研修医の給料が高い病院はどこか|申告された1年次の月給は20万円から64万円まで
目次
結論から書くと、研修病院が自分で申告した1年次の月給でいちばん高いのは月640,000円(総合病院中津川市民病院)、いちばん低いのは200,000円で、3.2倍ひらきます。ただし月給の順位は、1年で受け取る額の順位ではありません。月給が高い病院ほど「賞与なし」と申告していることが多いからです。以下、申告値の実名リストと、順位が入れ替わる中身を示します。[1]
申告された月給が高い10病院
iwor は2027年度版の臨床研修病院ガイドブックなどから341施設の待遇を収録していて、うち330施設が1年次の月給を数値で申告しています。その330施設を高い順に並べた上位10がこれです。金額はいずれも、病院がガイドブックへ申告した1年次の基本給です。[1]
- 1位 総合病院中津川市民病院……640,000円/月(賞与749,000円と併記)
- 2位 中部国際医療センター……620,000円/月(賞与なし。固定残業80時間ぶんの234,258円を基本給に含むと申告)
- 3位 製鉄記念室蘭病院……600,000円/月(賞与なしと申告)
- 4位 国立病院機構 長良医療センター……592,410円/月(賞与なしと申告)
- 5位 鈴鹿中央総合病院……559,160円/月(賞与なしと申告)
- 6〜8位(550,000円で同着) 北海道社会事業協会小樽病院/日鋼記念病院/北海道社会事業協会帯広病院……いずれも550,000円/月(3院とも賞与なしと申告)
- 9位 浜松医療センター……540,000円/月(賞与493,000円と併記)
- 10位 むつ総合病院……534,300円/月(賞与は最大1.1ヶ月分と申告)
500,000円以上は31施設(9.4%)、400,000円以上は103施設(31.2%)でした。この330施設の上位20を見ると、大学病院は0件、東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・京都・兵庫・愛知の8都府県にある病院も0件です。[1]
申告された月給が低い9病院
同じ330施設を低い順に並べるとこうなります。230,000円までで9施設、その次の240,000円が3施設で同着なので、9施設まで挙げます。[1]
- 東邦大学医療センター佐倉病院……200,000円/月(賞与なし。想定手取月額は330,000円と申告)
- 川崎市立多摩病院……206,400円/月(賞与なしと申告)
- 昭和医科大学病院……220,000円/月(賞与なしと申告)
- 昭和医科大学江東豊洲病院……220,000円/月(賞与なしと申告)
- 昭和医科大学横浜市北部病院……220,000円/月(賞与なしと申告)
- 昭和医科大学藤が丘病院……220,000円/月(賞与なしと申告)
- 厚生中央病院……230,000円/月(賞与184,000円。想定手取月額は258,000円と申告)
- 日本赤十字社医療センター……230,000円/月(賞与100,000円と併記)
- 聖マリアンナ医科大学病院……230,000円/月(賞与なし。想定手取月額は280,000円と申告)
330施設を区分ごとに見ると、大学病院37施設の月給の中央値は300,000円、それ以外293施設は354,000円でした。地域では、上の8都府県にある134施設が329,150円、8都府県以外は施設のある36道県の196施設で369,750円。そして下位20施設(実名を挙げたのはうち9施設)は、20件すべてが8都府県の病院で、うち13が大学病院です。ただし330施設は全国の研修病院すべてではありません。[1]
月給が低い側に大学病院が多いことには、給与以外の事情も絡みます。大学病院は選ばれ方そのものが市中病院と違い、倍率や第一志望率の出方も別です。そちらは初期研修は大学病院と市中病院どっちで数字にしています。
月給500,000円以上の31施設のうち、17施設は「賞与なし」
ここが、月給の順位をそのまま年収の順位として読めない理由です。月給500,000円以上の31施設のうち、17施設が賞与なしと申告しています。上位10では7院、つまり2位から8位までがすべて賞与なしです。[1]
逆向きの例が分かりやすい。浜松医療センターは月給540,000円・賞与493,000円、滝川市立病院は月給452,700円・賞与1,448,640円と申告しています。月給では87,300円の差がついていて、12か月ぶんに直すと1,047,600円の差です。ところが月給×12か月に賞与を足すと、浜松医療センターが6,973,000円、滝川市立病院が6,881,040円。差は91,960円まで縮みます。330施設の月給順では9位と44位ですが、賞与まで入れるとほぼ横並びになる。なおこの数字に当直手当は入っていません。当直手当は病院差が大きく、浜松医療センターは宿日直手当17,000円/回と額を申告し、滝川市立病院は「あり」とだけ申告しています。ここを入れると順位はまた動きます。[1]
同じ理由で、基本給の低さもそのまま受け取る額の低さにはなりません。330施設のうち207施設は「想定手取月額」も申告していて、基本給200,000円の東邦大学医療センター佐倉病院は330,000円、基本給592,410円の長良医療センターは655,000円と申告しています。いずれも独身・当直月4回とした場合のモデル値です。[1]
当直手当も効きます。収録している341施設のうち額を申告している148施設では、1回あたりの中央値が19,200円。当直が月4回ある病院なら、それだけで年間90万円台になります。月給・賞与・当直・宿舎を揃えて初めて比較になるという手順は研修病院の給料の見方にまとめました。
見かける「年収ランキング」は、何を足した数字か
研修医の給料のランキングは、作り方が媒体ごとに違います。医師ナビの都道府県別ランキングは、病院の公開情報から推定した平均年収を都道府県ごとに並べたもので、推計であり実態と異なる可能性があると同社が断っています。HOKUTO の都道府県ランキングは同社の研修病院サイト HOKUTO resident に登録された1,035病院の情報をもとにしたもので、賞与は考慮せず、年収しか載っていない病院は12で割って月収にしたと注記されています。こちらは2024年の公開です。どちらも都道府県の平均であって、病院の順位ではありません。[2],[3]
そもそもガイドブックの処遇欄には、年収を書く欄がありません。基本給・賞与・想定手取月額・諸手当・宿舎費といった項目に分かれています。だから年収で並べた順位表は、集計する側が部品を足して作ったものになります。[1]
本記事が月給で並べているのは、月給なら病院が申告した値をそのまま使えるからです。そのぶん、賞与・当直・宿舎はこの順位の外にあります。
iwor の病院一覧では、「列を追加」から月給(1年次・2年次)・賞与・当直回数・当直手当・想定手取り・寮の列を出して並べ替えられます(待遇を収録しているのは341施設で、それ以外の行は空欄になります)。都道府県や大学・市中の別で絞り込むところまで、無料登録すればそのまま使えます。PRO なら、公式の年収明記があればその値、なければ月給×12+賞与で算出した換算年収の列で並べ替えられて、気になった複数院を横並びで比較でき、マッチ難易度・穴場度・志望集中度・安定度という iwor 指標の数字まで見られます。iwor 指標はいずれも席の取りやすさの目安であり、研修の質の評価でも、個人の合否の予測でもありません。
月給の隣に、賞与と当直手当を並べる。
iwor は医師のためのワークスペースです。待遇を収録した341施設を月給・賞与・当直回数・当直手当・寮の列で並べ替えられて、都道府県や大学・市中の別で絞り込めます。無料登録すればここまで使えて、PRO なら換算年収での並べ替えと複数院の横並び比較まで進みます。
無料ではじめるよくある質問
研修医の給料がいちばん高い病院はどこですか
1年次の月給の申告値でいえば、総合病院中津川市民病院の640,000円が最高でした(賞与749,000円と併記)。ただしこれは iwor が収録している330施設の中での最高で、全国すべての研修病院を数えた結果ではありません。また、月給に何が含まれるかは病院によって違います。固定残業代を月給に組み込んでいる病院もあるので、額面の順位はそのまま働き方の順位にはなりません。[1]
研修医の月給の相場はいくらですか
330施設の中央値は350,000円、平均は365,808円でした。300,000円未満が39施設、400,000円以上が103施設、500,000円以上が31施設です。相場をひとつの数字で言うより、この幅のどこに候補の病院がいるかを見るほうが実務的です。金額は2027年度版のガイドブックなどへの申告値なので、応募の前に最新の募集要項で確かめてください。[1]
給料が高い病院を選べばいいのですか
給料は病院選びの一軸で、しかも高さの理由はさまざまです。当直の回数が多ければ当直手当は増えますが、それは働く時間そのものでもあります。当直の重さで病院を分けて考えるならハイパー病院とハイポ病院を見てください。研修の中身をどう見るかは研修病院の選び方で扱っています。給料の順位は、候補を絞ったあとで待遇を確かめる材料として使うのが向いています。
都道府県別のランキングと数字が合わないのはなぜですか
測っているものが違うからです。都道府県別のランキングは、その県にある病院の平均(多くは推計値)で、病院ごとの順位ではありません。年収で並べたランキングは、賞与や当直手当を集計側が足した値になっていることがあります。本記事は病院が申告した1年次の月給そのものを使っているので、賞与・当直・宿舎はこの数字の外にあります。数字を見るときは、それが月給なのか年収なのか、申告値なのか推計値なのかを先に確かめてください。[2],[3]
まとめ
申告された1年次の月給は200,000円から640,000円まで、3.2倍ひらきます。中央値は350,000円。上位20には8都府県の病院も大学病院も1件も入らず、下位20は20件すべてが8都府県の病院で、うち13が大学病院でした。ただし月給500,000円以上の31施設のうち17施設は賞与なしと申告しています。月給540,000円の浜松医療センターと452,700円の滝川市立病院が、月給×12+賞与で置くと92,000円弱の差まで縮んだのがその実例です。候補の病院が決まったら、月給の隣に賞与・当直手当・宿舎を並べてください。並べ方は研修病院の給料の見方に、公表データ全体の扱い方は研修病院データベースの使い方にあります。
出典
- 1.一次資料公益財団法人 医療研修推進財団「臨床研修病院ガイドブック 2027年度版」 guide.pmet.jp(2026-07-27 取得)
- 2.医師ナビ「都道府県別 初期研修医の推定年収ランキング(2024年)」 dnavi.jp(2026-08-14 取得)
- 3.HOKUTO「最高75万円、 研修医の月収が高い都道府県ランキング(2024年公開)」 hokuto.app(2026-08-14 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制