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試験対策

医学生のCBT勉強法|出題形式・合格基準から対策4ステップまで

iwor 編集部11分で読めます
目次

CBT(共用試験)は、臨床実習を始める前の医学生が受ける全国共通のコンピュータ学科試験です。問題は6ブロック・合計320問で、各ブロックは60分。合格基準は2023年度の公的化から全国統一となり、IRT標準スコア396に到達すれば合格です。公的化初年度は受験者の約92%が到達しています。[1],[2]

ただし出題範囲は入学から4年次までに学ぶ基礎・臨床のほぼ全域に及び、「広く、しかし確実に」が求められます。この記事では、試験の全体像(形式・合格基準・合格率)を一次資料で確認したうえで、開始時期の目安、高得点者に共通する勉強の4ステップ、教材の役割分担、そして多くの受験生がつまずく「1周したのに覚えていない」問題の解決策までを順に解説します。

CBT(共用試験)とは?まず全体像をつかむ

CBTは、OSCEとあわせて「共用試験」を構成する学科試験です。医師法の改正(第17条の2)で法的に位置づけられ、2023年度からは省令に基づく公的な試験として実施されています。合格した医学生は、医師の指導監督のもとで臨床実習に参加し、一定の医業を行えるようになります。[1],[3]

OSCEとの違い

CBTが知識の総合的な理解度を確認する学科試験であるのに対し、OSCEは医療面接や身体診察といった技能・態度を確認する実技試験です。両方の到達基準を満たして初めて共用試験の合格となり、臨床実習に進めます。OSCEのほうは出題範囲が「学修・評価項目」として公開されていて、どこから手をつけるかを決められます。詳しくはOSCE対策は何から手をつけるかで扱っています。[1]

320問・6ブロック・各60分

問題は共用試験の実施機関であるCATO(医療系大学間共用試験実施評価機構)が作成し、1ブロック60分の実施単位で、6ブロック・合計320問が出題されます。単純計算で1問あたり約1分と、知識だけでなく処理のスピードも求められる形式です。[1]

320問のうち採点対象となるのは、過去の出題実績があるプール問題252問です。残る68問は、採点対象外の新規問題(次年度以降のプール候補)です。本番で見たことのない難問に出会っても、採点されない新規問題である可能性があります。動揺して後のブロックを崩さないことが大切です。プール問題をめぐっては「30,000問以上」「240問」といった数字も出回っているので、どれが何を指すのかはCBTのプール問題は何問かで整理しています。[6]

出題範囲は医学教育モデル・コア・カリキュラム準拠

出題は、CATOが公表する出題基準に基づき、医学教育モデル・コア・カリキュラムに準拠します。コアカリには改訂版が複数あり、どの版に準拠するかは試験回(実施年度)ごとにCATOが定めます。自分が受ける回の準拠版は、大学とCATOの案内で確認してください。[1],[5]

範囲は基礎医学から臨床各科、公衆衛生までと広い試験です。実際の演習では疾患・臨床の知識を問う問題が大きな割合を占めるとされるため、対策の計画は臨床系を主戦場と置くのが実際的です。

CBTの合格基準と合格率|「落ちない試験」は本当か

合格基準はIRT標準スコア396(2023年度から全国統一)

かつて合格ラインは大学ごとに異なりましたが、公的化に伴い、全大学共通の到達基準としてIRT標準スコア396が設定されました。この基準は専門家の合議(ブックマーク法)で定められ、別の手法(Hofstee法)と照らして検証されています。[1],[3]

IRTとは?単純な正答率ではない

IRT(項目反応理論)は、正答数をそのまま点数にするのではなく、問題ごとの難易度を織り込んで実力を推定する仕組みです。受験する回ごとの問題の難易差が補正されるため、「自分の回だけ難しくて不利」が起こりにくくなっています。スコアの感覚は、およそ偏差値を10倍した数値をイメージすると掴みやすくなります(あくまで目安です)。

合格率は9割超。ただし「1周で満足」が落とし穴

公的化初年度の2023年度は8月から翌3月にかけて実施され、IRT標準スコアが396に届かなかった受験者は8.0%でした。つまり約92%が一度で到達しています。届かなかった場合も同一年度内に再試験があり、受験機会は年度2回まで設けられています。[2],[1]

9割超という数字は安心材料です。ただし残りの数%には、広い範囲を一通り眺めただけの状態で本番を迎えた受験生が含まれます。届かない場合の典型的な要因とされるのは、問題集を1周して満足すること、配点の大きい臨床を後回しにすること、そして基礎医学の深追いで時間を溶かすことです。

CBT対策はいつから始める?学年別スケジュール

多くの大学では4年次にCBTを受験します(実施時期は大学ごとに異なり、2023年度の実施は8月〜翌3月に分散していました)。開始の目安は本番の8〜10ヶ月前です。ここから逆算すると、4年進級の前後には問題集と映像教材を決めて動き出したいところです。なお、制度は公的化されて間もなく変わりうるため、実施時期や基準の最新情報は所属大学の案内とCATOの公式発表で必ず確認してください。[2]

1〜3年でできる下地づくり

低学年のうちは、CBT専用の対策よりも、解剖・生理・薬理といった基礎医学を定期試験ごとに理解して積むことが最大の準備になります。あわせて、覚えたことを試験後も忘れない仕組み(間隔反復)に乗せる習慣を作っておくと、4年次にゼロから覚え直す負担が大きく減ります。

期間別にやること

  • 10〜8ヶ月前:映像教材や参考書で臨床科目のインプットを開始し、問題集の1周目を並行する
  • 8〜3ヶ月前:問題演習を主軸に切り替え、間違いから「抜けていた知識」を洗い出して覚え直す
  • 3〜1ヶ月前:2周目以降は間違えた問題と曖昧な知識に絞り、模試で仕上がりを確認する
  • 直前期:新しい教材に手を出さず、弱点の反復と公衆衛生など暗記分野の詰めに集中する

直前期(残り3ヶ月〜前日)にやることの深掘りと、9割を狙う場合の戦略はCBTで9割を取る勉強法で解説しています。

CBTの勉強法|高得点者に共通する4ステップ

教材や学習スタイルが違っても、高得点者の進め方には共通の型があります。次の4ステップです。

  • ①インプット:映像・参考書で臨床科目の全体像を先につかむ
  • ②演習:問題集を解き、出題のされ方に慣れる
  • ③分析:間違えた問題を「どの知識が抜けていたか」まで分解する
  • ④反復:抜けていた知識を、忘れる前に繰り返し思い出す

差がつくのは③と④です。多くの受験生は「どの問題を間違えたか」までは記録しますが、「どの知識が抜けていたか」までは分解しません。1つの症例問題には病態・所見・検査・治療と複数の知識が含まれるため、問題単位の正誤だけでは本当の穴の場所が特定できないのです。

科目の優先順位

限られた時間で伸ばすなら、出題で大きな割合を占めるとされる臨床科目を最優先に置き、基礎医学は「臨床の理解に必要な範囲」から埋めるのが定石です。公衆衛生などの暗記中心の分野は、早くやっても忘れる量が多いため、直前期に寄せると効率が上がります。

多選択肢・連問形式への備え

終盤のブロックには、選択肢の多い形式や、1つの症例に沿って設問が続く連問形式が含まれます。連問は前の設問までの判断が次の前提になるため、病態から所見・検査・治療へ流れる筋を理解しているかが問われます。単語の丸暗記ではなく「なぜそうなるか」をたどる勉強が、ここで効いてきます。

模試は受けるべき?

全国規模の模試は、仕上がりの確認と本番形式への慣れとして1〜2回で十分です。重要なのは受けた後で、間違えた問題を放置せず、抜けていた知識を特定して反復に乗せるところまでがワンセットです。

教材は「役割分担」で選ぶ

CBT対策の定番は、問題集・映像教材・図解の参考書です。定番はどれも質が高いため、「どれが最強か」を探すより「役割を重複させない」ことが選び方の軸になります。

  • 問題演習:定番の問題集を1つ決めて回す(複数併用は消化不良のもと)
  • インプット:映像教材か講義系の参考書を1つ。全科目を均等にやらず臨床から
  • 辞書:図解の参考書は通読せず、曖昧な単元を逆引きで確認する

教材を絞る勇気が、そのまま反復の回数になります。教材の役割分担という考え方は、国試向けに参考書・問題集・アプリの組み合わせ方でも詳しく解説しています。CBTの問題集そのものの選び方は医学部CBTの問題集はどれを選ぶ?で、公式の出題割合から逆算して整理しました。なお、映像教材の選択肢はmedu4終了にどう備えるかで最新の状況を整理しています。

「1周したのに覚えていない」を解決する仕組み

CBT対策で最も多いつまずきは、教材選びでも演習量でもなく、「1周目で理解したはずの知識が、2周目にはほとんど残っていない」ことです。原因はあなたの記憶力ではなく、復習のタイミングが設計されていないことにあります。

弱点は問題単位ではなく「知識ポイント単位」で見る

前述のとおり、1問には複数の知識が含まれます。間違いを問題単位で記録している限り、「この問題はもう解ける」と「この知識はもう大丈夫」のずれが残り続けます。iwor は解いた結果を知識ポイント単位の理解度に分解して記録し、理解度ヒートマップで分野ごとの穴を色の濃淡で見せます。

復習のタイミングは自動化する

「忘れる前にもう一度思い出す」を手作業のスケジュール管理でやり切るのは、範囲の広いCBTでは現実的ではありません。間隔反復は、カードごとに次の復習日を自動で調整し、思い出せるギリギリのタイミングで出題する仕組みです。

暗記カードアプリの定番であるAnkiも同じ考え方に基づく優れたツールですが、デッキを探し、カードを整え、設定を調整する手間が合わずに離れる人も少なくありません。iwor では、ライブラリの知識ポイントからその場でカードにでき、演習の解説には関連カードが表示されるため、デッキを探し回る時間そのものが不要になります。

iwor なら、範囲の広いCBTを間隔反復で回せます。

iwor は医師のためのワークスペースで、国試演習は毎日無料で使えます。知識ポイント単位の理解度がCBT期の暗記にそのまま使えて、PRO ならカードを保存して間隔反復まで回せます。

無料ではじめる

CBTで作った学習資産は、そのまま国試へ

2025年4月からは、共用試験の合格が医師国家試験の受験資格になりました。制度の上でも、CBTは国試へ続く一本道の入り口です。[4]

内容の面でも、CBTで問われた病態・所見・治療の知識は、国試でより深く問い直されます。CBT期に「知識の穴を単位ごとに埋め、間隔反復で保つ」型を作っておけば、その学習資産と習慣は国試対策でそのまま生き続けます。国試側の全体設計は医師国家試験の勉強法とスケジュールで解説しています。CBTの成績が国試の結果にどこまで効くのかは、よく引用される数字の出どころも含めてCBTと国試の相関はどこまで本当かで検証しました。

よくある質問

CBTは何割取れば受かりますか?

合格の判定は正答率ではなくIRT標準スコア396で行われるため、「何割で合格」とは厳密には言えません。まずは広い範囲に穴を作らないことが先決です。なお、CBTの成績は臨床実習後のマッチングで提出を求められる場合もあるため、合格ラインぎりぎりではなく余裕のある水準を狙う価値があります。

勉強時間はどのくらい必要ですか?

開始時期と下地によりますが、8〜10ヶ月前から平日1〜2時間、直前期に追い込む形が現実的な目安です。総時間よりも、間隔をあけて繰り返し触れたかどうかが定着を左右します。短くても毎日続く設計を優先してください。

問題集は何周すればいいですか?

周回数は目安にはなりますが、目的ではありません。2周目以降は全問を回すのではなく、間違えた問題と曖昧な知識に絞るほうが、同じ時間で埋まる穴の数は増えます。

Ankiは使ったほうがいいですか?

自分でカードを設計するのが好きな人には強力な道具です。一方で、デッキ探しや設定調整に時間を取られて本末転倒になる人もいます。カードの用意や復習管理に時間を使いたくない場合は、知識ポイントからそのままカード化できる仕組みを選ぶと、勉強そのものに時間を残せます。主要アプリの詳しい比較は医学の暗記、Ankiの代わりになるアプリは?にまとめています。

まとめ

CBTは320問・6ブロックの広い試験ですが、合格基準(IRT396)は明確で、到達者は9割を超えます。臨床科目を軸に、インプット→演習→知識単位の分析→間隔反復の4ステップを8〜10ヶ月前から回す。そして「1周した」で満足せず、忘れない仕組みに知識を乗せ続ける。ここまで整えば、CBTは恐れる試験ではなく、国試まで続く学習資産の最初の貯金になります。万一届かなかったときの再試験の仕組みはCBTに落ちたらどうなる?、苦手になりやすい4連問はCBTの4連問対策にまとめています。

出典

  1. 1.一次資料厚生労働省医学生共用試験要綱(医道審議会医師分科会医学生共用試験部会 資料2・2022年11月8日発行) mhlw.go.jp2026-07-02 取得)
  2. 2.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)共用試験ガイドブック 第22版(令和6年) cato.or.jp2026-07-02 取得)
  3. 3.医学書院 医学界新聞公的化されたCBT・OSCE さらなる発展に向けて(2023年) igaku-shoin.co.jp2026-07-02 取得)
  4. 4.一次資料厚生労働省医師国家試験の施行について mhlw.go.jp2026-07-02 取得)
  5. 5.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)医学生共用試験CBT出題基準(令和7年度) cato.or.jp2026-07-02 取得)
  6. 6.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)共用試験ガイドブック 第23版(令和7年) cato.or.jp2026-07-02 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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