マッチングでアンマッチだったら|2025年度は1,617名分の空席が出た
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アンマッチ(どこにもマッチしなかった状態)は、初期研修の道が閉じたことを意味しません。2025年度の公表データでは、全国の総定員10,527名に対してマッチ者は8,910名。1,617名分の席が空いたまま残りました。空席のあるプログラムは1,470のうち535件です。まずやることは、残っている席を早く正確に把握することで、そのための材料は公表されています。なお、この空席がそのまま二次募集の枠になるとは限りません(募集を出さない病院もあります)。[1]
まず数字で状況を把握する
JRMP が公表した2025年度マッチングの結果を、iwor が全国1,470プログラム分で集計すると次のようになります。[1]
- 総定員 10,527名/マッチ者 8,910名/空席 1,617名分(全体の充足率84.6%)
- 空席のあるプログラム:535件(全1,470プログラムの36%)
- 定員が満たされた(フルマッチの)プログラム:935件
- 充足率50%未満のプログラム:302件
つまり構造として、参加者よりも席のほうが多い試験です。都市部の人気プログラムに希望が集中するため、そこに登録が偏るとアンマッチが起こりやすくなります。実力そのものより、登録した先の構成が効いていることが多い領域です。そして構成は、これから出す先の範囲を決め直すことで動かせます。
空席は地域によって偏っている
2025年度に空席が多かったのは、北海道94名・新潟県85名・青森県63名・鹿児島県56名・宮城県52名・長野県51名・愛知県50名・宮崎県48名でした。一方で、空席が1つもない都道府県は1つもありません。どの県にも残っている席はあります。[1]
地方に多い、というのは事実ですが、都市部にゼロというわけではないという点も同じくらい重要です。「地方に行くしかない」と決めつける前に、通える範囲で空席のあるプログラムを機械的に洗い出してください。空席がなぜ残ったのかの内訳は定員割れした病院は狙い目かで分けています。
iwor なら、残っている席を県ごとに数字で洗い出せます。
iwor は医師のためのワークスペースです。全国の研修病院を倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や区分で絞り込んだりできます。都道府県別の一覧からも候補を絞れます。
無料ではじめる結果発表の当日から動く
二次募集は、各病院が個別に募集を出す形で進みます。募集要項や締切を一括で管理する場所は無いため、情報の出方も締切もバラバラです(空席状況そのものはJRMPがホームページで提供します)。枠は先着的に埋まっていくので、動ける段階から順に進めれば十分です。
- ① 通える範囲+許容できる範囲の都道府県を決める。決めきれなければ候補県を広めに置いたまま先へ進んでよい
- ② 前年に充足率が低かったプログラムを一覧化する。ただし前年の数字は目安で、今年の募集の有無は各病院の告知で確かめる
- ③ 各病院の公式サイトの研修医募集ページを直接見る。二次募集の告知はここに出ることが多い
- ④ 大学の学務・研修担当の窓口に連絡する。大学経由で情報が来ることがある
- ⑤ 書類(履歴書・成績証明書・卒業見込証明書)を再度そろえる。証明書の発行に日数がかかるので先に動かす
書類は多くの場合、一次募集と同種のものが求められます(正確な様式は各病院の募集要項で確認してください)。研修医マッチングの履歴書の書き方と志望動機の書き方をそのまま使えます。一次で作ったものが手元にあるはずなので、差し替えるのは志望動機の固有部分だけです。
二次募集の選び方――一次と基準を変えるべきか
変えるべき点と、変えなくてよい点があります。
- 変えてよい:地域。通える範囲を広げると候補は一気に増える
- 変えてよい:病院の知名度。充足率が低いプログラムでも研修の中身が悪いとは限らない(立地・定員規模・情報発信量の影響が大きい)
- 変えないほうがよい:自分が2年間で何を身につけたいか。ここを妥協すると入職後に迷いが残りやすい
倍率が低い病院の見極め方はマッチングの穴場病院の見つけ方で扱っています。倍率の低さの理由を「立地・知名度・定員・情報量」に分解して見る方法は、二次募集の候補選びでもそのまま使えます。
国試対策を止めないこと
実務的にいちばん重要な話をします。結果発表は10月下旬、国試本番は2月上旬で、間は約15週間しかありません。二次募集の対応で2〜3週間を使うと、残りは12週間です。[2]
二次募集に時間を取られる時期こそ、1日の学習を最低ラインだけでも維持しておくと、あとで戻りやすくなります。二次募集の作業は「1日◯時間まで」と枠を決めて、それ以外の時間は国試に戻してください。何をやるか決まらない日は、正答率が低い分野の演習を回すのが最も無駄がありません(国試直前期の勉強法)。
よくある質問
アンマッチになる人はどのくらいいますか?
2025年度は、希望順位表を登録した9,651名のうちマッチ者が8,910名で、マッチ率は92.3%でした。差し引き741名(7.7%)がアンマッチです。構造としては席のほうが多く、総定員10,527名に対しマッチ者8,910名でした。JRMPは、マッチする確率を上げるために希望順位表に載せるプログラム数を増やすよう案内しています。[1]
二次募集はいつまで続きますか?
病院ごとに個別で、締切も一律ではありません。時期も病院によって異なります。空席の一覧はJRMPが公表しますが、二次募集の募集要項や締切をまとめた一覧は無いため、各病院の公式サイトを直接確認する必要があります。
アンマッチだと研修先の選択肢が悪くなりますか?
残っている席は都市部の人気プログラムではないことが多いのは事実です。ただし充足率が低い理由は立地や知名度、募集定員の大きさによるところが大きく、研修の中身が悪いことを直接には意味しません。募集要項のローテーション構成と、可能なら見学で確かめてください。
1年待って翌年に再挑戦するのはどうですか?
選択肢としてはあります。ただし同じ設計のまま臨むと結果は変わりにくいので、登録するプログラム数を増やす、候補の地域を広げる、といった変更が前提になります。判断は大学の研修担当とも相談してください。
アンマッチを避けるには、来年以降どうすればいいですか?
最も効きやすいのは、登録するプログラムの数を増やすことです。JRMPも「登録順位の変更」ではなく「登録順位数を増やす」ことを勧めています。順位を戦略的に操作しても有利にはなりません(希望順位登録のやり方)。上・中・下の3層で候補を持ち、それぞれ実際に選考を受けておくことが安全策になります。
まとめ
アンマッチは、席がなくなったのではなく、登録した先に席がなかっただけです。2025年度で言えば1,617名分、535プログラムに空きが残りました。当日のうちに地域の範囲を決め、充足率の低いプログラムから機械的に洗い出し、書類を再提出する。そして二次募集の作業に使う時間に上限を設けて、残りは国試に戻す。両方を完璧にやる必要はありません。国試の最低ラインを守りながら二次募集を進める、という配分が現実的です。
出典
- 1.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修プログラム別マッチ結果」 jrmp2.jp(2026-07-28 取得)
- 2.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2026年度医師臨床研修マッチングスケジュール」 jrmp2.jp(2026-07-28 取得)
- 3.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修医マッチングの結果」 jrmp2.jp(2026-07-28 取得)
- 4.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「医師臨床研修マッチングとは(概要)」 jrmp2.jp(2026-07-28 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制