AI の診断支援を使う医師へ|判断の主体と最終的な責任は医師。医療機器かどうかは使用目的とリスクの程度で決まる
目次
AI の診断支援を使って診療しても、診断や治療を行う主体は医師で、最終的な判断の責任も医師が負います。厚生労働省は、2018年12月19日の通知でこう整理しています。[1]
疾病の診断・治療・予防を目的とするプログラムは、医薬品医療機器等法の医療機器になりえます。当たるかどうかは、その製品の使用目的とリスクの程度で決まります。[2]
判断の主体は医師
通知は、「AI 等の ICT を用いた診療支援に関する研究」の報告書の整理を引いています。AI は、医師が主体となる判断の一部で、効率を上げて情報を示す支援ツールにとどまり、判断の主体は少なくとも当面は医師だという整理です。[1]
そのうえで通知は、AI を用いた診断・治療支援のプログラムを使う診療も医師法17条の医業として行われるもので、医師が最終的な判断の責任を負うとしています。[1]
AI の出した結果をそのまま所見として書くのではなく、自分で画像や経過を見て判断した内容を、自分の所見として書きます。AI の提示と自分の判断が食い違ったときほど、どちらを採ったかをカルテに残しておきます。
医療機器かどうかは、使用目的とリスクの程度で決まる
医薬品医療機器等法は、疾病の診断・治療・予防に使うことを目的とする機械器具等を医療機器と定めています。施行令は、疾病診断用・治療用・予防用のプログラムを医療機器に挙げています。[2]
ガイドラインは、医療機器に当たるかどうかを、製造販売業者などの表示・説明資料・広告に基づき、使用目的とリスクの程度で判断するとしています。同じ機能でも、使用目的が違えば判断が変わることがあります。[2]
医療機器でないプログラムについては、「疾病の診断、治療又は予防に使用されることを目的としていない」などと表示することが望ましいとも書いています。[2]
使う前に確かめること
診療で使うなら、その AI がどんな使用目的の製品かを、添付文書や製品の表示で先に確かめます。医療機器として示された使用目的の範囲の外では使いません。
診断を目的としていないと表示されている汎用の AI は、調べものや文章の下書きの補助にとどめ、診断の根拠には使いません。
どちらの場合も、最後に判断して責任を負うのは医師です。[1]
新しい論文を、読み切れる量で
iwor の「今週の要チェック」は、科ごとに週7本までに絞った号で、分野で絞れるライブラリもあります。
iwor なら、読む論文を選ぶところで迷わずにすみます。
編集ルールで科ごとに週7本までに絞った号と、分野で絞れるライブラリがあります。無限に流れてくる新着ではなく、読み切れる量で届きます。iwor は医師のためのワークスペースです。
無料ではじめるよくある質問
AI を使って診療しても、判断の主体と責任は医師ですか?
はい。厚生労働省の通知は、AI を用いた診断・治療支援のプログラムを使う場合も、診断・治療の主体は医師で、医師が最終的な判断の責任を負うとしています。[1]
AI の診断支援は、すべて医療機器ですか?
すべてではありません。当たるかどうかは製品の使用目的とリスクの程度で判断され、リスクがほとんど無いクラスⅠ相当は除かれます。同じ機能でも目的が違えば変わりえます。[2]
まとめ
AI の診断支援を使っても、判断の主体と最終的な責任は医師にあります。プログラムが医療機器に当たるかどうかは、使用目的とリスクの程度で決まります。使う前に製品の使用目的を確かめ、判断は自分の所見として残します。
出典
- 1.一次資料厚生労働省医政局医事課長「人工知能(AI)を用いた診断、治療等の支援を行うプログラムの利用と医師法第17条の規定との関係について(平成30年12月19日 医政医発1219第1号)」 mhlw.go.jp(2026-09-28 取得)
- 2.一次資料厚生労働省医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課/医療機器審査管理課「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン(令和3年3月31日・令和5年3月31日一部改正)」 pmda.go.jp(2026-09-28 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制