コンテンツへスキップ
マッチング

埼玉の研修病院はどこを受けるか|第一志望が多い6院と、空席40席の8割が大学病院(2025年度)

iwor 編集部15分で読めます
研修病院えらびなら iwor。自己分析から病院比較・見学・面接まで、ひとつの場所で。
目次

埼玉で第一志望が集まっているのは次の6院です。さいたま市立病院・さいたま赤十字病院・川口市立医療センター・国立病院機構埼玉病院・上尾中央総合病院・さいたま市民医療センター。[1],[2]

もうひとつ、埼玉で先に知っておいたほうがよいことがあります。県全体で40席が空きましたが、そのうち32席は大学病院の枠で、さらにその29席が埼玉医科大学の3病院に集まっています。市中病院で空いたのは8席だけです。「埼玉は東京の隣だから空いている」という読みは、市中病院については当たりません。なお、席が空いていることと入りやすさは別です。採用試験を受けて病院側の順位表に載ることが前提です。

候補をどこから集めるか

登録する順番は、自分が行きたい順です。マッチングの希望順位登録に書いたとおり、順位を実際の志望と違う順に付け替えても有利にはなりません。以下は候補の探し方であって、登録する順番の指示ではありません。動かせるのは、採用試験を受けて「行ってもよい」と言えるプログラムを1つでも多く登録することです。

  • まず見る……第一志望が集まっている6院を軸に、自分の条件で絞る。さいたま市立・さいたま赤十字・川口市立医療センター・国立病院機構埼玉病院・上尾中央総合・さいたま市民医療センター
  • 次に見る……定員6〜10人で、定員に対する第一志望者数が1.1〜2.0倍の市中病院。埼玉県済生会加須病院200%・熊谷総合病院183%・春日部市立医療センター171%。戸田中央総合病院144%・彩の国東大宮メディカルセンター113%・埼玉石心会病院110%など
  • 採用試験を受けたうえで「行ってもよい」と言える範囲で足す……大学病院。6つを同じ扱いにはしない。空席が出たのは埼玉医科大学病院15席・埼玉医科大学国際医療センター10席・埼玉医科大学総合医療センター4席。ほかに北里大学メディカルセンター2席・獨協医科大学埼玉医療センター1席。自治医科大学附属さいたま医療センターは第一志望39人で定員が埋まりました
[2],[1]

空席の出た枠を順位表に入れておく意味は、ひとことで言えば受け皿になりうるからです。受け皿になるには、条件が2つあります。

  • 病院側の順位表にも載っていること……採用試験を受けても載るとは限りません。JRMPは「参加病院は、採用試験の結果に基づいて採用しても良いと考える受験者のみを希望順位登録しますので、アルゴリズム上、そのようなケースも発生します」と明記しています
  • 行ってもよいと言える枠であること……マッチしたあとは基本的に動かせません
[4]

空席が残ったのは、そこを希望して病院側の順位表にも載っていた人が、全員より上の希望に入れたからです。これはJRMPが用いるゲール・シャープレーのアルゴリズムからの帰結で、公表資料にある記述ではありません。裏を返せば、第1希望に空席があるのに自分はアンマッチ、も起こります。2025年度のアンマッチは741人でした。残った席が二次募集に回ることもありますが、募集を出さない病院もあります(マッチングでアンマッチだったら)。

空席が出るかどうかは年によって動きます。2025年度に空いたからといって2026年度も空くとは限りません。行ってもよいと言える範囲で、空席の実績がある枠を複数登録しておくと、アンマッチの可能性を下げる方向には働きます。ただしそれも病院側の順位表に載っていることが前提です。順位表の作り方そのものはマッチングの希望順位登録を参照してください。

埼玉県全体の数字

2025年度のマッチングで、埼玉県には55のプログラムがあり、36の病院に分かれています。この36という数は、埼玉県が発行している臨床研修病院ガイドブックの掲載数と一致します。ガイドブックは防衛医科大学校病院を除く36病院を載せています。[1],[6]

募集定員の合計は451人、マッチした人数は411人で、充足率は91.1%でした。全国のプログラムを合算した充足率は84.6%で、それを上回る県です。空席は40席、空席が出たプログラムは14件でした。複数のプログラムを持つ病院は7つあり、最も多いのは国立病院機構埼玉病院の6プログラムです。

第一志望者数の合計は483人で、定員451人に対して1.07倍です。全国では0.88倍なので、定員より第一志望のほうが多い県です。この1.07倍は、定員100人以上の37都道府県のなかで5番目の高さです。大阪1.23倍・東京1.15倍・神奈川1.13倍・福岡1.11倍に次ぎます。

ただしこの比は、そのまま個人の難易度にはなりません。誰がどこにマッチするかは、全員の順位登録と各プログラムの順位づけの組み合わせで決まります。なお第一志望者数は中間公表時点の断面値で、プログラム別の確定値は公表されません。

埼玉は医師が少ない県だが、市中病院の席は埋まっている

埼玉県は、人口10万人当たりの医師数が189.1人で全国最下位だと公表しています。医師総数では全国7位ですが、人口が急増してきたぶん、1人あたりで見ると最も少なくなります。この事実から「だから研修先も余っているのだろう」と考えるのは、初期研修に限っては当たりません。[5]

同じ県が、臨床研修医の受け入れについては別のことを公表しています。現在の臨床研修制度が始まった平成15年からの増加数は338人で全国第1位、伸び率も3.86倍で全国第1位。つまり、医師が足りない県であることと、初期研修の枠が取りやすいことは別の話です。[5]

JRMPの数字でも同じ形が出ます。市中病院は36プログラム・定員242人で、第一志望者数は定員の1.48倍、充足率は96.7%。ほぼ埋まっています。一方、大学病院は19プログラム・定員209人で、第一志望者数は定員の0.60倍、充足率84.7%です。[1],[2]

県全体の空席40席のうち32席、8割は大学病院の枠でした。「埼玉は空いている」が成り立つのは大学病院についてだけで、市中病院については成り立ちません。大学病院と市中病院の選び方そのものは大学病院と市中病院どっちで扱っています。

空席32席のうち29席が、3つの病院に集まっている

埼玉県内の大学病院は6つです。定員の合計は209人で、県全体451人のおよそ46%を占めます。ところがこの6つは、埋まり方がまったく違います。[3]

  • 自治医科大学附属さいたま医療センター……3プログラム/定員28人/マッチ28人/空席0/第一志望39人
  • 獨協医科大学埼玉医療センター……4プログラム/定員50人/マッチ49人/空席1/第一志望24人
  • 埼玉医科大学総合医療センター……3プログラム/定員50人/マッチ46人/空席4/第一志望27人
  • 北里大学メディカルセンター……1プログラム/定員10人/マッチ8人/空席2/第一志望3人
  • 埼玉医科大学国際医療センター……3プログラム/定員16人/マッチ6人/空席10/第一志望3人
  • 埼玉医科大学病院……5プログラム/定員55人/マッチ40人/空席15/第一志望29人
[1],[2]

県全体の空席40席のうち32席は大学病院の枠です。その32席のうち29席は、埼玉医科大学の3病院に集中しています。内訳は大学病院15席・国際医療センター10席・総合医療センター4席。残る3席は北里大学メディカルセンターの2席と獨協医科大学埼玉医療センターの1席で、自治医科大学附属さいたま医療センターは定員が埋まりました。「埼玉の大学病院」という括りでは判断できません。なお大学病院は併願先として登録されやすく第1志望率が低く出る傾向があり、空席の数は研修の質や教育体制の評価とは関係がありません。

さらに細かく見ると、同じ名前のプログラムでも病院によって結果が違います。「埼玉医科大学3病院自由選択プログラム」は3つの病院それぞれに定員を持って登録されています。定員44人の総合医療センターは埋まりました。定員38人の埼玉医科大学病院は9席、定員12人の国際医療センターは8席が空きました。[1],[2]

プログラム名が同じでも、どこで登録するかで席の埋まり方が変わっています。病院名やプログラム名の括りではなく、登録単位ごとの数字を見ます。低い倍率をどう読み分けるかはマッチングの穴場病院の見つけ方にまとめています。

第一志望者数が0だったプログラムは県内で7件あり、うち6件は大学病院です。定員2人の小さな枠が4件、定員4人が3件でした。第一志望0でも定員が埋まったプログラムもあります。獨協医科大学埼玉医療センターの産科婦人科プログラム、自治医科大学附属さいたま医療センターの小児科研修プログラム、市中では秀和総合病院です。

第一志望者数は中間公表時点の断面値で、その後の登録変更は反映されません。定員の小さい枠でも、そのプログラムを順位表に登録した学生数は公表されています。自治医科大学附属さいたま医療センターの小児科研修プログラムは定員2人・第一志望0で、登録した学生は27人でした。ここを「狙い目」と読み替えないでください。

ランキングは、何で並べるかで顔ぶれが変わる

病院単位で集計した場合でも、何で並べるかで結果は変わります。埼玉の病院を「第一志望者数の実数」で並べた場合と、「第一志望者数÷定員」で並べた場合で、両方とも上位10に入るのは6病院です。[2],[1]

  • さいたま市立病院……第一志望68人/定員14人(486%)
  • さいたま赤十字病院……40人/14人(286%)
  • 自治医科大学附属さいたま医療センター……39人/28人(139%)
  • 川口市立医療センター……35人/12人(292%)
  • 国立病院機構埼玉病院……35人/18人(194%)
  • 上尾中央総合病院……29人/19人(153%)
  • 埼玉医科大学病院……29人/55人(53%)
  • 埼玉医科大学総合医療センター……27人/50人(54%)
  • 獨協医科大学埼玉医療センター……24人/50人(48%)
  • さいたま市民医療センター……21人/8人(263%)
[2],[1]

この並びには同数が2組あります。4位と5位の川口市立医療センターと国立病院機構埼玉病院がともに35人、6位と7位の上尾中央総合病院と埼玉医科大学病院がともに29人です。いずれも上位10の内側なので、10位までの顔ぶれは変わりません。比で並べると、定員の小さい市中病院が上位に集まります。

  • さいたま市立病院……486%(第一志望68人/定員14人)
  • 川口市立医療センター……292%(35人/12人)
  • さいたま赤十字病院……286%(40人/14人)
  • さいたま市民医療センター……263%(21人/8人)
  • 埼玉県済生会加須病院……200%(14人/7人)
  • 国立病院機構埼玉病院……194%(35人/18人)
  • 熊谷総合病院……183%(11人/6人)
  • 春日部市立医療センター……171%(12人/7人)
  • 上尾中央総合病院……153%(29人/19人)
  • 戸田中央総合病院……144%(13人/9人)
[2],[1]

両方に入っているのは、さいたま市立病院・さいたま赤十字病院・川口市立医療センター・国立病院機構埼玉病院・上尾中央総合病院・さいたま市民医療センターです。自治医科大学附属さいたま医療センターは実数では3位ですが、定員28人に対する比では139%で11位になり、比の上位10からは外れます。

定員が小さいほど比は振れやすくなる点には注意してください。ランキングの読み方の全体像は研修医マッチングの人気病院ランキングの読み方にまとめています。関東1都6県の比較は関東の人気研修病院はどこかにあります。

なかでもさいたま市立病院の一般コースは、定員12人に対して第一志望が63人でした。定員10人以上のプログラムのなかでは、武蔵野赤十字病院・川崎市立川崎病院に次ぐ3番目の比です。この2院はともに定員10人・第一志望60人でした。ここを第1志望に置く場合は、他の候補を順位表に十分な数だけ並べておいてください。[2],[1]

この数字は、全国のどのあたりなのか

ここまでは埼玉の中だけで並べてきました。実際に志望先を決めるときに効いてくるのは「この数字は全国で見てどのくらいなのか」です。自分の志望先の数字が全国では何番目なのかは、残り1,400件以上のプログラムの分布を知らないと分かりません。候補が増えるほど、全国の分布と突き合わせる手間は増えていきます。

iwor はこの判断のために、JRMPの公表値から4つの指標を算出しています。

  • マッチ難易度:席を巡る「本気の競争」の激しさを偏差値化したもの。本気倍率=(志望者数×第1志望率)÷定員 をもとに算出します。定員が4人以下のプログラムは、値のブレを補正しています。4指標のなかで唯一、全国順位も出ます
  • 志望集中度:志望者のうち、そこを第1志望に選んだ人の割合。大学病院は低めに出る傾向があります(併願先として登録されやすいから、というのは iwor の見方です)
  • 穴場度:0〜100。空きやすさ(空席・低充足)と低倍率を主に、志望者の減少傾向を加味した値です
  • 安定度:0〜100。直近の充足の安定性に、充足の水準を加味した値。毎年安定して埋まっているほど高くなります

この記事で見てきた定員・マッチ者数・第一志望者数・空席は、いずれもこれらの指標の材料そのものです。とくに志望集中度は、志望者のうち何割がそのプログラムを第1志望にしているかを示します。大学病院は併願先として登録されやすく、低めに出ます。埼玉の55プログラムをプログラム単位のまま倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や区分で絞り込んだりできます。

いずれも公表値からの推定で、席の取りやすさの目安です。研修の質の評価でも、個人の合否の予測でもありません。主要な研修病院は埼玉県の研修病院で一覧にしています。55プログラム全件はアプリの病院データベースで絞り込めます。

埼玉の55プログラムを、埋まり方まで見て選ぶ。

iwor は医師のためのワークスペースです。プログラム単位のまま、倍率・定員・充足率で並べ替えたり都道府県・区分で絞り込んだりできます。選んだ複数院の横並び比較と、マッチ難易度・穴場度・志望集中度・安定度の数字と、マッチ難易度の全国順位まで見られます。

無料ではじめる

この記事の数字の出どころ

本記事の数値は、医師臨床研修マッチング協議会が公表している資料から iwor が出しています。募集定員・マッチ者数・空席数・希望順位登録学生数の確定値は、2025年度の研修プログラム別マッチ結果から。第一志望者数は中間公表からです。集計の単位は公表資料と同じくプログラム単位で、病院単位の数字は同じ病院名のプログラムを足し合わせて算出しました。医学部を持つ大学の附属病院に限り、分院・医療センターも含めます。北里大学メディカルセンターは医学部を持つ北里大学の附属施設なので大学病院に分類しています。[1],[2]

本記事でいう第一志望者数とは、中間公表の前日14時時点で各プログラムを第1位で希望順位登録している参加者数です。中間公表の後も順位登録は変更できるため、最終結果とは一致しません。中間公表の位置づけはマッチングの中間公表とはで解説しています。医師数に関する記述は、埼玉県総合医局機構が公表している集計に基づきます。[2],[5]

よくある質問

埼玉の研修病院は結局どこから見ればいいですか

第一志望が集まっているのは次の6院です。さいたま市立病院・さいたま赤十字病院・川口市立医療センター・国立病院機構埼玉病院・上尾中央総合病院・さいたま市民医療センターです。研修の質の順位ではなく、候補を探す出発点として見てください。

埼玉は医師が少ない県だから、研修先も入りやすいですか

初期研修では当てはまりません。人口10万人当たり医師数は全国最下位ですが、市中病院の充足率は96.7%です。空きが出た40席のうち32席は大学病院です。

埼玉医科大学の3つの病院は、何が違いますか

2025年度は埋まり方が違いました。総合医療センターは空席4、埼玉医科大学病院は15、国際医療センターは10です。3つをまとめると、この違いが消えます。

東京の病院と併願する場合、埼玉はどう位置づければいいですか

埼玉の定員451人は全国6位の規模で、選択肢としては十分あります。併願するなら日程の重複を先に確かめます。関東全体は関東の人気研修病院にあります。

まとめ

候補は、実数でも定員比でも県内上位に入る6院から。さいたま市立・さいたま赤十字・川口市立医療センター・国立病院機構埼玉病院・上尾中央総合・さいたま市民医療センターです。登録先には大学病院も入れますが、埼玉では6つをひとくくりにしないことです。空席40席のうち32席は大学病院の枠で、その29席は埼玉医科大学の3病院に集まっています。

一方、自治医科大学附属さいたま医療センターは第一志望39人で定員が埋まりました。市中病院は充足率96.7%でほぼ埋まっており、人口あたりの医師数が全国最下位であることは、初期研修の席の取りやすさとは結びついていません。病院名の括りではなく、プログラムごとの数字を見てください。隣県の群馬は群馬の研修病院はどこを受けるかで分解しています。

出典

  1. 1.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修プログラム別マッチ結果」 jrmp2.jp(2026-08-04 取得)
  2. 2.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2025年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」 jrmp2.jp(2026-08-04 取得)
  3. 3.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修医マッチングの結果(記者発表資料・2025年10月23日)」 jrmp2.jp(2026-09-18 取得)
  4. 4.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2026年度版 研修医マッチングの手引き【6年生用・既卒者用】」 jrmp.jp(2026-08-04 取得)
  5. 5.一次資料埼玉県総合医局機構(埼玉県保健医療部医療人材課)「埼玉県の医師の状況(人口10万人当たり医師数・臨床研修医数の推移)」 kobaton-med.jp(2026-08-04 取得)
  6. 6.一次資料埼玉県総合医局機構(埼玉県保健医療部医療人材課)「埼玉県内での臨床研修について(埼玉県臨床研修病院ガイドブック2026・県内36病院)」 kobaton-med.jp(2026-08-04 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

関連記事

空きがどこに出たかまで、見てから決める。

埼玉の55プログラムを倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や区分で絞り込んだりできます。マッチ難易度・穴場度・志望集中度・安定度の数字と、マッチ難易度の全国順位まで見られます。数字は席の取りやすさの目安で、研修の質の評価でも、合否の保証でもありません。