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マッチング

愛知の研修病院はどこを受けるか|第一志望が多い5院と、50席の空きが出た場所(2025年度)

iwor 編集部12分で読めます
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目次

愛知で第一志望者数の実数でも定員に対する比でも上位に入るのは、一宮西病院・公立陶生病院・江南厚生病院・海南病院・地域医療機能推進機構 中京病院の5院です。第一志望者数の実数で並べても、定員に対する比で並べても、この5院が上位10に入ります。そのうえで、愛知は県全体で50席が空いた県でもあります。空席が出た枠を受け皿にできるのは、採用試験を受けて、行ってもよいと言える範囲で順位表に書いた人だけです。[1],[2]

候補をどこから集めるか

登録する順番は、自分が行きたい順です。マッチングの希望順位登録に書いたとおり、順位を実際の志望と違う順に付け替えても有利にはなりません。以下は候補の探し方であって、登録する順番の指示ではありません。動かせるのは、採用試験を受けて「行ってもよい」と言えるプログラムを1つでも多く登録することです。

  • まず見る……第一志望が集まっている5院(一宮西・公立陶生・江南厚生・海南・中京)を軸に、自分の条件で絞る。いずれも定員10〜14人で、第一志望は定員の1.5〜2.7倍
  • 次に見る……実数では上位だが比では2倍に届かない病院(日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院・安城更生病院・豊橋市民病院など)
  • 採用試験を受けたうえで「行ってもよい」と言える範囲で足す……空席が出たプログラム。愛知では23プログラム・50席が空きました。うち14席は名古屋大学医学部附属病院の7プログラム
[2],[1]

空席の出た枠を順位表に入れておく意味は、ひとことで言えば受け皿になりうるからです。受け皿になるには、条件が2つあります。

  • 病院側の順位表にも載っていること……採用試験を受けても載るとは限りません。JRMPは「参加病院は、採用試験の結果に基づいて採用しても良いと考える受験者のみを希望順位登録しますので、アルゴリズム上、そのようなケースも発生します」と明記しています
  • 行ってもよいと言える枠であること……マッチしたあとは基本的に動かせません
[4]

空席が残ったのは、そこを希望して病院側の順位表にも載っていた人が、全員より上の希望に入れたからです。これはJRMPが用いるゲール・シャープレーのアルゴリズムからの帰結で、公表資料にある記述ではありません。裏を返せば、第1希望に空席があるのに自分はアンマッチ、も起こります。2025年度のアンマッチは741人でした。残った席が二次募集に回ることもありますが、募集を出さない病院もあります(マッチングでアンマッチだったら)。

空席が出るかどうかは年によって動きます。2025年度に空いたからといって2026年度も空くとは限りません。行ってもよいと言える範囲で、空席の実績がある枠を複数登録しておくと、アンマッチの可能性を下げる方向には働きます。ただしそれも病院側の順位表に載っていることが前提です。順位表の作り方そのものはマッチングの希望順位登録を参照してください。

愛知県全体の数字

まず全体を見ます。2025年度のマッチングで、愛知県には80のプログラムがあり、56の病院に分かれています。募集定員の合計は548人、マッチした人数は498人で、充足率は90.9%でした。全国のプログラムを合算した充足率は84.6%で、それを上回る県です。東京の97.0%と比べると6ポイント低くなります。[1]

もう一つの指標が第一志望者数です。愛知のプログラムを第1位で希望順位登録した人は合計546人で、定員548人に対して1.00倍にあたります。全国では0.88倍ですから、定員と第一志望がほぼ釣り合っている県です。ただしこの比は、そのまま個人の難易度にはなりません。誰がどこにマッチするかは、全員の順位登録と各プログラムの順位づけの組み合わせで決まります。なお第一志望者数は中間公表時点の断面値で、プログラム別の確定値は公表されません。[2],[1]

空いた50席は、県全体に散らばっていない

充足率90.9%という数字は、空席が県内に薄く広がっているような印象を与えます。実際は違います。空席が出たのは80プログラム中23プログラムで、残る57プログラムは定員どおり埋まりました。そして空席50席のうち14席は、1つの病院に集中しています。[1]

名古屋大学医学部附属病院です。この病院は7つのプログラムを持っていて、定員の合計は21人。マッチしたのは7人で、14席が空きました。内訳は次のとおりです。[1],[2]

  • 基本プログラム……定員9人/マッチ6人/第一志望4人
  • 研究医を目指す人のためのプログラム……定員3人/マッチ1人/第一志望1人
  • ハイブリッドプログラムA……定員2人/マッチ0人/第一志望0人
  • ハイブリッドプログラムB 岐阜県立多治見病院コース……定員1人/マッチ0人/第一志望0人
  • ハイブリッドプログラムB 津島市民病院コース……定員1人/マッチ0人/第一志望0人
  • ハイブリッドプログラムB 江南厚生病院コース……定員1人/マッチ0人/第一志望0人
  • 周産期プログラム……定員4人/マッチ0人/第一志望0人

7つのうち5つは、第一志望に選んだ人もマッチした人も0でした。県全体の「50席の空き」という数字の内訳は、こういう形をしています。空席の多いプログラムを並べると、最多は4席で、名古屋大学医学部附属病院の周産期プログラムのほか南生協病院・協立総合病院・蒲郡市民病院が並びます。同院は7プログラムの合計で14席でした。

これを「狙い目」と読み替えないでください。定員1人や2人の枠でも、そのプログラムを順位表に登録した学生数は公表されています。名古屋市立大学病院の産科婦人科重点研修のプログラムは定員2人・第一志望0で、登録した学生は70人でした。応募要件や研修内容もプログラムごとに違います。低い倍率をどう読み分けるかはマッチングの穴場病院の見つけ方にまとめています。

大学病院と市中病院で、測っているものが違う

愛知全体で1.00倍という数字は、大学病院と市中病院を混ぜた平均です。分けて見ると様子が変わります。

  • 大学病院……22プログラム/定員142人/第一志望者数は定員の0.62倍/充足率85.9%
  • 市中病院……58プログラム/定員406人/第一志望者数は定員の1.13倍/充足率92.6%
[3],[1],[2]

愛知の定員548人のうち406人、つまり4分の3近くが市中病院の枠です。これは東京と正反対の構成で、東京は定員1,218人のうち738人(6割)が大学病院の枠でした。愛知は市中病院中心の県です。東京との比較は東京の研修病院はどこを受けるかで扱っています。[1]

藤田医科大学病院は第一志望者数27人で県内最多タイ、愛知医科大学病院も20人を集めています。大学病院と市中病院の違いそのものは大学病院と市中病院を数字で比較するで扱っています。[2]

ランキングは、何で並べるかで顔ぶれが変わる

病院単位で集計した場合でも、何で並べるかで結果は変わります。愛知の病院を「第一志望者数の実数」で並べた場合と、「第一志望者数÷定員」で並べた場合で、上位10病院に共通して入るのは5病院でした。

実数で並べると、定員の大きい病院が上位に来ます。

  • 藤田医科大学病院……第一志望27人/定員33人(82%)
  • 一宮西病院……27人/10人(270%)
  • 公立陶生病院……26人/14人(186%)
  • 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院……25人/20人(125%)
  • 安城更生病院……25人/18人(139%)
  • 江南厚生病院……25人/12人(208%)
  • 海南病院……23人/12人(192%)
  • 地域医療機能推進機構 中京病院……20人/13人(154%)
  • 愛知医科大学病院……20人/29人(69%)
  • 豊橋市民病院……20人/17人(118%)
[2],[1]

比で並べると、定員の小さい市中病院が上位に集まります。

  • 一宮西病院……270%(第一志望27人/定員10人)
  • 総合犬山中央病院……233%(7人/3人)
  • 江南厚生病院……208%(25人/12人)
  • 名古屋徳洲会総合病院……200%(12人/6人)
  • 海南病院……192%(23人/12人)
  • 公立陶生病院……186%(26人/14人)
  • 名鉄病院……183%(11人/6人)
  • 小牧市民病院……155%(17人/11人)
  • 地域医療機能推進機構 中京病院……154%(20人/13人)
  • 稲沢市民病院……150%(6人/4人)
[2],[1]

両方に入っているのは、一宮西病院・公立陶生病院・江南厚生病院・海南病院・地域医療機能推進機構 中京病院の5病院です。藤田医科大学病院は実数では県内最多タイですが、定員33人に対する比では0.82倍になります。定員が小さいほど比は振れやすくなる点には注意してください。ランキングの読み方の全体像は研修医マッチングの人気病院ランキングの読み方にまとめています。[2],[1]

なお、愛知には複数のプログラムを持つ病院が9つあります。名古屋大学医学部附属病院の7つのほか、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院・同名古屋第二病院・名古屋市立大学病院・藤田医科大学病院が各4つです。愛知医科大学病院・豊橋市民病院が各3つ、安城更生病院・豊田厚生病院が各2つです。病院単位で1行にまとめた表は、この内訳を1つの数字に丸めています。[1]

この数字は、全国のどのあたりなのか

ここまでは愛知の中だけで並べてきました。実際に志望先を決めるときに効いてくるのは「この数字は全国で見てどのくらいなのか」です。自分の志望先の数字が全国では何番目なのかは、残り1,300件以上のプログラムの分布を知らないと分かりません。候補が増えるほど、全国の分布と突き合わせる手間は増えていきます。

iwor はこの判断のために、JRMPの公表値から4つの指標を算出しています。

  • マッチ難易度:席を巡る「本気の競争」の激しさを偏差値化したもの。本気倍率=(志望者数×第1志望率)÷定員 をもとに算出します。定員が4人以下のプログラムは、値のブレを補正しています。4指標のなかで唯一、全国順位も出ます
  • 志望集中度:志望者のうち、そこを第1志望に選んだ人の割合。大学病院は低めに出る傾向があります(併願先として登録されやすいから、というのは iwor の見方です)
  • 穴場度:0〜100。空きやすさ(空席・低充足)と低倍率を主に、志望者の減少傾向を加味した値です
  • 安定度:0〜100。直近の充足の安定性に、充足の水準を加味した値。毎年安定して埋まっているほど高くなります

この記事で見てきた定員・マッチ者数・第一志望者数・空席は、いずれもこれらの指標の材料そのものです。愛知の80プログラムをプログラム単位のまま倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や区分で絞り込んだりできます。

いずれも席の取りやすさの目安であり、研修の質・教育体制の評価ではありません。公表値からの推定であって、合否や受け入れを保証するものでも、個人の合否を予測するものでもありません。主要な研修病院は愛知県の研修病院に、80プログラム全件はアプリの病院データベースにあります。

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iwor は医師のためのワークスペースです。プログラム単位のまま、倍率・定員・充足率で並べ替えたり都道府県・区分で絞り込んだりできます。選んだ複数院の横並び比較と、マッチ難易度・穴場度・志望集中度・安定度の数字と、マッチ難易度の全国順位まで見られます。

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この記事の数字の出どころ

本記事の数値は、医師臨床研修マッチング協議会が公表している資料から iwor が出しています。2025年度の研修プログラム別マッチ結果(募集定員・マッチ者数・空席数・希望順位登録学生数の確定値)と、中間公表(第一志望者数)。そして記者発表資料(大学病院・臨床研修病院の区分)です。[1],[2],[3]

集計の単位は公表資料と同じくプログラム単位で、病院単位の数字は同じ病院名のプログラムを足し合わせて算出しました。公表資料にあるのは都道府県までなので、市区町村は各病院の公開情報によります。[1],[2],[3]

本記事でいう第一志望者数とは、中間公表の前日14時時点で各プログラムを第1位で希望順位登録している参加者数です。中間公表の後も順位登録は変更できるため、最終結果とは一致しません。中間公表の位置づけはマッチングの中間公表とはで解説しています。[2]

よくある質問

愛知の研修病院は結局どこから見ればいいですか

第一志望が集まっているのは次の5院です。一宮西病院・公立陶生病院・江南厚生病院・海南病院・地域医療機能推進機構 中京病院です。研修の質の順位ではなく、候補を探す出発点として見てください。

愛知は50席も空いたのだから、入りやすいということですか

県として席が余ったことと、志望先に入れることは別です。空いた50席のうち14席は名古屋大学医学部附属病院に集中し、一宮西病院と江南厚生病院は定員が埋まりました。

名古屋市内と市外で違いはありますか

公表データは市区町村別ではないので、県単位で扱っています。比で上位に来た病院には一宮西病院・江南厚生病院・小牧市民病院・稲沢市民病院など名古屋市外も並びます。

第一志望者が多いプログラムは避けたほうがいいですか

順位の付け方を変える理由にはなりません。アルゴリズムには「耐戦略性」があり、行きたい順に登録するのが最良です。不安なら、採用試験を受けて行ってもよいと思えるプログラムを順位表に足します。

まとめ

実数でも定員比でも県内上位に入るのは、一宮西・公立陶生・江南厚生・海南・中京の5院でした。採用試験を受けて行ってもよいと言える枠を、複数登録しておきます。

愛知は80プログラム・56病院で、定員548人に対しマッチ498人・充足率90.9%、23プログラムに計50席の空きが出た県です。そのうち14席は名古屋大学医学部附属病院の7プログラムでした。

空席の出る枠が受け皿になるのは、採用試験を受けて、行ってもよいと言える範囲で順位表に書き、病院側の順位表にも載っていたときです。採用試験を受けても、病院が順位表に載せるとは限りません。県全体の充足率90.9%を、自分が受けるプログラムの競争と取り違えないことです。

隣県の静岡は静岡の研修病院はどこを受けるかで分解しています。岐阜は岐阜の研修病院はどこを受けるかにあります。三重は三重の研修病院はどこを受けるかです。

出典

  1. 1.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修プログラム別マッチ結果」 jrmp2.jp(2026-08-04 取得)
  2. 2.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2025年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」 jrmp2.jp(2026-08-04 取得)
  3. 3.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修医マッチングの結果(記者発表資料・2025年10月23日)」 jrmp2.jp(2026-09-18 取得)
  4. 4.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2026年度版 研修医マッチングの手引き【6年生用・既卒者用】」 jrmp.jp(2026-08-04 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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