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ASPECTS の付け方|2断面で10ヵ所を減点する。同じ症例でも CT と DWI で点がずれる

iwor 編集部5分で読めます
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目次

ASPECTS の数え方そのものは、どの解説にも同じように書いてあります。10ヵ所に分けて、虚血変化のある区域を1点ずつ引く。

抜けやすいのはその先です。同じ症例でも、CT と DWI では点が違って出ます。そして治療の指針は、その2つに別の基準値を置いています。

2断面で10ヵ所。引き算で表す

日本脳卒中学会の静注血栓溶解(rt-PA)療法 適正治療指針 第三版は、測り方をこう書いています。[1]

これは CT でレンズ核と視床を通る軸位断と、それより約 2cm 頭側のレンズ核が見えなくなった最初の断面の 2 断面にて、中大脳動脈領域を 10 ヵ所に区分し、減点法で病変範囲を表す手法である。[1]

点数の意味も同じ指針にあります。「一般に ASPECTS 7 が中大脳動脈領域の 1/3 に相当するとされる」と書かれています。[1]

つまり「7点」は、昔から使われてきた1/3ルールの言い換えに近い位置にあります。

同じ症例でも、DWI のほうが低く出る

ここが計算の解説から落ちやすいところです。指針は、CT と DWI を比べた結果を書いています。[1]

同一症例における CT と DWI の ASPECTS の比較では、DWI で 0.5~0.9 点スコアが低くなる[134,135]。[1]

理由も添えられています。DWI のほうが異常信号が明瞭に出ることと、CT では検出が難しい白質の急性期虚血病巣も拾えることです。[1]

だから「ASPECTS 6点」と言うときは、CT で6点なのか DWI で6点なのかで指している虚血の広がりが違います。

適応は、点数だけでは決まらない

経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針 第5版は、場面ごとに条件と推奨度・エビデンスレベルを置いています。点数だけで決まる形にはなっていません。[3]

  • 発症6時間以内。ICA または MCA M1 部の急性閉塞・発症前 mRS 0か1・NIHSS 6以上・18歳以上。加えて頭部 CT または MRI 拡散強調画像で ASPECTS 6点以上。すべて満たすとき、内科治療に追加して速やかに開始することが勧められる。推奨度A、エビデンスレベル高
  • 最終健常確認から6時間超。ICA または MCA M1 部の急性閉塞で NIHSS 10以上、かつ虚血コア25ml以下。これは MRI 拡散強調画像での ASPECTS 7点以上に相当。16時間以内は推奨度A・エビデンスレベル中、16〜24時間以内は妥当で推奨度B・エビデンスレベル中
  • ICA または MCA M1 部の急性閉塞が原因で、頭部 CT または MRI 拡散強調画像で ASPECTS 3〜5点の広範囲虚血。発症または最終健常確認から24時間以内なら、行うことは妥当。推奨度B、エビデンスレベル高
  • 脳底動脈の急性閉塞。発症前 mRS 0〜2・NIHSS 10以上・pc-ASPECTS 6点以上。発症または最終健常確認から24時間以内に開始することは妥当。推奨度B、エビデンスレベル中
[3]

2つめが「DWI での7点以上に相当」と書き分けられているのは、前の節の0.5〜0.9点のずれと地続きです。

3〜5点でも対象になりうる。ただし下限は決まっていない

「6点未満は対象外」という理解のまま止まっていることがあります。第5版は、広範囲虚血の試験の結果を受けて3〜5点の項を置きました。[3]

そのうえで、指針自身が線引きの限界を書いています。[3]

本指針策定時点においては,治療適応となる ASPECTS の下限もしくは虚血コア体積の上限は明らかとなっていないことに留意し,本療法を行う場合は症例ごとに適応を慎重に検討する必要がある.[3]

点数は入口の目安で、そこから先は症例ごとの判断だ、と指針が明言しています。

超急性期ほど読みにくい

rt-PA の指針は、時間が経つほど虚血が広がって判定の正確性が増すと考えられる一方、超急性期においては判定が困難なことも多い、としています。早く撮るほど読みにくい、という関係です。[1]

自動判定のソフトウエアについては、RAPID CT や e-ASPECTS の名前を挙げたうえで、精度に関しては今後の評価が待たれる、と書かれています。第三版は2019年3月のもので、2023年9月の追補はこの部分に触れていません。[1],[2]

初期評価の側で使う数字

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よくある質問

CT と DWI のどちらで付けるのが正しいですか

指針はどちらも使います。血栓回収の第5版は、6時間以内の項で「頭部 CT または MRI 拡散強調画像で」と両方を挙げています。どちらで測ったかを添えて伝えます。[3]

pc-ASPECTS は別のスコアですか

後方循環に当てた版です。血栓回収の第5版は、脳底動脈の急性閉塞について pc-ASPECTS が6点以上であることを条件の1つに挙げています。[3]

まとめ

ASPECTS は2断面で10ヵ所を減点して付けます。7点がおよそ中大脳動脈領域の3分の1です。同じ症例でも DWI では0.5〜0.9点低く出るので、点数だけでなく何で測ったかがセットになります。血栓回収の指針は、点数だけで決めていません。閉塞している血管、発症前の状態、NIHSS、時間とセットで基準値を置いています。

出典

  1. 1.一次資料日本脳卒中学会「静注血栓溶解(rt-PA)療法 適正治療指針 第三版(2019年3月)」 jsts.gr.jp(2026-09-25 取得)
  2. 2.一次資料日本脳卒中学会「静注血栓溶解(rt-PA)療法 適正治療指針 第三版 2023年9月追補」 jsts.gr.jp(2026-09-25 取得)
  3. 3.一次資料日本脳卒中学会・日本脳神経外科学会・日本脳神経血管内治療学会「経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針 第5版(2023年8月)」 jsts.gr.jp(2026-09-25 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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