医師が国際協力に関わるには|JICAの緊急援助隊は実務5年、国境なき医師団の内科医は初期研修後3年、国際機関のJPOは35歳まで
目次
医師が国際協力に関わる道には、災害時に派遣されるJICAの国際緊急援助隊、国境なき医師団の海外派遣、国際機関で働く外務省のJPOがあります。
緊急援助隊と国境なき医師団は、初期研修だけでは条件に届かず、臨床の年数と語学力が要ります。研修医のうちにできるのは、年数と語学の準備を逆算して始めることです。
災害のときに行くなら、JICAの国際緊急援助隊
国際緊急援助隊の医療チームは登録制です。仮登録のあと導入研修を受け、本登録されると、派遣のたびに登録者から隊員が選ばれます。[1]
- 仮登録の時点で20歳以上60歳未満
- 研修医期間を含めて、実務経験5年以上
- 英検2級程度・TOEIC540点相当の英語力が望ましい
- 所属先の公印つきの承認書
- 派遣が決まってから48時間以内の出発が目標で、派遣は2週間程度
本登録しても派遣が約束されるわけではなく、何年も派遣の機会がないこともあるとJICAは書いています。勤務医には、急に2週間抜けることを職場が認めてくれるかが一番の壁になります。[1]
長く現場に入るなら、国境なき医師団
国境なき医師団の内科医の募集では、必須の条件が次のとおりです。派遣期間の目安は6か月からです。[2]
- 初期研修後、3年以上の臨床経験
- 英語で業務ができること(CEFR で B2 以上)
- マネジメントや教育の経験
派遣先の多くはフランス語圏で、英語に加えてフランス語を話せる人を積極的に採用するとしています。外科・麻酔科・産婦人科・小児科などは別の募集で、条件は職種ごとに違います。[2]
国際機関で働くなら、外務省のJPO
JPOは、35歳以下の日本人が2年間、国際機関で働く経験を積む外務省の制度です。応募には、修士号と2年以上の職歴、英語で職務ができること、日本国籍が要ります。[3]
日本の6年制の医学部を卒業していれば、修士号相当として応募できます。職歴の2年には、フルタイムでない仕事の期間は入りません。[4]
派遣が終わっても、国際機関の正規職員になれる保証はありません。空席のポストに応募して採用されて、はじめて正規職員になります。2024年度の派遣は41人でした。[3]
研修医のうちに始められること
- 臨床の年数を数える:緊急援助隊は研修医期間を含めて5年、国境なき医師団の内科医は初期研修のあと3年
- 英語の試験の点数を取っておく:英検・TOEIC、CEFR の B2 が目安になる
- 勤務先に、長く不在にすることや承認書の出し方を聞いておく
- JPOを考えるなら、35歳から逆算する
臨床の年数をどこで積むかは、専門研修の選び方と重なります。専門医の取り方は専門医のなり方にまとめています。
英語の論文を読む習慣から
3つの道はどれも語学力が問われ、中心は英語です。iwor の論文アプリでは、科ごとに週7本までに絞った号が届くので、自分の科の英語の論文を読む習慣を作るところから始められます。
iwor なら、読む論文を選ぶところで迷わずにすみます。
編集ルールで科ごとに週7本までに絞った号と、分野で絞れるライブラリがあります。無限に流れてくる新着ではなく、読み切れる量で届きます。iwor は医師のためのワークスペースです。
無料ではじめるよくある質問
初期研修医でも応募できますか
緊急援助隊は研修医期間を含めて実務5年以上、国境なき医師団の内科医は初期研修後3年以上が条件なので、初期研修中は届きません。それまでに、臨床の年数と英語を準備しておきます。[1],[2]
まとめ
災害の短い派遣なら緊急援助隊、長く現場に入るなら国境なき医師団、国際機関ならJPOです。どれも年数と語学力が問われるので、研修医のうちに年数を数え、英語の点数を取っておくところから始めます。
出典
- 1.一次資料独立行政法人 国際協力機構(JICA)「医療チームへの参加に関心のある方へ(国際緊急援助隊・2026年4月16日更新)」 jica.go.jp(2026-10-15 取得)
- 2.一次資料国境なき医師団日本「募集職種:内科医(海外派遣スタッフ)」 msf.or.jp(2026-10-15 取得)
- 3.一次資料外務省 国際機関人事センター「JPO派遣制度」 mofa-irc.go.jp(2026-10-15 取得)
- 4.一次資料外務省 国際機関人事センター「JPO試験 Q&A(Q11・Q12)」 mofa-irc.go.jp(2026-10-15 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制