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10年ASCVDリスクの計算|米国はPCEからPREVENTへ、日本の指針は久山町研究のスコアを使う

iwor 編集部3分で読めます
久山町スコアの計算なら iwor。出典つきで、スマートフォンからすぐ使えます。
目次

10年ASCVDリスクは、米国の ACC/AHA が2013年の指針で示した式で出す、動脈硬化性心血管疾患の10年リスクです。[1]

ただ、この式は米国のデータから作られています。日本の動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版は、この式ではなく久山町研究のスコアを使っています。[5]

米国では、式が入れ替わりつつある

AHA は2023年に、PREVENT という新しい式を発表しました。対象は心血管疾患のない30〜79歳の米国の成人で、予測する範囲に動脈硬化性疾患だけでなく心不全も入っています。[2]

  • 予測に使う項目に、推算糸球体濾過量(eGFR)が入っている
  • 男女で別の式になっている
  • 人種の項を持たない
  • 外部検証での C 統計量は、女性0.794、男性0.757
[2]

さらに2026年3月には、ACC/AHA などが脂質異常症のガイドラインを出し、2018年のコレステロールのガイドラインを置き換えました。[3]

この2026年のガイドラインでは、10年ASCVDリスクを PREVENT-ASCVD スコアで計算するとされています。[4]

米国の計算機で10年ASCVDリスクを出すときは、どちらの式で計算しているかを先に見ます。

日本の指針は、久山町研究のスコア

日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版は、久山町研究のスコアリングテーブルを採用しています。2017年版で使っていた吹田スコアからの変更です。[5]

予測するのは、冠動脈疾患とアテローム血栓性脳梗塞の10年以内の発症確率です。学会は、この確率にもとづく医師・医療従事者向けのアプリを公開しています。[6]

  • 使えるのは40〜79歳。80歳以上のスコアはガイドラインが使わないとしている
  • 冠動脈疾患やアテローム血栓性脳梗塞がすでにある人は二次予防の扱いで、スコアを使わない
  • 糖尿病・慢性腎臓病・末梢動脈疾患がある人は高リスクの扱いで、スコアを使わない
[5]

日米で、式が最近入れ替わっている点は同じです。米国は2013年の式から PREVENT へ、日本は吹田スコアから久山町研究のスコアへ移っています。

どちらの計算機を使うか

日本の患者を日本の指針に沿って見るなら、使うのは久山町研究のスコアです。米国の計算機の値を、そのまま日本の指針の区分に当てはめることはできません。

iwor の計算ツールにも、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版の表から10年間の発症リスクを出す久山町スコアがあります。米国の10年ASCVDリスクや PREVENT は入っていません。同じ循環器の領域では、心房細動の出血リスクを見るHAS-BLED スコアもあります。

iwor なら、臨床の計算を出典つきで確かめられます。

腎機能・体格・検査値・重症度スコアの計算がそろっていて、どれも発行元と表題つきの出典が付きます。当直やオンコールの表づくり、ふるさと納税の上限もここでできます。iwor は医師のためのワークスペースです。

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TIA のあとの脳卒中を点数にするスコアにはABCD² スコアがあります。作られた経緯と、いまのガイドラインでの扱いをまとめています。

よくある質問

10年ASCVDリスクと久山町スコアは同じものですか

違います。10年ASCVDリスクは米国の ACC/AHA の式、久山町スコアは日本の動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版が採用しているスコアです。

吹田スコアはもう使いませんか

2022年版では久山町研究のスコアに置き換わりました。2017年版の吹田スコアで書かれた資料は、版を確かめて読みます。

80歳以上の患者にも使えますか

2022年版は、80歳以上のスコアを使わないとしています。

PREVENT と2013年の式は何が違いますか

PREVENT は心不全も予測の範囲に入れ、eGFR を項目に加え、人種の項を持たない形で作られています。

まとめ

10年ASCVDリスクは米国の式で、米国では2023年に PREVENT が出て、2026年3月には脂質異常症の指針も改訂されました。

日本の動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版は、久山町研究のスコアを使います。40〜79歳が対象で、二次予防や高リスクの条件がある人には使いません。

出典

  1. 1.一次資料Circulation(PubMed)「Goff DC Jr, Lloyd-Jones DM, et al. 2013 ACC/AHA guideline on the assessment of cardiovascular risk. Circulation. 2014;129(25 Suppl 2):S49-73.」 doi.org(2026-09-22 取得)
  2. 2.一次資料Circulation(PubMed)「Khan SS, Matsushita K, et al. Development and Validation of the American Heart Association's PREVENT Equations. Circulation. 2024;149(6):430-449.」 doi.org(2026-09-22 取得)
  3. 3.一次資料Journal of the American College of Cardiology(PubMed)「Blumenthal RS, Morris PB, et al. 2026 ACC/AHA/AACVPR/ABC/ACPM/ADA/AGS/APhA/ASPC/NLA/PCNA Guideline on the Management of Dyslipidemia. J Am Coll Cardiol. 2026;87(19):2624-2757.」 doi.org(2026-09-22 取得)
  4. 4.Current Atherosclerosis Reports(PubMed)「Abramov D, Minhas AMK, Shapiro MD, Bittner VA, Brewer LC, et al. Primary Prevention of Dyslipidemia: 10 Practice-Changing Takeaways from the 2026 ACC/AHA Multisociety Guideline. Curr Atheroscler Rep. 2026;28(1).(risk assessment is performed using the PREVENT-ASCVD score to calculate 10-year ASCVD risk)」 doi.org(2026-09-22 取得)
  5. 5.一次資料日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版 第3章 動脈硬化性疾患予防のための包括的リスク管理(§1.1〜1.3=2017年版の吹田スコアから久山町研究のスコアへ変更・二次予防と高リスクの分類・80歳以上のスコアは使用しない/図3-1・図3-2)」 j-athero.org(2026-09-22 取得)
  6. 6.一次資料日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患発症予測ツール(医師・医療従事者向け)=冠動脈疾患およびアテローム血栓性脳梗塞の10年以内の発症確率」 j-athero.org(2026-09-22 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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