CBTで9割を狙う勉強法|直前期に何を捨て、何を固めるか
目次
CBTで9割を狙うなら、到達基準に届くための勉強とは詰め方が変わります。やることは3つです。出題の大きい範囲から固める、暗記中心の分野を直前1〜2か月に寄せる、覚えた知識を本番まで忘れないように復習し切る。
この記事の「9割」は、正答率の目安です。CBTの到達はIRT標準スコアで判定され、正答率に置き換える表は公表されていません。試験の仕組み(320問・6ブロック・到達基準)は医学生のCBT勉強法にまとめています。
「9割」と「到達」はどう違うのか
到達基準は、全大学共通のIRT標準スコア396です。2025年度の試験で396に届かなかった人は6.6%でした。[1],[5]
同じ2025年度、テスト得点(100点換算)の平均は76.5点で、80点以上の人は40.2%でした。9割は、そのさらに上を狙う水準です。[4],[5]
採点されるのは、320問のうちプール問題の252問です。9割を取るには、ここでの取りこぼしを1割以内に抑えます。知らない問題を減らすだけでは足りず、覚えたはずの知識を本番まで保つことが勝負になります。[2]
9割を狙うかは人それぞれです。CBTの成績を応募書類で求める病院もあります。どう使われているかはマッチングでCBTの成績はどう使われるかにまとめました。
直前期の科目の優先順位|何を捨て、何を固めるか
出題の大きい範囲から固める
出題割合は、医学教育モデル・コア・カリキュラムの大項目ごとに決まっています。[3]
- D 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療:約35%
- E 全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療:約20%
- F 診療の基本:約20%
- C 医学一般:約15%
- A 医師として求められる基本的な資質・能力と、B 社会と医学・医療:あわせて約10%
いちばん大きいのは、臓器ごとに正常な構造と機能から病態・診断・治療までを問うDです。直前期に迷ったら、まずこの臓器別の範囲の未消化をつぶしましょう。
「捨てる」は範囲ではなく深さで
直前期に捨てるのは、分野まるごとではありません。全範囲に浅く触れた状態は保ったまま、深追いする分野を絞ります。公衆衛生のような暗記中心の分野と、あいまいなまま残っている総論(輸液や酸塩基平衡など)は、直前期の詰めに向いています。
基礎医学は後回しか、差がつくか
基礎医学(薬理や病理など)をどこまで詰めるかは、人によって答えが変わります。臨床を理解してからのほうが早い、という考えも、高得点帯では基礎の詰めで差がつく、という考えもあります。
決め手は、自分の穴がどこにあるかです。問題集で基礎医学の間違いが多いなら詰める価値があり、少ないなら深追いはいりません。
残り期間別・9割へのラストスパート
- 3か月前:問題集の1周目を終わらせる。間違いは「なぜ間違えたか」まで分けて記録
- 1か月前:2周目からは、間違えた問題とあいまいな知識だけに絞る。公衆衛生などの暗記分野の詰めを始める
- 2週間前:模試や模試の過去問で、本番の形式に慣れる。前の問題に戻れない4連問も体験しておく
- 3日前:新しいことはやらない。弱点リストの最終確認と、覚え直しカードの総点検
- 前日・当日:睡眠を削らない。見直し用に、自分の間違いパターンの要点だけ持っていく
模試は、受けたあとが本番です。間違えた問題から「どの知識が抜けていたか」を拾って、本番までの復習に回すところまでがセットです。
問題集の回し方を、2周目から変える
分ける→絞る→くり返す
1周目で正誤と自信のあるなしを分けておくと、2周目からは「間違えた」「自信がなかった」問題だけに絞れます。頭から何周もするより、残りの時間をまだ取れていない問題に回せます。間違いの原因も、知識不足・理解不足・ケアレスミスに分けると、直し方を変えられます。
時間配分と形式への慣れ
ブロックはどれも1時間ですが、問題数が違います。ブロック1〜4は60問なので1問1分、ブロック5と6は40問なので1問1分半です。[3]
最後のブロック6は、1つの症例に4問が続く4連問で、答えて次に進むと前の問題に戻れません。初めてだと戸惑いやすいので、模試や問題集で一度体験しておくと本番で慌てません。
生活を崩さない
直前期に夜型に崩れると、本番の時間帯に頭が回りません。睡眠時間を確保して、起きる時刻を試験の日に合わせておきましょう。
9割の壁になりやすい「1周したのに忘れる」
忘れる前にもう一度触れる、は理にかなったやり方です。ただ復習の間隔を自分で管理して、単元ごとの正答率を表に色分けする作業そのものが、直前期の時間を食います。
復習のタイミングは、仕組みに任せる
iwor の暗記カードは、間隔反復で次の復習日を自動で決めて、期限が来たカードだけを「今日の復習」に集めます。「10日空ける」を手で管理しなくていいので、直前期の時間をめくって思い出すことそのものに使えます。
何を固めるかは、弱点のデータで決める
対策する試験に CBT を選ぶと、演習・暗記カード・ライブラリが CBT の範囲に切り替わります。理解度ヒートマップでは、解いた問題の結果から分野ごとの穴が見えます。弱いテーマから、演習とカードを回しましょう。手作業の色分け表でやっていたことが、解くだけで積み上がります。
CBTの勉強は、国試へ続く
直前期に固めた知識と暗記カードは、CBTで終わりではありません。同じ病気や病態は国試でも問われるので、CBT期に作った学習資産はそのまま国試対策の土台になります。国試の全体の組み立ては医師国家試験の勉強法とスケジュールにまとめました。直前期の考え方は医師国家試験 直前期の勉強法をどうぞ。
よくある質問
CBTは何割取れば受かりますか?
判定は正答率ではなく、IRT標準スコアが396に届くかどうかです。この記事の「9割」は、高得点を狙う人の正答率の目安です。
9割は取る必要がありますか?
必須ではありません。到達だけが目的なら、9割を目標にしなくてかまいません。
基礎医学は捨てていいですか?
まるごと捨てるのはおすすめしません。全範囲に浅く触れたうえで、深追いするかは自分の弱点のデータで決めましょう。
直前1か月からでも9割に間に合いますか?
それまでの積み上げしだいです。1周目が終わっていれば、絞り込みとくり返しで伸ばせます。ゼロからの1か月なら、9割より到達基準を目標にして、出題割合の大きい範囲から固めましょう。
暗記カードを作る時間がもったいないです
直前期に一からカードを作り始めると、作る時間が復習の時間を食います。用意されたカードから始められる仕組みを選ぶか、作るのは最小限にしましょう。アプリの選び方は医学の暗記、Ankiの代わりになるアプリは?で比べています。
まとめ
9割を狙うなら、残りの時間の使い道を先に決めましょう。出題の大きい範囲を中心に固め、暗記分野を直前に寄せ、捨てる・固めるを弱点のデータで決める。覚えた知識は、手作業ではなく仕組みで保ちます。
本試験で届かなかったときの再試験の仕組みはCBTに落ちたらどうなる?にまとめています。4連問の解き方はCBTの4連問対策をどうぞ。
出典
- 1.医学書院 医学界新聞「公的化されたCBT・OSCE さらなる発展に向けて(2023年・第3544号)」 igaku-shoin.co.jp(2026-09-06 取得)
- 2.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p11(CBT の概要・採点対象問題と試行問題)」 cato.or.jp(2026-09-16 取得)
- 3.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p19(出題基準と試験形式・ブロック構成・出題割合)」 cato.or.jp(2026-09-16 取得)
- 4.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p23(第21回・2025年度 全国成績)」 cato.or.jp(2026-09-16 取得)
- 5.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p24(2025年度の全国成績・成績評価の指標)」 cato.or.jp(2026-09-16 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制