初期研修と後期研修で病院を変えられるか|専門研修は順位表ではなく、1プログラムへの直接応募
目次
変えられます。制度の側から見ると、初期研修と専門研修は最初から別の手続きです。
考えるべきなのは「変えていいか」ではなく、応募の形が初期研修とまるで違うことのほうです。
専門研修にマッチングは無い
日本専門医機構は、研修プログラムへの応募の流れをこう説明しています。[1]
また、専門医機構は初期臨床研修のようなマッチングは行いません。必ずご自身で応募先を決定し、応募を行ってください。[1]
順位表も、組合せを決めるアルゴリズムも使いません。応募先は自分で決めて、直接出します。
出せる数も違います。[1]
それぞれの募集において応募できる専門研修プログラムは1つに限ります。複数プログラムへの重複応募は出来ませんのでご注意ください。1次募集で選考にもれた方は、2次募集に応募してください。[1]
初期研修のマッチングでは、選考を受けたプログラムをすべて順位表に載せられました。2025年度の平均は5.22プログラムです。専門研修はその真逆で、1回の募集につき1つです。初期研修の側の数の考え方はマッチングは平均何病院に出すのかにあります。[2]
応募の前に専攻医登録が要ります。機構のシステムに、氏名・医籍登録番号・修了した臨床研修プログラム・希望する領域などを入れます。登録が済むと、プログラムへ応募できるようになります。[1]
初期研修先を選んだ理由に「専門研修と同じ病院」を挙げた人は3.3%
厚生労働省は毎年、その年に臨床研修を修了する研修医にアンケートを取っています。令和7年は6,970人が答えました。その中に「臨床研修を行った病院(プログラム)を選んだ理由」があります。3つまで選べる設問です。[4]
- 希望する専門研修プログラムと同じ病院だから:全体3.3%(大学病院5.6%・臨床研修病院2.1%)
- 希望する専門研修プログラムが、臨床研修病院の系列大学や同大学の関連病院のプログラムだから:全体3.2%
上位に並ぶのは別の理由です。臨床研修のプログラムが充実46.9%、指導体制が充実31.7%、多くの症例を経験できる24.1%。専門研修へそのまま進めることを理由に初期研修先を選んだ人は、少数でした。[4]
修了後、どこへ行っているか
同じアンケートに、修了後に引き続き従事する業務の集計があります。研修した病院の種類ごとに分かれています。[4]
- 大学病院以外の臨床研修病院で研修した4,370人:大学病院以外の病院51.8%/卒業大学の大学病院21.3%/卒業大学以外の大学病院22.4%
- 卒業大学の大学病院で研修した1,451人:卒業大学の大学病院67.7%/大学病院以外の病院18.3%
- 卒業大学以外の大学病院で研修した1,078人:卒業大学以外の大学病院63.3%/大学病院以外の病院22.1%
市中病院で研修した人のうち、大学病院へ移るのは43.7%です。半数近くが、病院の種類ごと変えています。
この集計が答えているのは病院の種類までで、同じ病院に残ったかどうかは分かりません。「大学病院以外の病院」には、研修した病院も別の市中病院も同じように入ります。
1回の募集に出せるのは1つ
初期研修のマッチングでは、選考を受けたプログラムをすべて順位表に載せて、上から順に判定してもらえました。専門研修では、1回の募集につき1プログラムを自分で選びます。外したときの戻り方が違います。[1]
1次募集で採用されなかった場合は2次募集に応募できます。1次に応募しなかった人も2次に応募できます。[1]
だから、見学や面接の前に候補を1つに絞る作業が要ります。初期研修のように「迷ったら順位表に足す」ことはできません。
内科に進むなら、J-OSLER の登録が始まる
内科を選ぶなら、専門研修が始まると同時に J-OSLER への登録が始まります。修了要件は症例・病歴要約29編・学会発表・JMECC・講習会・360度評価の6つです。中身はJ-OSLER とはにまとめています。[3]
内科に決まったら、iwor で症例と疾患群の残りを要件から逆算できます。正式な登録と評価は J-OSLER で行います。iwor は日本内科学会・日本専門医機構・厚生労働省の公式システムではありません。
よくある質問
初期研修と違う病院で後期研修を受けられますか
受けられます。専門研修プログラムへの応募は初期研修とは別の手続きで、初期研修先とのつながりは要りません。[1]
専門研修にもマッチングはありますか
ありません。機構は「初期臨床研修のようなマッチングは行いません」と明記しています。応募先は自分で決めて直接応募します。[1]
何プログラムに応募できますか
1回の募集につき1領域の1プログラムです。重複応募はできません。[1]
1次募集で採用されなかったらどうなりますか
2次募集に応募できます。1次に応募していなかった人も、2次から応募できます。[1]
同じ病院に残るほうが有利ですか
公表されている資料からは決まりません。分かるのは、初期研修先を選んだ理由に「希望する専門研修プログラムと同じ病院だから」を挙げた人が3.3%だったことまでです。[4]
まとめ
初期研修と後期研修で病院を変えることはできます。専門研修はマッチングではなく、1回の募集につき1プログラムへの直接応募です。厚生労働省のアンケートでは、大学病院以外で研修した4,370人のうち43.7%が大学病院へ移っていました。決めることは、残るかどうかより、出す1つをどう選ぶかです。
出典
- 1.一次資料一般社団法人 日本専門医機構「専攻医の方(専攻医登録・応募について/研修プログラム応募フロー)」 jmsb.or.jp(2026-09-26 取得)
- 2.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修医マッチングの結果(表1 参加状況)」 jrmp2.jp(2026-09-26 取得)
- 3.一次資料日本内科学会「専門研修プログラム整備基準【内科領域】改定第2版(2024年9月20日承認)修了要件」 cdn-naikaprod.pressidium.com(2026-09-26 取得)
- 4.一次資料厚生労働省「令和7年臨床研修修了者アンケート 調査結果(p.3 修了後に引き続き従事する業務・p.4 病院を選んだ理由)」 mhlw.go.jp(2026-09-26 取得)
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