医師の説明義務|厚労省の指針は、診療中の患者に説明する事項を7つ挙げている。症状と診断名・予後・治療方針・薬・代替治療・手術の危険性・研究目的
目次
医療法は、医師などの医療の担い手に、適切な説明を行い、医療を受ける人の理解を得るよう努めることを求めています。[1]
何を説明するかは、厚生労働省の「診療情報の提供等に関する指針」が挙げています。診療中の患者には、原則として次の7つを丁寧に説明するとされています。[2]
診療中の患者に説明する7つの事項
- 現在の症状と診断病名
- 予後
- 処置と治療の方針
- 処方する薬:薬剤名、服用方法、効能、特に注意が要る副作用
- 代替的な治療法があるとき:その内容と利害得失(患者が払う費用が大きく違うなら、それぞれの費用も)
- 手術や侵襲的な検査をするとき:その概要(執刀者と助手の氏名を含む)、危険性、実施しない場合の危険性、合併症の有無
- 治療以外に、臨床試験や研究などの目的もあるとき:その旨と目的の内容
この7項目は、2023年1月の指針の改正でも変わっていません。改正されたのは、診療記録の開示の手続きの部分です。[3]
「知らないでいたい」と言われたら
指針は、患者が「知らないでいたい希望」を表明したときは、それを尊重しなければならないとしています。患者が未成年者などで判断能力がないときは、親権者などに説明します。[2]
情報の提供を控えてよい場合
- 第三者の利益を害するおそれがあるとき。例:家族が医師に伝えた情報を、家族の同意なく患者に伝えると、患者と家族の関係が悪くなる場合
- 患者本人の心身の状況を著しく損なうおそれがあるとき。例:十分に説明しても、本人に重大な心理的影響を与え、その後の治療効果に悪影響が出る場合
どちらも、全部または一部を提供しないことができるという定めで、指針は個々の事例ごとに慎重に判断するとしています。
亡くなった患者の遺族への説明
指針は、患者が亡くなったときは遅滞なく、遺族に、亡くなるまでの診療の経過や死因などを伝えるとしています。患者本人の生前の意思や名誉を十分に尊重することも求めています。遺族として診療記録の開示を求められるのは、患者の配偶者・子・父母と、これに準ずる人です。[2]
研修医が1人で説明してよい範囲と、悪い知らせの伝え方は、研修医の病状説明にまとめています。説明で家族に伝えてよい範囲は、医師の守秘義務で扱っています。
予後や治療方針を説明する前に
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説明は口頭でなければいけませんか
指針は、診療情報の提供の方法として、口頭での説明、説明文書の交付、診療記録の開示などを挙げ、状況に合った方法で行うとしています。[2]
まとめ
医療法は説明に努めるよう求め、何を説明するかは厚生労働省の指針の7つの事項に書かれています。手術や侵襲的な検査では、実施しない場合の危険性と代替的な治療法まで話したかを、説明のあとに見直します。
出典
- 1.一次資料e-Gov 法令検索「医療法(昭和23年法律第205号)第1条の4第2項」 laws.e-gov.go.jp(2026-10-15 取得)
- 2.一次資料厚生労働省「診療情報の提供等に関する指針の策定について(平成15年9月12日 医政発第0912001号)別添「診療情報の提供等に関する指針」」 mhlw.go.jp(2026-10-15 取得)
- 3.一次資料厚生労働省「「診療情報の提供等に関する指針」の一部改正について(令和5年1月25日 医政発0125第7号)」 mhlw.go.jp(2026-10-15 取得)
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