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研修医の奨学金返済|JASSOは3月満期なら1年目の10月から、地域枠と病院は別のルール

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目次

研修医が「奨学金を返す」と言うとき、中身は人によって違います。日本学生支援機構(JASSO)から借りたのか、県の修学資金なのか、病院の奨学金なのか。出どころで、いつから・どう返すかのルールがまるで違います。

手元の書類がどれに当たるかを先に分けておくと、あとの話が早く進みます。

JASSO は、3月満期なら研修1年目の10月から

JASSO の返還は、貸与終了の翌月から数えて7か月目に始まります。3月に満期で貸与が終わった人は、8月に口座振替の加入通知が届き、10月から引き落としが始まる流れです。[1]

4月に研修が始まる人なら、研修1年目の10月が最初の返還です。最初の半年は返還がないので、研修が始まってからの数か月は給与のわりに余裕があるように見えます。10月からの引き落としを、最初から毎月の出費に入れておくほうが崩れません。

月々の額は、借りた総額と返還方式で決まります。最終学年の10月ごろに学校の返還説明会で受け取る返還確認票に載っていて、毎月の返還金額や残額はスカラネット・パーソナルでも見られます。[1],[7]

猶予は、卒業の時期と前年の収入で窓口が変わる

JASSO には返還を待ってもらう一般猶予と、月々の額を減らす減額返還があります。どちらも返還が難しくなった人のための制度で、収入の基準があります。[2],[5]

JASSO の案内では、令和7年12月以後に卒業した人は猶予を「新卒等」の事由で申請します。令和8年3月に卒業した人なら、令和9年6月までに申請すれば添付の証明書は要りません。新卒等の対象は、新卒者や退学者のうち無職・未就職などによる低収入の方か、進学の準備をしている方と説明されています。[4],[3]

「経済困難」の事由のほうは、給与所得者なら前年1〜12月の税込の年間収入金額が300万円以下かで見られます。4月に研修を始めた人なら、研修1年目の年の収入は、4月から12月までに支払われた給与と賞与です。[3]

研修病院が1年次の月給として申告している額は、iwor の病院データで346施設の中央値が350,000円です。基本給だけを書く病院も総支給を書く病院も混ざっているので、実際の収入はこれより多くなりえます。

賞与を除いて申告額を9か月分だけ足した目安でも、300万円を超えるのは346施設のうち209施設です。12か月分なら325施設になります。減額返還の目安は給与所得者で年間収入400万円以下で、12か月分でこれを超えるのは209施設です。[6]

つまり研修先によっては、給与だけで基準を超えることもあれば、届かないこともあります。経済困難で申請するなら自分の前年の収入で見られるので、まずは10月からの引き落としを給与の流れに組み込んでおくほうが崩れません。病気やけがで働けないときは、収入とは別に傷病の事由で猶予を願い出られます。毎月の手取りがどう決まるかは研修医の手取りにまとめました。[2]

県の修学資金は、働いて免除される

地域枠などで県から借りる修学資金は、JASSO と考え方が違います。卒業後に決められた地域や診療で一定期間働くと、返還が免除される仕組みです。条件から外れたときの扱いは県ごとの規則で決まり、地域枠を離れるときに見られるのは返したかどうかだけではありません。詳しくは地域枠だとマッチングは何が違うかに書いています。

免除されたときの税金も気になるところです。ある県の修学資金について、名古屋国税局が答えた例があります。平成24年3月9日の回答は、照会の事実関係を前提とする限り、県の見解のとおりで差し支えない、というものでした。[11]

県の見解は、貸した県のもとで働くこととの引き換えではないので、返還免除の利益は所得税法の非課税の学資金に当たる、という整理です。回答には、事実関係が違えば別の課税関係になりうることと、申告を拘束しないことが添えられています。[11]

病院の奨学金は、まず貸与契約を読む

病院の奨学金は、病院ごとの契約です。その病院で何年働けば返還が免除されるのか、途中で辞めたら一括で返すのか、利息はつくのか。どれも貸与契約書に書かれていて、JASSO や県の制度のように共通の決まりはありません。

税の扱いも、県の修学資金と同じとは限りません。さきほどの照会で、県は市販の書籍を引いてこう整理しています。自分のところで働くことを条件に貸して免除する奨学金は、給与その他の対価の性質を持つので、非課税の学資金には当たらない、という整理です。自分の契約がこの形かどうかは、免除を受ける前に貸与元と税務署に聞いておくと確実です。[10]

これから病院を選ぶ学生なら、奨学金の条件は給与や当直と並ぶ待遇のひとつです。月給だけで比べられない理由は研修病院の給与の読み方にあります。

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よくある質問

JASSO の奨学金は、研修医になるといつから返しますか

貸与終了の翌月から数えて7か月目です。3月に満期で終わった人は、その年の10月から口座振替で返還が始まります。[1]

研修医でも返還を待ってもらえますか

事由によります。令和7年12月以後に卒業した人は新卒等の事由で申請し、卒業翌年の6月までなら添付の証明書は要りません。経済困難の基準は前年の年収300万円以下で、病気やけがなら傷病の事由があります。[4],[3],[2]

早めにまとめて返せますか

できます。JASSO は、返還期日が来ていない割賦金を繰り上げて返還できるとしています。申込みはスカラネット・パーソナルからで、使えない場合は郵送です。[9],[8]

まとめ

研修医の奨学金は、JASSO・県の修学資金・病院の奨学金で返し方が違います。JASSO は3月満期なら研修1年目の10月から返還が始まります。猶予は、令和7年12月以後に卒業した人なら新卒等の事由で申請し、経済困難の事由では前年の収入が見られます。

県の修学資金は決められた勤務で免除され、名古屋国税局が答えた県の例では、照会の事実関係を前提に免除益が非課税の学資金とされました。病院の奨学金は貸与契約をまず読み、税の扱いが県と同じかは貸与元と税務署に聞きましょう。手元の書類がどれに当たるかから始めると早いです。

出典

  1. 1.一次資料独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「返還を始める皆さんへ」 jasso.go.jp(2026-09-27 取得)
  2. 2.一次資料独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「返還を待ってもらう(返還期限猶予)」 jasso.go.jp(2026-09-27 取得)
  3. 3.一次資料独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「経済困難(一般猶予の申請事由)」 jasso.go.jp(2026-09-27 取得)
  4. 4.一次資料独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「新卒等(一般猶予の申請事由)」 jasso.go.jp(2026-09-27 取得)
  5. 5.一次資料独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「月々の返還額を少なくする(減額返還制度)」 jasso.go.jp(2026-09-27 取得)
  6. 6.一次資料独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「減額返還制度の収入・所得金額の目安」 jasso.go.jp(2026-09-27 取得)
  7. 7.一次資料独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「令和7年度版 返還のてびき(ダイジェスト版)」 jasso.go.jp(2026-09-27 取得)
  8. 8.一次資料独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「繰上返還申込み」 jasso.go.jp(2026-09-27 取得)
  9. 9.一次資料独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「繰上返還について」 jasso.go.jp(2026-09-27 取得)
  10. 10.一次資料名古屋国税局「同 文書回答事例の照会内容(別紙1〜3・県の見解とその理由)」 nta.go.jp(2026-09-27 取得)
  11. 11.一次資料名古屋国税局「県から奨学金の貸与を受けた医学生が医師免許取得後県内の医療機関に一定期間従事することによりその返還及び利息の支払に係る債務を免除された場合の課税関係について(文書回答事例・平成24年3月9日)」 nta.go.jp(2026-09-27 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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