ポリクリのコツ|採血も縫合も、指導医の下で実施する側に載っている
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ポリクリ(臨床実習)のコツを一つ選ぶなら、「何を求められ、どこまでやってよいか」を先に知っておくことです。それは気合いの話ではなく、公開資料で読めます。医学生が実習中に行う医行為の例示には、静脈採血も皮膚縫合も一次救命処置も、共用試験に合格した学生が大学の臨床実習の中で、指導医の監督の下に実施していく側の項目として載っています。見学だけとは限りません。[1],[2]
もう1枚は国試の過去問です。予習を別建てにする必要はなく、次に回る科の問題を解いておくのが手堅い入り方です。iwor の収録データで数えると、第120回の400問だけでも、iwor が分ける22分野のすべてに出題があります。実習の予習と国試の演習は、重ねてこなせます。
指導医の下で「実施が開始されるべき」——医行為の一覧は公開されている
文部科学省の医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)には、医学生が実習で行う医行為の例示(いわゆる門田レポート)が、巻末の診療参加型臨床実習実施ガイドラインに収載されています。項目は2列に分かれていて、①必須項目は「医師養成の観点から臨床実習中に実施が開始されるべき医行為」、②推奨項目は「実施が開始されることが望ましい医行為」です。[1]
必須項目に並ぶのは、医療面接、診療記録記載、バイタルサインチェック、静脈採血、末梢静脈確保、皮膚縫合、抜糸、手術助手、一次救命処置、心電図検査、超音波検査(心血管・腹部)など。つまり採血も縫合も、学生のうちに実施が始まっているべきものとして整理されています。実習の場で機会が回ってきたときに、これを知っていれば一歩目を迷わずに済みます。[1]
法的な土台も変わっています。2021年成立の法改正(令和3年法律第49号)で医師法が改正され、共用試験に合格した医学生は、大学が行う臨床実習において医師の指導監督の下、医業を行うことができると位置づけられました(医師法17条の2・2023年4月1日施行)。それまでの、違法ではないと解釈できるという整理から、法律上の位置づけがある形に変わったということです。制度としては、CBT・OSCEの合格がその土台になっています。[1],[2]
境界も読めます。例示は、各大学が実施範囲を定めるときの参考という位置づけで、実際に実施するかどうかは、現場の指導医が患者の状況と学生の習熟度を見て決めます。患者への説明と同意が前提にあること(同じガイドラインが院内掲示・包括同意・個別同意という形を項目立てしています)、学生が独断で医行為を行ってはならないこと(例示を収めたガイドラインの実習協定書の文例に明記)、処方箋の交付は政令で除かれているため処方は計画と下書きまでであること。ここまでが1枚目の資料で読めます。[1]
予習は、次に回る科の国試問題から入れる
実習前の予習として、映像講座を1科先行して観ておく方法を勧める記事もあります。過去問の側から入る手もあります。次に回る科の国試問題、なかでも症例文を読んで検査や初期対応を答える形式の問題は、実習で担当患者について問われることに形が近いからです。
iwor の収録データで数えると、第120回の400問だけでも、iwor が分ける22分野すべてに出題があります。回る科が決まったら、その科に近い分野の問題を実習が始まる前に解いておく。病棟で出会う病名を、過去問の症例として先に一度見ておけるということです。
次に回る科の問題だけ、先に解く。
iwor は医師のためのワークスペースで、国試演習は毎日無料で使えます。分野別で回っている科に近い分野を選び、出題形式「臨床」で絞れば、実習前の予習セットがその場で組めます。無料プランなら5問の演習セットを毎日3回組めます。
無料ではじめる診療録の記載も、必須項目に入っている
医行為の例示には、診療記録記載(診療録作成)と医療面接も並んでいます。カルテを書くことは、採血や縫合と同じ表に載った、学生が実施すべき医行為の一つです。あわせて、実習に参加する学生には医師法上の守秘義務が課されています(医師法17条の3)。担当患者のカルテの下書きや症例レポートで扱う患者の情報は、その義務の中にあります。書くのも実習の中身だと分かっていれば、雑務ではなく練習として扱えます。症例レポートや発表で経過を1枚の図にする手順は症例報告の経過表の作り方にまとめました。[1],[2]
書く前提が決まっているなら、道具と記録の運用も先に整えておくのが得です。持ち物の考え方はポリクリの持ち物に、実習前OSCEの診察の型は医学部OSCEの対策にまとめています。
よくある質問
予習は何をすればいいですか?
次に回る科に近い分野の国試問題を解くのが手堅い入り方です。第120回だけで400問が、iwor の分ける22分野に分かれています。過去問からそのまま実習の予習に入れます。
採血や縫合を、学生がやってもいいのですか?
医行為の例示では、静脈採血も皮膚縫合も、実施が開始されるべきとされる必須項目の側です。ただし条件があります。共用試験に合格した医学生が医業を行えるのは、大学が行う臨床実習の中で、医師の指導監督の下に限られます。患者への説明と同意が前提で、独断は禁止。実施するかどうかは、その場の指導医が患者の状況と学生の習熟度を見て決めます。逆に、自信が持てないときは、その場で指導医に申し出てかまいません。[1],[2]
実習中、国試の勉強と両立できますか?
分けて考えないのが答えです。回っている科の問題を解くことは、実習の予習・復習であると同時に国試の演習です。国試対策そのものをいつから始めるかという計画側の話は医師国家試験の勉強はいつからに書いています。
リストに載っていても、やらせてもらえない場合は?
例示を収めたガイドラインにある実習協定書の文例が、必修項目とされている医行為であっても、病院の診療上の必要や現実的制約、指導医の判断で見学にとどまることもあると明記しています。リストは権利の主張に使うものではなく、機会が来たときに「これは自分がやる側の項目だ」と分かっているための地図です。[1]
まとめ
ポリクリのコツは3つに畳めます。①医行為の例示を読み、採血も縫合も、共用試験に合格していれば大学の臨床実習の中で指導医の下に実施しうる項目だと知っておく。機会が来たら、患者への説明と同意が済んでいることを確かめて引き受ける。②予習は次に回る科の問題で済ませ、実習と国試の勉強を一本にする。③診療録の記載も必須項目だと知って、書く仕事を練習として引き受ける。[1],[2]
どれも根拠は公開資料です。実習の前に道具を整えるならポリクリの持ち物を、実習前の共用試験の中身はCBTの問題集の選び方をどうぞ。
出典
- 1.一次資料文部科学省「医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)」 mext.go.jp(2026-08-08 取得)
- 2.一次資料e-Gov法令検索「医師法(昭和23年法律第201号)第17条の2・第17条の3」 laws.e-gov.go.jp(2026-08-08 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制