Alvarado スコア(虫垂炎)|5点の境で感度99%、7点の境で特異度81%。女性ではスコアが高めに出る
目次
Alvarado スコアは、急性虫垂炎の早期診断のために1986年に作られた8項目・10点満点のスコアです。[1]
感度と特異度は、どこで区切るかで入れ替わります。5点の境では感度が99%まで上がるかわりに特異度が43%まで落ち、7点の境では両方が8割台で並びます。[2]
8つの項目と、重みのつけ方
頭文字をつないで MANTRELS とも呼ばれます。痛みの移動、食思不振、悪心・嘔吐、右下腹部の圧痛、反跳痛、体温上昇、白血球増多、核の左方移動の8つです。[2]
10点満点のうち、右下腹部の圧痛と白血球増多だけが2点で、残りの6項目は1点ずつです。[2]
原典が診断への重みの順に並べたのも、右下腹部の限局した圧痛、白血球増多、痛みの移動、核の左方移動、体温上昇、悪心・嘔吐、食思不振、反跳痛の順でした。2点の2項目が、そのまま上位2つです。[1]
原典は305人の後ろ向き研究
1986年の原典は、急性虫垂炎が疑われる腹痛で入院した305人を後ろ向きに調べています。症状・所見・検査値を感度、特異度、予測値などで解析し、診断に役立つ8因子を選んでいます。[1]
使い方で性能が変わる
42の検証研究をまとめた2011年の系統的レビューは、2つの境目で性能を分けて出しています。[2]
- 5点の境(1〜4点と5〜10点で分ける)……感度99%・特異度43%
- 7点の境(1〜6点と7〜10点で分ける)……感度82%・特異度81%
7点の境の特異度は、男性だけで見ると57%、女性73%、小児76%でした。レビューは、7点以上を確定の根拠にするにはどの群でも特異度が足りない、としています。[2]
女性と小児では、スコアが確率を高めに出す
同じレビューは、予測された人数と実際の人数の比(リスク比)も出しています。男性は低・中・高のどのリスク帯でも1付近で、ずれていません。[2]
女性はすべての帯で過大評価でした。低リスクで5.35(95%信頼区間2.17〜13.19)、中等度1.82(1.20〜2.78)、高リスク1.14(1.04〜1.25)です。[2]
小児(18歳未満)は、中等度1.81(1.13〜2.89)と高リスク1.13(1.01〜1.27)で過大評価、低リスクは有意ではありませんでした。研究間のばらつきが大きいことも、レビューは断り書きにしています。[2]
iwor の計算ツールに Alvarado は入っていません
iwor の計算ツールに Alvarado スコアは入っていません。点数式のスコアでは、心房細動の CHADS₂・CHA₂DS₂-VASc などがあります。
入っているツールには、どれも発行元と表題つきの出典が付きます。似た形のスコアでは、ADD リスクスコアも点数の出どころからまとめています。
iwor の計算ツールに Alvarado スコアは入っていません。敗血症を疑う場面の qSOFA と SOFA は、出典つきの計算ツールで計算できます。
よくある質問
何点満点ですか
10点満点です。8項目のうち、右下腹部の圧痛と白血球増多が2点、残りが1点ずつです。[2]
感度と特異度はどの数字を見ればいいですか
どこで区切るかで変わります。5点の境では感度99%・特異度43%、7点の境では感度82%・特異度81%でした。[2]
男女で差がありますか
レビューでは、男性は全リスク帯でずれが小さく、女性は全リスク帯で過大評価でした。7点の境の特異度も男性57%・女性73%と差があります。[2]
まとめ
Alvarado スコアは8項目・10点満点で、2点がつくのは右下腹部の圧痛と白血球増多の2つだけです。数字は区切り方と対象で変わり、5点の境では感度が高く、7点の境では特異度が上がる代わりに感度が下がります。女性と小児では確率が高めに出る、というのが42研究をまとめた結果です。
出典
- 1.一次資料Annals of Emergency Medicine(Alvarado A)「A practical score for the early diagnosis of acute appendicitis(PMID 3963537・DOI 10.1016/s0196-0644(86)80993-3)」 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov(2026-09-24 取得)
- 2.一次資料BMC Medicine(Ohle R ほか)「The Alvarado score for predicting acute appendicitis: a systematic review(PMID 22204638・DOI 10.1186/1741-7015-9-139)」 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov(2026-09-24 取得)
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