研修医の後輩指導とフィードバック|屋根瓦方式で上級医が教え、短い場面は5つのマイクロスキルで
目次
臨床研修では、指導医の指導監督のもとで、上級医が研修医を直接指導する「屋根瓦方式」が想定されています。[1]
後輩に教えるときの型として、Neher らが1992年に示した5つのマイクロスキルがあります。考えを言ってもらい、根拠を聞き、一般的な原則を教え、できたことを認め、誤りを正す5段階です。[2]
上級医と指導医の違い
- 指導医:臨床研修を行う病院の常勤の医師で、原則7年以上の臨床経験があり、指導医講習会の受講が必須。研修医5人に1人以上の配置が要る
- 上級医:指導医以外で、研修医よりも臨床経験の長い医師。屋根瓦方式で、指導医と研修医の間に立って重要な役割を担う
上級医は、できる限り指導医講習会を受けておくことが望ましいとされています。臨床経験が7年に満たなくても、講習会は受けられます。
フィードバックは、目標と現状の差を伝えること
ガイドラインは、フィードバック(形成的評価)の目的を、目標と現状の関係を知り、方略を微調整することとしています。研修医ができていること・できていないことを把握できるよう、評価や具体的な助言を伝えます。[1]
研修医評価票による評価をもとにした形成的評価は、少なくとも半年に1回行います。各分野のローテーションが終わるときは、振り返りの時間をとり、次の分野で何を学ぶかを話し合うことが望ましいとされています。
短い場面で教える、5つのマイクロスキル
Neher らのモデルは、家庭医療の研修医を臨床の場で教える指導医のために作られました。ほとんどの臨床の教育場面で枠組みとして使える、と論文は書いています。[2]
- Get a commitment:研修医に、自分の考えを言ってもらう
- Probe for supporting evidence:その考えの根拠を聞く
- Teach general rules:その場面から一般的な原則を教える
- Reinforce what was done right:できたことを認める
- Correct mistakes:誤りを正す
まず研修医の考えを聞き、教えるのはそのあとです。
経験すべき症候と疾病・病態の残りを数える
臨床研修の方略は、経験すべき症候29と疾病・病態26の経験も求めています。iwor の J-OSLER・EPOC アプリでは、経験済みにした項目と残りの項目を一覧で数えられます。iwor は厚生労働省の公式システムではないので、正式な登録と評価は EPOC で行います。[3]
経験すべき症候と疾病・病態の残りを、一覧で数える。
経験すべき症候29と疾病・病態26が並び、経験済みにした項目は薄くなって、未経験の項目が濃く残ります。iwor は医師のためのワークスペースです。
無料ではじめるよくある質問
他科の医師に相談するときの伝え方は
他科や指導医に相談するときの伝え方の型(SBAR)は、研修医のコンサルトにまとめています。
まとめ
臨床研修では、指導医の指導監督のもとで上級医が研修医を直接指導する屋根瓦方式が想定されています。短い場面で後輩に教えるときは、Neher らの5つのマイクロスキルが型として使えます。
出典
- 1.一次資料厚生労働省「医師臨床研修指導ガイドライン -2024年度版-(2024年12月一部改訂)」 mhlw.go.jp(2026-10-15 取得)
- 2.一次資料The Journal of the American Board of Family Practice「Neher JO, Gordon KC, Meyer B, Stevens N. A five-step "microskills" model of clinical teaching. J Am Board Fam Pract. 1992;5(4):419-24.(PMID: 1496899)」 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov(2026-10-15 取得)
- 3.一次資料厚生労働省「臨床研修の到達目標、方略及び評価(令和8年3月31日付一部改正 別添)Ⅱ 実務研修の方略」 mhlw.go.jp(2026-10-15 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制