研修医のコンサルト|SBAR の4項目で組み立て、最後に何をいつしてほしいかを言う
目次
他科へのコンサルトは、米国の医療研究・品質局(AHRQ)がチームで情報を共有する型として示す SBAR の4項目で組み立てられます。Situation(状況)、Background(背景)、Assessment(評価)、Recommendation/Request(提案・依頼)の頭文字です。[1]
AHRQ は SBAR を、患者の状態などをチームで共有するための構造化されたコミュニケーションの枠組みとしています。院外のコンサルタントとのやりとりにも役立つと書いています。[1]
SBAR の4項目に何を入れるか
- S(状況):いま患者に何が起きているか。誰が連絡しているか、年齢・性別などの患者の識別情報、いまの問題を短く
- B(背景):いまの状況に関係する既往、主訴の症状や徴候、血液検査や画像の結果
- A(評価):伝える側が、何が問題だと考えているか。ほかに何がありうるかも考え、バイタルサインなどの客観的なデータも入れる
- R(提案・依頼):最初の提案、何がいつ必要か。相手の返答を復唱して、取り違えがないかを確かめる
AHRQ は、名乗るのを忘れないこと、みんなが自分を知っていると思い込まないことも挙げています。SBAR はメニューのようなもので、どの項目をどの順で使うかは場面に合わせてよい、ともしています。[1]
最後に、何をいつしてほしいかを言う
電話をかける前に、R の依頼を一言で言える形にしておきます。診察をお願いしたいのか、今日中に画像を見てほしいのか、何をいつまでにしてほしいかを決めておきます。
相手の返事は、その場で復唱します。「では、今日の午後に診察いただけるということですね」と返せば、聞き違いがあればその場で直せます。
救急のコンサルト電話には 5Cs という型もある
救急外来からのコンサルト電話の型として、5Cs が研究されています。Contact・Communicate・Core Question・Collaborate・Close the Loop の5つです。[2]
米国とカナダの8つの大学系の医療センターで、医学生を対象に無作為化比較試験が行われました。5Cs の訓練を受けた学生は、受けなかった学生よりチェックリストと全体評価の点が高くなりました。[2]
5Cs にも Core Question(中心の問い)と Close the Loop(やりとりを閉じる)があります。SBAR の R と同じく、何を聞きたいかを決め、最後に確かめて終える点は共通しています。
後輩に教える側に回ったときの型は、研修医の後輩指導とフィードバックにまとめています。
臨床研修の到達目標とチーム医療
臨床研修の到達目標は、チーム医療の実践の項目で、医療従事者をはじめ患者や家族に関わる全ての人々の役割を理解し、連携を図ることを挙げています。[3]
臨床研修の方略は、経験すべき症候29と疾病・病態26の経験も求めています。iwor の J-OSLER・EPOC アプリでは、経験済みにした項目と残りの項目を一覧で数えられます。iwor は厚生労働省の公式システムではないので、正式な登録と評価は EPOC で行います。
経験すべき症候と疾病・病態の残りを、一覧で数える。
経験すべき症候29と疾病・病態26が並び、経験済みにした項目は薄くなって、未経験の項目が濃く残ります。iwor は医師のためのワークスペースです。
無料ではじめるよくある質問
患者さんへの説明にも SBAR は使えますか
AHRQ は、患者さんとの会話に SBAR を当てはめた例も載せています。患者さんへの病状説明の範囲は、研修医の病状説明にまとめています。[1]
まとめ
コンサルトは、名乗ってから SBAR の4項目で伝え、最後に何をいつしてほしいかを言って、相手の返事を復唱します。電話の前に、R の一言を決めておきます。
出典
- 1.一次資料Agency for Healthcare Research and Quality(AHRQ)「TeamSTEPPS Tool: SBAR」 ahrq.gov(2026-10-15 取得)
- 2.一次資料The Journal of Emergency Medicine「Kessler CS, et al. The 5Cs of Consultation: Training Medical Students to Communicate Effectively in the Emergency Department. J Emerg Med. 2015;49(5):713-21. doi:10.1016/j.jemermed.2015.05.012」 doi.org(2026-10-15 取得)
- 3.一次資料厚生労働省「臨床研修の到達目標、方略及び評価(令和8年3月31日付一部改正 別添)B-5 チーム医療の実践・Ⅱ 実務研修の方略」 mhlw.go.jp(2026-10-15 取得)
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