医師国家試験で英語の設問は何問出るか|第113回から毎回出ている
目次
医師国家試験の英語問題は、直近5回で19問出ています。1回あたり2〜5問で、第120回では5問でした。以下の数字は第100回から第120回までの9,540問が母数です(同じ21回で実際に出題されたのは9,630問。第100回は530問、第101〜111回は500問、第112回以降が400問です)。
設問が英語の問題は第113回から始まった
設問も選択肢もすべて英語という問題は、昔はありませんでした。第100回から第112回までは1問もなく、初めて出たのが第113回です。そこから回を追うごとに増えました。
- 第100〜112回:0問
- 第113回:1問/第114回:3問/第115回:4問
- 第116回:3問/第117回:2問/第118回:4問
- 第119回:5問/第120回:5問
つまり「英語の設問は出ない」という前提は、第112回までの受験生には正しく、今の受験生には当てはまりません。上の学年や少し前の合格体験記を参考にするときは、この差が効いてきます。
19問のうち7問が必修だった
量より効くのがこちらです。直近5回の19問のうち、7問は必修でした。
必修は約8割の絶対基準で、ここを割ると総合点がどれだけ高くても不合格になります。英語の設問は直近5回の1%ほどですが、その3分の1が必修に置かれています。「数が少ないから捨てる」という判断は、点を取りにいく側ではなく必修の側に効いてきます。必修と禁忌肢の守り方は必修問題と禁忌肢の対策にまとめました。
出方は2種類ある
「英語問題」と呼ばれるものには、形の違う2種類が混ざっています。準備の仕方が変わるので、分けて見ておくと安心です。数として数えているのは①だけです。
①設問そのものが英語(全21回で27問)
問題文も選択肢もすべて英語のものです。2つの型に分かれます。1つは第119回A3の「Which of the following is the most common site of hypertensive intracerebral hemorrhage?」のような一問一答。もう1つは第119回B35の「A 25-year-old man presented with abdominal pain which started two days ago.」のように症例が英語で書かれ、診断や次の一手を選ばせるものです。
後者は日本語の臨床実地問題と構造が同じです。読む言語が変わるだけで、聞かれていることは変わりません。
実物は公開しています。一問一答の型は慢性腎臓病を扱った120A8や高血圧性脳出血の好発部位を問う119A3、巨赤芽球性貧血の欠乏を問う120F11。個人情報の扱いを英語で問う116C23もこの型です。
②日本語の設問に英文の資料が付く
設問は日本語で、読む材料が英語というものです。英文の診療録、英語の紹介状、予防接種証明書、WHO憲章の前文などが出ています。こちらは①より古く、第104回B3ではWHO憲章前文の空所補充が出ています。
第120回では、医師の名言を英語で引いて人物を選ばせる第120回E10がこの形でした。[2]
日本語の設問なので英語の問題として数えられないことがあります。第120回E10について、日本医学英語教育学会は英語問題には分類しなかったと明記しています。[1]
第120回の5問は学会が挙げた5問と同じ
日本医学英語教育学会は第120回の英語問題を5問として全文を検討しています。上で数えた5問と同じでした。同学会は、第120回の英語問題に明らかな文法の誤りや不自然な表現は見当たらず、難易度は全体として高くないと述べています。多くは高度な医学英語がなくても、臨床の基本的な理解と標準的な用語が分かれば答えられる、という評価です。[1]
実際、出題される英語は臨床で使う定型に寄っています。年齢と性別で始まり、主訴、現病歴、身体所見と続く順序は日本語の症例文と同じです。
何を準備すればいいか
英単語帳を1冊増やすより、症例文の型に慣れるほうが早く効きます。第116回A61の「A 64-year-old man was brought to the emergency department because of ...」のような文を読み慣れておけば、知らない単語が1つ2つあっても設問には届きます。
英語の設問を続けて読むと、型はすぐつかめます。全21回で27問、直近5回なら19問しかないので、まとめて目を通しても半日かかりません。分野は公衆衛生・医学総論から救急、感染症、神経まで散らばっているので、英語の勉強というより「英語で書かれた既習範囲の確認」として扱うのが実際的です。
残りの範囲の優先順位の付け方は医師国家試験の対策ガイドに、直前期の詰め方は国試直前期の勉強法にまとめました。
よくある質問
医師国家試験で英語の設問は何問出ますか?
直近5回(第116〜120回)では19問、1回あたり2〜5問です。第119回と第120回はいずれも5問、最も少ない第117回で2問でした。
英語の設問への対策は必要ですか?
直近5回の19問のうち7問が必修に出ています。必修は一般・臨床実地とは別に判定される絶対基準です。過去問の英語の設問に通しで目を通して型に慣れておく程度で足ります。
どのくらいの英語力が要りますか?
日本医学英語教育学会は第120回について、多くは高度な医学英語がなくても臨床の基本的な理解と標準的な用語で答えられる、と評価しています。
いつから英語の設問が出るようになりましたか?
第113回が初出です。第100回から第112回までは出ていません。
まとめ
設問が英語の問題は直近5回で19問、1回あたり2〜5問。第113回から出はじめ、19問のうち7問が必修です。占める割合は小さいのに、落とせない側に置かれているのが特徴です。全21回でも27問なので、まとめて目を通して型に慣れるところまでやれば足ります。日本語の設問に英文の資料が付く型も、同じ要領で見ておけば十分です。
出典
- 1.一次資料日本医学英語教育学会(JASMEE)「Reflections on the English Questions in the 120th Japan Medical Licensing Examination (JMLE)」 jasmee.jp(2026-09-03 取得)
- 2.一次資料厚生労働省「第120回医師国家試験問題および正答について」 mhlw.go.jp(2026-09-03 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制