医学部CBTの問題集はどれを選ぶ?|公式の出題割合から逆算する1冊目の決め方
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CBTの問題集は、商品名を比べる前に「試験のどこに出題が寄っているか」から決めると迷いません。CATO(医療系大学間共用試験実施評価機構)が公表している出題割合では、D・E・Fの3つの大項目だけで約75%を占めます。320設問のうち採点されるのは252設問で、残りの68設問は採点されない試行問題です。この2つを前提にすると、1冊目に何を選ぶか、2冊目が要るのはどんな人かがはっきりします。[2],[1]
まず前提:CBTはどこから出るのか
D・E・Fの3項目で約75%
CATOが示す、モデル・コア・カリキュラムの大項目ごとの出題割合は次のとおりです。第16回(2020年度)の試験から、平成28年度改訂版に準拠しています。[2]
- A 医師として求められる基本的な資質・能力と、B 社会と医学・医療……あわせて約10%
- C 医学一般……約15%
- D 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療……約35%
- E 全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療……約20%
- F 診療の基本……約20%
D・E・Fを合わせると約75%です。問題集を1冊しか回せないなら、この3項目をしっかり載せているものを選びましょう。この割合は目安で、良い問題の集まり具合によって調整されることがあります。
採点されるのは320問中252問
CBTは全320設問ですが、医学系で採点されるのは252設問です。残りの68設問は新しく作られた試行問題で、全大学の試験が終わったあとに問題としての性能を調べ、良いものだけが次回以降のプール問題に加わります。どれが試行問題かは受験中には分かりませんが、320問すべてが得点に効くわけではない、と知っておくと気持ちが楽になります。[1]
320問のうち240問が採点されると書いた解説も残っていますが、いまは252問です。[4],[5]
第24版は、医学系は252設問、歯学系は約240設問と書き分けています。[8],[9]
過去問は公開されない
CBTはプール問題からランダムに出る方式で、プール問題は公開されていません。国試のように過去問集を買って本番の問題そのものを解く、という対策はできません。市販の問題集や各社のオンライン演習は、出題範囲と形式に合わせて作られた練習問題です。[3]
ただ、公式の資料もあります。CATOは「医学生共用試験CBT公開資料」の医学系CBT問題サンプルとして、2009年の医学系CBT公開問題を載せています。ガイドブックにも公開問題が載っているので、形式に慣れるならまずここを見ましょう。[7]
1冊目の選び方:3つの条件
ここまでをふまえると、1冊目に求める条件は3つです。商品名から入るより、この条件を満たすかで選ぶほうが失敗しにくくなります。
(1) D・E・Fを通しで載せている
出題の約75%がD・E・Fなので、ここが薄い教材を1冊目にすると、あとで埋める手間のほうが大きくなります。分冊の教材を使うなら、D・E・Fを含む巻まで買い切れるかを最初に見ておきましょう。[2]
(2) 3つの出題形式に触れられる
CBTのブロックは、五選択肢択一が60設問×4ブロック、多選択肢択一が40設問、順次解答4連問(五選択肢択一)が40設問です。各ブロック1時間で、最後の4連問は一度答えて次に進むと前の問題に戻れません。多選択肢択一と4連問はふだんの勉強で出会わない形式なので、1冊目でこの2つに触れられるかを見ておきましょう。4連問の対策はCBTの4連問対策にまとめています。[2]
(3) 解説が「なぜほかの選択肢が違うか」まで書いてある
CATOは五選択肢択一の設問について、記憶しているかどうかより、解釈・思考力を問うことを重視するとしています。基礎と臨床の知識を統合した問題や、病態生理を問う問題も重視すると書いています。正解の根拠だけを覚える解き方だと、同じ病態を別の角度から聞かれたときに崩れます。選択肢ごとに理由が書いてある教材を選びましょう。[2]
2冊目が要るのはどんな人か
「まず1冊」と言われても、周りが何冊も使っていると不安になります。2冊目を足す価値があるのは、次のどちらかに当てはまるときです。
- 1冊目を通し終えて、正答率が安定して高い。演習の量ではなく、問題のバリエーションが足りない段階
- 特定の大項目だけはっきり落ちていて、そこを厚く扱う教材がある。苦手の補強が目的で、通しの2周目ではない
逆に、1冊目が途中のうちに2冊目を足すと、遠回りになりやすいです。CBTの教材はどれも同じモデル・コア・カリキュラムを土台にしていて、冊数を増やすほど1冊にかけられる時間は減ります。教材の役割分担の考え方は参考書・問題集・アプリの組み合わせ方でもまとめています。
「1冊だけで受かるか」は、商品名では決まらない
特定の教材だけで足りるか、という聞き方では答えが出ません。CBTは非公開のプール問題から出るので、どの教材も公表された出題範囲と形式に合わせた練習問題です。見るべきは評判ではなく、上の3つの条件です。D・E・Fを通しで載せているか、多選択肢択一と順次解答4連問に触れられるか、選択肢ごとに解説があるか。成書や映像講義を足すかは、この3つが埋まってから考えましょう。[3],[2]
価格と収録数は、公式ページで確かめる
CBT向けの教材は、オンライン化や利用期間の変更が続いていて、収録問題数や価格はすぐに変わります。数字は各社の公式ページで確かめましょう。見る項目は5つです。収録問題数、価格、利用期間が買い切りか年度末までか、多選択肢択一と4連問に対応しているか、更新の頻度です。
医学部CBT向けには、たとえばメディックメディアの「クエスチョン・バンク医学共用試験CBT」があります。上の3つの条件を満たすかは、公式ページで見ましょう。大学単位で契約していることもあるので、まず所属大学が何を配っているかを見ると、買わずに済む場合もあります。
買う前に解けるものもあります。2026年9月27日時点で、モントレCBTは「完全無料」を掲げています。CBT対策に特化したオリジナル問題を3,500問以上、全問解説付きで載せているとしています。MEC Net も、メックオリジナルのCBT問題を約3,000問、無料で演習できるとしています(対象は1〜4年生)。どちらも無料の会員登録をして使う形です。[10],[11]
先にこの2つを回せば、自分がどの項目で崩れるかを見つけられます。そのうえで紙や有料の問題集を足すなら、埋める場所が決まった状態で選べます。
選んだあと、差がつくのは「回し方」
どれを選ぶかで悩む時間は、回し方を整える時間に回しましょう。CBTの範囲は広く、1周目に理解した内容は、2周目に入るころには最初のほうから抜け始めます。到達基準はIRT標準スコア396で、基準集団の成績を平均500・標準偏差100として出したスコアです。第21回(2025年度)のCBTでは、IRT標準スコアの平均が519点(前年度は513点)、素点の平均が76.5点でした。[3],[6]
iwor では、ライブラリのテーマから知識ポイントをカードにでき、4段階の自己評価に応じて次の復習日が自動で決まります。学習したカードのうち期限が来たものは「今日の復習」にまとまるので、問題集を回しながら、前に覚えたところを毎日拾い直せます。
iwor は対策する試験に CBT を選べて、ライブラリ・演習・暗記カードが CBT の範囲に切り替わります。演習に出るのは CBT の範囲に当たる国試の問題で、CBT の過去問は公開されていないので収録していません。CBT期は、問題集で演習して、出てきた項目をライブラリで引き、そのカードを復習に回す使い方になります。
iwor なら、覚えた知識を忘れる前に戻せます。
知識ポイントがそのまま暗記カードになります。表と裏は作成済みで、「今日の復習」は忘れかけた頃に自動で組まれます。iwor は医師のためのワークスペースです。
無料ではじめるよくある質問
CBTの問題集は何冊必要ですか?
D・E・Fを通しで扱う1冊を、最後まで回すのが基本です。2冊目が役立つのは、1冊目を終えて正答率が安定しているときか、特定の大項目だけはっきり落ちているときです。
CBTの過去問はどこで手に入りますか?
本試験のプール問題は非公開なので、国試のような過去問集はありません。ただ、CATOが公開資料として2009年の公開問題を出しています。
基礎医学の問題集も買うべきですか?
C 医学一般は約15%で、D にも「正常構造と機能」が入っています。専用の1冊を買い足す前に、D・E・Fを通しで扱う1冊を回し切れているかを見ましょう。
何割取れば合格ですか?
合否はIRT標準スコア396で決まります。IRTは問題ごとの難しさを織り込むので、得点率が同じでもスコアは変わり、はっきりした合格の得点率は出せません。[3],[12]
まとめ
問題集選びは、公式の出題割合と採点のしくみを先に押さえると単純になります。D・E・Fで約75%、320設問中252設問が採点対象、プール問題は非公開です。1冊目は、D・E・Fを通しで載せていて、多選択肢択一と4連問に触れられ、選択肢ごとの解説があるもの。2冊目は条件に当てはまるときだけ。買う前に無料で解ける演習もあるので、収録数と価格は公式ページで見てから決めてください。
試験の全体像と勉強法は医学生のCBT勉強法にまとめています。CBTの成績が国試にどう効くのかはCBTと国試の相関はどこまで本当?へ。
出典
- 1.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)臨床実習前共用試験の概要(CBT)」 cato.or.jp(2026-08-01 取得)
- 2.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)医学生共用試験 出題基準と試験形式」 cato.or.jp(2026-09-16 取得)
- 3.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験の合格判定について(到達基準の設定)」 cato.or.jp(2026-08-01 取得)
- 4.医師国家試験予備校MEDICINE「医学部CBT勉強法-おすすめ問題集と勉強法完全対策ガイド」 m-e-dicine.com(2026-08-01 取得)
- 5.医学生道場「医学部CBTの勉強法」 igakuseidojo.com(2026-08-01 取得)
- 6.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)第21回(2025年度)全国成績」 cato.or.jp(2026-08-01 取得)
- 7.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「医学生共用試験CBT公開資料(2009共用試験「医学系CBT公開問題」)」 cato.or.jp(2026-08-01 取得)
- 8.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第23版 p11(採点対象設問数)」 cato.or.jp(2026-09-06 取得)
- 9.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第22版(令和6年)臨床実習前共用試験の概要(CBT)」 cato.or.jp(2026-08-01 取得)
- 10.一次資料エムスリーエデュケーション(テコプラ)「モントレ|完全無料のCBT・医師国試対策用WEB問題集」 pimed.m3e.jp(2026-09-27 取得)
- 11.一次資料MEC Net(株式会社メック)「無料の医師国家試験 過去問/CBT 問題演習」 mecnet.jp(2026-09-27 取得)
- 12.メディックメディア(INFORMA)「CBTとは(合格基準・IRT標準スコア)」 informa.medilink-study.com(2026-08-01 取得)
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