Post-CC OSCE対策|機構課題は35症候、合否を出すのは大学
目次
Post-CC OSCEの対策で最初に効くのは、範囲が決まっていると知ることです。機構が作る課題は35症候から作られます。[1]
もうひとつ、先に知っておくと構えが変わることがあります。この試験に全国共通の合格ラインはなく、合否を出すのは大学です。[3]
機構課題は35症候から作られる
学修・受験ガイドは「機構課題は計35症候から作られています」と書いています。元になっているのは医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)のG臨床実習 G-2臨床推論で、そこに並ぶのは37症候です。[1],[2]
37と35の差が2つ。ガイドブックは、37症候のうちG-2-5)ショックとG-2-6)心停止の2項目を除く35症候から作成されている、としています。一覧の図でもこの2つに「課題から除外」と付いています。[2]
残る35は、発熱、意識障害・失神、呼吸困難、胸痛、腹痛、頭痛のような、外来で日常的に出会う症候が並びます。全部はガイドブックの一覧で見てください。[2]
ここで気をつけたいのは、除かれるのが機構課題からだという点です。大学独自課題に何が出るかは大学が決めますし、国試や研修ではショックにも心停止にも当然に出会います。範囲の話は、機構が作る3課題にだけかかります。[2]
一人が取り組む機構課題は3課題です。これとは別に、大学が作る独自課題を3課題以上あわせて行うことが望ましいとされています。令和5年度からは「柔軟な運用」として一部の緩和が残されているので、実際に何課題になるかは大学の案内を見てください。[2],[3]
合否を出すのは大学
根っこに制度の違いがあります。CBTと臨床実習前OSCEは、令和5年度から公的試験として実施されていて、合否は全国統一基準で判定されます。実習後OSCEはそこに入っていません。ガイドブックは「これは未だ公的試験ではありません」と書いたうえで、合否判定は実施大学に委ねられている、としています。[5]
実習後OSCEの章でも同じことが繰り返されていて、到達判定つまり合否判定は、機構課題と大学独自課題の結果をもって実施大学の責任で行われる、とあります。[3]
だから合格率を探しても出てきません。CBTのIRT標準スコア396のような全国共通の到達基準とは、そもそも設計が違います。詳しくはCBTに落ちたらどうなるに書きました。
成績表の作りも同じ考え方です。返ってくるのは3課題平均のレーダーチャートと、自分の大学の中での分布における位置。機構は「試験実施大学や実施年度が異なる場合、得点(個人成績や大学平均)の単純比較はできません」と注記しています。[4]
全国の規模だけは公表されていて、2025年度は81大学・9,102名の本試験と追試験の成績が集計されました。[6]
到達判定を大学が行う以上、再試験の扱いも大学の規程によります。所属大学の案内で確かめてください。
評価は5つの観点で、1点から6点
観点は5つです。患者への配慮とコミュニケーション、医療面接による情報収集、診断仮説に基づいた身体診察、症例プレゼンテーション、臨床推論。並べてみると、手技そのものを見る観点は身体診察の1つだけで、残りは話の聞き方と組み立て方に寄っています。得点は1点から6点で、6点が最も良い評価です。[4]
採点は一人がつけるものではありません。課題別・受験生別に2名以上の評価者がつけ、ビデオで再確認して評価する場合もあります。[4]
評価者の顔ぶれも実習前とは違います。外部評価者には他大学の教員に加えて、臨床研修病院などで研修医を指導する立場の指導医が入ります。ガイドブックはこれを実習前OSCEとの大きな違いだと書いています。医療面接や身体診察に協力した模擬患者からの評価も、大学にフィードバックされます。[2]
当日、試験室で起きること
医療面接と身体診察で12分、そのあと情報の整理と指導医への報告で4分です。入室してから課題シートに目を通す時間は、試験時間に含まれません。[1]
12分が来るまで、患者は帰らない
模擬患者は試験開始後12分が経つまで試験室に留まり、合図とともに退出します。ガイドはここで、12分経過するまでは医療面接や身体診察がいったん終了しても追加して診察できる、と明記しています。早く終わっても、部屋を出るのではなく取りこぼしを拾う時間が残っています。[1]
患者が入れ替わることがある
医療面接の模擬患者と身体診察の模擬患者が別の人で、途中で入れ替わることがあります。ガイドの指示は「同一患者さんだと思って試験を続けてください」。知らずに当日出くわすと動揺するところです。[1]
身体診察の最中に病歴を尋ねることもできます。模擬患者が別の人の場合は、医療面接のほうの模擬患者が答えます。[1]
声に出しながら診察する
身体診察では、何の診察をしているのか、所見がどうかを述べながら行うよう求められています。黙って正しく診ても、述べなければ評価者に届きません。[1]
時計は持ち込めない
腕時計は持ち込み禁止です。しかも経過時間の確認の仕方は実施大学に委ねられていて、機構は決めていません。時間の知らせ方が大学ごとに違うので、事前の説明で確かめておくところです。[1]
外来だけではない
初診外来の型だけで練習していると、当日ずれます。場面は病棟のこともあり、その課題では入院診療録が渡されたうえで、患者とは初対面として診療を始めます。患者が小児なら、話を聞く相手は家族です。入り口が変わるだけで手が止まるので、練習を外来の成人だけに寄せないほうが安全です。[1]
報告の4分に何を入れるか
12分が終わると「今から4分間で、情報の整理と指導医への報告とをおこなってください」とアナウンスが入ります。整理ができたと思った時点で報告を始めます。評価者を指導医だと思って話す形です。[1]
入れるものは3つに決まっています。患者から得た情報、鑑別すべき病態・疾患、そしてその根拠。4分はこの3つに寄せて構いません。報告用のメモ用紙は使ってよく、評価の対象にもなりません。[1]
実習前OSCEの医療面接は10分で、課題シートに並ぶ項目も違います。混ざりやすい2つなので、実習前のほうは臨床実習前OSCEの医療面接は10分にまとめています。
iwor なら、覚えた知識を忘れる前に戻せます。
知識ポイントがそのまま暗記カードになります。表と裏は作成済みで、「今日の復習」は忘れかけた頃に自動で組まれます。iwor は医師のためのワークスペースです。
無料ではじめるよくある質問
Post-CC OSCEの合格率はどのくらいですか
公表されていません。到達判定は機構課題と大学独自課題の結果をもって、実施大学の責任で行われるためです。[3]
何症候から出題されますか
機構課題は35症候からです。コアカリのG-2臨床推論に並ぶ37症候のうち、ショックと心停止がこの35から外れます。大学独自課題に何が出るかは大学が決めます。[2]
受験料はいくらですか
受験者一人当たり20,000円と会費規定で定められています。臨床実習前の共用試験とは別の試験なので、金額も別です。[3]
受験できるのはどの学年ですか
臨床実習の全期間を終了し、受験する資格があると大学が認めた第6学年の学生です。[3]
まとめ
機構課題の範囲は35症候で、コアカリのG-2臨床推論の37症候からショックと心停止を除いた35です。ただし除かれるのは機構課題からで、大学独自課題に何が出るかは大学が決めます。[2]
そして到達判定は、機構課題と大学独自課題の結果をもって実施大学が行います。全国の合格率を探すより、範囲と当日の段取りを押さえて、所属大学の案内で課題数と時間の知らせ方を確かめるほうが早いです。
出典
- 1.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「2026年度医学生共用試験臨床実習後OSCE 学修・受験ガイド(機構課題)」 cato.or.jp(2026-09-27 取得)
- 2.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p58(臨床実習後OSCEの概要・35症候・課題数・評価者)」 cato.or.jp(2026-09-27 取得)
- 3.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p59(評価ルーブリック・到達判定・受験資格・受験料)」 cato.or.jp(2026-09-27 取得)
- 4.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p60(成績返却について・個人成績表)」 cato.or.jp(2026-09-27 取得)
- 5.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p109(臨床実習前・後の共用試験の現状/臨床実習後OSCEは未だ公的試験ではない)」 cato.or.jp(2026-09-27 取得)
- 6.一次資料医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)「共用試験ガイドブック 第24版(令和8年)p61(第6回・2025年度 全国成績)」 cato.or.jp(2026-09-27 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制