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試験対策

医学部CBTの問題集はどれを選ぶ?|公式の出題割合から逆算する1冊目の決め方

iwor 編集部9分で読めます
目次

CBTの問題集は、商品名を比べる前に「試験のどこに配点が寄っているか」から決めると迷いません。CATO(医療系大学間共用試験実施評価機構)が公表している出題割合では、臨床に関わる3つの大項目だけで約75%を占めます。また320設問のうち採点されるのは252設問で、残る68設問は採点対象外の試行問題です。この2つを前提に置くと、1冊目に何を選ぶべきか、2冊目が要るのはどういう人かがはっきりします。[2],[1]

まず前提:CBTはどこから出るのか

臨床系の3項目で約75%

CATOが示すモデル・コア・カリキュラム大項目ごとの出題割合は次のとおりです(第16回・2020年度試験から平成28年度改訂版に準拠)。[2]

  • A 医師として求められる基本的な資質・能力……約10%
  • B 社会と医学・医療/C 医学一般……約15%
  • D 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療……約35%
  • E 全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療……約20%
  • F 診療の基本……約20%
[2]

D・E・Fを合わせると約75%です。基礎医学に相当するB・Cは約15%にとどまります。基礎から順に積み上げたくなりますが、配点の重心は臨床側にあります。問題集を1冊しか回せないなら、臨床の網羅性が高いものを選ぶ——これが公式資料から出る最初の結論です。なお、この割合は目安として示されたものであり、良問の集積状況によって調整される場合があるとされています。[2]

採点されるのは320問中252問

CBTは全320設問ですが、採点対象は医学系で252設問です。残りの68設問は新規に作成された試行問題で、全大学の試験終了後に問題としての性能を評価し、良質なものだけが次回以降のプール問題として蓄積されます。どの設問が試行問題かは受験中には分かりませんが、320問すべてが得点に効いているわけではない、という前提は知っておいて損がありません。[1]

ここは数字が入れ替わったところなので補足します。解説記事の多くは「320問のうち240問が採点対象、80問が採点対象外」と書いていますが、これは間違いというより古い数字です。CATOのガイドブックは第22版(令和6年)まで「320設問中約240設問が採点対象」「残りの約80設問は試行問題」と、医学系・歯学系を分けずに書いていました。第23版(令和7年)から「医学系は252設問、歯学系は約240設問」と書き分けられ、最新の第24版(令和8年)でも医学系は252設問です。自己採点の感覚を作るときは、新しいほうの数字を使ってください。[1],[8],[4],[5]

過去問は公開されない

CBTはプール問題からランダムに出題される方式で、プール問題は非公開とされています。国試のように過去問集を買って本番の問題そのものを解く、という対策は成立しません。市販の問題集や各社のオンライン演習は、出題範囲と形式に沿って作られた練習問題です。ただし「公式が何も出していない」わけではありません。CATOは「医学生共用試験CBT公開資料」として医学系CBT問題サンプルと2009年の医学系CBT公開問題を掲載しており、ガイドブックにも公開問題が載っています。形式に慣れる目的なら、まずここを見るのが確実です。[3],[7]

1冊目の選び方:3つの条件

以上を踏まえると、1冊目に求める条件は3つに絞れます。商品名から入るのではなく、この条件を満たすかで選ぶほうが失敗しません。

(1) 臨床(D・E・F)を切らずに通しで載せている

配点の約75%が臨床側にある以上、臨床が薄い教材を1冊目にすると、後から埋める手間のほうが大きくなります。分冊構成の教材を使う場合は、臨床を含む巻まで買い切れるかを最初に確認してください。基礎だけ買って止まる、が一番よくないパターンです。[2]

(2) 3つの出題形式に触れられる

CBTのブロック構成は、五選択肢択一が60設問×4ブロック、多選択肢択一が40設問、順次解答4連問(五選択肢択一)が40設問です。各ブロック1時間で、最終ブロックの4連問は一度解答して次に進むと元の問題に戻れません。多選択肢択一と4連問は日常の勉強で出会わない形式なので、1冊目の段階でこの2つに触れられるかどうかは見ておく価値があります。4連問の対策はCBTの4連問対策にまとめています。[2]

(3) 解説が「なぜ他が違うか」まで書いてある

CATOは五選択肢択一形式の設問について、記憶しているかどうかを問うことよりも解釈・思考力を問うことを重視し、基礎・臨床の知識を統合した問題や病態生理を問う問題を重視すると記載しています。正解の根拠だけを覚える解き方では、同じ病態を別角度から問われたときに崩れます。選択肢ごとに理由が書かれている教材のほうが、結果的に回転数が少なくて済みます。[2]

2冊目が要るのはどういう人か

「まず1冊」と言われても、周囲が複数の教材を併用していると不安になります。2冊目を足す価値があるのは、次のどちらかに当てはまるときです。

  • 1冊目を通し終えて、正答率が安定して高い状態にある(=演習量の不足ではなく、出題のバリエーションが足りない段階)
  • 特定の大項目だけ明確に落ちていて、そこを厚く扱う教材がある(=苦手領域の補強が目的で、通しの二周目ではない)

逆に、1冊目が中途半端な段階で2冊目を足すと、遠回りになりやすくなります。CBTの教材はいずれも同じモデル・コア・カリキュラムを土台にしており、増やした分だけ1冊あたりに割ける時間は減ります。ここは出典のある話ではなく、範囲の広さから来る経験則として読んでください。残り期間や既習度によって最適解は変わるので、最終的な判断は自分の進捗を見て決めてください。教材の役割分担という考え方は参考書・問題集・アプリの組み合わせ方でも整理しています。

「1本だけで受かるか」は商品名では決まらない

特定の教材だけで足りるか、という聞き方をすると答えが出ません。CBTはプール問題からの出題で、その中身は公開されていません。どの教材も、公表されている出題範囲と形式に沿って作られた練習問題です。だから見るべきは評判ではなく、上の3つの条件——臨床(D・E・F)を通しで載せているか、多選択肢択一と順次解答4連問に触れられるか、選択肢ごとに解説があるか——を満たしているかどうかになります。成書や映像講義を足すかどうかは、この3つが埋まってから考えれば足ります。[3],[2]

価格と収録数をどう確認するか

本記事では、各社の問題集の収録問題数と価格を数値としては書きません。CBT向けの教材はオンライン提供への移行やライセンス期間の変更が続いており、公開時点で正しく書いても短期間で古くなるためです。数字を載せない代わりに、どこで何を確認すればよいかを示します。

確認は各社の公式ページで行ってください。見るべき項目は、収録問題数、価格、利用期間(買い切りか年度末までか)、対応形式(多選択肢択一・4連問を含むか)、更新の頻度の5つです。本記事で確認した範囲では、メディックメディアのQBオンラインCBT、エムスリーエデュケーション(TECOM)の問トレCBT・モントレCBTなどが医学部CBT向けとして流通しています(2026年8月時点。網羅を意図したものではありません)。TECOMはエムスリーエデュケーションのブランドなので、この2つは別会社の製品ではありません。モントレCBTのように無料で提供されているものもあるため、まず価格の有無から確認してください。大学単位で契約している場合もあります。まず所属大学が何を配布・契約しているかを確認すると、そもそも買う必要がないケースもあります。

選んだあと、点差がつくのは「回し方」

どれを選ぶかで悩む時間は、回し方を整える時間に振り替えたほうが報われやすいところです。CBTの範囲は広く、1周目に理解した内容は、2周目に入る頃には最初のほうから抜け始めます。到達基準はIRT標準スコア396で、これは基準集団の成績を平均500・標準偏差100として算出したスコアです。参考として、第21回(2025年度)のCBTではIRT標準スコアの平均が519点、素点の平均が76.5点でした(前年度のIRT平均は513点)。届かせるために必要なのは新しい教材ではなく、覚えた内容を落とさないことです。[3],[6]

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よくある質問

CBTの問題集は何冊必要ですか?

臨床(D・E・F)を通しで扱う1冊を最後まで回すのが基本です。2冊目が有効なのは、1冊目を終えて正答率が安定している場合か、特定の大項目だけ明確に落ちている場合に限られます。[2]

CBTの過去問はどこで手に入りますか?

本試験のプール問題は非公開のため、国試のような過去問集は手に入りません。ただしCATOが「医学生共用試験CBT公開資料」として医学系CBT問題サンプルと2009年の医学系CBT公開問題を公開しており、ガイドブックにも公開問題が掲載されています。市販教材や各社のオンライン演習は、出題範囲と形式に沿って作られた練習問題です。[3],[7]

基礎医学の問題集も買うべきですか?

出題割合ではB・Cが約15%、Aが約10%です。基礎を捨てる意味ではありませんが、専用の1冊を買い足す前に、臨床側の網羅を終えているかを先に確認してください。[2]

何割取れば合格ですか?

合否はIRT標準スコア396で判定されます。IRTは問題ごとの難易度を織り込んでスコアを出す仕組みで、得点率が同じ受験生でもIRT標準スコアは異なることがあるため、明確な合格得点率は分からないとされています。得点率の目安の話はCBTで9割を取る勉強法で扱っています。[3],[9]

まとめ

問題集選びは、公式の出題割合(臨床のD・E・Fで約75%)と採点の仕組み(320設問中252設問が採点対象、プール問題は非公開)を先に押さえると単純になります。1冊目は臨床を通しで載せていて、多選択肢択一と4連問に触れられ、選択肢ごとの解説があるもの。2冊目は条件を満たしたときだけ。価格と収録数は解説記事の転記ではなく提供元の公式ページで確認する。試験の全体像と勉強法は医学生のCBT勉強法、CBTの成績が国試にどう効くのかはCBTと国試の相関はどこまで本当かにまとめています。[2],[1],[3]

出典

  1. 1.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)臨床実習前共用試験の概要(CBT) cato.or.jp2026-08-01 取得)
  2. 2.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)医学生共用試験 出題基準と試験形式 cato.or.jp2026-08-01 取得)
  3. 3.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)共用試験の合格判定について(到達基準の設定) cato.or.jp2026-08-01 取得)
  4. 4.医師国家試験予備校MEDICINE医学部CBT勉強法-おすすめ問題集と勉強法完全対策ガイド(「240問はプール問題/80問は新作問題であり採点されません」との記述) m-e-dicine.com2026-08-01 取得)
  5. 5.医学生道場医学部CBTの勉強法(「320問のうち240問がプール問題」「新問題として出題される80問は採点されません」との記述) igakuseidojo.com2026-08-01 取得)
  6. 6.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)第21回(2025年度)全国成績 cato.or.jp2026-08-01 取得)
  7. 7.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)医学生共用試験CBT公開資料(医学系CBT問題サンプル・2009共用試験「医学系CBT公開問題」) cato.or.jp2026-08-01 取得)
  8. 8.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)共用試験ガイドブック 第22版(令和6年)臨床実習前共用試験の概要(CBT)=「320設問中約240設問が採点対象」と記載していた版 cato.or.jp2026-08-01 取得)
  9. 9.メディックメディア(INFORMA)CBTとは(合格基準・IRT標準スコア) informa.medilink-study.com2026-08-01 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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