第120回医師国家試験のボーダーは何点?──合格基準を10回分の確定値で読む
目次
第120回医師国家試験のボーダー(合格基準)は、①必修問題が160点以上/200点、②必修問題を除いた一般問題および臨床実地問題が224点以上/300点、③禁忌肢問題の選択数が3問以下、の3つでした。この3つは「どれか1つを満たせばよい」ではなく、すべて同時に満たす必要があります。合格率は全体91.6%、新卒94.7%です。以下、厚生労働省の公表値と、そこから機械的に算出した割合で、第111回からの10回分を並べます。[1]
ボーダーは「点数」ではなく、3つの条件を同時に満たすこと
「ボーダー」という言葉は1つの点数を指すように聞こえますが、医師国家試験の合格基準は3条件の組み合わせです。厚生労働省は各回の合格発表と同時に①②③をまとめて公表しており、条件ごとの決め方までは同ページで説明していません。ただし公表された数字を10回分並べると、①は割合が固定されていて、②は回ごとに動いている、という違いは読み取れます。[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8],[9],[10]
第111回〜第120回の合格基準(10回分)
点数はいずれも各回の合格発表ページに掲載された確定値です。カッコ内の割合は、公表された点数を同じく公表された満点で割った値です。
- 第120回(2026年2月7日・8日実施):必修 160点以上/200点(80.0%)、一般・臨床実地 224点以上/300点(74.7%)、禁忌肢 3問以下
- 第119回(2025年2月8日・9日実施):必修 160点以上/200点(80.0%)、一般・臨床実地 221点以上/300点(73.7%)、禁忌肢 3問以下
- 第118回(2024年2月3日・4日実施):必修 160点以上/200点(80.0%)、一般・臨床実地 230点以上/300点(76.7%)、禁忌肢 3問以下
- 第117回(2023年2月4日・5日実施):必修 160点以上/200点(80.0%)、一般・臨床実地 220点以上/295点(74.6%)、禁忌肢 2問以下
- 第116回(2022年2月5日・6日実施):必修 158点以上/197点(80.2%)、一般・臨床実地 214点以上/297点(72.1%)、禁忌肢 3問以下
- 第115回(2021年2月6日・7日実施):必修 160点以上/200点(80.0%)、一般・臨床実地 209点以上/300点(69.7%)、禁忌肢 3問以下
- 第114回(2020年2月8日・9日実施):必修 158点以上/197点(80.2%)、一般・臨床実地 217点以上/299点(72.6%)、禁忌肢 3問以下
- 第113回(2019年2月9日・10日実施):必修 160点以上/200点(80.0%)、一般・臨床実地 209点以上/296点(70.6%)、禁忌肢 3問以下
- 第112回(2018年2月10日・11日実施):必修 160点以上/200点(80.0%)、一般・臨床実地 208点以上/299点(69.6%)、禁忌肢 3問以下
- 第111回(2017年2月11日・12日・13日実施)※この回だけ判定のしかたが違う:必修 160点以上/200点(80.0%)、一般問題 128点以上/198点(64.6%)と臨床実地問題 381点以上/600点(63.5%)を別々に判定、禁忌肢 3問以下
必修は10回とも満点の8割で、この線は動いていない
必修の基準は10回すべて満点の8割です。第114回と第116回だけ素点が158点なのは、この2回は必修に採点除外があって満点が197点だったためで、197点の80%は157.6点、公表された基準はその直上の整数である158点です。この「8割」は明文でも示されていて、厚生労働省は第111回・第112回・第116回のページに、必修問題の一部を採点から除外された受験者については必修問題の得点を総点数の80%以上とする、と定めています。つまり必修の関門は「160点」という点数ではなく「8割」という割合で、覚えるべきはこちらです。[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8],[9],[10]
一般・臨床実地は素点で比べられない(満点が回ごとに違う)
動くのは②です。第112回以降の9回で素点は208点から230点まで22点の幅がありますが、満点も295点から300点の間で動いているため、素点どうしを並べても比較になりません。割合に直すと69.6%(第112回)から76.7%(第118回)で、幅は約7ポイントです。目安に使うなら、素点ではなく直近5回(第116回〜第120回)の72.1%から76.7%という得点率の帯を見てください。素点の何点になるかは、その回の満点が決まるまで確定しません。ここでいう一般問題と臨床実地問題がそもそも何で、何問ずつあり、配点がどう違うのかは一般問題と臨床問題の違いで扱っています。[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8],[9]
禁忌肢の上限も固定ではない(第117回は2問以下だった)
禁忌肢は10回のうち9回が3問以下ですが、第117回だけ2問以下でした。「3問までなら大丈夫」は、この回に当てはめると誤りになります。禁忌肢は点数ではなく回数で管理される条件なので、上限が1問減るだけで許容量が3分の1減ります。[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8],[9],[10]
第111回の点数は、いまの目標に使えない(判定のしかたが違う)
第111回は合格基準の作り方そのものが違いました。一般問題(128点以上/198点)と臨床実地問題(381点以上/600点)を別々に判定し、臨床実地問題は1問3点で数えていました。この2つを合算して各1問1点で数える現在の形になったのは第112回からです。したがって、第111回とそれ以前の点数を持ってきて「昔は何点だった」と比べることはできません。[10],[9]
合格率91.6%の内訳──新卒と既卒の差
第120回は出願10,244人、受験9,980人、合格9,139人で合格率91.6%。このうち新卒は受験9,205人・合格8,716人で94.7%でした。ここから既卒だけを取り出すと、受験は9,980−9,205=775人、合格は9,139−8,716=423人となり、既卒の合格率は423÷775で約54.6%になります。新卒94.7%との差は約40ポイントです。[1]
「医師国家試験の合格率は9割超だから安心」と言われることがありますが、その9割は新卒の数字にほぼ引きずられたものです。既卒として受験する層全体の合格率は約54.6%になります。ただしこれは複数回受験している人を含む集団の値で、一人ひとりの合格見込みを表す数字ではありません。ここから引ける実務的な含意は一つで、落とすと一発で外れる関門(必修と禁忌肢)から先に固める、ということです。合格率の読み方そのものについては医師国家試験は難しい?合格率の正しい読み方で詳しく扱っています。[1]
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無料ではじめる第121回に向けて、この数字をどう使うか
合格基準はその回ごとに決まるため、第120回の224点がそのまま次回の目標点になるわけではありません。10回分から引ける目標の立て方は三つです。①必修は8割を「取りこぼしを潰す対象」として扱う。②一般・臨床実地は素点ではなく得点率で見る。公表値から言えるのは直近5回が72.1%から76.7%だったことまでで、そのどこに自分の目標を置くかは各社が実施する模試で確認する。③禁忌肢は上限が2問に下がった回があるので、3問を持ち駒と考えず、演習中に「なぜその選択肢が禁忌なのか」を言語化しておく。必修と禁忌肢の守り方は必修問題と禁忌肢の守り方にまとめています。
次回の日程は第121回医師国家試験の日程を参照してください。
よくある質問
第120回のボーダーは何点でしたか?
必修問題が160点以上/200点、必修問題を除いた一般問題および臨床実地問題が224点以上/300点、禁忌肢問題の選択数が3問以下です。3つすべてを満たす必要があります。[1]
必修のボーダーは毎年変わりますか?
第111回から第120回までの10回は、いずれも満点の8割でした。素点は160点/200点の回が8回、158点/197点の回が2回(第114回・第116回)ですが、これは必修に採点除外があって満点が下がった回で、割合としては同じ8割です。将来も同じである保証はなく、その回の合格基準は合格発表時に厚生労働省が公表します。[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8],[9],[10]
試験直後に各社が出す「ボーダー予想」と確定値は違うのですか?
別物です。確定値は、合格発表と同時に厚生労働省が公表します。試験直後に見かける数字はそれより前のものなので、確定するまでは目安として扱ってください。[1]
既卒の合格率はどのくらいですか?
第120回は既卒の受験者775人に対して合格が423人で、約54.6%です(公表された受験者数・合格者数から算出した参考値)。ただしこれは複数回受験している人を含む集団の値で、一人ひとりの合格見込みを表す数字ではありません。模試の得点率をこの基準にそのまま当てることもできません(満点の構成も難易度も各社で違うため)。見るべきは各社の換算にもとづく判定のほうです。[1]
まとめ
第120回の合格基準は、必修160点以上/200点、一般・臨床実地224点以上/300点、禁忌肢3問以下でした。10回分から持ち帰るのは次の3つです。[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8],[9],[10]
- 必修は満点の8割。素点ではなく割合で覚える(必修に採点除外があった第114回・第116回は158点/197点だった)
- 一般・臨床実地は素点で比べない。満点が295点から300点の間で動くため、目安に使うのは得点率で、直近5回は72.1%から76.7%だった
- 禁忌肢は3問以下が9回、第117回だけ2問以下。3問を持ち駒と考えない
合格率は全体91.6%ですが、新卒94.7%に対して既卒層は約54.6%です(既卒は公表された受験者数・合格者数から算出した参考値)。合格基準はその回ごとに決まるため、ここに並べた数字が次回を保証するものではありません。出題そのものが難化したのかを400問の集計で確かめたい場合は第120回医師国家試験は難化したのかで扱っています。[1]
出典
- 1.一次資料厚生労働省「第120回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-07-29 取得)
- 2.一次資料厚生労働省「第119回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-07-29 取得)
- 3.一次資料厚生労働省「第118回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-07-29 取得)
- 4.一次資料厚生労働省「第117回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-08-10 取得)
- 5.一次資料厚生労働省「第116回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-08-10 取得)
- 6.一次資料厚生労働省「第115回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-08-10 取得)
- 7.一次資料厚生労働省「第114回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-08-10 取得)
- 8.一次資料厚生労働省「第113回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-08-10 取得)
- 9.一次資料厚生労働省「第112回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-08-10 取得)
- 10.一次資料厚生労働省「第111回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-08-10 取得)
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