活性化により生じ、ぴりぴり感に続いて上口唇等に有痛性の小水疱が集簇し、年1〜2回同一部位に反復出現して7〜10日程度で軽快する。
1問 - 伝染性軟属腫疾患
伝染性軟属腫ウイルス(ポックスウイルス)による中央臍窩のある小丘疹(水いぼ)。
1問 - 皮膚結核(Bazin硬結性紅斑・尋常性狼瘡)疾患
硬結性紅斑は皮膚結核の一型 (Bazin 硬結性紅斑) で、中高年女性の下腿に好発する。
3問 - Hansen病疾患
Hansen 病は Mycobacterium leprae による慢性感染症であり、皮膚と末梢神経を主病変とする。
4問
皮膚腫瘍
- 脂肪腫疾患
脂肪腫は成熟脂肪細胞からなり、皮下組織から筋層にかけて発生する被膜を有する良性腫瘍である。
1問 - 類表皮嚢腫疾患
類表皮嚢腫 (粉瘤)は嚢腫に分類される皮膚病変であり、被覆皮膚と癒着し波動を触れる。
2問 - リンパ管腫疾患
小児の頸部などに生じるリンパ管由来の軟らかい嚢胞性腫瘤。穿刺で透明なリンパ液を吸引する。
2問 - ケラトアカントーマ疾患
日光曝露部に急速増大した後に自然縮小する有棘細胞由来の良性腫瘍。中央に角栓をもつ。
2問 - ケロイド疾患
ケロイドは創傷治癒過程で生じる瘢痕性皮膚病変で、原瘢痕の範囲を越えて拡大傾向を示す点で、自然退縮傾向を示す肥厚性瘢痕と区別される。
1問 - 日光角化症疾患
日光角化症(光線角化症)は、長期の紫外線曝露により生じる表皮内癌(前癌病変)で、進行すると有棘細胞癌へ移行しうる。
4問 - Bowen病疾患
Bowen病は表皮内有棘細胞癌 (上皮内癌)であり、慢性ヒ素中毒で発症することがある。
4問 - 有棘細胞癌疾患
有棘細胞癌は、表皮の有棘層を構成する角化細胞から発生する代表的な皮膚悪性腫瘍である。
6問 - 基底細胞癌疾患
基底細胞癌は、表皮の基底細胞に由来する皮膚悪性腫瘍であり、皮膚癌のなかで最も頻度が高い。
3問 - 悪性黒色腫疾患
メラノサイト由来の悪性腫瘍。日本人は末端黒子型が最多で、ABCDEルールと深達度が重要。
9問 - 乳房外Paget病疾患
乳房外 Paget 病は陰嚢部や外陰部などのアポクリン腺の多い部位に発生する腺由来の皮膚癌である。
3問 - Kaposi肉腫疾患
Kaposi 肉腫は HHV-8 の感染が関与する血管系の腫瘍性疾患で、暗赤色の斑状皮疹が多発するのが特徴である。
2問 - 血管肉腫疾患
血管肉腫は血管内皮由来の悪性腫瘍で、高齢男性の頭部・顔面に好発する予後不良の腫瘍である。
4問