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マッチング

北海道の研修病院はどこを受けるか|第一志望が多い5院と、94席が空いた3つの大学病院(2025年度)

iwor 編集部13分で読めます
目次

答えを先に書きます。北海道で第一志望者数の実数でも定員に対する比でも上位に入るのは、札幌徳洲会病院・市立札幌病院・旭川赤十字病院・国立病院機構北海道医療センター・市立函館病院の5院です。第一志望者数の実数で並べても、定員に対する比で並べても、この5院が上位10に入ります。候補集めはここから始めるのが早いです。そして北海道では、順位表の下のほうに何を書いておくかがはっきりしています。定員408人に対して94席が空き、そのうち58席は3つの大学病院の枠でした。大学病院の充足率は41.4%です。[1],[2]

候補をどこから集めるか

先に1つ断っておきます。登録する順番は、自分が行きたい順です。順位を戦略的に動かしても有利にならない仕組みなので(マッチングの希望順位登録)、以下は候補の探し方であって、登録する順番の指示ではありません。順位を実際の志望と違う順に付け替えても、有利にはなりません。動かせるのは、採用試験を受けて「行ってもよい」と言えるプログラムを1つでも多く登録することです。

  • まず見る……第一志望が集まっている5院(札幌徳洲会・市立札幌・旭川赤十字・北海道医療センター・市立函館)を軸に、自分の条件で絞る。定員7〜12人で、第一志望は定員の1.36〜2.14倍
  • 次に見る……第一志望の実数は多いが比が1.3倍以下の病院(製鉄記念室蘭病院1.29倍・帯広厚生病院1.21倍)と、比が定員前後の病院(手稲渓仁会病院0.94倍・函館五稜郭病院0.91倍)
  • 登録の数を増やすために足す……大学病院。北海道大学病院・札幌医科大学附属病院・旭川医科大学病院の8プログラムは、定員99人に対しマッチ41人で58席が空きました
[2],[1]

空席の出たプログラムを順位表に加えておく意味は、こう整理できます。順位表は病院側もつくります。JRMPはマッチングにゲール・シャープレーのアルゴリズムを用いると公表しており、その性質から次のことが言えます——病院側の順位表に載っていて、かつ空席の出たプログラムを自分の希望順位表に書いていた人は、そのプログラムか、それより上位の希望のどこかにマッチしている。空席が残るということは、そこを希望し、かつ病院側の順位表に載っていた人は全員、より上の希望に入れたか、その枠に入ったかのどちらかだからです。これは公表資料に書かれた記述ではなく、アルゴリズムから導かれる帰結です。ただし、採用試験を受けることと病院の順位表に載ることは同じではありません。JRMPは「参加病院は、採用試験の結果に基づいて採用しても良いと考える受験者のみを希望順位登録しますので、アルゴリズム上、そのようなケースも発生します」と明記していて、第1希望のプログラムに空席があるのに自分はアンマッチ、ということが起こりえます。2025年度のアンマッチは741人でした。だから空席は「受けておけば必ず入れた席」ではありません。それでも、マッチングの中でその席を受け皿にできるのは、採用試験を受けてそこを順位表に書いておいた人だけです。なおマッチング後に残った席が二次募集に回ることもありますが、募集を出さない病院もあります(マッチングでアンマッチだったら)。[3],[1]

ただし空席が出るかどうかは年によって動きます。2025年度に空いたからといって2026年度も空くとは限りません。行ってもよいと言える範囲で、空席の実績がある枠を複数登録しておくと、アンマッチの可能性を下げる方向には働きます。ただしそれも病院側の順位表に載っていることが前提です。順位表の作り方そのものはマッチングの希望順位登録を参照してください。以下、順に数字で示します。

北海道全体の数字

2025年度のマッチングで、北海道には63のプログラムがあり、58の病院に分かれています。募集定員の合計は408人、マッチした人数は314人で、充足率は77.0%でした。全国の充足率が84.6%なので、北海道は全国平均より席が余る道です。空席は94席、空席が出たプログラムは29件でした。63プログラムのうち半分近くに空きが出た計算になります。[1]

第一志望者数の合計は318人で、定員408人に対して0.78倍です。全国では0.88倍なので、こちらも下回ります。ただしこの比がそのまま個人の難易度になるわけではありません。誰がどこにマッチするかは、全員の順位登録と各プログラムの順位づけの組み合わせで決まります。なお第一志望者数は中間公表時点の断面値で、プログラム別の確定値は公表されません。[2],[1]

94席の空きは、3つの大学病院に集中している

「北海道は空いている」という言い方は、道全体で薄く空いているような印象を与えます。実際は違います。空席94席のうち58席、6割以上は大学病院の枠です。[1]

  • 旭川医科大学病院……3プログラム/定員39人/マッチ10人/空席29席。定員35人の主プログラムだけで25席が空きました
  • 札幌医科大学附属病院……2プログラム/定員26人/マッチ10人/空席16席
  • 北海道大学病院……3プログラム/定員34人/マッチ21人/空席13席
[1],[2]

大学病院と市中病院を分けると、道内の構図がはっきりします。大学病院は8プログラム・定員99人で、第一志望者数は定員の0.22倍、充足率41.4%。市中病院は55プログラム・定員309人で、第一志望者数は定員の0.96倍、充足率88.3%です。第一志望者数やマッチ者数が少ないことは、研修の質や教育体制の評価とは関係がありません。順位表の下位に置かれやすいプログラムがどこか、という話です。大学病院と市中病院の選び方そのものは大学病院と市中病院どっちで扱っています。[1],[2]

第一志望者数が0だったプログラムは道内で11件あり、そのうち10件は定員2人、残る1件が定員3人でした。内訳は、小児科・産婦人科・周産期の重点コースが4件(北海道大学病院と旭川医科大学病院の各2件)で、残る7件は地方の小規模病院の通常プログラムです。定員2人の枠に何人が下位順位で登録しているかは公表されていないので、ここを「狙い目」と読み替えないでください。空席の読み方はマッチングの穴場病院の見つけ方にまとめています。[1],[2]

ランキングは、何で並べるかで顔ぶれが変わる

病院単位で集計した場合でも、何で並べるかで結果は変わります。北海道の病院を「第一志望者数の実数」で並べた場合と、「第一志望者数÷定員」で並べた場合で、上位10病院に共通して入るのは5病院でした。ただし第一志望9人が4病院、比128.6%が2病院というように同数で並ぶ箇所があるため、10位前後の線引きは一意には決まりません。以下はいずれも第一志望に選んだ人数の多寡であって、研修の質の順位ではありません。[2],[1]

  • 市立札幌病院……第一志望23人/定員12人(192%)
  • 旭川赤十字病院……20人/11人(182%)
  • 製鉄記念室蘭病院……18人/14人(129%)
  • 手稲渓仁会病院……17人/18人(94%)
  • 帯広厚生病院……17人/14人(121%)
  • 国立病院機構北海道医療センター……17人/10人(170%)
  • 市立函館病院……15人/11人(136%)
  • 札幌徳洲会病院……15人/7人(214%)
  • 函館五稜郭病院……10人/11人(91%)
  • 北海道大学病院……9人/34人(26%)
[2],[1]

比で並べると、定員の小さい市中病院が上位に集まります。こちらも定員に対する第一志望者数の比であって、研修の質の順位ではありません。[2],[1]

  • 札幌徳洲会病院……214%(第一志望15人/定員7人)
  • 市立札幌病院……192%(23人/12人)
  • 旭川赤十字病院……182%(20人/11人)
  • 王子総合病院……180%(9人/5人)
  • 国立病院機構北海道医療センター……170%(17人/10人)
  • 済生会小樽病院……150%(3人/2人)
  • 市立函館病院……136%(15人/11人)
  • 函館中央病院……133%(8人/6人)
  • 釧路赤十字病院……133%(4人/3人)
  • 砂川市立病院……129%(9人/7人)
[2],[1]

両方に入っているのは、市立札幌病院・旭川赤十字病院・国立病院機構北海道医療センター・市立函館病院・札幌徳洲会病院の5病院です。北海道大学病院は第一志望9人で、同数の4病院とともに実数の10位前後に並びますが、定員34人に対する比では0.26倍になります。定員が小さいほど比は振れやすくなる点には注意してください。いずれも中間公表時点の断面値による並びで、病院の質を示すものではありません。ランキングの読み方の全体像は研修医マッチングの人気病院ランキングの読み方にまとめています。[2],[1]

この数字は、全国のどのあたりなのか

ここまでは北海道の中だけで並べてきました。実際に志望先を決めるときに効いてくるのは「この数字は全国で見てどのくらいなのか」です。札幌徳洲会病院の214%という競争の激しさが全国のどのあたりなのか、旭川医科大学病院の25席の空きをどう読むのかは、残り1,400件以上のプログラムの分布を知らないと判断できません。候補が増えるほど、全国の分布と突き合わせる手間は増えていきます。

iwor はこの判断のために、JRMPの公表値から4つの指標を算出しています。定義は無料で確認できます。

  • マッチ難易度:席を巡る「本気の競争」の激しさを偏差値化したもの。本気倍率=(志望者数×第1志望率)÷定員 をもとに算出します。定員が4人以下のプログラムは、値のブレを補正しています。4指標のなかで唯一、全国順位も出ます
  • 志望集中度:志望者のうち、そこを第1志望に選んだ人の割合。大学病院は低めに出る傾向があります(併願先として登録されやすいから、というのは iwor の見方です)
  • 穴場度:0〜100。空きやすさ・低倍率・志望者の減少から算出した値。高いほど競争が緩い傾向です
  • 安定度:0〜100。直近の充足の安定性に、充足の水準を加味した値。毎年安定して埋まっているほど高くなります

この記事で見てきた定員・マッチ者数・第一志望者数・空席は、いずれもこれらの指標の材料そのものです。とくに穴場度は、この記事で扱った空席の話を1つの数字にしたものです。北海道の63プログラムをプログラム単位のまま倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や区分で絞り込んだりするところまでは、無料プランのまま使えます。PRO なら4指標の数字とマッチ難易度の全国順位まで見られます。いずれも席の取りやすさの目安であり、研修の質・教育体制の評価ではありません。公表値からの推定であって、合否や受け入れを保証するものでも、個人の合否を予測するものでもありません。主要な研修病院は北海道の研修病院で一覧にしています(定員と志願者が一定以上の22プログラム)。63プログラム全件はアプリの病院データベースで絞り込めます。

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この記事の数字の出どころ

本記事の集計は、医師臨床研修マッチング協議会が公表している2025年度の研修プログラム別マッチ結果(募集定員・マッチ者数・空席数・希望順位登録学生数の確定値)と、中間公表(第一志望者数)に基づいて iwor が独自に行ったものです。集計の単位は公表資料と同じくプログラム単位で、病院単位の数字は同じ病院名のプログラムを足し合わせて算出しました。なお大学病院と市中病院の区分は公表資料に列として存在しないため、iwor が病院名から分類したものです。[1],[2]

本記事でいう第一志望者数とは、中間公表の前日14時時点で各プログラムを第1位で希望順位登録している参加者数です。中間公表の後も順位登録は変更できるため、最終結果とは一致しません。中間公表の位置づけはマッチングの中間公表とはで解説しています。[2]

よくある質問

北海道の研修病院は結局どこから見ればいいですか

第一志望が集まっている5院から見てください。札幌徳洲会病院・市立札幌病院・旭川赤十字病院・国立病院機構北海道医療センター・市立函館病院で、いずれも実数と定員比の両方で道内上位です。ここは「同学年が実際にどこを一番に選んだか」であって、研修の質の順位ではありません。ただし候補をゼロから探すよりは早い出発点になります。そのうえで自分の条件(救急の体制、大学か市中か、通勤範囲、診療科の重点)で絞ってください。条件の決め方は研修病院の選び方にまとめています。

北海道は席が余っているから、どこでも入れますか

道として席が余ることと、志望する枠に入れることは別です。空いた94席のうち58席は3つの大学病院に集中する一方、札幌徳洲会病院は定員7人に第一志望15人、市立札幌病院は定員12人に23人が集まっています。第1志望に選ばれる病院では競争があり、下位順位で登録されやすい大学病院では席が残る、という形です。だからこそ空席の実績がある枠を登録先に入れておく意味が大きくなります。[1],[2]

札幌以外の病院はどう見ればいいですか

公表データは市区町村別に集計されていないため、この記事では道単位で扱っています。ただし比で上位に入った病院には、旭川赤十字病院(旭川市)・市立函館病院と函館中央病院(函館市)・砂川市立病院(砂川市)・釧路赤十字病院(釧路市)のように札幌市外のものが並びます。「札幌 研修病院」で検索して市内だけを見ていると、定員に対して志望が集まっているプログラムを取りこぼす可能性があります。所在地は公表資料に含まれないため、市名は各病院の公開情報によります。

第一志望者が多いプログラムは避けたほうがいいですか

順位の付け方を変える理由にはなりません。マッチングで使われるアルゴリズムは「耐戦略性」を持つと公表されており、自分の希望どおりの順位で登録することが最良の結果になるとされています。ただし第一志望者が多いプログラムほどその枠の競争は激しくなります。順位表を長くしておくとアンマッチの可能性は下がりますが、なくなるわけではありません。JRMPも、登録数の多いプログラムを希望していて不安な場合は「登録順位の変更」ではなく「登録順位数を増やす」ことを勧めています。順位の付け方はマッチングの希望順位登録を参照してください。[2]

まとめ

候補は、実数でも定員比でも道内上位に入る5院(札幌徳洲会・市立札幌・旭川赤十字・北海道医療センター・市立函館)から始めてください。行ってもよいと言える範囲で、空席が出た枠を複数登録しておきます。北海道は63プログラム・58病院で、定員408人に対しマッチ314人・充足率77.0%、29プログラムに計94席の空きが出た道です。そのうち58席は北海道大学病院・札幌医科大学附属病院・旭川医科大学病院の8プログラムでした。空席の出る枠は、採用試験を受けて順位表に書き、病院側の順位表にも載っていれば受け皿になります。ただし採用試験を受けても病院が順位表に載せるとは限りません。道全体の充足率77.0%を、自分が受けるプログラムの競争と取り違えないことです。[1],[2]

出典

  1. 1.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)令和7年度 研修プログラム別マッチ結果 jrmp2.jp2026-08-04 取得)
  2. 2.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)2025年度 医師臨床研修マッチング 中間公表 jrmp2.jp2026-08-04 取得)
  3. 3.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)2026年度版 研修医マッチングの手引き【6年生用・既卒者用】 jrmp.jp2026-08-04 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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