産業医の資格の取り方|研修50単位は50時間ぶん、申請は修了から5年以内
目次
産業医になるには、医師免許のほかに要件があります。労働安全衛生規則の14条2項が5つ挙げていて、そのどれか1つに当たれば要件を満たします。[1]
研修で満たす道なら、必要なのは50単位です。日本医師会の手引は「1時間の研修を1単位とします」と定めているので、50単位は50時間ぶんにあたります。[2]
法令が挙げている5つ
規則が挙げているのは、次の5つです。
- 厚生労働大臣の指定する者(法人に限る)が行う研修を修了した者
- 産業医科大学その他の厚生労働大臣が指定する大学で正規の課程を修めて卒業し、その大学が行う実習を履修した者
- 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
- 大学で労働衛生に関する科目を担当する教授・准教授・講師(常時勤務する者に限る)の職にあり、またはあった者
- 前各号に掲げる者のほか、厚生労働大臣が定める者
2つ目は産業医科大学などの卒業が前提で、4つ目は大学の職に就いていることが前提です。いま医師として働いている人が新たに選べるのは、1つ目の研修と3つ目の試験です。
この2つはつながっています。日本医師会の産業医学講習会を修了すると、労働衛生コンサルタントの筆記試験が免除されます。[2]
50単位は、50時間ぶん
基礎研修の50単位は、前期14単位以上・実地10単位以上・後期26単位以上に分かれます。前期は総論や健康管理など8項目それぞれの単位が要ります。[2]
受ける順番は決まっていません。日本医師会は、前期・後期・実地の受講順は特に決まっていないと書いています。[3]
単位は全国で通用します。日本医師会が指定した研修会であれば、どこで受けても有効な単位です。勤務先の都道府県には縛られません。
6日で終わる道は、前の年の11月から動いている
産業医科大学の集中講座は、月曜から土曜までの連続6日間で計50時間です。[5]
申込の受付は4月ですが、日程が出るのはその前の年です。令和8年度の日程と「受講の流れ」が公開されたのは、前の年の11月11日でした。
そこからの動きを日付で並べると、次のようになります。
- 前年11月11日 — 日程と受講の流れを公開
- 2月25日 — 申込期間が決定
- 4月1日0時〜4月7日23時59分 — 申込受付
- 4月14日 — 応募者全員に抽選結果をメール
- 7月27日〜8月1日(第1クール)/8月3日〜8月8日(第2クール) — 受講
- 9月10日 — 修了認定書を簡易書留で発送
令和8年度の定員は各クール390名の計780名、受講料は160,000円(税込)でした。会場は北九州国際会議場で、宿泊費と交通費は個人負担です。[4]
席は抽選です。令和7年度も定員は780名で、その3倍を超える申込があり、受付が4月7日11時59分に締め切られました。[4]
6日で終わるのは、抽選に通った場合の話です。
申請には期限がある
50単位を修了したら、所属の都道府県医師会を通して日本医師会へ申請します。医師会員でない医師は、勤務地の都道府県医師会が窓口です。
ここに期限があります。基礎研修の最終受講日から5年以内で、申請できるのは1回限りです。[3]
集中講座や基本講座の修了者は、修了認定の日から5年以内に1回限りです。単位を集めたあとで寝かせると、この期限に当たります。[2]
審査・登録料は10,000円です。申請方法と受付期間は都道府県医師会ごとに違うので、そこは自分の医師会に確かめます。[2]
認定証は5年で、更新に20単位
登録の有効期間は5年です。更新するには、その5年の間に生涯研修を20単位以上修めます。1単位は1時間なので20時間ぶんで、内訳には更新研修・実地研修・専門研修がそれぞれ1単位以上入ります。[2]
オンラインで積める分には上限があります。WEB研修会で取った単位のうち更新に使えるのは20単位のうち最大5単位までで、実地研修はWEB研修会の対象外です。[2]
更新の審査・登録料も10,000円です。更新を受けないと、日本医師会の認定産業医の称号を失います。[2]
6日続けて空けるほうの段取り
集中講座は月曜から土曜なので、平日を5日続けて外します。当番の組み直しは先に済ませておくほうが動きやすくなります。表の組み方は当直表の作り方にまとめています。
別の進路の手続きを日付で追った記事として、医師が開業するまでの手続きもあります。
iwor なら、当直表の希望集めから配布までが1か所で終わります。
入れない日を招待リンクや QR で集めて、条件を守った割り当てを自動で組めます。できた表は画像・PDF で配れます。回数の上限や一緒にしない組を条件に加えるのは PRO です。iwor は医師のためのワークスペースです。
無料ではじめるよくある質問
初期研修中でも申し込めますか
産業医科大学の集中講座は、申込の時点で医籍登録番号が要ります。番号が無い人は申し込めないと書かれています。[4]
日本医師会の手引が申請の資格として挙げているのは「新たに認定産業医の称号を申請する医師」で、経験年数の条件は置かれていません。[2]
集中講座の抽選に落ちたらどうなりますか
医師会の基礎研修会で単位を積む道が残ります。日本医師会が指定した研修会なら全国どこで受けても有効なので、住んでいる都道府県の外の研修会も使えます。[3]
費用はいくらかかりますか
産業医科大学の集中講座は受講料160,000円(税込)で、これとは別に認定の審査・登録料が10,000円かかります。[4],[2]
医師会の研修会の受講料は、研修会ごとに違います。申込先と申込方法も研修会ごとなので、各研修会の連絡先で確かめます。
まとめ
産業医の要件は、規則が挙げる5つのうちどれか1つです。研修で満たすなら50単位で、1単位は1時間なので50時間ぶんになります。
受ける順番の決まりはなく、単位は全国で通用します。集中講座は6日で50時間を詰められる代わりに、申込が4月の1週間しか開かず、席は抽選です。
そして50単位を修了したら、5年以内に申請します。単位を集めるところまでで止めないのが、最後の関門です。
出典
- 1.一次資料e-Gov 法令検索「労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第14条第2項」 laws.e-gov.go.jp(2026-09-24 取得)
- 2.一次資料日本医師会「認定産業医の手引(令和5年10月)」 sangyo-doctors.gr.jp(2026-09-24 取得)
- 3.一次資料日本医師会「日本医師会認定産業医制度 FAQ(よくあるご質問)」 jmaqc.jp(2026-09-24 取得)
- 4.一次資料産業医科大学「産業医学基礎研修会集中講座 令和8年度 開催概要」 uoeh-u.ac.jp(2026-09-24 取得)
- 5.一次資料産業医科大学「産業医学基礎研修会集中講座 研修会の概要」 uoeh-u.ac.jp(2026-09-24 取得)
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