J-OSLER に初期研修の症例は登録できる|要るのは、当時指導を受けた内科学会指導医の名前
目次
登録できます。ただし例外的な扱いなので、条件と上限があります。
そして、初期研修のうちにしか残せないものがひとつあります。その症例を指導してくれた内科学会指導医の名前です。登録画面にその欄があります。
満たすのは3つ
日本内科学会の病歴要約作成の手引きは、初期研修中(プログラム外)の経験症例について、次の条件を満たすものに限り J-OSLER への登録を認めるとしています。[1]
以下の条件を満たすものに限り、J-OSLERへの登録を認める。内科系疾患の成人症例(15歳以上)であること。主担当医として担当していた当時に、内科指導医から指導を受けていること。所属する内科専門研修プログラムが「内科専門研修相当の症例」と認めること。[1]
この3つを全て満たしていれば、症例を経験した診療科は問わないとされています。外科や救急で受け持った内科系疾患の症例も、条件に当てはまれば対象になります。[1]
「主担当医」の意味も手引きが書いています。院内サマリーへの氏名記載の有無に関わらず、自分が実際にその患者を受け持っていたかどうかが肝要である、という書き方です。サマリーの記載者が上級医になっている症例も、ほかの2つの条件とプログラムの承認が揃えば対象になります。[1]
上限は期生で80か60、病歴要約はどちらも14篇
持ち越せる数には上限があります。要件表は、初期臨床研修時の症例について、各研修プログラムの委員会が認める内容に限り登録が認められるとしたうえで、上限を置いています。専攻医1〜6期生は最大80症例、7期生以降は最大60症例です。病歴要約に使えるのは、どちらも最大14篇までです。[2]
手引きの側は、80症例を「修了要件160症例のうち、1/2に相当する」と説明しています。7期生以降の60について、手引きも要件表も理由を書いていません。[1],[2]
自分がどの数字の側なのかは専門研修を始めた年度で決まります。要件表全体の読み方はJ-OSLER の160症例は誰の要件?にまとめています。
指導医の欄は2つある
ここが初期研修の症例に固有のところです。登録画面には指導医の欄が2つあり、入れる人が違います。[3]
- 「この症例の指導医」……現在の担当指導医を入れる。症例を評価するのもこの人
- 「この症例を指導した内科学会指導医」……当時、実際に指導してくれた内科学会指導医を入れる
手引きが挙げている「初期研修の症例」の入力項目も、初期研修の施設名・この症例の診療科・この症例を指導した内科学会指導医の3つです。つまり専攻医になってから思い出す作業が発生します。[1]
この欄がいちばん厄介です。専攻医2年目の秋に「あの症例は誰に相談したか」を思い出すのは、思っているより大変だからです。
初期研修の施設が今のプログラムに無くても選べる
もうひとつ、つまずきやすいのが施設の選択です。初期研修の施設が今のプログラムに参加していないと、患者の施設として出てこないことがあります。[3]
学会は、プログラムコードとプログラム名を空白にして施設名だけで検索する方法を案内しています。J-OSLER に登録のある施設なら、これで選べます。登録が無い施設のときの入れ方も含めて、手順は学会のよくあるご質問にあります。[3]
登録画面で聞かれること
手引きは、症例登録の「基本情報」としてこれらの項目を挙げています。初期研修の症例では、ここに専用の欄が加わります。[1]
- 経験時期と受持期間、受持時の患者年齢・性別・担当状況
- 患者の施設名と、この症例の診療科
- この症例を指導した内科学会指導医
- 領域と疾患項目、確定診断名(主病名)
ここに挙げた情報は、患者IDも含めて、院内の規程で認められた範囲の中で扱います。施設の外に持ち出す前提の話ではありません。
必須の経験項目のほうは EPOC で管理します。何をどこまで入力するかはEPOC で研修医は何を入力する?にまとめました。
PRO では、EPOC の経験すべき症候29と疾病26の残りを iwor で数えられます。正式な登録と評価は EPOC と J-OSLER で行うもので、iwor は厚生労働省・日本内科学会・日本専門医機構の公式システムではありません。
よくある質問
初期研修の症例は何例まで登録できますか
専攻医1〜6期生は最大80症例、7期生以降は最大60症例です。病歴要約に使えるのは、どちらも最大14篇までです。[2]
院内サマリーに自分の名前が無い症例でも登録できますか
手引きは、院内サマリーへの氏名記載の有無に関わらず、自分が実際に受け持っていたかどうかが肝要だとしています。ほかの2条件と、プログラムの委員会が認めることが前提です。[1]
小児の症例は登録できますか
条件は内科系疾患の成人症例(15歳以上)なので、15歳未満は対象外です。[1]
初期研修の症例は誰が評価するのですか
「この症例の指導医」に入れた現在の担当指導医が評価者になります。当時の内科学会指導医は、別の欄に記録として入れます。[3]
外科で受け持った症例は対象になりますか
3条件を満たしていれば、経験した診療科は問わないとされています。判断するのは所属する研修プログラムの委員会です。[1],[2]
まとめ
初期研修の症例は、3条件を満たせば診療科を問わず登録できます。上限は1〜6期生が80症例、7期生以降が60症例、病歴要約に使えるのはどちらも14篇まで。専攻医になってから効いてくるのは数よりも、当時の指導医と施設と受持期間を登録画面で聞かれることのほうです。
病歴要約29篇の内訳と書き方はJ-OSLER の病歴要約29篇の内訳にあります。
出典
- 1.一次資料日本内科学会「J-OSLER 病歴要約 作成の手引き(2026/04/23)p.21「初期研修中(プログラム外)の経験症例について」・p.4「病歴要約における「基本情報」とは?」」 cdn-naikaprod.pressidium.com(2026-09-27 取得)
- 2.一次資料日本内科学会「内科専攻研修において求められる「疾患群」「症例数」「病歴要約提出数」について(修了要件:160症例の場合/120症例の場合)」 naika.or.jp(2026-09-27 取得)
- 3.一次資料日本内科学会「よくあるご質問|専攻医登録評価システム(J-OSLER)」 naika.or.jp(2026-09-27 取得)
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