APGARスコアの計算|5項目を0〜2点で足して10点満点。1分と5分、7点未満なら20分まで5分ごと
目次
アプガースコアは、皮膚色・心拍数・刺激への反応・筋緊張・呼吸の5項目を、それぞれ0点・1点・2点で採点して合計します。10点満点です。[1]
つける時点も決まっています。すべての新生児で出生1分後と5分後、7点未満の児では20分まで5分ごとに続けます。[1]
5項目の採点
5項目の頭文字をつなげると APGAR になります。Appearance(皮膚色)・Pulse(心拍数)・Grimace(刺激への反応)・Activity(筋緊張)・Respiration(呼吸)です。
- 皮膚色……全身が青いか蒼白で0点、体幹が淡紅色で四肢だけ青ければ1点、全身が淡紅色で2点
- 心拍数……なしで0点、100/分未満で1点、100/分を超えて2点
- 刺激への反応……反応なしで0点、顔をしかめて1点、くしゃみや咳で2点
- 筋緊張……だらりとしていて0点、四肢をわずかに曲げて1点、活発で2点
- 呼吸……なしで0点、不規則か緩徐で1点、良好な呼吸か啼泣で2点
蘇生を始めるかどうかは、このスコアで決めていない
ACOG と AAP の Committee Opinion は、新生児蘇生プログラムの指針を引いてこう書いています。
「resuscitation must be initiated before the 1-minute score is assigned」[1]
1分値がつく前に蘇生は始まっている、という順番です。だからこのスコアは、最初の蘇生が要るか、どの手順が要るか、いつ行うかを決めるのには使わない、と書かれています。
蘇生を受けている最中につけたスコアは、自発呼吸をしている児につけたスコアと同じではない、とも書かれています。[1]
5分値の3つの区分
正期産児と後期早産児について、5分値は7〜10点が安心できる値、4〜6点が中等度の異常、0〜3点が低値とされています。[1]
0〜3点が5分以降も続く場合は、非特異的な病気のしるしとされます。ただし低い値が続くこと自体は、分娩中に何が起きたかを特定する指標にはならない、と書かれています。
この文書の主旨は、アプガースコアだけでは仮死の証拠にならず、個々の児の死亡や神経学的予後の予測にも使えない、というところにあります。
日本では、どの区分に何例いるか
日本産科婦人科学会の周産期委員会報告は、2021年に416施設が登録した妊娠22週以降の212,776例を集計しています。[2]
- 1分値……0〜3点が6,423例、4〜6点が8,815例、7〜10点が197,418例、不詳が112例
- 5分値……0〜3点が2,563例、4〜6点が3,293例、7〜10点が206,795例、不詳が121例
同じ集団を2つの時点で測った数です。0〜3点は1分値の6,423例に対して5分値は2,563例、4〜6点は8,815例に対して3,293例でした。
点が下がる理由は1つではない
ACOG と AAP は、点に影響しうるものとして、母体の鎮静や麻酔、先天奇形、在胎週数、外傷、観察者間のばらつきを挙げています。[1]
仮死のない健康な早産児が、未熟であるというだけで低い点になることもある、とも書かれています。
つけ方が決まっている別のスコアとして、GCS の計算のしかたがあります。
閾値が改訂された例はSOFA スコアにまとめています。
iwor の計算ツールにアプガースコアは入っていません。意識レベルの JCS と GCS、重症度の SOFA と qSOFA は、出典つきの計算ツールで計算できます。
よくある質問
何点満点ですか
10点満点です。5項目にそれぞれ0点・1点・2点を付けて足します。
いつつけますか
ACOG と AAP の Committee Opinion は、すべての新生児で1分後と5分後、7点未満の児では20分まで5分ごととしています。[1]
5分値はどう区分されますか
正期産児と後期早産児について、7〜10点・4〜6点(中等度の異常)・0〜3点(低値)の3区分です。[1]
日本で5分値が0〜3点なのはどのくらいですか
2021年に416施設が登録した212,776例のうち、5分値が0〜3点だったのは2,563例でした。[2]
まとめ
アプガースコアは5項目を0〜2点で足した10点満点です。つけるのは1分後と5分後、7点未満なら20分まで5分ごとです。
使いどころは決まっています。蘇生が要るかを決めるスコアではなく、児の状態と蘇生への反応を伝えるためのものです。
そして日本の登録では、2021年の212,776例のうち5分値が0〜3点だったのは2,563例でした。
出典
- 1.一次資料American College of Obstetricians and Gynecologists / American Academy of Pediatrics「Committee Opinion No. 644: The Apgar Score(2015年10月・2025年に再確認)」 acog.org(2026-09-24 取得)
- 2.一次資料日本産科婦人科学会「周産期委員会報告(日本産科婦人科学会雑誌 第75巻第6号・2023年6月)」 fa.kyorin.co.jp(2026-09-24 取得)
- 3.MSD マニュアル プロフェッショナル版「表: アプガースコア」 msdmanuals.com(2026-09-24 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制