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たすきがけ研修とは|制度の言葉ではないので、病院ごとに中身が違う

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目次

「たすきがけ」は制度の言葉ではありません。厚生労働省が臨床研修の運用を定めた施行通知に、この語は出てきません。だから公式の定義がなく、何を指すかは病院ごとに違います。[1]

通知にあるのは別の言葉です。それを先に押さえると、病院ごとの説明が読み比べられるようになります。

制度にある言葉は「臨床研修病院群」

施行通知は用語をこう定めています。基幹型臨床研修病院は、他の病院や診療所と共同して臨床研修を行い、その研修の全体的な管理と責任を持つ病院。協力型臨床研修病院は、共同して研修を行う臨床研修病院のうち基幹型でないもの。臨床研修協力施設は、共同して研修を行う施設のうち臨床研修病院以外の施設を指します。[1]

この基幹型と協力型を合わせたものが臨床研修病院群です。協力施設と組む場合は協力施設も病院群に含まれます。研修医が2年間に複数の施設を回るのは、この病院群という枠があるからです。[1]

つまり「たすきがけ」と呼ばれているものは、病院群の中で研修先が移る形につけられた通称です。ただし、移り方には目安があります。通知は「原則として、研修期間全体の1年以上は、基幹型臨床研修病院で研修を行うものであること」としていて、外に出るのは残りの1年までが基本です。地域医療などの研修は、12週を上限に基幹型で行ったものとみなせます。[1]

同じ「たすきがけ」でも、順序も単位も違う

岐阜大学医学部附属病院は、たすきがけ研修をこう説明しています。「2年間の初期臨床研修のうち、1年を大学病院、もう1年を地域の協力病院(市中病院)で研修するプログラム」です。同院は大学病院が先のコースと市中病院が先のコースの両方を用意し、県内外19病院と連携していると書いています。[2]

東北大学病院の書き方は違います。同院はたすき掛け研修を原則2年目に行い、3か月単位のブロック研修を基本とすると説明しています。ブロックごとに複数の協力病院を回ることも、連続したブロックで同じ協力病院に行くこともできる形です。なお、協力病院の都合で研修期間が変更になる場合がある、とも付け加えています。[3]

岐阜大学医学部附属病院は、たすき掛けを複数のコースに分けています。そのひとつが「東濃・飛騨出身者向けたすき掛けコース」です。研修先は東濃地区(岐阜県立多治見病院・公立東濃中部医療センター・中津川市民病院)か飛騨地区(久美愛厚生病院)から選びます。同じ病院の中でも、コースによって行ける先が違います。[2]

1年ずつ入れ替えるのと、2年目を3か月ずつ分けるのとでは、経験の積み方も生活の変わり方も別物です。同じ語で呼ばれていても、確かめないと自分が何を選んだのか分かりません。

プログラム名で探すと見落とす

2025年度のマッチングには1,470のプログラムが参加しました。このうち名前に「たすきがけ」または「たすき掛け」を含むのは29プログラム、10病院、定員は合わせて168人分です。[4]

岐阜大学医学部附属病院も東北大学病院も、自分のページではたすきがけ研修を説明しています。[2],[3]

その2校とも、マッチングのプログラム名にはその語を入れていません。名前で絞り込むと、この2つは検索から漏れます。[4]

だから探すときは名前ではなく、病院群の構成を見ます。基幹型がどこで、協力型として何院が並んでいるかは、各病院が一覧で公開しています。

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  • 順序。1年目が基幹型か協力型か、選べるのか決まっているのか
  • 単位。1年ずつか、3か月などのブロックか
  • 協力病院の一覧。どこを回れるのか、希望が通るのか
  • 決まる時期。研修が始まってから調整する病院と、応募の時点で決まっている病院がある

病院の選び方そのものは研修病院の選び方にまとめています。大学病院と市中病院の比べ方は初期研修は大学病院と市中病院どっちにあります。

よくある質問

たすきがけは大学病院だけの仕組みですか

制度の上では限りません。施行通知は基幹型臨床研修病院を大学病院に限定していません。[1]

1年目と2年目のどちらで外に出るか選べますか

病院によります。東北大学病院は原則2年目です。岐阜大学医学部附属病院は1年目でも2年目でも希望に合わせて選べるとしています。ただしコースごとに行ける協力病院が決まっているので、応募の前にコースの中身を見てください。[2],[3]

協力型と臨床研修協力施設は何が違いますか

どちらも基幹型と組んで研修を行いますが、協力型は臨床研修病院として指定された病院で、臨床研修協力施設は臨床研修病院ではない施設です。施行通知は協力施設の例として、へき地・離島診療所や保健所、介護老人保健施設などを挙げています。[1]

まとめ

「たすきがけ」という語からは中身が決まりません。制度が定めているのは、原則として研修期間の1年以上を基幹型で行う、という線までです。その内側で、順序も単位も病院が決めています。名前で探しても見つからないことがあるので、確かめるのは基幹型と協力型の並びと、自分が1年目にどこにいるかです。

出典

  1. 1.一次資料厚生労働省医政局「医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の施行について(医政発第0612004号・令和8年3月31日一部改正)」 mhlw.go.jp(2026-09-27 取得)
  2. 2.一次資料岐阜大学医学部附属病院 医師育成推進センター「選ばれる特徴3「たすきがけ研修」」 hosp.gifu-u.ac.jp(2026-09-27 取得)
  3. 3.一次資料東北大学病院 卒後研修センター「研修の特徴」 sotuken.hosp.tohoku.ac.jp(2026-09-27 取得)
  4. 4.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修プログラム別マッチ結果」 jrmp2.jp(2026-09-27 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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