診断書の書き方|自分で診察してから書く。死亡診断書は厚労省の記入マニュアル(令和8年度版)に沿う
目次
医師は、自ら診察しないで診断書を交付してはいけません。診断書は、自分で診察してから書きます。[1]
研修医が早くから書くことの多い死亡診断書は、厚生労働省の記入マニュアル(令和8年度版)に、書類の選び方から死因欄・訂正の書き方まで決まっています。[3]
どの診断書にも共通する、3つの決まり
- 診察した医師は、診断書の交付を求められたら、正当の事由がなければ拒めない(医師法19条2項)
- 自ら診察しないで、診断書を交付してはいけない(医師法20条)
- 公務所に提出すべき診断書に虚偽を書くと、3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(刑法160条)
患者に頼まれても、診察で確かめていない病名や、見込みの立たない休養の期間は書きません。見立てにとどまることは、見立てだと分かる書き方にしておくと、後で読む人が取り違えません。
死亡診断書か、死体検案書か
診療管理下にある患者が、生前に診療していた傷病に関連して死亡したと認めるときは死亡診断書、それ以外は死体検案書を交付します。[3]
どちらの書類でも、検案して異状を認めたときは、24時間以内に所轄の警察署へ届け出ます。[3],[1]
届け出るかの判断と、2019年の通知・質疑応答集の位置づけは、医師法21条(異状死体の届出)にまとめています。
24時間を過ぎても、死亡後に診察して判定できれば死亡診断書を書ける
医師法20条のただし書は、診療中の患者が受診後24時間以内に死亡したときは、改めて診察しなくても死亡診断書を交付できるという決まりです。[1],[3]
24時間を過ぎていても、死亡後に改めて診察し、生前に診療していた傷病に関連する死亡だと判定できれば、死亡診断書を交付できます。厚生労働省は、平成24年8月31日の通知でこの運用を示しています。[3]
生前に担当していなかった医師でも、生前の診療情報の共有や提供を受けて、患者の生前の状況を正確に把握できる場合があります。そのうえで、死亡後の診察で生前に診療を受けていた傷病に関連する死亡と判断できれば、死亡診断書を交付できます。当直で担当外の患者の死亡に立ち会う研修医には、ここがいちばん関わります。[3]
死因欄は、略語と終末期の「心不全」を避ける
記入マニュアルは、死亡の原因の欄について次のように求めています。[3]
- 傷病名は日本語ではっきりと、楷書で書く
- 略語は避ける(AMI ではなく急性心筋梗塞、SAH ではなくくも膜下出血)
- 疾患の終末期の状態としての「心不全」「呼吸不全」は書かない
- 「老衰」は、高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない場合だけに使う
明らかな病態としての心不全や呼吸不全を書くことは問題ないと、マニュアルは添えています。死亡診断書は国の死因統計のもとになるので、原因の連なりが読み取れるように書きます。[3]
時刻と訂正の書き方
「死亡したとき」には、死亡確認の時刻ではなく死亡の時刻を書きます。救急搬送中の死亡に限り、医療機関で確認した時刻を書き、余白に「(確認)」と添えます。[3]
書式欄の内容を直すときは、誤りを二重線で消して正しく書き、周りの余白に署名します。記名押印は原則として認められず、訂正できるのは原則として書いた医師本人です。[3]
訂正は原則として書いた本人がするので、交付の前に上級医と一緒に読み返しておくと、後の手間が減ります。
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無料ではじめるよくある質問
診察していない患者の診断書は、書けますか?
書けません。医師法20条は、自ら診察しないで診断書を交付することを禁じています。死亡診断書だけは、診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合の例外があります。[1],[3]
最後の診察から24時間を過ぎたら、死体検案書になりますか?
なりません。死亡後に改めて診察し、生前に診療していた傷病に関連する死亡だと判定できれば、死亡診断書を交付できます。[3]
死亡診断書の間違いは、どう直しますか?
誤りを二重線で消して正しく書き、周りの余白に署名します。記名押印は原則として認められません。[3]
まとめ
診断書は、自分で診察してから書き、求められたら正当の事由がなければ拒めません。公務所に出す診断書の虚偽は刑法160条の罪です。死亡診断書は、厚生労働省の記入マニュアル(令和8年度版)に沿って、書類の選び方・死因欄・時刻・訂正を確かめます。
出典
- 1.一次資料e-Gov 法令検索(デジタル庁)「医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第十九条・第二十条・第二十一条」 laws.e-gov.go.jp(2026-09-28 取得)
- 2.一次資料e-Gov 法令検索(デジタル庁)「刑法(明治四十年法律第四十五号)第百六十条(虚偽診断書等作成)」 laws.e-gov.go.jp(2026-09-28 取得)
- 3.一次資料厚生労働省 医政局・政策統括官(統計・情報システム管理、労使関係担当)「死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル 令和8年度版」 mhlw.go.jp(2026-09-28 取得)
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