研修医のカルテは SOAP で書く|S・O・A・P に書くことと、指導医の確認までの決まり
目次
カルテは医師法で、診療をしたら遅滞なく書くことになっていて、研修医の記録は指導医が見ます。経過は、患者の訴え・診察や検査の所見・評価・計画の4つ、S・O・A・P に分けて書くと、あとから読む人が迷いません。[1],[4]
S・O・A・P に書くこと
- S=Subjective:患者さんや家族が話したこと。どんな症状が、いつから、どう変わったか
- O=Objective:診察や検査で分かったこと。バイタルサイン、身体所見、検査や画像の結果
- A=Assessment:S と O から考えた評価。何が起きていると判断したか、前と比べてどうか
- P=Plan:これからすること。検査、治療、患者さんへの説明、次に確かめること
問題が複数あるときは、問題ごとに A と P を分けると、あとから追いやすくなります。S と O は事実、A はそこから考えたことです。A に書いた評価の根拠が、S と O に書いてあるかを見直しましょう。
カルテは、診療のたびに遅滞なく書く
医師法では、診療をしたら遅滞なく、診療に関する事項をカルテに書くことになっています。勤務医のカルテは、病院や診療所の管理者が5年間保存します。[1]
厚生労働省の「保険診療の理解のために」は、忙しいから週末にまとめて書くのはいけないとしています。入院患者なら、原則として毎日書きます。診察していても、カルテに診察の記載が無かったり「薬のみ」としか書いていなかったりすると、あとで無診察治療を疑われかねません。[3]
医師法施行規則が決めている記載事項は、患者の住所・氏名・性別・年齢、病名と主要症状、治療方法(処方と処置)、診療の年月日です。[2]
書くときに気をつけること
- 記録した人の名前と職種、記録した日時を残す
- 略語は、一般的に使われる病名や処置名などの範囲で使う。記述は日本語が勧められている
- 私的なメモや、その患者さんの診療に関係のないことは書かない
- 病名は医学的に妥当なものを書き、請求のためだけの病名は付けない
- 紙のカルテは、修正液や貼り紙を使わず二重線で直す
カルテは、開示請求の対象になる文書です。追記や訂正をするときは元の記録を残したまま別に書き、日時と理由も添えます。思わぬ出来事が起きたときは、推測を交えずに事実を時系列で書きます。[5]
口頭で報告するときの型はSBAR の報告テンプレにまとめています。書く A と、電話で言う A は、どちらも自分の見立てを置くところです。
研修医のカルテは、指導医が確認する
医師臨床研修指導ガイドラインは、日々のカルテを退院時要約も含めて速やかに書き、指導医や上級医は適切な指導をしたうえで記録を残すとしています。[4]
入院患者の退院時要約に書くのは、病歴、身体所見、検査所見、アセスメント、プラン(診断、治療方針、教育)、考察などです。退院時要約を経験の確認に使うときに考察の欄が無ければ、考察を書いた文書を別に出して保管します。
研修医評価票Ⅱの「診療技能と患者ケア」で研修修了時に期待されるレベルは、診療内容とその根拠に関する医療記録や文書を、適切かつ遅滞なく作成することです。[4]
1年目の記録と評価の決まりは研修医1年目にやることにまとめています。
EPOC の経験は、病歴要約で確認される
経験すべき症候29と疾病・病態26は、日常業務で作る病歴要約で、研修を行ったことを確認します。病歴要約は、退院時要約や診療情報提供書、申し送りや転科のサマリーなど、ふだんの医療記録を要約したもので、提出用のレポートを別に書く必要はありません。[4]
病歴要約には、病歴、身体所見、検査所見、アセスメント、プラン、考察などを含めます。記録を残すときは、患者の氏名や ID を分からない形にします。
日々のカルテを SOAP で書いておくと、病歴要約を作るときの材料がそろいます。EPOC で入力するものはEPOC で研修医が入力するものにまとめています。
経験すべき症候と疾病・病態の残りを、一覧で数える。
経験すべき症候29と疾病・病態26が並び、経験済みにした項目は薄くなって、未経験の項目が濃く残ります。iwor は医師のためのワークスペースです。
無料ではじめるよくある質問
SOAP の A と P は、どう分けますか?
A は、S と O から考えた評価です。P は、その評価を受けてこれからする検査や治療、説明です。
カルテは、その日のうちに書かないといけませんか?
医師法は遅滞なく書くことを求めていて、厚生労働省の資料は、週末にまとめて書くのはいけないとしています。入院患者なら、原則として毎日書きます。
略語は使っていいですか?
一般的に使われる病名や処置名などの範囲で使い、記述は日本語にすることが勧められています。
まとめ
カルテの経過は、S・O・A・P に分けて書きます。診療のたびに遅滞なく書き、記録した人と日時、略語の使い方に気をつけましょう。
研修医の記録は指導医が確認し、EPOC の経験は日常業務で作る病歴要約で確認します。退院時要約は、指導ガイドラインの項目に沿って書きましょう。
出典
- 1.一次資料e-Gov法令検索(デジタル庁)「医師法(昭和23年法律第201号)第24条」 laws.e-gov.go.jp(2026-09-17 取得)
- 2.一次資料e-Gov法令検索(デジタル庁)「医師法施行規則(昭和23年厚生省令第47号)第23条」 laws.e-gov.go.jp(2026-09-17 取得)
- 3.一次資料厚生労働省保険局医療課医療指導監査室「保険診療の理解のために【医科】(令和8年度)」 mhlw.go.jp(2026-09-17 取得)
- 4.一次資料厚生労働省「医師臨床研修指導ガイドライン -2024年度版-(第2章 ⑦診療録/第3章 研修医評価票Ⅱ・PG-EPOC)」 mhlw.go.jp(2026-09-17 取得)
- 5.一次資料日本診療情報管理学会「診療情報の記録指針(2024年8月改訂)」 jhim-e.com(2026-09-17 取得)
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