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マッチング

東京の研修病院はどこを受けるか|第一志望が多い3院と、同じ病院でも中身が違うプログラム(2025年度の結果と2026年度の中間公表)

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目次

東京で第一志望者数の実数でも定員に対する比でも上位に入るのは、虎の門病院・武蔵野赤十字病院・東京都立墨東病院の3院です。第一志望者数の実数で並べても、定員に対する比で並べても、この3院が上位10に入ります。ただし東京は91病院のうち26病院が複数のプログラムを持つため、病院を決めた後に、どのプログラムで登録するかを選びます。同じ病院の4プログラムでも、第一志望は37人から0人まで分かれていました。病院名だけを見て決めると、まったく違う枠に出します。[1],[4]

候補をどこから集めるか

登録する順番は、自分が行きたい順です。マッチングの希望順位登録に書いたとおり、順位を実際の志望と違う順に付け替えても有利にはなりません。以下は候補の探し方です。登録する順番とは別の話として読んでください。動かせるのは、採用試験を受けて「行ってもよい」と言えるプログラムを1つでも多く登録することです。

  • 第一志望が集まっていたのはこの3院です。登録するのは病院ではなくプログラムなので、同じ病院の中のどのコースかまで決めます。登録するのは病院ではなくプログラムなので、同じ病院の中のどのコースかまで決める
  • 次に見る……実数では上位だが比では1.7倍台の病院(順天堂大学医学部附属順天堂医院・国立国際医療センター・聖路加国際病院など)
  • 採用試験を受けたうえで「行ってもよい」と言える範囲で足す……大学病院の大きなプログラム。東京の大学病院は定員738人(都全体の6割)で、第一志望者数は定員の0.70倍にとどまる一方、充足率は95.4%
[4],[1]

東京は充足率97.0%・空席37席で、席が埋まる都です。「空席の出た枠を登録先に足す」という手は他の道府県ほど使えません。代わりに効くのが大学病院の大きなプログラムで、第一志望者数が定員を下回るのにほぼ埋まる、という形でデータに現れます。全国では第4希望以下でマッチした人の65.0%が大学病院でした。順位表の作り方そのものはマッチングの希望順位登録を参照してください。[2],[1],[4]

東京都全体の数字

まず全体を見ます。2025年度のマッチングで、東京都には166のプログラムがあり、募集定員の合計は1,218人、マッチした人数は1,181人でした。充足率は97.0%です。全国の充足率が84.6%なので、東京は定員が埋まりやすい地域です。[1]

もう一つの指標が第一志望者数です。東京のプログラムを第1位で希望順位登録した人は合計1,395人で、定員1,218人に対して1.15倍にあたります。全国では0.88倍ですから、東京は定員に対して第一志望が上回っている数少ない地域です。この比は、そのまま個人の難易度にはなりません。誰がどこにマッチするかは、全員の順位登録と各プログラムの順位づけの組み合わせで決まります。なお第一志望者数は中間公表時点の断面値で、プログラム別の確定値は公表されません。[4],[1]

2026年度の中間公表でも、東京の第1希望÷定員は1.15倍

2026年度の中間公表が9月25日に出ています。東京のプログラムは165、募集定員の合計は1,205人で、第1希望に登録した人は1,384人。比は1.15倍で、前年と同じでした。全国は0.89倍です。[3]

これは締切前の途中経過で、最終結果ではありません。読み方はマッチングの中間公表とはにあります。

「東京は激戦」は、主に市中病院の話

東京全体で1.15倍という数字は、大学病院と市中病院を混ぜた平均です。分けて見ると、様子がかなり変わります。[1],[4]

  • 大学病院……74プログラム/定員738人/第一志望者数は定員の0.70倍
  • 市中病院……92プログラム/定員480人/第一志望者数は定員の1.83倍

東京の定員1,218人のうち738人、つまり6割は大学病院の枠です。その大学病院では第一志望者数が定員を下回っています。一方で市中病院は定員480人に対して第一志望者数がその1.83倍です。「東京は激戦」という言い方で普通に想像されているのは、この市中病院側の状況でしょう。

大学病院が選ばれるのは、第1希望より下の順位です。全国の集計では、第1希望でマッチした5,403人のうち大学病院は1,531人で28.3%でした。第4希望以下でマッチした1,095人では、大学病院が712人で65.0%を占めます。大学病院は志望順位の下位に登録されやすくなります。東京の大学病院の充足率は95.4%で、席自体はほぼ埋まっています。測っているものが違うだけです。大学病院と市中病院の違いそのものは研修病院の選び方で扱っています。[2],[1]

病院単位の合算が隠しているもの

ここが本題です。ランキング表は病院名で1行にまとめられていることがほとんどですが、順位登録はプログラム単位です。同じ病院の中に、性格の違うプログラムが並んでいます。[4]

たとえば虎の門病院は、定員を合計すると21人、第一志望者数を合計すると72人で、比は3.43倍になります。病院単位の表ではこの1行だけが載ります。ところが内訳は次のとおりです。[4],[1]

  • 外科系プログラム……定員6人/第一志望37人(6.17倍)
  • 内科系プログラム……定員11人/第一志望33人(3.00倍)
  • 産婦人科重点コース……定員2人/第一志望2人(1.00倍)
  • 小児科重点コース……定員2人/第一志望0人(0倍)。マッチしたのは1人で、空席が1つ出ました。ただし2024年度は6人・2023年度は4人が第一志望に選んでいます
[5],[6]

同じ病院の中で、6.17倍のプログラムと第一志望者0のプログラムが同居しています。合算した3.43倍という数字は、どちらの実感とも合いません。同じことが他の病院でも起きています。以下に主なプログラムを抜粋します。

  • 聖路加国際病院……合算1.77倍。小児科3.00倍/外科系2.11倍/内科系1.33倍/産婦人科1.00倍
  • 国立国際医療センター……合算1.70倍。総合診療科3.50倍/救急科2.00倍/内科系1.25倍
  • 東京大学医学部附属病院……合算0.51倍。広域連携型0.63倍/Bプログラム0.59倍/Aプログラム0.45倍/産婦人科重点0倍
  • 慶應義塾大学病院……合算0.69倍。小児科1.50倍/大学一貫1.15倍/地域-大学0.50倍

後半2件のように大学病院の比が低く出るのは、併願先として順位表の下位に登録されやすいためです。この比が数えているのは第1位に書かれた回数であって、研修の内容ではありません。

第一志望者が0になるのは、定員の小さい枠に集中しています。東京166プログラムのうち第一志望者数が0だったプログラムは24件で、そのすべてが定員6人以下、23件は定員4人以下でした。内訳は、名称に「広域連携」を含むものが8件、小児科・産婦人科系のコースが9件、残る7件がその他でした。空席が出たプログラムも24件あり、そのうち10件は第一志望0のプログラムと重なります。東京全体の充足率97.0%という数字の裏側で、こうしたプログラムが一定数あります。[1],[4]

第一志望者が少ないプログラムを「狙い目」と読み替えないでください。定員2人の枠でも、そのプログラムを順位表に登録した学生数は公表されています。虎の門病院の小児科重点コースは定員2人・第一志望0で、登録した学生は5人でした。昭和医科大学江東豊洲病院の広域連携型プログラムは同じ定員2人で162人です。応募要件はプログラムごとに違います。低い倍率をどう読み分けるかはマッチングの穴場病院の見つけ方にまとめています。

ランキングは、何で並べるかで顔ぶれが変わる

病院単位で集計した場合でも、何で並べるかで結果は変わります。東京の病院を「第一志望者数の実数」で並べた場合と、「第一志望者数÷定員」で並べた場合で、上位10病院に共通して入るのは3病院だけでした。[4],[1]

実数で並べると、定員の大きい病院が上位に来ます。東京の第一志望者数の上位10病院は次のとおりです。

  • 虎の門病院……第一志望72人/定員21人(343%)
  • 順天堂大学医学部附属順天堂医院……70人/41人(171%)
  • 武蔵野赤十字病院……60人/10人(600%)
  • 国立国際医療センター……51人/30人(170%)
  • 東京大学医学部附属病院……48人/95人(51%)
  • 東京科学大学病院……46人/94人(49%)
  • 国立病院機構東京医療センター……43人/24人(179%)
  • 東京都立墨東病院……42人/14人(300%)
  • 聖路加国際病院……39人/22人(177%)
  • 順天堂大学医学部附属練馬病院……36人/34人(106%)
[4],[1]

比で並べると、定員の小さい市中病院が上位に集まります。[4],[1]

  • 武蔵野赤十字病院……600%(第一志望60人/定員10人)
  • 虎の門病院……343%(72人/21人)
  • 東京都立広尾病院……317%(19人/6人)
  • 東京都立豊島病院……317%(19人/6人)
  • 東京都立墨東病院……300%(42人/14人)
  • 東京都済生会中央病院……282%(31人/11人)
  • 立川病院……260%(13人/5人)
  • 東京逓信病院……255%(28人/11人)
  • 東京警察病院……250%(20人/8人)
  • 河北総合病院……245%(27人/11人)
[4],[1]

両方に入っているのは、虎の門病院・武蔵野赤十字病院・東京都立墨東病院の3病院です。東京大学は実数では5位ですが、定員95人に対する比では0.51倍になります。定員が小さいほど比は振れやすくなる点には注意してください。[4],[1]

つまりランキングを見るときは、それが実数の順位なのか、定員に対する比の順位なのか、そして病院単位なのかプログラム単位なのかを先に見分けます。この考え方の全体像は研修医マッチングの人気病院ランキングの読み方にあります。

関東1都6県で同じ集計をしたものが関東の人気研修病院はどこかです。隣県の内訳は神奈川の研修病院はどこを受けるかで扱っています。

この数字は、全国のどのあたりなのか

ここまでは東京の中だけで並べてきました。実際に志望先を決めるときに効いてくるのは「この数字は全国で見てどのくらいなのか」です。自分の志望先の数字が全国では何番目なのかは、残り1,300件以上のプログラムの分布を知らないと分かりません。候補が増えるほど、全国の分布と突き合わせる手間は増えていきます。

iwor はこの判断のために、JRMPの公表値から4つの指標を算出しています。

  • マッチ難易度:席を巡る「本気の競争」の激しさを偏差値化したもの。本気倍率=(志望者数×第1志望率)÷定員 をもとに算出します。定員が4人以下のプログラムは、値のブレを補正しています。4指標のなかで唯一、全国順位も出ます
  • 志望集中度:志望者のうち、そこを第1志望に選んだ人の割合。大学病院は低めに出る傾向があります(併願先として登録されやすいから、というのは iwor の見方です)
  • 穴場度:0〜100。空きやすさ(空席・低充足)と低倍率を主に、志望者の減少傾向を加味した値です
  • 安定度:0〜100。直近の充足の安定性に、充足の水準を加味した値。毎年安定して埋まっているほど高くなります

この記事で見てきた定員・マッチ者数・第一志望者数は、いずれもこれらの指標の材料そのものです。東京の166プログラムをプログラム単位のまま倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や区分で絞り込んだりできます。

いずれも席の取りやすさの目安であり、研修の質・教育体制の評価ではありません。公表値からの推定であって、合否や受け入れを保証するものでも、個人の合否を予測するものでもありません。主要な研修病院は東京都の研修病院に、166プログラム全件はアプリの病院データベースにあります。

東京の166プログラムを、合算せずに1つずつ見る。

iwor は医師のためのワークスペースです。プログラム単位のまま、倍率・定員・充足率で並べ替えたり都道府県・区分で絞り込んだりできます。選んだ複数院の横並び比較と、マッチ難易度・穴場度・志望集中度・安定度の数字と、マッチ難易度の全国順位まで見られます。

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この記事の数字の出どころ

本記事の数値は、医師臨床研修マッチング協議会が公表している資料から iwor が出しています。使ったのは2026年度の中間公表と、2025年度の研修プログラム別マッチ結果・同じ年度の中間公表・研修医マッチングの結果です。[3],[1],[4],[2],[5],[6]

2026年度の中間公表からは今年の第1希望の登録数を取りました。2025年度のマッチ結果からは募集定員・マッチ者数・空席数・希望順位登録学生数の確定値を取りました。同じ年度の中間公表からは第一志望者数を、研修医マッチングの結果からは希望順位ごとの全国のマッチ者数を取っています。過年度の第一志望者数だけは、2024年度と2023年度の中間公表から取っています。集計の単位は公表資料と同じくプログラム単位で、病院単位の数字は同じ病院名のプログラムを足し合わせて算出しました。

本記事でいう第一志望者数とは、中間公表の前日14時時点で各プログラムを第1位で希望順位登録している参加者数です。2025年度の中間公表では、参加登録者9,902人のうち9,284人が登録を済ませた時点の集計でした。中間公表の後も順位登録は変更できるため、最終結果とは一致しません。中間公表の位置づけはマッチングの中間公表とはで解説しています。[4]

公表資料の「当該プログラムを希望順位登録した学生数」は合算していません。1人が複数のプログラムに登録するので、足すと同じ人を何度も数えてしまいます。なお公表資料の注記のとおり、この列は採用試験を受けに来た人数でも、病院側が登録した人数でもありません。第一志望者数は1人につき1プログラムなので、合算して比較できます。

よくある質問

東京の研修病院は結局どこから見ればいいですか

第一志望が最も集まったのは虎の門病院・武蔵野赤十字病院・東京都立墨東病院です。研修の質の順位ではなく、候補を探す出発点として見てください。

同じ病院なら、どのプログラムで出しても同じですか

違います。マッチングはプログラム単位で行われ、募集定員も順位づけもプログラムごとに独立しています。虎の門病院では6.17倍のプログラムと0のプログラムが並びます。

第一志望者数が多い病院は避けたほうがいいですか

順位の付け方を変える理由にはなりません。アルゴリズムには「耐戦略性」があり、行きたい順に登録するのが最良です。

まとめ

実数でも定員比でも都内上位に入るのは虎の門・武蔵野赤十字・東京都立墨東の3院でした。大学病院の大きなプログラムは、採用試験を受けたうえで「行ってもよい」と言える範囲で登録しておきます。東京は充足率97.0%・空席37席と席が埋まる都で、空いた枠を受け皿にする手が使いにくいためです。

そして登録するのは病院ではなくプログラムです。26の病院が複数のプログラムを持ち、同じ病院の中で6.17倍のコースと第一志望0のコースが並ぶこともありました。病院名で1行にまとまった表を見たら、その1行がいくつのプログラムを畳んだものかを必ず確かめてください。

出典

  1. 1.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修プログラム別マッチ結果」 jrmp2.jp(2026-08-03 取得)
  2. 2.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修医マッチングの結果(表3 希望順位ごとのマッチ者数/表5 臨床研修病院・大学病院別の順位とマッチ結果)」 jrmp2.jp(2026-08-03 取得)
  3. 3.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2026年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」 jrmp2.jp(2026-09-26 取得)
  4. 4.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2025年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」 jrmp2.jp(2026-08-03 取得)
  5. 5.医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2024年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」 jrmp2.jp(2026-08-03 取得)
  6. 6.医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2023年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」 jrmp2.jp(2026-08-03 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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