マッチングの病院見学は何ヵ所行くべきか|選考は3〜5ヵ所が56%。順位表の上に書く病院を決めるために行く
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医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)の2025年度の学生参加者アンケートでは、選考を受けた病院は4ヵ所が最多の22%でした。3〜5ヵ所に56%が収まります。マッチした人の62%は、順位表の第1位で決まっています。見学は件数を増やすより、順位表の上に書く病院を見極めるために使いましょう。[1]
選考を受けた病院は、3〜5ヵ所が56%
設問3「あなたは全部で何か所の病院の選考を受けましたか?」の答えは、次のとおりです。[1]
- 1ヵ所 8%/2ヵ所 12%/3ヵ所 18%/4ヵ所 22%/5ヵ所 16%
- 6ヵ所 10%/7ヵ所 6%/8ヵ所以上 8%
調査は2025年度マッチング参加者9,902名が対象です。数えているのは見学ではなく、選考(採用試験)を受けた病院の数です。順位表に登録した数のほうはマッチングは平均何病院に出すのかにまとめています。
同じ調査の設問6では、採用試験を受けるために大学の講義や実習を休んだことは無い、と答えた人が74%でした。受ける病院を増やすほど、実習との調整も増えます。
マッチした人の8割は、順位表の上位2つで決まっている
設問2で、マッチした人が希望順位の第何位でマッチしたかを見ると、第1位が62%、第2位18%、第3位10%、第4位以降10%でした。[1]
これはマッチした人の中の分布で、順位表を短くしてよい根拠にはなりません。JRMP は、マッチングのアルゴリズムは「耐戦略性」を有していて、希望どおりの順位で登録するのが最良の結果になるとしています。不安なときは、登録順位の変更ではなく、登録する数を増やすように勧めています。[2]
順位表には、選考を受けて研修してもよいと思えるプログラムを、行きたい順に並べます。そのうえで、見学にかける時間の多くは、上に書く2〜3院の見極めに使いましょう。順位表の作り方はマッチングの希望順位登録にまとめています。
倍率だけで見学先を外さない
JRMP の2025年度の公表値から、iwor が全1,470プログラムを集計すると、大学病院と市中病院で次の差がありました。[3],[2]
- 大学病院のプログラム:平均倍率11.6倍。希望順位表の第1位に置かれたのは、延べ登録の8.8%
- 市中病院のプログラム:平均倍率4.5倍。第1位に置かれたのは28.7%
- 中間公表の時点で第一志望者が0名だったプログラムが311
平均倍率は、プログラムごとの「希望順位登録した学生数÷募集定員」の単純平均です。1人が複数のプログラムを登録するので、登録した学生数は延べ人数です。第1位の割合は、協議会が公表した第1位希望者数(大学病院2,129人・市中病院7,522人)を、延べ登録件数(24,246件・26,169件)で割った値です。[3],[4]
大学病院のプログラムは、順位表の2位以下に書かれることが多いと分かります。倍率11.6倍だけを見て候補から外すと、第一志望で競う人が少ない席を自分から捨てることになりかねません。倍率の読み方は人気病院ランキングの読み方でも扱っています。
見学先は、役割で分けて決める
件数を先に決めず、行く理由で分けると決めやすくなります。
- 本命は1〜2院:順位表の上に書く病院。複数回・複数日行く価値があるのはここ
- 比べるための病院は2〜3院:本命の良さを言葉にするために行く。大学病院と市中病院、規模の違う病院を混ぜる
- 順位表の下に書く病院は1〜2院:そこで研修してもよいかを確かめに行く。1日で足りる
いつから行くか。受け入れ学年は病院ごとに違う
時期は、m3.com 研修病院ナビの解説が逆算しています。6年生の夏休み前後に試験を受けるなら、6年生の6月終わりには受ける病院が決まっていないといけません。5年生の終わりの春休みには、本命の見学を済ませておく、という逆算です。[5]
何年生から受け入れるかは、病院が決めています。湘南鎌倉総合病院は4〜6年生、横浜市立市民病院は医学部5年次と6年次で、5年次は8月からです。[6],[7]
国立国際医療センターは、5年次・6年次と既卒に限っています。湘南藤沢徳洲会病院の対象は医学生と既卒で、宿泊費の補助は4年生からで上限5,000円、関東圏の大学は対象外です。行けるかどうかと、費用が出るかどうかは別々に見ましょう。[8],[9]
見る科の決め方は病院見学で何科を見るかにまとめました。当日の流れは病院見学の1日はどう進むかです。ワクチンや抗体価は、病院見学に抗体価は必要かをどうぞ。
見学の記録は、病院どうしで比べられる形に残す
指導医の雰囲気、当直体制、研修医の生活リズム、ローテーションの自由度、3年目以降の進路など、何を聞くかは1院目に行く前に採点の軸として決めておきましょう。軸を固定しておくと、5院回ったあとに「どこも雰囲気が良かった」で決め手が無くなるのを防げます。
iwor には、見学準備のチェックリスト(持ち物・身だしなみ・交通・見学後にやること)があります。見学メモはカテゴリ別の採点と自由記入で残せて、各カテゴリに聞くことの例が付いています。回った病院を選んで横に並べると、自分の優先度で重み付けした総合点つきで見比べられます。
面接で「なぜこの病院か」に答えるときも、見学の記録が材料になります。面接の準備はマッチング面接の対策にあります。
iwor なら、研修先の倍率と定員を並べて比べられます。
全国の研修病院をプログラム単位で、倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や大学・市中の別で絞り込んだりできます。iwor は医師のためのワークスペースです。
無料ではじめるよくある質問
見学は何ヵ所行けば十分ですか?
選考を受けた病院は、3〜5ヵ所に56%が収まります。見学は、本命と比べるための病院と順位表の下に書く病院に分けて、選考の時期から逆算して組みましょう。
同じ病院に2回行く意味はありますか?
本命ならあります。1回目は施設と体制を見て、2回目は具体的な疑問を聞く、と分けられます。
倍率の高い病院は、見学しても無駄ですか?
倍率だけでは決められません。大学病院は平均倍率11.6倍でも第1位に置かれたのは8.8%、市中病院は4.5倍で28.7%です。
見学に行かずに順位登録してもいいですか?
見学を応募資格にしている病院は、行かないと選考を受けられません。それ以外の病院でも、選考で志望動機を聞かれるので、見ていない病院について答えるのは難しくなります。
まとめ
2025年度の JRMP のアンケートでは、選考を受けた病院は3〜5ヵ所が56%で、マッチした人の62%は第1位で決まっていました。見学は件数より、順位表の上に書く2〜3院を見極めるために使いましょう。
大学病院は倍率が高く見えても第1位に置かれる割合は低いので、倍率だけで外さないこと。本命・比べるための病院・順位表の下に書く病院と役割で分け、1院目の前に採点の軸を決めておきます。
出典
- 1.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2025年度研修医マッチング 学生参加者アンケート」 jrmp2.jp(2026-09-17 取得)
- 2.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2025年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」 jrmp2.jp(2026-09-17 取得)
- 3.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修プログラム別マッチ結果」 jrmp2.jp(2026-09-17 取得)
- 4.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修医マッチングの結果(表4 希望順位表の第1位の内訳)」 jrmp2.jp(2026-09-17 取得)
- 5.m3.com 研修病院ナビ「【面接・見学対策集中講座・第3回】臨床研修マッチングとは~そもそもマッチングって何?」 career.m3.com(2026-09-17 取得)
- 6.一次資料湘南鎌倉総合病院「病院実習・見学」 recruit.skgh.jp(2026-09-17 取得)
- 7.一次資料横浜市立市民病院「病院見学会・説明会について(研修医)」 yokohama-shiminhosp.jp(2026-09-17 取得)
- 8.一次資料国立国際医療センター「見学(医歯学生)医歯学生向け見学募集要項」 hosp.jihs.go.jp(2026-09-17 取得)
- 9.一次資料湘南藤沢徳洲会病院「見学・実習について」 shonan-doctor.jp(2026-09-17 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制