医師国家試験の対策ガイド|勉強法・スケジュール・出題データ
目次
医師国家試験の勉強法でいちばん効くのは、「たくさん覚えること」ではなく「いつ・何を・どの順でやるか」を決め、自分の弱点を埋める設計にすることです。合否は必修・一般臨床・禁忌肢の3つの基準で別々に判定されます。
ゴールの形=2日間400題、合否は3つの基準
日程と形式
医師国家試験は例年2月上旬の土・日2日間に全国の会場で実施され、合格発表はおおむね3月中旬です。直近の第120回は2026年2月7日・8日に実施され、合格発表は2026年3月16日でした。[3],[6]
出題数は合計400題です。第111回までは500題で、第112回から現在の400題になりました。[7]
合格基準と合格率
合否は、必修問題・必修を除いた一般と臨床実地の合計点・禁忌肢の選択数の3つで決まります。必修は絶対基準で約8割が最低ラインです。一般・臨床実地は年ごとに動く相対基準です。第120回では必修160点/200点以上、一般・臨床224点/300点以上、禁忌肢3問以下が合格基準でした。一般・臨床のラインは相対基準のため毎年動きます。[2],[1]
合格率は、第120回が全体で91.6%、新卒者では94.7%でした。ただし3つの基準は独立していて、必修は絶対基準です。一般・臨床でどれだけ取れていても、必修を割れば不合格になります。点を伸ばす勉強と、落とさない守りが別々に要るのはこのためです。この“平均9割”を新卒と既卒に分けて読む方法は医師国家試験は難しい?合格率の正しい読み方で詳しく解説しています。[2]
学年別の大まかなロードマップ
国試対策は数年がかりの長期戦です。学年ごとに「その時期にしかできないこと」を優先する順番で組みます。
低学年〜4年:基礎を固める/CBT
この時期は、国試の問題演習を急ぐより、基礎医学と臨床の土台づくりが中心です。共用試験(CBT)の対策がそのまま国試の基礎体力になります。ここで各分野の地図を頭に入れておくと、後の演習で知識がつながりやすくなります。
5年:臨床実習と並走して演習を始める
臨床実習で出会った疾患を、その都度問題演習や暗記に結びつけると記憶に残りやすくなります。この段階から、間違えた問題を間隔反復に乗せておくと、6年で回す量を前倒しできます。5年生が最初にやることは医学部5年生の国試勉強は何から始めるかに分けて書きました。
6年前半:本格演習と弱点の地図化
過去問・問題集を本格的に回し始める時期です。ここでの目的は「正答率を上げる」こと以上に、どの分野・どの単元が弱いかを可視化することにあります。弱点の地図ができれば、残りの時間をどこに投資すべきかが明確になります。
6年直前期:必修・禁忌を固めて回す
直前期は新しいことを広げるより、必修・禁忌肢など落とせない領域を固め、弱点を反復で埋めるフェーズです。具体的な回し方は医師国家試験 直前期の勉強法にあります。
どの分野から手をつけるか──直近5回の出題を数える
「公衆衛生は早めに」「マイナーは後回し」と言われる理由を、出題数で確かめます。
iwor が収録している直近5回(第116〜120回)の1,985問を、22の分野に分けて数えた結果です。5回の出題は合計2,000題で、収録数はそれより少なくなります。
- 公衆衛生・医学総論:382問(全体の約19%・1回あたり約76問)
- 呼吸器・乳腺:144問/循環器:143問/神経:133問/内分泌・代謝:121問
- 上位5分野の合計:923問(全体の約46%)
- 上位10分野の合計:1,401問(全体の約71%)
- 眼科・皮膚科・耳鼻咽喉科・放射線科の4科の合計:135問(全体の約7%)
いちばん大きいのは公衆衛生・医学総論で、2位の呼吸器・乳腺(144問)の2.7倍あります。5回で382問、1回あたり約76問。400問のうち5問に1問がここから出ている計算です。順番の助言としてよく言われる「公衆衛生を早めに」は、少なくとも出題量の面では裏づけがあります。
ただし、この分野名はiworの分け方であって、厚生労働省の出題区分そのものではありません。「公衆衛生・医学総論」には、狭い意味の公衆衛生だけでなく、医療倫理・統計・法規が含まれます。公衆衛生の教科書を1冊終えれば76問が取れる、という意味ではないことに注意してください。出題区分の正式な定義は出題基準(ガイドライン)にあります。[4]
もうひとつ、必修との重なりが効きます。収録している直近5回の必修496問のうち148問、つまり約3割が公衆衛生・医学総論からの出題でした。必修の出題は各回100問なので、5回で500問です。
必修には約8割という絶対基準があり、ここを割ると総合点が高くても不合格になります。[2],[1]
逆に「マイナーは捨てる」は、そのままでは危ない助言です。眼科・皮膚科・耳鼻咽喉科・放射線科の4科は5回で135問あり、そのうち17問は必修に出ています。全体に占める割合は小さくても、必修に出た分は他の分野で取り返せません。優先順位を下げるのと、手をつけないのは別のことです。この4科の扱いはマイナー科目は捨てていいのかで詳しく検討しました。
英語で出題される問題の数は医師国家試験の英語問題にあります。回次別・分野別の実際の問題は医師国家試験の過去問から見られます。数えた結果をそのまま演習の絞り込みに使えるようにしたのがiwor の国試対策です。
次は自分の弱点を地図にする
出題量の分布は全員に共通ですが、どこが弱いかは人によって違います。出題の多い分野がそのまま自分の弱点とはかぎらず、逆に出題は少なくても毎回落としている分野があれば、そこは配点以上の損になっています。順番を決めたら、次は自分の側を測ります。
やみくもに問題を解くだけでは、これは分かりません。
iwor は、解いた結果を問題単位ではなく知識ポイント単位の理解度に集約します。理解度ヒートマップでは、定着していない範囲ほど青が弱く出ます。理解度の低い分野から演習を組み立てられます。分野ごとの全体像はテーマ一覧からも確認できます。
参考書・問題集・アプリの組み合わせ方
国試対策の教材は、役割を分けて組み合わせるのがコツです。1つで全部をまかなおうとすると、どれも中途半端になりがちです。
- 問題演習:過去問・問題集で出題形式に慣れ、弱点を洗い出す
- 辞書的な参考書:分からない単元を前後関係ごと確認する(通読より逆引き)
- 暗記アプリ:間違えた点・覚えるべき定義を反復で定着させる
iwor では、演習の解説に覚えるべきポイントが関連カードとして表示され、その場でめくって間隔反復に乗せられます。まず触ってみる流れは最初の1週間の進め方にあります。教材を増やすより、解く→弱点をカードで反復、の循環を回すことが続けるコツです。教材の役割分担は参考書・問題集・アプリの組み合わせ方で解説しています。medu4 の終了後に映像講座を選び直す話はmedu4終了にどう備えるかにあります。
必修・禁忌肢で「落とさない」守り
必修問題には約8割という絶対基準があり、ここを割ると総合点が高くても不合格になります。禁忌肢も同じで、選んだ数が基準を超えれば他の得点では戻せません。[2],[1]
対策は2つです。必修特有の常識・倫理・基本手技を直前期に集中的に固めること。もう1つは、患者の死亡や不可逆的な臓器の機能廃絶に直結する選択肢を「選ばない」判断を、普段の演習から意識することです。知識を増やすより、確実に守る範囲を作る発想が効きます。必修・禁忌肢の仕組みと具体的な守り方は必修問題と禁忌肢の対策で詳しく解説しています。
出題基準(ガイドライン)も押さえておく
何をどの程度出すかは、厚生労働省の出題基準(ガイドライン)が定めます。現行は令和6年版で、令和6年(第118回)の試験から適用されています。改定をまたぐと出題の重心が動くことがあるため、自分が受ける回がどの基準に基づくかは一度確認しておくと安心です。[5],[4]
よくある質問
国試の勉強はいつから始めるべきですか?
本格的な問題演習を6年生前半からと考えていても、5年生の臨床実習と並走して少しずつ始めると直前期が楽になります。効くのは、間違えた点を反復で残し続けることです。
1日にどれくらい勉強すればいいですか?
時期によりますが、直前期以外は「毎日中断しないこと」を量より優先してください。忙しい日は1セットだけでも触れる、という運用のほうが、まとめて長時間やって数日空けるより定着します。
医師国家試験の対策は何から始めればいいですか?
出題量の多い分野から順番を決め、そのうえで自分の弱点を測ります。直近5回では公衆衛生・医学総論が382問と最多で、上位5分野で全体の約46%を占めます。
合格率が高いなら、そんなに対策しなくても受かりますか?
合格率は例年9割超です。合否は必修・一般臨床・禁忌肢の3つの基準で別々に判定され、必修は絶対基準なので、総合点が高くても割れば不合格になります。[2],[1]
まとめ
医師国家試験は、いつ・何を・どの順でやるかを決め、弱点を埋める設計にできるかで難易度が大きく変わります。まず全体像(400題・必修8割・禁忌肢)を押さえ、学年に応じて土台→演習→弱点の地図化→直前期の守り、と進める。点を伸ばす勉強と、落とさない守りの両方を計画に入れます。第121回の日程と締切は第121回医師国家試験の日程にあります。模試をどれだけ受けるかは模試の選び方と2026年度の日程にまとめました。受けた後の復習は模試の復習を参照してください。
出典
- 1.一次資料厚生労働省「医道審議会医師分科会 医師国家試験改善検討部会報告書(令和2年11月・参考資料を含む)」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 2.一次資料厚生労働省「第120回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-09-03 取得)
- 3.一次資料厚生労働省「医師国家試験の施行について」 mhlw.go.jp(2026-09-03 取得)
- 4.一次資料厚生労働省「令和6年版医師国家試験出題基準について」 mhlw.go.jp(2026-09-03 取得)
- 5.一次資料厚生労働省「医師国家試験出題基準の改定について(令和6年=第118回の試験から適用)」 mhlw.go.jp(2026-09-03 取得)
- 6.一次資料厚生労働省「第120回医師国家試験の合格発表について(報道発表・令和8年3月16日)」 mhlw.go.jp(2026-09-07 取得)
- 7.一次資料厚生労働省「令和6年版医師国家試験出題基準 全体版(p.175 以降に医師国家試験改善検討部会報告書を収録)」 mhlw.go.jp(2026-09-03 取得)
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