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マッチング

北海道の研修病院はどこを受けるか|第一志望が多い5院と、58席が空いた3つの大学病院(2025年度)

iwor 編集部11分で読めます
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目次

北海道で上位に入るのは、札幌徳洲会病院・市立札幌病院・旭川赤十字病院・国立病院機構北海道医療センター・市立函館病院の5院です。第一志望者数の実数で並べても、定員に対する比で並べても、この5院が上位10に入ります。そして北海道では、順位表の下のほうに何を書いておくかがはっきりしています。定員408人に対して94席が空き、そのうち58席は3つの大学病院の枠でした。大学病院の充足率は41.4%です。[1],[2]

候補をどこから集めるか

登録する順番は、自分が行きたい順です。マッチングの希望順位登録に書いたとおり、順位を実際の志望と違う順に付け替えても有利にはなりません。以下は候補の探し方であって、登録する順番の指示ではありません。動かせるのは、採用試験を受けて「行ってもよい」と言えるプログラムを1つでも多く登録することです。

  • まず見る……第一志望が集まっている5院(札幌徳洲会・市立札幌・旭川赤十字・北海道医療センター・市立函館)を軸に、自分の条件で絞る。定員7〜12人で、第一志望は定員の1.36〜2.14倍
  • 次に見る……比が1.3倍以下の病院。製鉄記念室蘭病院1.29倍、帯広厚生病院1.21倍。比が定員前後なのは手稲渓仁会病院0.94倍、函館五稜郭病院0.91倍
  • 採用試験を受けたうえで「行ってもよい」と言える範囲で足す……大学病院。北海道大学病院・札幌医科大学附属病院・旭川医科大学病院の8プログラムは、定員99人に対しマッチ41人で58席が空きました

空席の出た枠を順位表に入れておく意味は、ひとことで言えば受け皿になりうるからです。受け皿になるには、条件が2つあります。

  • 病院側の順位表にも載っていること……採用試験を受けても載るとは限りません。JRMP は次のように明記しています。「参加病院は、採用試験の結果に基づいて採用しても良いと考える受験者のみを希望順位登録しますので、アルゴリズム上、そのようなケースも発生します」
  • 行ってもよいと言える枠であること……マッチしたあとは基本的に動かせません
[4]

空席が残ったのは、そこを希望して病院側の順位表にも載っていた人が、全員より上の希望に入れたからです。これはJRMPが用いるゲール・シャープレーのアルゴリズムからの帰結で、公表資料にある記述ではありません。裏を返せば、第1希望に空席があるのに自分はアンマッチ、も起こります。2025年度のアンマッチは741人でした。残った席が二次募集に回ることもありますが、募集を出さない病院もあります(マッチングでアンマッチだったら)。

空席が出るかどうかは年によって動きます。2025年度に空いたからといって2026年度も空くとは限りません。行ってもよいと言える範囲で、空席の実績がある枠を複数登録しておくと、アンマッチの可能性を下げる方向には働きます。それも病院側の順位表に載っていることが前提です。順位表の作り方そのものはマッチングの希望順位登録を参照してください。

北海道全体の数字

2025年度のマッチングで、北海道には63のプログラムがあり、58の病院に分かれています。募集定員の合計は408人、マッチした人数は314人で、充足率は77.0%でした。全国のプログラムを合算した充足率は84.6%、47都道府県の充足率の中央値は76.1%です。北海道の77.0%はその中央値に近い水準でした。空席は94席、空席が出たプログラムは29件でした。63プログラムのうち半分近くに空きが出た計算になります。

第一志望者数の合計は318人で、定員408人に対して0.78倍です。全国では0.88倍なので、こちらも下回ります。ただしこの比は、そのまま個人の難易度にはなりません。誰がどこにマッチするかは、全員の順位登録と各プログラムの順位づけの組み合わせで決まります。なお第一志望者数は中間公表時点の断面値で、プログラム別の確定値は公表されません。

空席94席のうち58席は、3つの大学病院に集中している

「北海道は空いている」という言い方は、道全体で薄く空いているような印象を与えます。実際は違います。空席94席のうち58席、6割以上は大学病院の枠です。[3]

  • 旭川医科大学病院……3プログラム/定員39人/マッチ10人/空席29席。定員35人の主プログラムだけで25席が空きました
  • 札幌医科大学附属病院……2プログラム/定員26人/マッチ10人/空席16席
  • 北海道大学病院……3プログラム/定員34人/マッチ21人/空席13席

大学病院と市中病院を分けると、道内の構図がはっきりします。大学病院は8プログラム・定員99人で、第一志望者数は定員の0.22倍、充足率41.4%。市中病院は55プログラム・定員309人で、第一志望者数は定員の0.96倍、充足率88.3%です。大学病院と市中病院の選び方そのものは大学病院と市中病院どっちで扱っています。

第一志望者数が0だったプログラムは道内で11件あり、そのうち10件は定員2人、残る1件が定員3人でした。内訳は、小児科・産婦人科・周産期の重点コースが4件で、残る7件は地方の小規模病院の通常プログラムです。定員2人の枠でも、そのプログラムを順位表に登録した学生数は公表されています。

北海道では第一志望0の11件のうち9件に登録者がいました。ここを「狙い目」と読み替えないでください。低い倍率をどう読み分けるかはマッチングの穴場病院の見つけ方にまとめています。

ランキングは、何で並べるかで顔ぶれが変わる

病院単位で集計した場合でも、何で並べるかで結果は変わります。北海道の病院を「第一志望者数の実数」で並べた場合と、「第一志望者数÷定員」で並べた場合とでは、顔ぶれが入れ替わります。第一志望9人が4病院、比128.6%が2病院というように同数で並ぶ箇所があるため、10位前後の線引きは一意には決まりません。

  • 市立札幌病院……第一志望23人/定員12人(192%)
  • 旭川赤十字病院……20人/11人(182%)
  • 製鉄記念室蘭病院……18人/14人(129%)
  • 手稲渓仁会病院……17人/18人(94%)
  • 帯広厚生病院……17人/14人(121%)
  • 国立病院機構北海道医療センター……17人/10人(170%)
  • 市立函館病院……15人/11人(136%)
  • 札幌徳洲会病院……15人/7人(214%)
  • 函館五稜郭病院……10人/11人(91%)
  • 北海道大学病院……9人/34人(26%)

比で並べると、定員の小さい市中病院が上位に集まります。

  • 札幌徳洲会病院……214%(第一志望15人/定員7人)
  • 市立札幌病院……192%(23人/12人)
  • 旭川赤十字病院……182%(20人/11人)
  • 王子総合病院……180%(9人/5人)
  • 国立病院機構北海道医療センター……170%(17人/10人)
  • 済生会小樽病院……150%(3人/2人)
  • 市立函館病院……136%(15人/11人)
  • 函館中央病院……133%(8人/6人)
  • 釧路赤十字病院……133%(4人/3人)
  • 砂川市立病院……129%(9人/7人)

市立札幌病院・旭川赤十字病院・国立病院機構北海道医療センター・市立函館病院・札幌徳洲会病院の5院は、どちらの並べ方でも上位に入ります。北海道大学病院は第一志望9人で、同数の3病院とともに実数の10位前後に並びますが、定員34人に対する比では0.26倍になります。定員が小さいほど比は振れやすくなる点には注意してください。ランキングの読み方の全体像は研修医マッチングの人気病院ランキングの読み方にまとめています。

この数字は、全国のどのあたりなのか

ここまでは北海道の中だけで並べてきました。実際に志望先を決めるときに効いてくるのは「この数字は全国で見てどのくらいなのか」です。自分の志望先の数字が全国では何番目なのかは、残り1,400件以上のプログラムの分布を知らないと分かりません。候補が増えるほど、全国の分布と突き合わせる手間は増えていきます。

iwor はこの判断のために、JRMPの公表値から4つの指標を算出しています。

  • マッチ難易度:席を巡る「本気の競争」の激しさを偏差値化したもの。本気倍率=(志望者数×第1志望率)÷定員 をもとに算出します。定員が4人以下のプログラムは、値のブレを補正しています。4指標のなかで唯一、全国順位も出ます
  • 志望集中度:志望者のうち、そこを第1志望に選んだ人の割合。大学病院は低めに出る傾向があります(併願先として登録されやすいから、というのは iwor の見方です)
  • 穴場度:0〜100。空きやすさ(空席・低充足)と低倍率を主に、志望者の減少傾向を加味した値です
  • 安定度:0〜100。直近の充足の安定性に、充足の水準を加味した値。毎年安定して埋まっているほど高くなります

この記事で見てきた定員・マッチ者数・第一志望者数・空席は、いずれもこれらの指標の材料そのものです。とくに穴場度は、この記事で扱った空席の話を1つの数字にしています。北海道の63プログラムをプログラム単位のまま倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や区分で絞り込んだりできます。

いずれも席の取りやすさの目安であり、研修の質・教育体制の評価ではありません。公表値からの推定であって、合否や受け入れを保証するものでも、個人の合否を予測するものでもありません。主要な研修病院は北海道の研修病院に、63プログラム全件はアプリの病院データベースにあります。

北海道の63プログラムを、合算せずに1つずつ見る。

iwor は医師のためのワークスペースです。プログラム単位のまま、倍率・定員・充足率で並べ替えたり都道府県・区分で絞り込んだりできます。選んだ複数院の横並び比較と、マッチ難易度・穴場度・志望集中度・安定度の数字と、マッチ難易度の全国順位まで見られます。

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この記事の数字の出どころ

本記事の数値は、医師臨床研修マッチング協議会が公表している資料から iwor が出しています。2025年度の研修プログラム別マッチ結果(募集定員・マッチ者数・空席数・希望順位登録学生数の確定値)と、中間公表(第一志望者数)です。集計の単位は公表資料と同じくプログラム単位で、病院単位の数字は同じ病院名のプログラムを足し合わせて算出しました。[1],[2]

本記事でいう第一志望者数とは、中間公表の前日14時時点で各プログラムを第1位で希望順位登録している参加者数です。中間公表の後も順位登録は変更できるため、最終結果とは一致しません。中間公表の位置づけはマッチングの中間公表とはで解説しています。[2]

よくある質問

北海道の研修病院は結局どこから見ればいいですか

第一志望が集まっているのは次の5院です。札幌徳洲会病院・市立札幌病院・旭川赤十字病院・国立病院機構北海道医療センター・市立函館病院です。研修の質の順位ではなく、候補を探す出発点として見てください。

北海道は席が余っているから、どこでも入れますか

道として席が余ることと、志望する枠に入れることは別です。空いた94席のうち58席は3つの大学病院に集中し、札幌徳洲会病院は定員7人に第一志望15人が集まりました。

札幌以外の病院はどう見ればいいですか

公表データは市区町村別ではないので、道単位で扱っています。比で上位に入る病院には旭川赤十字病院・市立函館病院・砂川市立病院・釧路赤十字病院など札幌市外が並びます。

第一志望者が多いプログラムは避けたほうがいいですか

順位の付け方を変える理由にはなりません。アルゴリズムには「耐戦略性」があり、行きたい順に登録するのが最良です。不安なら、採用試験を受けて行ってもよいと思えるプログラムを順位表に足します。

まとめ

実数でも定員比でも道内上位に入るのは、札幌徳洲会・市立札幌・旭川赤十字・北海道医療センター・市立函館の5院でした。行ってもよいと言える範囲で、空席が出た枠を複数登録しておきます。北海道は63プログラム・58病院で、定員408人に対しマッチ314人・充足率77.0%、29プログラムに計94席の空きが出た道です。

そのうち58席は北海道大学病院・札幌医科大学附属病院・旭川医科大学病院の8プログラムでした。空席の出る枠は、採用試験を受けて、行ってもよいと言える範囲で順位表に書き、病院側の順位表にも載っていれば受け皿になります。採用試験を受けても、病院が順位表に載せるとは限りません。道全体の充足率77.0%を、自分が受けるプログラムの競争と取り違えないことです。

出典

  1. 1.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修プログラム別マッチ結果」 jrmp2.jp(2026-08-04 取得)
  2. 2.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2025年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」 jrmp2.jp(2026-08-04 取得)
  3. 3.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修医マッチングの結果(記者発表資料・2025年10月23日)」 jrmp2.jp(2026-09-18 取得)
  4. 4.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2026年度版 研修医マッチングの手引き【6年生用・既卒者用】」 jrmp.jp(2026-08-04 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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