医師国家試験の必修問題と禁忌肢|「落とせない設問」の守り方
目次
医師国家試験には、「全体の点数は足りているのに不合格」という落とし穴があります。その正体が、必修問題と禁忌肢です。必修は約8割という絶対基準を割ると一発で不合格になり、禁忌肢は選びすぎると総合点に関係なく不合格になります。つまり、点を伸ばす勉強とは別に、確実に守る対策が要ります。
「必修が怖い」という漠然とした不安を、具体的な対策に変えるのが狙いです。
必修問題とは(構成と配点)
必修問題は、医師として最低限必要な知識・態度を問う設問群です。出題は必修100問・医学総論150問・医学各論150問の合計400問で構成され、このうち必修の100問が独立した合格基準を持ちます。
必修の配点には特徴があります。一般問題は1問1点、臨床実地問題は1問3点で、必修全体の満点は200点です。臨床実地問題の配点が大きいため、ここを落とすと一気に基準を割りやすくなります。第120回でも、必修は160点/200点以上が合格基準でした。[2]
8割の絶対基準=「必修落ち」
必修問題は、年ごとに変動する相対基準ではなく、約8割という絶対基準です。総論・各論でどれだけ高得点でも、必修が8割に届かなければ不合格になります。これがいわゆる「必修落ち」で、実力のある受験生でも起こり得ます。[2],[1]
禁忌肢とは(何問までセーフか)
禁忌肢とは、患者の死亡や不可逆的な臓器の機能廃絶に直結する選択肢や、極めて非倫理的な選択肢のことです。これを一定数選ぶと、総合点に関係なく不合格になります。第120回の合格基準では、禁忌肢の選択数は3問以下とされていました。[2]
どの選択肢が禁忌肢かは公表されないため、「何問選んだか」を試験中に知ることはできません。だからこそ、普段の演習から“絶対に選んではいけない手”を判断する感覚を養っておくことが大切です。
なぜ実力者でも必修・禁忌で落ちるのか
必修・禁忌での取りこぼしは、知識量の不足というより、設問の性質への慣れ不足で起きます。必修問題が問うのは、難解な知識ではなく「当たり前を外さない」力です。common disease の基本・倫理・患者対応・基本手技といったところが中心になります。各論の難問演習に偏っていると、かえってこの当たり前を落とすことがあります。
英語で出題される問題の一部も必修に入ります。何問あるかは医師国家試験の英語問題にまとめました。
禁忌肢も同様で、知識があっても「患者の安全上まず何をすべきか」という優先順位の判断を誤ると選んでしまいます。難しさの方向が一般問題と違う、と理解しておくことが第一歩です。
必修問題の対策
必修対策の柱は、専用の過去問演習で“必修特有の問われ方”に慣れることです。具体的には次を意識します。
- 必修の過去問を回数別でまとめて解き、独特の言い回し・常識問題に慣れる
- common diseaseの基本、予防医学・公衆衛生、医療倫理・法制度を取りこぼさない
- 配点の大きい臨床実地問題(1問3点)を落とさないよう、症例の初期対応を固める
- 直前期に必修・禁忌のまとめ教材で総点検する
禁忌肢を選ばないために
禁忌肢対策の本質は、知識を増やすことより「患者の安全を最優先する判断」を普段から癖づけることです。演習で誤答したとき、単に正解を覚えるのではなく「なぜその選択肢が危険なのか」を言語化しておくと、本番で危ない手を避けられます。
iwor での必修・禁忌対策
iwor では、検索で出題区分の「必修」や、出題形式・特性の「禁忌肢を含む」で絞って演習でき、解説に出る関連カードを間隔反復で繰り返し確認できます。解いた結果は知識ポイント単位の理解度に反映されます。分野ごとに理解度の薄い所は理解度ヒートマップで見えます。全体の進め方は医師国家試験の勉強法とスケジュールにあります。直前期の回し方は医師国家試験 直前期の勉強法にまとめました。残り1ヶ月で必修のどこから固めるかは医師国家試験の1ヶ月前に何をやるかで、分野ごとの出題数から整理しています。
よくある質問
必修は何割取れば合格ですか?
約8割の絶対基準です。第120回は200点満点中160点以上が合格ラインでした。総論・各論と違い毎年変動しないため、確実に8割を超える前提で対策します。[2],[1]
「必修落ち」とは何ですか?
総論・各論の点数は足りているのに、必修問題だけが8割に届かず不合格になることです。総合力ではなく必修単独の基準で落ちるため、実力者でも起こり得ます。
禁忌肢は何問まで許されますか?
第120回の基準では3問以下でした。ただしどれが禁忌肢かは公表されないため、「何問なら大丈夫」と数えるより、危険な選択肢を普段から選ばない習慣が大切です。[2]
必修対策はいつから始めるべきですか?
本格的な総点検は直前期で構いませんが、必修特有の言い回しや禁忌の感覚は、普段の演習から少しずつ慣れておくと直前が楽になります。
まとめ
必修問題(8割の絶対基準)と禁忌肢(選びすぎると一発不合格)は、点を伸ばす勉強とは別の“守り”の領域です。難しさの方向が一般問題と違うため、専用の過去問で問われ方に慣れ、患者安全を最優先する判断を癖づけることが対策の軸になります。当たり前を外さない——それが必修・禁忌の対策の軸です。
出典
- 1.一次資料厚生労働省「医道審議会医師分科会 医師国家試験改善検討部会報告書(令和2年11月・参考資料を含む)」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 2.一次資料厚生労働省「第120回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-06-28 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制