ポリクリの持ち物|道具は診察項目の表から決まり、そろえ方は実習要項で決まる
目次
ポリクリ(臨床実習)の持ち物の核は、診察の道具と記録の道具です。具体的には聴診器・ペンライト・打腱器と、ポケットに入る筆記具・メモ。ただし、それを個人で買うのか、貸与や病棟の備品を使うのかは大学ごとに決まっているので、そろえ方は実習要項と初日の配布資料が正です。
道具の種類が先に決められるのには根拠があります。医学生が臨床実習で修得する身体診察の項目は、文部科学省の医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に表の形で公開されています。聴診が3項目、瞳孔と対光反射、腱反射——何を診察するかが決まっているので、使う道具の種類もそこから決まります。[1]
道具の種類は、診察項目の表から決まる
モデル・コア・カリキュラムの「表3 身体診察」には、実習で修得する診察項目が並んでいます。聴診に関わるものだけで「呼吸音と副雑音の聴診」「心音と心雑音の聴診」「腹部の視診、聴診(腸雑音、血管雑音)、打診、触診」の3項目。ほかに「眼(視野、瞳孔、対光反射、眼球運動・突出、結膜)の診察」「腱反射の診察」「バイタルサイン(体温、脈拍、血圧、呼吸数、酸素飽和度)の測定」が入っています。[1]
この項目に使う道具が、聴診(呼吸音・心音・腸雑音)なら聴診器、瞳孔と対光反射ならペンライト、腱反射なら打腱器です。表が挙げているのは診察項目までで、道具を誰が用意するかは書かれていません。だから買い足す前に、貸与や備品の運用が無いかを実習要項で確かめてください。
なお、実習の前段にあるOSCEについて同じ資料は、受験生が「医療面接、身体診察(全身状態とバイタルサイン、頭頸部、胸部、腹部、神経、四肢と脊柱)、基本的臨床手技、感染対策、救急等」の試験を受けるものと説明しています。実習の診察はその延長にあり、OSCEで使った道具がそのまま実習の道具になります。OSCEの課題と評価の仕組みは医学部OSCEの対策にまとめています。[1]
耳鏡・鼻鏡・眼底検査も項目にある。ただし買う前に要項を確認する
同じ表には「耳鏡を用いた外耳道、鼓膜の観察」「鼻鏡を用いた前鼻腔の観察」「眼底検査」も並びます。医行為の例示(門田レポート)の側には、耳鏡・鼻鏡、眼底鏡が器具名のまま挙がっています。ただし、これらを個人で用意するかどうかは資料からは決まりません。診療科の備品を使う場合もあるため、購入を考える前に、実習要項と回る診療科の指示を確認してください。[1]
白衣かスクラブか、名札の様式、上履きの要否といった指定品も、この記事からは決められません。大学の実習要項と配布資料だけが正です。大学差がある項目なので、この記事を含めて、大学の外で書かれた記事の断定は、自分の大学の要項で確かめてから従ってください。
記録の道具も外せない。診療録の記載は医行為の例示に入っている
書く道具を軽く見ないほうがいい理由も、同じ資料にあります。医学生が実習中に実施する医行為の例示(門田レポート)で、「診察」分類の最初に挙がっているのは診療記録記載(診療録作成)と医療面接です。実習は見て回るだけの時間ではなく、聞いて、診て、書くところまでが医学生の担当に入りうる建て付けで、実際にどこまで任されるかは診療科と指導医の判断で変わります。ポケットに入る筆記具とメモは、聴診器と並ぶ基本の装備です。[1]
紙でもiPadでも成立しますが、患者情報の扱いだけは自分で決めてはいけません。ガイドラインの誓約書の文例には、病院・施設内で得た個人情報を実習・教育以外の目的で利用したり口外したりしないこと、診療情報は原則として印刷しないことが入っています。同じ資料は、共用試験に合格して臨床実習に参加する学生に医師法上の守秘義務が課されていることにも触れています。そのうえで、同じ資料に収載されている診療参加型臨床実習実施ガイドラインには個人情報の保護や学生の誓約書の項目があり、各大学はこれを参考に実習要項を作る建て付けです。[1]
実務の線としては、カルテ画面や患者を撮影しない、実習の中身をSNSに書かない、と覚えておくと踏み外しません。メモやノートの扱いで迷ったら、要項と誓約書に従ってください。
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無料ではじめるよくある質問
聴診器は自分のものが必要ですか?
聴診はコア・カリキュラムの診察項目に3項目入っていて、実習で実施する前提の手技です。持参か貸与かはこの表からは決まらないので、実習要項に記載が無ければ、初日より前に実習担当へ確認してください。[1]
iPadは必要ですか?
この記事からは決められません。診察道具と違って、診察項目の表からは導けないからです。大学や病院がタブレット前提の運用を指定していればそれが正で、指定が無ければ、教科書と記録を紙で持つかタブレットで持つかの好みの問題です。患者情報を私物端末に入れてよいかは別の話で、守秘義務と要項・誓約書が先に来ます。
参考書は毎日持っていくべきですか?
持ち歩きが欠かせないのは診察と記録の道具のほうです。調べ物はポケットに入る形に寄せると荷物が軽くなります。院内で私物のスマホをどこで使えるかは病棟の決まりに従ってください。iwor のライブラリはテーマ別の知識ポイントを無料で参照できるので、持ち歩く教材を減らしたいときの引き先になります。
ポリクリとクリクラは何が違いますか?
医師法などの制度上の語は「臨床実習」で、モデル・コア・カリキュラムが示す実習の形としては「診療参加型臨床実習」と呼ばれます。ポリクリもクリクラも、これを指す学生の間の通称で、この記事の内容はどの呼び名でも同じです。実習で医学生が実施する側に置かれている項目の一覧は公開されていて、ポリクリのコツで扱っています。[1]
まとめ
ポリクリの持ち物は3層に分かれます。診察項目の表から種類が決まる診察道具(聴診器・ペンライト・打腱器)。医行為の例示に診療記録記載(診療録作成)があるために要る記録の道具(筆記具・メモ)。そして大学の実習要項が決める指定品です。買い足す前に要項を読む、患者情報は口外しない——この2つを押さえれば、持ち物の判断で迷う場面はだいぶ減ります。[1]
道具が整ったら、次は動き方です。採血や縫合が、指導医の下で実施する側に載っていることを含めて、ポリクリのコツで先に読んでおいてください。
出典
- 1.一次資料文部科学省「医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)」 mext.go.jp(2026-08-08 取得)
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