ABCD² スコア(TIA)|5項目の点数と、2日以内に脳卒中が起きた割合
目次
ABCD² スコアは、TIA(一過性脳虚血発作)のあとに脳卒中が起こる早さを予測するために作られた、5項目・0〜7点のスコアです。[1]
2007年の Lancet に載った研究で、それまでの California スコアと ABCD スコアをまとめ直して作られました。
点数の付け方
- A(年齢)……60歳以上で1点
- B(血圧)……140/90 mmHg 以上で1点
- C(症状)……片側の脱力で2点、脱力を伴わない言語障害で1点
- D(持続時間)……60分以上で2点、10〜59分で1点
- D(糖尿病)……ありで1点
Dが2つあるのは、持続時間(Duration)と糖尿病(Diabetes)の両方を数えるからです。ABCD の後ろの2は、この2つ目のDを指します。
点数ごとに、2日以内の脳卒中はどれだけ起きたか
原著は4つのコホートで検証し、点数を3つに分けています。割合の母数は、検証と導出の両方の群を合わせた人数です。[1]
- 6〜7点……全体の21%。2日以内に脳卒中が起きた割合は8.1%
- 4〜5点……全体の45%。同じく4.1%
- 0〜3点……全体の34%。同じく1.0%
予測の当たり具合を表すc統計量は、検証したコホートで0.62から0.83の範囲でした。コホートによって幅があります。
同じように、当てはまった項目を数えるスコアにはADD リスクスコアがあります。
いまのガイドラインでの扱い
英国の NICE は、2019年のガイドライン(NG128)で次のように勧告しています。[2]
Do not use scoring systems, such as ABCD2, to assess risk of subsequent stroke or to inform urgency of referral for people who have had a suspected or confirmed TIA.[2]
TIA が疑われる人や確定した人について、その後の脳卒中のリスク評価や、紹介の緊急度の判断に、ABCD² のような点数の仕組みを使わない、という内容です。
スコアの数字と、ガイドラインがそれをどう扱うかは別の話です。点数を知っていることと、点数で決めることは違います。
iwor の計算ツールに ABCD² はありません
iwor の計算ツールに ABCD² スコアは入っていません。近いものでは、心房細動の CHADS₂ と CHA₂DS₂-VASc が入っています。
入っているツールには、どれも発行元と表題つきの出典が付きます。似た形のスコアでは、出血のリスクを点数にするHAS-BLED スコアがあります。
iwor の計算ツールに ABCD² スコアは入っていません。心房細動の脳梗塞リスクを見る CHA₂DS₂-VASc と、出血リスクを見る HAS-BLED は、出典つきの計算ツールで計算できます。
iwor なら、CHA₂DS₂-VASc と HAS-BLED を出典つきで計算できます。
CHA₂DS₂-VASc・HAS-BLED など、出典つきのスコアがそろっています。iwor は医師のためのワークスペースです。
無料ではじめるよくある質問
合計は何点までですか
0点から7点です。年齢1点・血圧1点・症状2点・持続時間2点・糖尿病1点を足した形です。[1]
6点以上は高リスクですか
原著では6〜7点を高リスクの群として分けています。その群で2日以内に脳卒中が起きた割合は8.1%でした。[1]
まとめ
ABCD² スコアは、年齢・血圧・症状・持続時間・糖尿病の5項目で0〜7点をつけます。2007年の原著で、2日以内の脳卒中は6〜7点で8.1%、0〜3点で1.0%でした。英国の NICE は2019年から、このスコアをリスク評価や紹介の緊急度に使わないよう勧告しています。
出典
- 1.一次資料The Lancet(Johnston SC ほか)「Validation and refinement of scores to predict very early stroke risk after transient ischaemic attack(PMID 17258668)」 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov(2026-09-23 取得)
- 2.一次資料NICE(英国国立医療技術評価機構)「Stroke and transient ischaemic attack in over 16s: diagnosis and initial management(NG128)1.1.6」 nice.org.uk(2026-09-23 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制