CBTの4連問対策|「範囲が絞れない」は誤解です
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CBTの4連問は「範囲が広すぎて対策できない」と言われがちですが、これは誤解です。4連問は正式には「タイプQ(順次解答四連問形式)」と呼ばれる形式で、共用試験を実施する機構が公表している出題基準には、この形式の意図も、出題対象としてどの疾患群を選んだかの考え方も書かれています。つまり、出題される疾患はランダムではありません。この記事では、その公式文書を出発点に、4連問の構造と解き方を整理します。[1]
4連問の正体:タイプQ という日本独自の形式
共用試験の出題基準では、4連問はタイプQ(順次解答四連問形式)として説明されています。日本独自の試験形式で、臨床推論の力を訓練・修得するために必要なものと位置づけられています。医療面接・身体診察・検査と診療ステップを進むたびに患者情報を取捨選択して疾患や症候群を絞り込み、最後に絞り込まれた疾患の病態生理を問うことで基礎医学の要素も出題する——という設計です。[1]
ここから分かることが3つあります。
- 4連問は知識を問う問題ではなく、診療の順番どおりに絞り込めるかを問う問題である
- 情報は問題が進むにつれて増える。つまり1問目がいちばん情報が少ない
- 最後は病態生理=基礎医学に戻ってくる。臨床知識だけでは4問目を取りこぼしやすい
「なんとなく難しい」の正体は、この3つ目までを見越して準備していないことにあります。実際、上位の解説記事の多くは症候から疾患を当てる練習に焦点を当てていますが、公式の設計では最後に病態生理が来ることが明示されています。
出題される疾患は、絞られている
出題基準では、疾患・症候群がⅠ群とⅡ群に分類されています。そしてⅠ群の疾患・症候群は、タイプQ(順次解答四連問形式)とタイプM(診断、病態・基盤)で出題する対象として適切とされ、今後の問題作成もこれらを中心に依頼される、と説明されています。Ⅰ群は「病因から診断までのすべての事項について知っておく必要がある」疾患群として選抜されたものです。[1]
つまり、4連問で出る疾患は「臨床実習を修了して医師になるときに必修となる、それほど多くない疾患・症候群」に寄っています。まずはⅠ群から優先するのが合理的です(Ⅱ群や稀少疾患が出ないという意味ではありません)。対策としては、頻度が高くて診療ステップが明確な疾患から順に、後述の4段構成で整理していくのが合理的です。
なお、機構は約28,000題をプール問題として保有し、これらが採点対象として出題されて標準スコアの算出に使われていると説明しています。出題は毎回同じではありませんが、対象疾患の考え方は公表されている、というのがここでの要点です。プール問題の規模と、1回の試験で採点される設問数の関係はCBTのプール問題は何問かで整理しています。[1]
1問目で確定させようとしない
4連問でつまずく人の多くは、1問目で疾患を決めにいきます。しかし1問目は医療面接の段階、つまり最も情報が少ない時点です。ここで1つに絞れる問題のほうが例外だと考えてください。
正しい構えは「鑑別を2〜3個残したまま次に進む」です。身体診察の所見で1つ落ち、検査で1つ落ちる。その落ち方を見るのがこの形式の目的なので、1問目の段階で確信を持つ必要はありません。むしろ、1問目で誤った確信を持つと、その後の3問すべてがその誤りに引きずられます。順次解答型は一度解答して次に進むと元の問題に戻れないため、1問目の誤りが後続に響きやすくなります。
時間配分も同じ理屈で決まります。1問目に時間をかけても情報は増えないので、迷ったら候補を残して先に進み、2問目で得られる所見を待つほうが速く正解に着きます。
疾患を「4段」で整理する
形式が診療ステップに沿っている以上、覚え方もステップに沿わせるのが素直です。頻出疾患を、次の4段で1枚に整理してみてください。
- 医療面接:何を聞けばこの疾患を疑えるか(発症様式・随伴症状・既往・生活歴)
- 身体診察:何を見れば絞れるか(この疾患に特徴的な所見と、除外に使える所見)
- 検査:何で確定するか(第一選択の検査と、その結果の読み方)
- 病態生理:なぜその症状・所見が出るのか(4問目で問われる基礎医学)
教科書を読むだけだと、この4段は頭の中でつながりません。逆に、この形で整理しておくと、4連問はそのまま4段を順に答えるだけの問題になります。1疾患あたり数分で作れるので、まずはメジャー科の頻出疾患から始めてください。
知識のレベルは、国試側に寄せておく
4連問が難しく感じるもう1つの理由は、要求される知識のレベルです。CBT対策の定番記事でも、CBTの4連問は国試レベルの知識が結構問われるため、国試レベルの情報量を持つ教材が連問対策に威力を発揮する、という指摘があります。[2]
iwor に入っているのは医師国家試験の過去問(第120回〜第100回)で、CBTの問題そのものではありません。ただ、上の指摘のとおり、4連問で問われる知識の水準は国試側にあります。国試の問題で疾患ごとの知識を作り、間違えた知識ポイントを暗記カードにして復習期日に乗せておくと(暗記カードの保存は PRO 以上)、4連問で必要になる「疾患ごとの4段」の中身がそのまま貯まります。
CBT全体の進め方は医学部CBTの完全ガイド、直前期の詰め方はCBT直前期の勉強法にまとめています。
iwor なら、疾患ごとの知識を粒で貯められます。
iwor は医師のためのワークスペースで、国試演習は毎日無料で使えます。知識ポイントがそのまま暗記カードになり、裏面は無料でも1日20件めくれて、PRO ならデッキに保存でき、「今日の復習」が毎日自動で組まれます。
無料ではじめる共用試験は、国家試験の受験資格にもつながっている
対策のモチベーションとして知っておいてよいことがあります。医師国家試験の受験資格には、臨床実習開始前に大学が共用する試験(共用試験)に合格した者に限る、という限定が入っています。CBTは進級のための関門であると同時に、資格要件の一部になっているということです。第121回の受験資格と日程は第121回医師国家試験の日程にまとめています。[3]
よくある質問
4連問は前の問題に戻れますか?
順次解答形式は、診療ステップを順に進む設計になっています。前に戻って修正することを前提にせず、1問ずつ確定させながら進む解き方を練習しておいてください。
4連問の対策はいつから始めればいいですか?
疾患ごとの知識がある程度そろってからでないと推論の練習になりません。まず主要疾患の知識を作り、そのうえで4段の整理に移るのが効率的です。全体のスケジュールは医学部CBTの完全ガイドを参照してください。
1問目を間違えたら4問とも落としますか?
設問ごとに独立して答える形式ですが、誤った疾患を確信すると後続の判断が引きずられます。だからこそ、1問目では候補を絞りきらず、2問目以降の所見で落としていく解き方が有効です。
まとめ
4連問は「範囲が絞れない問題」ではありません。公式の出題基準には、形式の意図(診療ステップに沿って絞り込む)も、出題対象疾患の考え方(Ⅰ群=病因から診断まで知っておくべき疾患群)も書かれています。頻出疾患を医療面接・身体診察・検査・病態生理の4段で整理し、1問目では確定させず候補を残して進む。この2つで、体感の難しさはかなり下がります。[1]
出典
- 1.一次資料公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「医学系CBT出題基準(令和7年版)」 cato.or.jp(2026-07-26 取得)
- 2.メディックメディア(INFORMA)「[4年生向け]本当にコストパフォーマンスのいい医学部CBT対策・勉強法とは?その2」 informa.medilink-study.com(2026-07-26 取得)
- 3.一次資料厚生労働省「医師国家試験の施行について(第121回)」 mhlw.go.jp(2026-07-26 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制