J-OSLER の外科紹介症例は2篇|3条件と、対象外になる4つの処置。転科の有無は問われない
目次
外科紹介症例の病歴要約は2篇です。29篇のうちNo.27とNo.28がこの枠にあたります。条件は3つあり、そのどれかが欠けると外科紹介症例として出せません。[1]
この2つは、学会が「特にお問い合わせが多く寄せられた」枠として名指ししたところです。2023年10月に手引きを作成と評価の2冊に分けたとき、外科紹介症例と剖検症例を作成の手引きに載せたと告知しています。[4]
3つの条件
細則と作成の手引きは、同じ3条件を挙げています。
1. 主担当医として受け持った患者の内科系疾患に対して、外科的専門治療が必要であると診断した症例であること.2. その外科的専門治療に外科系医師があたった症例であること.(施設やベッドの空き状況があるため必ずしも外科転科の有無は問わない)3. その外科的専門治療が、全身麻酔下、あるいはそれに相当する手術であること.[1]
出発点は1つめです。外科で手術になった患者を後から知ったのでは足りません。自分が受け持っていて、手術が要ると判断した流れであることが要ります。
転科したかどうかは問われない
2つめに付いた括弧書きが効きます。ベッドの都合で外科に移せないことがあるから、という理由まで書かれています。内科で診たまま外科の医師に手術してもらった症例も、条件を満たせば使えます。転科の有無で外すと、使える症例を自分で減らしてしまいます。
名指しで対象外とされている4つ
3つめの条件には補足が付いていて、外れる処置が4つ名指しされています。[1]
全身麻酔が基本であるため、胃瘻作成や胆道ステント留置による内瘻化、透析のシャント術、脳神経外科で施行された頸動脈ステントなどは外科紹介症例の対象外となります.[1]
名前が挙がっているのはこの4つです。ほかの処置は、全身麻酔かそれと同等の手術かどうかで決まります。迷う症例は、提出してから戻されるより先にプログラム統括責任者に確かめるほうが早く済みます。[1]
疾患群の重複が認められる、数少ない枠
29篇はすべて異なる疾患群から出しますが、外科紹介症例のNo.27・No.28と剖検症例のNo.29だけは、ほかの篇と疾患群が重なってよいことになっています。[1]
もうひとつ、消化器の枠で使えない疾患群がここでは使えます。研修手帳の消化器の疾患群9、つまり腹腔・腹壁疾患と急性腹症です。消化器の病歴要約には出せない一方で、救急領域として、または外科紹介症例・剖検症例としてなら出せます。[1]
29篇の内訳と、どの領域から何篇出すかはJ-OSLER の病歴要約29篇の内訳にまとめています。疾患群そのものの数え方はJ-OSLER の疾患群一覧へ。
書くときは、考察に手術所見を入れる
考察に手術所見まで入れるよう求められているのが、この枠です(剖検症例なら剖検所見)。診断の根拠と治療の選び方に加えて、実際に開けて何が見つかったかを突き合わせる形になります。[2]
完成形は学会が公開しています。外科紹介症例のサンプルは循環器の大動脈弁狭窄症兼閉鎖不全症で、10篇の一覧はJ-OSLER の病歴要約サンプルはどこにある?にまとめました。項目ごとに何を書くかは病歴要約のテンプレートへ。[3]
2篇をどこで埋めるか
細則は注意として、29症例の病歴要約が不合格と評価されれば試験の結果も不合格になる、と書いています。[1]
外科紹介症例は狙って作れる枠ではないので、条件を満たす症例に当たったその場で記録しておくのが確実です。
iwor では29篇の枠を登録すると、外科紹介症例と剖検症例を含めて残りが出ます。疾患群の重複も見られます。iwor は日本内科学会・日本専門医機構・厚生労働省の公式システムではないので、正式な登録と評価はJ-OSLERで行います。
iwor なら、修了要件の残りが数字で見えます。
症例と疾患群、病歴要約29篇、講習・学術・JMECC・360度評価の6項目を、残りいくつかで逆算できます。EPOC の経験すべき症候29・疾病26にも対応しています。iwor は医師のためのワークスペースです。
無料ではじめるよくある質問
外科に転科しなかった症例は使えますか
使えます。細則は括弧書きで、ベッドの都合があるから転科の有無は問わない、と断っています。外科系の医師が手術を担当していれば条件を満たします。[1]
内視鏡的な処置は外科紹介症例になりますか
胆道ステント留置による内瘻化は、対象外として名指しされています。ほかの処置は、全身麻酔かそれと同等の手術かで判断します。名前が挙がっていない処置は、プログラム統括責任者に聞くのが早道です。[1]
外科紹介症例は疾患群が他と重なってもいいですか
重なって構いません。重複が認められているのは、外科紹介症例のNo.27・No.28と、剖検症例のNo.29だけです。[1]
まとめ
外科紹介症例は2篇で、条件は自分が診断したこと、手術を外科系の医師が担当したこと、手術が全身麻酔かそれと同等であることの3つです。転科の有無は問われません。対象外として名指しされている処置は、本文に挙げた4つです。疾患群の重複が認められる数少ない枠なので、条件に合う症例に当たったらその場で押さえておくと後が楽になります。
細則も手引きも改訂されます。J-OSLERの登録と評価のページで現行版を確かめてください。
出典
- 1.一次資料日本内科学会「内科専門医試験 病歴要約29症例_細則」 cdn-naikaprod.pressidium.com(2026-09-19 取得)
- 2.一次資料日本内科学会「J-OSLER 病歴要約 作成の手引き(2026/04/23)」 cdn-naikaprod.pressidium.com(2026-09-19 取得)
- 3.一次資料日本内科学会「J-OSLER 病歴要約 サンプル(2026/04/23)」 cdn-naikaprod.pressidium.com(2026-09-19 取得)
- 4.一次資料日本内科学会「専攻医登録評価システム(J-OSLER)登録と評価(2023年10月12日追記)」 naika.or.jp(2026-09-19 取得)
本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制