医学生のCBT勉強法|出題形式・合格基準から対策4ステップまで
目次
CBTは、臨床実習の前に医学生が受ける全国共通のコンピュータ試験です。6ブロック・320問で、各ブロック60分。2023年度に公的な試験になり、全国共通の到達基準は IRT 標準スコア396になりました。[3],[4]
2025年度の本試験で396に届かなかった人は6.6%でした。ただ範囲は4年次までに習う基礎と臨床のほぼ全部なので、広く穴を作らない勉強が要ります。[8]
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CBTとは?まず全体像をつかむ
CBTは、OSCEと一緒に「共用試験」をつくる学科試験です。医師法の改正(第17条の2)で法律に位置づけられ、2023年度からは省令にもとづく公的な試験になりました。共用試験に合格すると、医師の指導監督のもとで臨床実習に参加し、一定の医業を行えるようになります。[3],[4]
OSCEとの違い
CBTは知識を見る学科試験で、OSCEは医療面接や身体診察の技能と態度を見る実技試験です。両方の到達基準を満たすと共用試験に合格し、臨床実習に進めます。OSCE の進め方はOSCE対策は何から手をつけるかにまとめています。[3]
320問・6ブロック・各60分
問題はCATO(医療系大学間共用試験実施評価機構)が作っています。ブロック1〜4は五選択肢択一が60問ずつで、1問1分のペースです。ブロック5は多選択肢択一が40問、ブロック6は1つの症例に4問が続く4連問が40問です。[3],[7]
320問のうち採点されるのは、これまでの試験で難しさが分かっているプール問題の252問です。残る68問は次の回以降のために試す新しい問題で、採点されません。本番で見たことのない難問が出ても、採点されない問題の可能性があります。引きずらずに、次の問題へ切り替えましょう。[5]
プール問題については「30,000問以上」「240問」といった数字も出回っています。どれが何の数なのかはCBTのプール問題は何問かで整理しました。
出題範囲はコアカリにそって決まる
出題はCATOの出題基準にそって作られ、第16回(2020年度)の試験から、平成28年度改訂版の医学教育モデル・コア・カリキュラムに準拠しています。出題割合は、大項目ごとに次のとおりです。[7]
- D 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療:約35%
- E 全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療:約20%
- F 診療の基本:約20%
- C 医学一般:約15%
- A 医師として求められる基本的な資質・能力と、B 社会と医学・医療:あわせて約10%
Dは、臓器ごとに正常な構造と機能から病態・診断・治療までを問う範囲です。計画を立てるときは、この臓器別の範囲を中心に置きましょう。
CBTの合格基準と合格率
到達基準はIRT標準スコア396(2023年度から全国共通)
以前は合格ラインが大学ごとに違いましたが、公的化で全大学共通の到達基準 IRT 標準スコア396が決まりました。この基準は専門家の合議(ブックマーク法)で決め、別の手法(Hofstee法)とも照らして確かめています。[3],[4]
IRTとは?正答率とはちがう物差し
IRT(項目反応理論)は、正答数をそのまま点にせず、問題ごとの難しさを入れて実力を測る仕組みです。CBTは受験生ごとに問題セットが違いますが、セットの難易度の差は小さく調整されていて、IRTで同じ物差しにそろえます。同じ正答率でも、解いた問題が難しければスコアは高く、易しければ低く出ます。[6],[7]
IRT標準スコアは、2012〜2014年度の受験者を基準に、平均が500、標準偏差が100になるようにした数字です。偏差値を10倍したものと考えると、つかみやすいです。[8]
届かなかった人の割合
2025年度の試験は2025年8月から2026年3月にかけて大学ごとに行われ、本試験でIRT標準スコアが396に届かなかった人は6.6%でした。前の年の2024年度は7.8%です。[8]
届かなかったときも、同じ年度のうちに再試験があります。受験できるのは年度に2回までです。[3]
CBT対策はいつから始める?学年別スケジュール
CBTを受けるのは、臨床実習に出る前です。受ける時期は大学ごとに違うので、まずは自分の大学の日程を確かめましょう。始めるなら本番の8〜10か月前が目安で、4年に上がる前後には問題集と映像教材を決めて動き出したいところです。実施時期や基準は、所属大学の案内とCATOの発表で最新のものを確認してください。
1〜3年でできる下地づくり
低学年のうちは、CBT専用の対策より、解剖・生理・薬理などの基礎医学を定期試験ごとに理解して積むのがいちばんの準備です。覚えたことを試験のあとも忘れない仕組み(間隔反復)に乗せておくと、4年次にゼロから覚え直さずに済みます。
期間別にやること
- 10〜8か月前:映像教材や参考書で臨床科目を学び始め、問題集の1周目も並行する
- 8〜3か月前:問題演習を中心に切り替え、間違いから抜けていた知識を拾って覚え直す
- 3〜1か月前:2周目からは間違えた問題とあいまいな知識に絞り、模試で仕上がりを見る
- 直前期:新しい教材には手を出さず、弱点のくり返しと公衆衛生などの暗記分野を詰める
残り3か月から前日までの過ごし方と、9割を狙うときの戦い方はCBTで9割を狙う勉強法にまとめました。
CBTの勉強法|対策の4ステップ
教材や勉強のスタイルが違っても、CBT対策は次の4つを回すのが基本です。
- ①インプット:映像や参考書で、臨床科目の全体像を先につかむ
- ②演習:問題集を解いて、問われ方に慣れる
- ③分析:間違えた問題を「どの知識が抜けていたか」まで分ける
- ④反復:抜けていた知識を、忘れる前にくり返し思い出す
大事なのは③と④です。1つの症例問題には、病態・所見・検査・治療と、いくつもの知識が入っています。問題の正誤だけを記録していると、どの知識が抜けていたのかが分かりません。
科目の優先順位
時間が限られているなら、出題の大きい臓器別の範囲を先にやり、基礎医学はその理解に要るところから埋めます。公衆衛生のような暗記中心の分野は、直前期に寄せると、覚え直しの回数が減ります。
多選択肢と4連問への備え
4連問のブロックは、答えて次に進むと前の問題に戻れません。ブロック1〜5は、ブロックの中なら見直しができます。[7]
4連問は、原則として医療面接から始まり、身体診察・検査、診断へと1つの症例を追う形です。単語の丸暗記より、病態から所見・検査・治療へつながる筋を理解しておくと、ここで生きてきます。
模試は受けるべき?
模試は、仕上がりの確認と本番の形式に慣れるために使います。受けたあとに、間違えた問題から抜けていた知識を拾って、復習に回すところまでがセットです。
教材は「役割分担」で選ぶ
CBT対策の定番は、問題集・映像教材・図解の参考書です。「どれが一番か」を探すより、役割がかぶらないように選びましょう。
- 問題演習:問題集を1つ決めて回す。いくつも並行すると、どれも中途半端になりやすい
- インプット:映像教材か講義系の参考書を1つ。全科目を均等にやらず、臨床から
- 辞書:図解の参考書は通読せず、あいまいな単元を引いて確かめる
教材を絞ったぶん、同じ教材をくり返せます。国試向けの組み合わせ方は参考書・問題集・アプリの組み合わせ方にまとめました。CBTの問題集の選び方は医学部CBTの問題集はどれを選ぶ?で、出題割合から逆算しています。映像教材の選択肢はmedu4終了にどう備えるかへ。
「1周したのに覚えていない」を抜け出す
よくあるのが、「1周目で理解したはずの知識が、2周目にはほとんど残っていない」というつまずきです。
弱点は、問題ではなく知識ポイントで見る
1問にはいくつもの知識が入っているので、問題ごとに記録していると「この問題は解ける」と「この知識は大丈夫」のずれが残ります。
iwor では、対策する試験に CBT を選ぶと、演習・暗記カード・AI講義・ライブラリが CBT の範囲に切り替わります。演習で解くのは、国試の過去問のうち CBT の範囲に当たる問題です。解いた結果は知識ポイントごとの理解度に積み上がります。分野ごとの穴は理解度ヒートマップに出ます。
復習のタイミングは、仕組みに任せる
「忘れる前にもう一度思い出す」を手帳で管理しきるのは、範囲の広いCBTでは大変です。間隔反復は、カードごとに次の復習日を自動で決めて、忘れかけたころに出してくれる仕組みです。
暗記カードアプリの Anki も、同じ間隔反復の考え方で動いています。iwor では、ライブラリの知識ポイントをそのままカードにでき、演習の解説にも関連するカードが出ます。
iwor なら、範囲の広いCBTを間隔反復で回せます。
対策する試験に CBT を選ぶと、演習・暗記カード・ライブラリが CBT の範囲に切り替わります。カードは、忘れかけたころに自動で出てきます。
無料ではじめるCBTで作った学習資産は、そのまま国試へ
大学を卒業して医師国家試験を受ける人の受験資格は、医師法で共用試験に合格した人に限るとされています。この条件がかかるのは令和7年(2025年)4月1日以後に卒業する人で、それより前に卒業した人は、この規定にかかわらず受験できます。制度の上でも、CBTは国試につながる入り口です。[2],[1]
CBTで覚えた病態・所見・治療の知識は、国試でも使います。iwor の演習と暗記カードの記録は、試験を CBT から国試に切り替えても引き継がれます。国試の全体の組み立ては医師国家試験の勉強法とスケジュールにまとめました。CBTの成績と国試の結果の関係は、よく引かれる数字の出どころまでCBTと国試の相関はどこまで本当かで確かめています。
よくある質問
CBTは何割取れば受かりますか?
判定は正答率ではなく、IRT標準スコアが396に届くかどうかです。何割という線はないので、まずは広い範囲に穴を作らないことを優先しましょう。
勉強時間はどのくらい必要ですか?
開始時期と下地によりますが、8〜10か月前から平日1〜2時間、直前期に増やすのが目安です。合計の時間より、間をあけて何度も触れることを大事にしてください。
問題集は何周すればいいですか?
周回数より中身です。2周目からは全問を解き直すより、間違えた問題とあいまいな知識に絞るほうが、同じ時間で多くの穴を埋められます。
Ankiは使ったほうがいいですか?
カードを自分で作って育てるのが好きなら、心強い道具です。デッキ探しや設定に時間を取られることもあるので、そこに時間を使いたくないなら別の仕組みを選びましょう。
まとめ
CBTは320問・6ブロックの広い試験ですが、到達基準は IRT 標準スコア396とはっきりしています。臓器別の範囲を中心に、インプット→演習→知識ごとの分析→間隔反復の4つを、8〜10か月前から回しましょう。1周したことに満足せず、忘れない仕組みに知識を乗せ続けるのがコツです。
届かなかったときの再試験の仕組みはCBTに落ちたらどうなる?にまとめています。苦手になりやすい4連問はCBTの4連問対策をどうぞ。
出典
- 1.一次資料厚生労働省「医師国家試験の施行について(第121回・令和8年7月1日 厚生労働大臣)」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 2.一次資料e-Gov 法令検索(デジタル庁)「医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第十一条第一項第一号」 laws.e-gov.go.jp(2026-09-27 取得)
- 3.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「医学生共用試験要綱(2022年11月8日発行・厚生労働省 医道審議会医師分科会医学生共用試験部会の資料2として掲載)」 mhlw.go.jp(2026-07-02 取得)
- 4.医学書院 医学界新聞「公的化されたCBT・OSCE さらなる発展に向けて(2023年)」 igaku-shoin.co.jp(2026-07-02 取得)
- 5.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p11(CBT の概要・採点対象問題と試行問題)」 cato.or.jp(2026-09-16 取得)
- 6.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p12(項目反応理論と IRT 標準スコア)」 cato.or.jp(2026-09-23 取得)
- 7.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p19(出題基準と試験形式・ブロック構成・出題割合)」 cato.or.jp(2026-09-16 取得)
- 8.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p24(2025年度の全国成績)」 cato.or.jp(2026-09-16 取得)
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