コンテンツへスキップ
マッチング

兵庫の研修病院はどこを受けるか|第一志望が多い5院と、県全体で空席が11席しかない事情(2025年度)

iwor 編集部13分で読めます
研修病院えらびなら iwor。自己分析から病院比較・見学・面接まで、ひとつの場所で。
目次

兵庫で第一志望者数の実数でも定員に対する比でも上位に入るのは5院です。神戸市立医療センター中央市民病院、兵庫県立はりま姫路総合医療センター、加古川中央市民病院、兵庫県立西宮病院、甲南医療センター。[1],[2]

そのうえで、兵庫にはもうひとつ知っておくべき事情があります。県全体の空席は11席だけです。充足率97.2%は全国5位で、定員397人の県で空いたのが11席というのは、定員625人の大阪と同じ数です。空席の出た枠を登録先に足して順位表を長くするやり方は、兵庫では県内でほとんど使えません。なお、席が空いていることと入りやすさは別です。採用試験を受けて病院側の順位表に載ることが前提です。

候補をどこから集めるか

登録する順番は、自分が行きたい順です。マッチングの希望順位登録に書いたとおり、順位を実際の志望と違う順に付け替えても有利にはなりません。以下は候補の探し方であって、登録する順番の指示ではありません。動かせるのは、採用試験を受けて「行ってもよい」と言えるプログラムを1つでも多く登録することです。[4]

  • まず見る……冒頭に挙げた5院を軸に、自分の条件で絞る
  • 次に見る……定員10人以上で、定員に対する第一志望者数が1.0〜1.4倍の6院。市立伊丹病院138%・兵庫県立尼崎総合医療センター135%・関西労災病院118%。続いて姫路赤十字病院114%・神戸市立西神戸医療センター110%・北播磨総合医療センター108%。兵庫県立尼崎総合医療センターは第一志望31人で県内2番手グループ(3院が同数)、定員も23人と大きめです
  • 採用試験を受けたうえで「行ってもよい」と言える範囲で足す……空席が出たのは6プログラムだけで、合計11席です。公立豊岡病院3席・兵庫県立淡路医療センター3席・兵庫県立丹波医療センター2席の県立・公立3院で8席。残る3席は神戸大学医学部附属病院の産婦人科医育成コース、兵庫医科大学病院の小児科重点プログラム、医療法人川崎病院に1席ずつ。いずれも定員2人の枠です。科名を冠したコースは、その科に進むことを前提にした枠です

空席の出た枠を順位表に入れておく意味は、ひとことで言えば受け皿になりうるからです。受け皿になるには、条件が2つあります。

  • 病院側の順位表にも載っていること……採用試験を受けても載るとは限りません。JRMPは「参加病院は、採用試験の結果に基づいて採用しても良いと考える受験者のみを希望順位登録しますので、アルゴリズム上、そのようなケースも発生します」と明記しています
  • 行ってもよいと言える枠であること……マッチしたあとは基本的に動かせません
[4]

空席が残ったのは、そこを希望して病院側の順位表にも載っていた人が、全員より上の希望に入れたからです。これはJRMPが用いるゲール・シャープレーのアルゴリズムからの帰結で、公表資料にある記述ではありません。裏を返せば、第1希望に空席があるのに自分はアンマッチ、も起こります。2025年度のアンマッチは741人でした。残った席が二次募集に回ることもありますが、募集を出さない病院もあります(マッチングでアンマッチだったら)。

兵庫で問題になるのは、その受け皿が県内に少ないことです。空席が出るかどうかは年によって動くので、2025年度に空いたからといって2026年度も空くとは限りません。それを差し引いても、県内で登録できる候補の数には限りがあります。登録数を増やしたいなら、近畿の他府県まで候補を広げるほうが現実的です。

足せるのは、行ってもよいと言えて、実際に採用試験を受けたプログラムに限ります。大阪の内訳は大阪の研修病院はどこを受けるかにあります。近畿2府4県の比較は関西の人気研修病院はどこかです。

兵庫県全体の数字

2025年度のマッチングで、兵庫県には51のプログラムがあり、39の病院に分かれています。募集定員の合計は397人、マッチした人数は386人で、充足率は97.2%でした。全国の充足率が84.6%なので、かなり埋まる県です。47都道府県で見ると、大阪98.2%・京都98.0%・奈良97.5%・神奈川97.3%に次ぐ5位にあたります。空席は11席、空席が出たプログラムは6件でした。複数のプログラムを持つ病院は5つです。

第一志望者数の合計は424人で、定員397人に対して1.07倍です。全国では0.88倍なので、定員より第一志望のほうが多い県です。ただしこの比は、そのまま個人の難易度にはなりません。誰がどこにマッチするかは、全員の順位登録と各プログラムの順位づけの組み合わせで決まります。なお第一志望者数は中間公表時点の断面値で、プログラム別の確定値は公表されません。

空いた11席がどこに出たか

兵庫でいちばん効いてくるのは、この11席の中身です。空席が出た6プログラムの内訳は次のとおりでした。

  • 公立豊岡病院……定員10人/マッチ7人/空席3/第一志望6人
  • 兵庫県立淡路医療センター……定員13人/マッチ10人/空席3/第一志望7人
  • 兵庫県立丹波医療センター……定員7人/マッチ5人/空席2/第一志望3人
  • 神戸大学医学部附属病院 産婦人科医育成コース……定員2人/マッチ1人/空席1/第一志望0人
  • 兵庫医科大学病院 小児科重点プログラム……定員2人/マッチ1人/空席1/第一志望1人
  • 医療法人川崎病院……定員2人/マッチ1人/空席1/第一志望1人

11席のうち8席は、公立豊岡病院・兵庫県立淡路医療センター・兵庫県立丹波医療センターという県立・公立の3院に出ています。残る3席は、いずれも定員2人の小さな枠です。うち2つは診療科名を冠したコースで、神戸大学の産婦人科医育成コースと兵庫医科大学の小児科重点プログラムです。空席の多寡は、立地・定員規模・併願のされ方に強く左右されます。診療科を冠したコースの位置づけは大学病院と市中病院どっちで扱っています。

県内で空席のある先は、この3院と定員2人の小さな枠に限られます。この点は他の県とかなり違います。たとえば埼玉は空席40席のうち32席が大学病院の枠で、大学病院を登録先に足す余地がありました。兵庫では大学病院の空席が2席しかなく、その手が使えません。低い倍率をどう読み分けるかはマッチングの穴場病院の見つけ方にまとめています。

大学病院は2つだけで、どちらもほぼ定員が埋まった

兵庫県内の大学病院は、神戸大学医学部附属病院と兵庫医科大学病院の2つです。合わせて8プログラム・定員118人で、県全体397人の3割弱にあたります。埼玉が46%、千葉が4割近くを大学病院で占めるのと比べると小さく、兵庫は市中病院が中心の県です。

しかもこの2つは、ほぼ埋まっています。大学病院全体で8プログラム・定員118人に対しマッチ116人、充足率98.3%。第一志望者数は53人で定員の0.45倍にとどまりますが、それでも席は埋まりました。第一志望者数が定員の半分以下でも定員が埋まるのは、第1志望の枠から外れた人が順位表の第2志望・第3志望へと順に照合されるからです。大学病院は併願先として登録されやすく第1志望率が低く出る傾向がある、という話です。[3]

県内で最も定員が大きいのは、「神戸大学病院群初期研修プログラムたすきがけコース」で、定員47人がすべて埋まりました。第一志望に選んでいた人は16人です。市中病院は43プログラム・定員279人で、第一志望者数は定員の1.33倍、充足率96.8%。第一志望者数が0だったプログラムは県内で1件だけです。定員が2人の枠では、第一志望に選ぶ人がいない年も起こりえます。県内のほぼすべてのプログラムに、そこを第1志望に選んだ人がいました。

ランキングは、何で並べるかで顔ぶれが変わる

病院単位で集計した場合でも、何で並べるかで結果は変わります。兵庫の病院を「第一志望者数の実数」で並べた場合と、「第一志望者数÷定員」で並べた場合で、両方とも上位10に入るのは5病院です。

  • 神戸市立医療センター中央市民病院……第一志望37人/定員15人(247%)
  • 兵庫県立尼崎総合医療センター……31人/23人(135%)
  • 兵庫医科大学病院……31人/54人(57%)
  • 兵庫県立はりま姫路総合医療センター……31人/15人(207%)
  • 加古川中央市民病院……28人/15人(187%)
  • 神戸大学医学部附属病院……22人/64人(34%)
  • 兵庫県立西宮病院……19人/11人(173%)
  • 市立伊丹病院……18人/13人(138%)
  • 甲南医療センター……18人/9人(200%)
  • 姫路赤十字病院……16人/14人(114%)

この並びには同数があります。2位から4位の兵庫県立尼崎総合医療センター・兵庫医科大学病院・兵庫県立はりま姫路総合医療センターはいずれも31人です。8位と9位の市立伊丹病院・甲南医療センターはいずれも18人です。同数の順序に意味はありません。比で並べると、定員の小さい市中病院が上位に集まります。

  • 川西市立総合医療センター……350%(第一志望7人/定員2人)
  • 神戸市立医療センター中央市民病院……247%(37人/15人)
  • 国立病院機構神戸医療センター……240%(12人/5人)
  • 兵庫県立はりま姫路総合医療センター……207%(31人/15人)
  • 甲南医療センター……200%(18人/9人)
  • 加古川中央市民病院……187%(28人/15人)
  • 神戸赤十字病院……183%(11人/6人)
  • 明石医療センター……183%(11人/6人)
  • 兵庫県立西宮病院……173%(19人/11人)
  • ツカザキ病院……160%(8人/5人)

両方に入っているのは、神戸市立医療センター中央市民病院・兵庫県立はりま姫路総合医療センター・加古川中央市民病院・兵庫県立西宮病院・甲南医療センターです。比の1位になった川西市立総合医療センターは定員2人なので、第一志望が7人いれば350%になります。定員が小さいほど比は振れやすくなる点には注意してください。

逆に兵庫医科大学病院と神戸大学医学部附属病院は実数では上位ですが、定員が54人・64人と大きいため比では下がります。ランキングの読み方の全体像は研修医マッチングの人気病院ランキングの読み方にまとめています。

この数字は、全国のどのあたりなのか

ここまでは兵庫の中だけで並べてきました。神戸市立医療センター中央市民病院の247%が全国でどのくらいの激しさなのかは、1,400件以上のプログラムの分布に並べ直すと見えてきます。公立豊岡病院の3席の空きも同じです。候補が増えるほど、全国の分布と突き合わせる手間は増えていきます。兵庫のように県内で候補が足りなくなる県では、他府県まで見渡す必要があるぶん、この手間はさらに増えます。

iwor はこの判断のために、JRMPの公表値から4つの指標を算出しています。

  • マッチ難易度:席を巡る「本気の競争」の激しさを偏差値化したもの。本気倍率=(志望者数×第1志望率)÷定員 をもとに算出します。定員が4人以下のプログラムは、値のブレを補正しています。4指標のなかで唯一、全国順位も出ます
  • 志望集中度:志望者のうち、そこを第1志望に選んだ人の割合。大学病院は低めに出る傾向があります(併願先として登録されやすいから、というのは iwor の見方です)
  • 穴場度:0〜100。空きやすさ(空席・低充足)と低倍率を主に、志望者の減少傾向を加味した値です
  • 安定度:0〜100。直近の充足の安定性に、充足の水準を加味した値。毎年安定して埋まっているほど高くなります

この記事で見てきた定員・マッチ者数・第一志望者数・空席は、いずれもこれらの指標の材料そのものです。とくに安定度は、そのプログラムが毎年安定して埋まっているかを1つの数字にしています。兵庫の51プログラムをプログラム単位のまま倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や区分で絞り込んだりできます。

いずれも席の取りやすさの目安であり、研修の質・教育体制の評価ではありません。公表値からの推定であって、合否や受け入れを保証するものでも、個人の合否を予測するものでもありません。主要な研修病院は兵庫県の研修病院に、51プログラム全件はアプリの病院データベースにあります。

県内で足りないぶんを、どこまで広げるか。

iwor は医師のためのワークスペースです。プログラム単位のまま、倍率・定員・充足率で並べ替えたり都道府県・区分で絞り込んだりできます。選んだ複数院の横並び比較と、マッチ難易度・穴場度・志望集中度・安定度の数字と、マッチ難易度の全国順位まで見られます。

無料ではじめる

この記事の数字の出どころ

本記事の数値は、医師臨床研修マッチング協議会が公表している資料から iwor が出しています。2025年度の研修プログラム別マッチ結果(募集定員・マッチ者数・空席数・希望順位登録学生数の確定値)と、中間公表(第一志望者数)です。集計の単位は公表資料と同じくプログラム単位で、病院単位の数字は同じ病院名のプログラムを足し合わせて算出しました。医学部を持つ大学の附属病院に限り、分院・医療センターも含めます。[1],[2]

本記事でいう第一志望者数とは、中間公表の前日14時時点で各プログラムを第1位で希望順位登録している参加者数です。中間公表の後も順位登録は変更できるため、最終結果とは一致しません。中間公表の位置づけはマッチングの中間公表とはで解説しています。[2]

よくある質問

兵庫の研修病院は結局どこから見ればいいですか

第一志望が集まっているのは次の5院です。神戸市立医療センター中央市民病院・兵庫県立はりま姫路総合医療センター・加古川中央市民病院・兵庫県立西宮病院・甲南医療センターです。研修の質の順位ではなく、候補を探す出発点として見てください。

兵庫は空席が少ないと、何が変わりますか

登録するプログラムの数を、県内だけで確保しにくくなります。空席は11席・6プログラムです。近畿の他府県まで候補を広げるか、日程の重ならない受験先を増やします。

神戸大学と兵庫医科大学は、どちらが入りやすいですか

2025年度はどちらも空席1で、ほぼ定員が埋まりました。数字からは差が出ません。たすきがけの有無や診療科を冠したコースがあるかで選ぶほうが実質的です。

大阪の病院と併願する場合、兵庫はどう位置づければいいですか

兵庫の定員397人は全国8位の規模ですが、充足率97.2%・空席11席で、滑り止めとして期待できる余地は小さいほうです。併願するなら日程の重複を先に確かめます。

まとめ

実数でも定員比でも県内上位に入るのは5院でした。神戸市立医療センター中央市民病院、兵庫県立はりま姫路総合医療センター、加古川中央市民病院、兵庫県立西宮病院、甲南医療センターです。そのうえで兵庫では、順位表を長くする先を県内だけで探さないことです。県全体の空席は11席で、うち8席は公立豊岡病院・兵庫県立淡路医療センター・兵庫県立丹波医療センターの3院に出ています。

大学病院は2つ合わせて充足率98.3%で、空いたのは定員2人の診療科別コースが1席ずつ。他県で使える「大学病院を登録先に足す」という手が、兵庫では使えません。登録数を増やすなら、行ってもよいと言えて、実際に採用試験を受けた範囲で、近畿の他府県まで含めて候補を組んでください。

出典

  1. 1.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修プログラム別マッチ結果」 jrmp2.jp(2026-08-04 取得)
  2. 2.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2025年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」 jrmp2.jp(2026-08-04 取得)
  3. 3.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修医マッチングの結果(記者発表資料・2025年10月23日)」 jrmp2.jp(2026-09-18 取得)
  4. 4.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2026年度版 研修医マッチングの手引き【6年生用・既卒者用】」 jrmp.jp(2026-08-04 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

関連記事

空席が11席しかない県で、候補をどこまで広げるか。

兵庫の51プログラムを倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や区分で絞り込んだりできます。マッチ難易度・穴場度・志望集中度・安定度の数字と、マッチ難易度の全国順位まで見られます。数字は席の取りやすさの目安で、研修の質の評価でも、合否の保証でもありません。