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試験対策

OSCE対策は何から手をつけるか|医療面接・基本的臨床手技・救急は他の課題で補えない

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目次

結論から書くと、OSCEの対策で最初にやることは範囲を確定させることです。実施機関である医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)が公開している課題は10領域あります。このうち全受験者が受けるのは、医療面接・全身状態とバイタルサイン・頭頸部・胸部・腹部・神経・基本的臨床手技・救急の8領域です。残る四肢と脊柱・感染対策は実施が任意で、加えるかどうかは大学が決めます。[6],[2]

そのうえで優先順位が決まります。令和5年度以降の判定方式では、臨床実習前OSCEの合否は課題ごとの点数を足し合わせて決まるのではなく、5つのカテゴリーごとに判定されます。このうち2つはカテゴリーの中で領域どうしが補い合うのに対して、医療面接・診察技能(基本的臨床手技)・救急は単独で判定されます。補いが効かないのはこの3つなので、ここから確実にするのが順番として合理的です。[2]

全受験者が受けるのは8領域で、残る2つは大学が決める

機構は試験課題の10領域を「実施が必須の領域」8つと「実施は任意の領域」2つに分けています。任意の2つが四肢と脊柱の診察と感染対策です。ガイドブックは「大学の判断によって、9領域以上の課題を実施する場合があります」と書いています。制度の位置づけも「公的試験としては8課題で実施していますが、自主的に10課題を実施した大学もあります」と説明しています。[6]

実績もそうなっています。2025年度の第21回は81大学で実施され、内訳は8課題が69大学、9課題が2大学、10課題が10大学でした。受験者9,384人のうち、四肢と脊柱を受けたのは1,407人、感染対策は1,168人です。つまり対策の設計でまず要るのは、自分の大学が何課題を実施するかという情報です。[6]

何が出るかは、課題のサンプルまで公開されている

機構は10領域それぞれについて、サンプル課題を1つずつ公開しています。内容は試験当日とは異なることがある、と注記されています。制限時間や指示の出方は、ここで先に見ておけます。[5]

課題そのものは「診療参加型臨床実習に必要とされる技能と態度についての学修・評価項目」を元に作られます。2026年度のガイドは、受験前の準備として教育・学修用動画を必ず視聴するよう求めたうえで、2つの但し書きを置いています。学修・評価項目の内容は、動画に含まれていなくても出題されます。逆に、学修・評価項目で「*」が付いている項目は、動画に含まれていても出題されません。[1]

つまり範囲の正本は動画ではなく学修・評価項目のほうです。動画だけを見て「ここは映っていなかったから出ない」と判断すると外します。

機構は「*」の項目を出題しないと明記している

身体診察は、C-1 全身状態とバイタルサインからC-6 四肢と脊柱までが*なしで並びます。C-7 直腸診からC-13 高齢者までの7つには、見出しごと*が付いています。G *報告とH *臨床推論も同じです。[3]

*は見出しだけでなく項目にも付きます。たとえば腹部の聴診にある「*振水音を聴診する」がそれです。範囲を絞るときは、見出しだけでなく項目の頭も見てください。[3]

この印の意味は資料自身が説明しています。*は「臨床実習中に学修し身につけるべきだが、臨床実習開始前には備わっていなくてもよい」と判断された項目に付いています。つまり*が付いた項目は出題されません。学ぶこと自体は必要で、試験対策の優先順位を下げる材料として使ってください。[3],[1]

合否は課題ごとではなく、5つのカテゴリーで決まる

機構は、評価結果を「患者への配慮」「医療面接」「診察技能(身体診察)」「診察技能(基本的臨床手技)」「救急」の5つのカテゴリーに分けて示すと説明しています。どれかのカテゴリーで最低のF評価になると、そのカテゴリーに含まれる到達できなかった課題だけを再試験で受けます。到達できなかった課題がいくつあるかで、再試験の課題数は変わります。[2]

補い合える領域と、補い合えない領域がある

相補的に判定されるのは「患者への配慮」と「診察技能(身体診察)」の2つです。機構は例まで挙げています。[2]

神経診察がわずかに不十分であっても、他の、全身状態とバイタルサイン、頭頸部、胸部、腹部、の4領域が十分到達基準に達していれば、不到達評価にはなりません。[2]

得点率の合計が到達基準の合計を下回ったときに不到達となる仕組みです。なお「患者への配慮」が対象にしているのは身体診察と基本的臨床手技の両方です。[2]

一方で、医療面接・診察技能(基本的臨床手技)・救急は単一領域で判定されます。ここは他の課題の出来で埋め合わせができません。身体診察で1つ苦手があっても他でカバーできるのに対して、この3つは1つずつが単独で効きます。[2]

この構造から考えると、先に手を入れたいのは医療面接・基本的臨床手技・救急です。身体診察は「どれか1つを完璧に」ではなく全体の底上げが効きます。

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受験機会は全国で統一されている

機構は受験機会が全国統一であること、各大学の規則とは異なることがあるので注意することを案内しています。ガイドは、この統一が2026年度に変更されたと注記しています。回数は原則2回まで。追加が認められるのは、学校保健安全法に定められた学校感染症、疾病やケガ、妊娠・出産、忌引、災害、そして機構が受験不可能と判断した事案です。これらで受験できなかった場合に限り、その年度に3回目の機会が追加されます。3回目に受験しなかった場合、または受験して不到達だった場合は、その年度のOSCEは不到達となります。[1]

集合場所と集合時刻、受験者が準備する診察器具は大学が決めます。服装や髪型などの身だしなみ、試験室への持ち込みの可否は機構が定めています。[1]

CBTとOSCEは、合わせて一つの試験

OSCEは単独の試験ではありません。2023年度から医師法の下の公的な試験になり、知識を見るCBTと技能・態度を見るOSCEの2つで「医学生共用試験」を構成しています。[1]

合格の判定も2つまとめてです。ガイドは、CBTとOSCEの両方の到達基準を同一年度内にクリアした学生が合格と判定されると説明しています。合格証が届き、「臨床実習生(医学)」と記された認定証を付けて診療参加型臨床実習へ進みます。合格した学生は、指導医の指導監督のもとで診療チームの一員として実際の診療に参加することが法的に許容されます。[1]

どちらかが到達基準に達しなかった場合は、達しなかったほうの再試験を受けます。ここでガイドが念を押しているのが受験料です。[1]

両者は合わせて一つの試験ですから、受験料は、再度、全額納入しなければならないことも知っておいてください。[1]

CBT と OSCE をいつ受けて、どのくらいの人が届かないのかは、医学部4年生のCBTとOSCEに2025年度の数字でまとめました。

落ちたときに受け直すのは、届かなかった領域だけ

再試験で受けるのは、到達基準に達しなかった領域の課題です。全部は受け直しません。ただし本試験で受験者側の事由により受けられなかった課題があると、その課題は「到達基準に達しなかった」ものとして扱われ、再試験の対象になります。追試験と再試験の課題は、原則として本試験とは別の課題です。[1]

本番中に知っておくと効くこともあります。時間内に実技を終えられなかった場合も、模擬患者への挨拶は行うよう案内されています。[1]

この順で手をつける

  • 自分の大学が実施するのが8課題か、四肢と脊柱・感染対策を加えた9〜10課題かを確認する
  • 学修・評価項目の*が付いた見出しと項目は、試験対策の優先度を下げる
  • 補いの効かない医療面接・基本的臨床手技・救急を先に固める(医療面接の10分の中身はOSCEの医療面接は10分で何をするか)
  • 身体診察は、苦手を1つ潰すより全体の底上げを狙う
  • 教育・学修用動画を見たうえで、動画に映っていない項目が学修・評価項目に無いかを突き合わせる
  • 集合場所・集合時刻と、準備する診察器具を所属大学の案内で確認する

知識のほうは共用試験のもう片方、CBTと地続きです。CBTの出題形式と合格基準は医学生のCBT勉強法で扱っています。プール問題の本数をめぐる数字の食い違いはCBTのプール問題は何問かにあります。

よくある質問

臨床実習前のOSCEと臨床実習後のOSCEは何が違いますか

別の試験で、機構はガイドを別々に公開しています。この記事は臨床実習前のほうです。実習後OSCEの範囲と当日の段取りはPost-CC OSCE対策にまとめました。[4]

感染対策や四肢の診察も出るのですか

どちらも実施が任意の領域で、出るとは限りません。やるかどうかは大学が決めるので、答えは在籍大学の案内にあります。出る場合、感染対策の課題は前腕を露出して行うため、入室の前後に準備が要ります。[6],[1]

自分の出来がどこで足りなかったかは分かりますか

試験のフィードバックは行われません。ただし不到達だと、成績表に再試験が必要な課題領域が載ります。[1],[2]

まとめ

OSCEは範囲が公開されている試験です。自分の大学が実施する課題数と、学修・評価項目の*を突き合わせれば、その日のうちに準備すべき範囲が決まります。そして到達判定は5つのカテゴリーで行われ、医療面接・基本的臨床手技・救急は他の課題で補えません。練習の順番に迷ったら、この3つを先に置いてください。合格した先の臨床実習に向けた準備はポリクリの持ち物にまとめています。実習中の動き方はポリクリのコツにあります。[6],[2]

出典

  1. 1.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「2026年度医学生共用試験臨床実習前OSCE 学修・受験ガイド」 cato.or.jp(2026-09-09 取得)
  2. 2.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「令和5年度からの臨床実習前共用試験の合格判定について」 cato.or.jp(2026-09-09 取得)
  3. 3.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「診療参加型臨床実習に必要とされる技能と態度についての学修・評価項目(第1.1版)」 cato.or.jp(2026-09-09 取得)
  4. 4.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「2026年度医学生共用試験臨床実習後OSCE 学修・受験ガイド(機構課題)」 cato.or.jp(2026-09-09 取得)
  5. 5.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「医学生共用試験臨床実習前OSCE サンプル課題」 cato.or.jp(2026-09-09 取得)
  6. 6.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)」 cato.or.jp(2026-09-09 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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