J-OSLER で生成AIはどこまで使える?|学会が許容するのは文章の校正と考察の情報補完。使ったら用途を申告する
目次
日本内科学会は、J-OSLER で生成AIを使うことを、病歴要約の文章の校正と、考察に関する情報の補完に許容しています。考察そのものは自分で書きます。使ったら、個別評価を依頼するときのコメント欄に、使ったことと用途を簡潔に申告します。[1]
学会が許容している用途は2つ
学会の「生成AIの活用について」は、受け止め方がまだ人それぞれだとしたうえで、J-OSLER 上での補完的な活用を許容しています。用途は、病歴要約の文章の校正と、考察に関する情報の補完です。考察そのものは、自分で作ります。[1]
使ったときは、病歴要約の個別評価を依頼するコメント欄に、生成AIを使っていることと用途を簡潔に書きます(例:文章校正に活用)。評価者は、その申告を前提に評価します。そのうえで、生成AI利用ガイドラインを踏まえて使うこと、とされています。[1]
ガイドラインは、使用を推奨していない
ガイドラインは、生成AIが業務効率の改善や知識の補完に使えるとしつつ、学習データにバイアスや誤った情報が含まれる可能性にも触れています。そのうえで、こう書いています。
本ガイドラインは生成AIの使用を推奨するものではありません。[2]
使うかどうかは自分で決めて、使うならガイドラインの遵守事項を守ります。
使う前に済ませる2つ
1つは、入力した内容を学習に使わない設定にすること。もう1つは、患者の個人識別情報を入力しないことで、ID・名前・住所・生年月日が例として挙がっています。どちらも使う前に済ませる話で、原稿には残りません。[2]
3つ目は、提出する原稿の中で開示する
専攻医の経験症例の原稿の中に、執筆過程における生成AIの使用用途についての開示を行うこと。生成AIの使用が行われたこと及びその役割を明確に説明することで、評価者が情報の信頼性を正しく評価することができるようになります。[2]
大事なのは後半の理由です。開示は、評価する側が原稿の信頼性を判断するための材料なので、何に使い、どの部分にどこまで関わったかが伝わるように書きましょう。
順番にすると、設定を確かめる、匿名化してから使う、使った内容を開示する、の3つです。
考察は、出力をそのまま使わない
自己省察・考察の記載においては、生成AIの出力をそのまま複写して利用せず、専攻医自身の言葉で記載すること。[2]
生成物の扱いにも注意があります。文献探しに使う場合は、勧められる文献にバイアスがかかることがあるので、原著を確かめてから引用するかを決めます。最終的な責任は執筆者にあります。[2]
修了要件の残りは、iwor で数えられる
iwor のJ-OSLER・EPOCでは、PRO では期生を選ぶと要件表の数字が入り、症例と疾患群、病歴要約29篇、講習や学術活動の残りを逆算して出します。要件そのものは、J-OSLER の160症例は誰の要件?にまとめています。
iwor は日本内科学会・日本専門医機構・厚生労働省の公式システムではないので、正式な登録と評価は J-OSLER と EPOC で行います。
iwor なら、修了要件の残りが数字で見えます。
症例と疾患群、病歴要約29篇、講習・学術・JMECC・360度評価の6項目を、残りいくつかで逆算できます。EPOC の経験すべき症候29・疾病26にも対応しています。iwor は医師のためのワークスペースです。
無料ではじめるよくある質問
総合考察を、AI に書いてもらってもいいですか?
学会が許容しているのは考察に関する情報の補完までで、考察そのものは自分で作るとされています。ガイドラインも、考察は出力をそのまま複写せず、自分の言葉で書くよう求めています。[1],[2]
使ったことは、どこに書きますか?
病歴要約では、個別評価を依頼するときのコメント欄に、使ったことと用途を簡潔に書きます(例:文章校正に活用)。ガイドラインは経験症例の原稿の中での開示も求めているので、様式は所属プログラムの指導医に確かめましょう。[1],[2]
文献探しに使うだけでも、申告は要りますか?
要ります。学会の「生成AIの活用について」は、生成AIを使ったら個別評価の依頼時にコメント欄で使っていることと用途を申告するとしていて、用途で分けていません。ガイドラインも、執筆過程での使用用途の開示を求めています。[1],[2]
まとめ
学会が J-OSLER で許容しているのは、病歴要約の文章の校正と、考察に関する情報の補完です。使ったら個別評価の依頼時に用途を申告し、考察は出力を写さず自分の言葉で書きます。設定と匿名化は、使う前に済ませましょう。
要件に届かないときの制度の措置は、J-OSLER が間に合わないときにまとめています。
ここは内科学会版 J-OSLER の話です。総合診療専門研修は日本専門医機構が別のガイドラインを出しており、書類も様式も別です。制度ごとの違いは専門医のポートフォリオは制度ごとに別物にまとめています。
出典
- 1.一次資料日本内科学会「生成AIの活用について(J-OSLER 上での補完活用の許容と申告のしかた・2024年11月22日掲載)」 naika.or.jp(2026-09-17 取得)
- 2.一次資料日本内科学会「内科専攻医登録評価システム(J-OSLER)における生成AI利用ガイドライン(令和6年11月9日)」 naika.or.jp(2026-09-17 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制