医師国家試験は相対評価?|必修は8割の絶対基準、一般と臨床は相対基準
目次
医師国家試験の合否は、3つの基準で決まります。必修問題は絶対基準で80%、必修を除いた一般問題と臨床実地問題は合計得点の相対基準、それに禁忌肢の選択状況です。[1]
つまり「国試は相対評価か」と聞かれたら、半分だけそうです。必修は、ほかの受験者の出来では動きません。
報告書に書かれている決め方
厚生労働省の医師国家試験改善検討部会が令和2年11月にまとめた報告書には、参考資料として合格基準の考え方が載っています。[1]
必修問題の合格基準は絶対基準を用いて最低の合格レベルを80%とし、必修問題を除いた一般問題・臨床実地問題の合計得点の合格基準は平均点と標準偏差とを用いた相対基準を用いる。[1]
同じ資料には、この2つの得点と禁忌肢の選択状況をもとに合否を決める、とあります。試験のあとに部会が問題の妥当性を検討し、医師分科会の意見を踏まえて厚生労働大臣が合格者を決めます。[1]
第120回の合格発表でも、合格基準は必修・必修以外・禁忌肢の3つが並んでいます。[3]
必修は、10回とも満点の8割
必修の基準は、第111回から第120回まで10回とも満点の8割でした。第114回と第116回は採点から外された問題があり、満点197点に対して158点が基準です。[12],[11],[10],[9],[8],[7],[6],[5],[4],[3]
合格発表にも「必修問題の一部を採点から除外された受験者にあっては、必修問題の得点について総点数の80%以上とする」と書かれた回があります。決まっているのは点数ではなく割合です。[12],[11],[7]
周りの出来で動かないぶん、必修で問題になるのは自分の取りこぼしだけです。守り方は必修問題と禁忌肢にまとめました。
一般と臨床は、その回の平均点と標準偏差で決まる
必修を除いた一般問題と臨床実地問題は、合計得点に平均点と標準偏差を用いた相対基準です。その回の平均点と標準偏差を用いるので、基準の点は回ごとに変わります。[1]
第112回から第120回の9回で、この基準は満点の69.6%から76.7%まで動きました。いちばん低かったのが第112回の208点/299点、いちばん高かったのが第118回の230点/300点です。[11],[10],[9],[8],[7],[6],[5],[4],[3]
報告書に書かれているのは、平均点と標準偏差を用いるというところまでです。式そのものは載っていません。回ごとの数字は第120回医師国家試験のボーダーに並べています。[1]
相対基準といっても、合格発表で示されるのは基準の点数です。人数や割合で示された回はありません。[12],[11],[10],[9],[8],[7],[6],[5],[4],[3]
第112回から、一般と臨床が合算になった
第111回までは、一般問題と臨床実地問題に別々の基準がありました。第111回は一般問題が128点以上/198点、臨床実地問題が1問3点で381点以上/600点です。[12]
第112回から問題数が500題から400題になり、一般と臨床をあわせて相対基準を設定する形に変わりました。[1]
理由は平成27年の報告書にあります。共用試験CBTの合格基準が全医学部で統一され、基本的な知識はそこで担保される。それを前提に一般問題の数を減らすと、一般問題だけで相対基準を作ったときに信頼性が下がるおそれがある、と書かれています。[2]
いまは一般と臨床のどちらで取っても、同じ1点として合計されます。一般が苦手でも臨床で補えます。形式ごとの点を気にするより、合計を積むほうが基準の仕組みに合っています。[3]
禁忌肢は、選んだ数で見る
禁忌肢は点数ではなく、選んだ数で見ます。第111回から第120回の10回のうち9回が3問以下で、第117回だけ2問以下でした。[12],[11],[10],[9],[8],[7],[6],[5],[4],[3]
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周りがよくできると、落ちやすくなりますか?
必修は絶対基準なので、周りの出来では動きません。必修を除いた一般と臨床は、その回の平均点と標準偏差を用いるので、基準の点が回ごとに変わります。[1]
合格者の数は決まっていますか?
合格基準は毎回、点数と禁忌肢の数で公表されます。人数や割合では示されていません。[12],[11],[10],[9],[8],[7],[6],[5],[4],[3]
第121回の基準はいつ分かりますか?
合格発表のときに、厚生労働省がその回の合格基準を公表します。第121回の合格発表は2027年3月16日(火)午後2時です。[3],[13]
まとめ
医師国家試験は、必修が絶対基準で80%、必修を除いた一般と臨床が合計得点の相対基準、そこに禁忌肢の選択数が加わります。相対評価なのは一般と臨床のほうだけで、第112回以降の9回では満点の69.6%から76.7%まで動きました。動かない必修から固めるのが、基準の仕組みに合った順番です。
出典
- 1.一次資料厚生労働省「医道審議会医師分科会 医師国家試験改善検討部会報告書(令和2年11月・参考資料を含む)」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 2.一次資料厚生労働省「医師国家試験改善検討部会報告書(平成27年3月30日)」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 3.一次資料厚生労働省「第120回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 4.一次資料厚生労働省「第119回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 5.一次資料厚生労働省「第118回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 6.一次資料厚生労働省「第117回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 7.一次資料厚生労働省「第116回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 8.一次資料厚生労働省「第115回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 9.一次資料厚生労働省「第114回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 10.一次資料厚生労働省「第113回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 11.一次資料厚生労働省「第112回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 12.一次資料厚生労働省「第111回医師国家試験の合格発表について」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
- 13.一次資料厚生労働省「医師国家試験の施行について(第121回・令和8年7月1日公告)」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
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