マッチングの推薦状は誰に頼むか|出身大学の学生は出さなくてよい、という病院がある
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推薦状が要るかどうかは病院ごとに違い、募集要項の応募書類欄を見ないと分かりません。臨床研修病院ガイドブック2027年度版に載る354施設のうち、iwor が突合できた331施設で、書類欄に推薦状が出てくるのは12施設です。しかもそのうち3施設は条件つきで、杏林大学医学部付属病院は「他大学出身者のみ」、東邦大学医療センター佐倉病院は「本学以外の者」と書いています。頼む相手も病院が決めていて、「講師以上の教職員」とする病院もあれば「恩師・友人・家族などどなたでも結構」とする病院もあります。だから最初にやることは、志望先の募集要項を開いて応募書類の欄を読むことです。[1],[10],[11]
推薦状を求めている病院は、どれくらいあるのか
ガイドブックは病院が自分で書いた内容を載せる冊子で、2027年度版には354施設が載っています(全国の研修病院すべてではありません)。応募に必要な書類の欄があり、iwor はそのうち331施設を突合できました。この331施設で推薦状・推薦書が出てくるのは12施設です。内訳は、条件を付けているものが3施設(杏林大学医学部付属病院の「他大学出身者のみ」、東邦大学医療センター佐倉病院の「本学以外の者」、名古屋大学医学部附属病院の「研究医を目指す人のためのプログラムのみ」)、署名する人まで指定しているものが4施設(平塚市民病院の「学長もしくは学部長の推薦書」、済生会横浜市南部病院の「大学教員からの推薦状」、福岡赤十字病院の「大学からの推薦状」、山梨大学医学部附属病院の「推薦状(出身大学)」)です。[1]
この12という数字は下限です。書類欄には、詳細は臨床研修センターのホームページを見てほしい、とだけ書く病院もあります。昭和医科大学病院がそうでした。実際の募集要項には推薦書が応募書類として載っています。ガイドブックに掲載のない病院もあり、東京慈恵会医科大学附属病院・藤田医科大学病院・聖路加国際病院・順天堂大学医学部附属練馬病院・大塚病院はいずれも推薦状を応募書類に挙げています。数えて分かるのは「全員が用意するものではない」ということまでです。[1],[2],[3],[4],[6],[7],[8]
応募書類の話に入る前に、受ける病院を絞る。
iwor は医師のためのワークスペースです。全国の病院を倍率・定員・充足率で無料で並べ替えられ、PRO ならマッチ難易度・穴場度・志望集中度・安定度を数字で確認できます。いずれも公表値からの推定=席の取りやすさの目安で、研修の質の評価ではありません。
無料ではじめる出身大学の学生は出さなくてよい、と書いている病院がある
推薦状を求めている病院の書き方を読むと、対象が絞られていることがあります。昭和医科大学病院は応募書類のうち推薦書を含む4点について「昭和医科大学在学生・卒業生は免除とする」としています。藤田医科大学病院は推薦状の条件に「本学在学生、卒業生は提出不要」と書いています。順天堂大学医学部附属練馬病院も「本学卒業生は、③④⑤⑥は提出の必要はありません」とし、⑥が推薦状です。ガイドブック側の杏林大学医学部付属病院と東邦大学医療センター佐倉病院も、他大学から受ける人だけを対象にしています。[2],[4],[7],[1]
この5病院は、推薦状の対象を他大学から受ける人に限っています。自分の大学の附属病院を受けるのか他大学を受けるのかで、募集要項のどこを見るかが変わるということです。東京慈恵会医科大学附属病院のように、募集期間そのものを本学学生対象(2026年6月8日〜7月3日)と他学学生対象(同7月6日〜7月24日)に分けている病院もあります。[2],[4],[7],[3]
誰に頼むかは病院が決めている
推薦者の条件は病院ごとに書かれていて、幅があります。昭和医科大学病院は「本人をよく知る講師以上の教職員からの推薦が望ましい」とし、例として指導担任とクラブ顧問を挙げています。藤田医科大学病院は「出身大学の医学教育分野教員による発行が望ましい」。東京慈恵会医科大学附属病院は「原則、自大学の推薦状が望ましい」。一方、大塚病院は「推薦人は、恩師・友人・家族などどなたでも結構ですが、多方面からが望ましいです」としています。亀田総合病院はFAQでこう答えています。[2],[4],[3],[8]
推薦状は必須ではありません。推薦者は大学教官や医療従事者でなくても構いません。あなたのことをよく知っている人に、書いて頂いて下さい。[9]
肩書きを条件にする病院と、関係の近さだけを条件にする病院があります。枚数も病院が決めていて、聖路加国際病院は「推薦状(任意、上限2名分まで)」、大塚病院は「推薦書(1〜3名)※推薦者1人につきA4用紙1枚程度」としています。順天堂大学医学部附属練馬病院は指定の1通に加えて「その他の推薦状があれば追加提出してください」と書いています。[6],[8],[7]
様式には、学年内で何番目かを選ぶ欄がある
様式は病院指定と自由書式に分かれます。東京慈恵会医科大学附属病院と藤田医科大学病院は所定の書式を配布しており、昭和医科大学病院と順天堂大学医学部附属練馬病院は自由書式です。中身を見ておくと、依頼するときに何を渡せばいいかが決まります。[3],[4],[2],[7]
藤田医科大学病院の様式は、文章を書く欄の前に採点表があります。誠実性やコミュニケーション能力など10項目について、同一学年の学生と比べた相対順位を、上位5%以上から下位5%以下までの5段階と「観察機会なし」から選ぶ形式です。病院側の案内文には、応募者を総合的に評価する必要があるため推薦状を重要視したい、と書かれています。[5]
この様式には「観察機会なし」という選択肢があります。接点の薄い先生に頼むと、ここに丸が並ぶことになります。名前が知られている先生を探すより、実習や研究で長く見てもらった先生を選ぶ理由はここです。東京医科大学の様式も、推薦者の大学名・職位・氏名・応募者との関係を書く欄が先にあり、そのうえで推薦理由を書く構成になっています。[5],[12]
依頼するときに渡すもの、受け取り方
藤田医科大学病院は、応募者向けと推薦者向けの案内を分けて公開しています。応募者向けには、依頼するときに推薦者へ渡すものとして「推薦者の先生への依頼文」「別紙様式『推薦状』」「封筒(作成した推薦状を入れるため、『推薦状在中』と朱書きする)」の3点を挙げ、作成後は推薦者から厳封の封筒を受け取り、ほかの応募書類に同封して送るよう案内しています。推薦者向けの案内には、記入後は「厳封」にて応募者へ直接渡すこと、と書かれています。[5]
厳封とは、封をしたまま開けずに提出することです。同じ指示は東京医科大学病院の様式にもあり、末尾に「本状は封筒に入れ厳封のうえ応募者本人にお渡しください。」と印刷されています。依頼のときに封筒まで用意して渡しておくと、先生の手間が減ります。宛先も病院が指定していることがあり、昭和医科大学病院は推薦書の宛先を臨床研修センター長、順天堂大学医学部附属練馬病院は病院長と書いています。先生に頼む前に、様式・宛先・締切の3つを募集要項から書き出してください。[5],[12],[2],[7]
締切は病院ごとに違います。2026年は、聖路加国際病院が7月15日必着、藤田医科大学病院が試験日ごとに7月21日・8月19日・9月10日、東京慈恵会医科大学附属病院が他学学生対象で7月24日必着で、いずれも応募書類の締切と同じ日でした。先生に渡してから戻ってくるまでの時間が要るので、逆算して依頼します。全体の日程はマッチングのスケジュールにまとめてあります。[6],[4],[3]
よくある質問
推薦状は選考でどれくらい重く見られますか
配点は公表されていません。分かるのは提出の扱いのほうで、亀田総合病院・聖路加国際病院・藤田医科大学病院は必須ではなく任意と明記し、昭和医科大学病院・東京慈恵会医科大学附属病院・大塚病院は応募書類の1つとして挙げています。配点は分からないので、必須の病院で出し漏らさないことに集中してください。選考全体で何が課されるかはマッチングの採用試験は何が出るかで扱っています。[9],[6],[4],[2],[3],[8]
任意と書かれている病院には出したほうがいいですか
出した場合の扱いは公表されていないので、有利になるとは書けません。判断材料になるのは、その病院が推薦者に何を求めているかです。藤田医科大学病院のように学年内での相対評価を求める様式なら、あなたを長く見た先生でなければ「観察機会なし」が並びます。書いてもらえる先生に心当たりがあるなら出す、思いつかないなら必須の病院を先に固めてから任意の病院を考える。この順で決められます。[5]
他大学の病院を受けます。自分の大学の先生に頼んでよいですか
むしろそれが想定されている書き方の病院があります。藤田医科大学病院は「出身大学の医学教育分野教員による発行が望ましい」、山梨大学医学部附属病院はガイドブックの書類欄に「推薦状(出身大学)」と書いています。福岡赤十字病院は「大学からの推薦状」で様式は自由です。この3病院はいずれも出身大学の側を想定していて、志望先の関係者であることは求めていません。コネの有無をどう考えるかはマッチングにコネはあるのかで扱いました。[4],[1]
頼んだ先生に断られたらどうしますか
推薦者を1人に限定していない病院なら、別の先生に頼み直せます。大塚病院は1〜3名、聖路加国際病院は2名分までを受け付けています。必須の病院で候補が思いつかない場合は、募集要項の条件(たとえば昭和医科大学病院なら講師以上の教職員)を満たす範囲で、実習でまとまった時間を一緒に過ごした先生から当たってください。締切までに条件を満たす推薦者が見つからないときは、大学の指導教員か、その病院の臨床研修センターに早めに相談してください。[8],[6],[2]
まとめ
推薦状は全員が用意する書類ではありません。iwor が収録した331施設のうち書類欄に出てくるのは12施設で、そのうち3施設は他大学出身者や特定プログラムに限っています。ただしこれは下限で、書類欄に詳細を書かない病院も、ガイドブックに載っていない病院もあります。やることは3つです。志望先の募集要項で応募書類の欄を読む。要るなら様式・宛先・締切を書き出す。そのうえで、あなたを長く見た先生に、依頼文と様式と封筒を添えて頼む。応募書類の全体像は研修医マッチングの履歴書の書き方と志望動機の書き方にあります。[1]
出典
- 1.一次資料公益財団法人 医療研修推進財団(医師臨床研修マッチング協議会)「臨床研修病院ガイドブック 2027年度版(病院申告)」 guide.pmet.jp(2026-07-27 取得)
- 2.一次資料昭和医科大学 医師臨床研修センター「2027年度 臨床研修医募集要項」 showa-u.ac.jp(2026-08-06 取得)
- 3.一次資料東京慈恵会医科大学附属病院 臨床研修センター「募集要項・応募(臨床研修医)」 kenshuui.jikei.ac.jp(2026-08-06 取得)
- 4.一次資料藤田医科大学病院 臨床研修センター「募集要項(臨床研修・医科)」 fujita-hu.ac.jp(2026-08-06 取得)
- 5.一次資料藤田医科大学病院 臨床研修センター「研修医採用試験応募書類 推薦状について(応募者向け・推薦者向け・様式)」 fujita-hu.ac.jp(2026-08-06 取得)
- 6.一次資料聖路加国際病院「初期研修(医科)研修医・医師募集」 hospital.luke.ac.jp(2026-08-06 取得)
- 7.一次資料順天堂大学医学部附属練馬病院 臨床研修センター「募集要項」 hosp-nerima.juntendo.ac.jp(2026-08-06 取得)
- 8.一次資料東京都立病院機構 大塚病院「募集要項(医科臨床研修プログラム)」 tmhp.jp(2026-08-06 取得)
- 9.一次資料亀田総合病院「よくあるご質問(FAQ)|初期臨床研修」 recruit.kameda.com(2026-08-06 取得)
- 10.一次資料公益財団法人 医療研修推進財団(医師臨床研修マッチング協議会)「臨床研修病院ガイドブック 2027年度版 杏林大学医学部付属病院」 guide.pmet.jp(2026-07-27 取得)
- 11.一次資料公益財団法人 医療研修推進財団(医師臨床研修マッチング協議会)「臨床研修病院ガイドブック 2027年度版 東邦大学医療センター佐倉病院」 guide.pmet.jp(2026-07-27 取得)
- 12.一次資料東京医科大学病院「推薦状(当院指定)」 hospinfo.tokyo-med.ac.jp(2026-08-06 取得)
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