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マッチング

三重の研修病院はどこを受けるか|46席の空きは18中14プログラムに散らばる(2025年度)

iwor 編集部11分で読めます
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目次

三重で第一志望者数の実数でも定員に対する比でも上位5に入るのは4病院です。市立四日市病院・国立病院機構三重中央医療センター・三重県立総合医療センター・松阪中央総合病院です。そのうえで三重は、県全体で46席が空いた県でもあります。岐阜や群馬と違うのは、その空席が1か所に集まらず、18プログラムのうち14に散らばっている点です。空席が出た枠を受け皿にできるのは、採用試験を受けて、行ってもよいと言える範囲で順位表に書いた人だけです。[1],[2]

候補をどこから集めるか

登録する順番は、自分が行きたい順です。マッチングの希望順位登録に書いたとおり、順位を実際の志望と違う順に付け替えても有利にはなりません。以下は候補の探し方であって、登録する順番の指示ではありません。動かせるのは、採用試験を受けて「行ってもよい」と言えるプログラムを1つでも多く登録することです。

  • まず見る……第一志望が実数でも比でも集まっている4病院(市立四日市・三重中央医療センター・県立総合医療センター・松阪中央)を軸に、自分の条件で絞る
  • 次に見る……定員が大きく比は届かない病院(伊勢赤十字病院は第一志望8人・定員18人、桑名市総合医療センターは3人・13人)
  • 採用試験を受けたうえで「行ってもよい」と言える範囲で足す……空席が出たプログラム。三重では14プログラム・46席が空きました
[2],[1]

空席の出た枠を順位表に入れておく意味は、ひとことで言えば受け皿になりうるからです。受け皿になるには、条件が2つあります。

  • 病院側の順位表にも載っていること……採用試験を受けても載るとは限りません。JRMPは「参加病院は、採用試験の結果に基づいて採用しても良いと考える受験者のみを希望順位登録しますので、アルゴリズム上、そのようなケースも発生します」と明記しています
  • 行ってもよいと言える枠であること……マッチしたあとは基本的に動かせません
[4]

空席が残ったのは、そこを希望して病院側の順位表にも載っていた人が、全員より上の希望に入れたからです。これはJRMPが用いるゲール・シャープレーのアルゴリズムからの帰結で、公表資料にある記述ではありません。裏を返せば、第1希望に空席があるのに自分はアンマッチ、も起こります。2025年度のアンマッチは741人でした。残った席が二次募集に回ることもありますが、募集を出さない病院もあります(マッチングでアンマッチだったら)。

空席が出るかどうかは年によって動きます。2025年度に空いたからといって2026年度も空くとは限りません。行ってもよいと言える範囲で、空席の実績がある枠を複数登録しておくと、アンマッチの可能性を下げる方向には働きます。ただしそれも病院側の順位表に載っていることが前提です。順位表の作り方そのものはマッチングの希望順位登録を参照してください。

三重県全体の数字

まず全体を見ます。2025年度のマッチングで、三重県には18のプログラムがあり、16の病院に分かれています。募集定員の合計は165人、マッチした人数は119人で、充足率は72.1%でした。全国のプログラムを合算した充足率は84.6%ですから、それを12ポイント以上下回ります。隣の愛知は90.9%です。[1]

もう一つの指標が第一志望者数です。三重のプログラムを第1位で希望順位登録した人は合計111人で、定員165人に対して0.67倍にあたります。全国では0.88倍ですから、定員のほうが第一志望より多い県です。ただしこの比は、そのまま個人の難易度にはなりません。誰がどこにマッチするかは、全員の順位登録と各プログラムの順位づけの組み合わせで決まります。なお第一志望者数は中間公表時点の断面値で、プログラム別の確定値は公表されません。[2],[1]

空席は、1か所に集まっていない

46席という数字だけを見ると、どこか大きな枠が丸ごと余ったように読めます。三重は違います。空席が出たのは18プログラム中14で、定員どおり埋まったのは4プログラムだけでした。ひとつの病院に集中するのではなく、県内に薄く広がった形です。[1]

最も多いのは伊勢赤十字病院の9席です。定員18人に対しマッチは9人でしたが、このプログラムを希望順位表に登録した学生は29人いました。29人が登録して、マッチしたのは9人です。プログラム単位で次に多いのは松阪市民病院と三重北医療センターいなべ総合病院の各5席、済生会松阪総合病院の4席です。なお病院単位で足すと、3プログラムを持つ三重大学医学部附属病院が計7席になります。[1]

空席を「狙い目」と読み替えないでください。登録した人が少なかったから空いた枠もあれば、登録は多くても病院側の順位表との噛み合わせで空いた枠もあります。応募要件や研修内容もプログラムごとに違います。低い倍率をどう読み分けるかはマッチングの穴場病院の見つけ方にまとめています。

大学病院と市中病院で、数字がほとんど変わらない

多くの県では、大学病院と市中病院を分けると2つの数字がはっきり割れます。三重はそうなりません。

  • 大学病院……3プログラム/定員30人/第一志望者数は定員の0.67倍/充足率76.7%
  • 市中病院……15プログラム/定員135人/第一志望者数は定員の0.67倍/充足率71.1%
[3],[1],[2]

大学病院の比が低く出るのは、併願先として順位表の下位に登録されやすく、第1位に置かれにくいからです。全国ではこの差が数字に出ていて、大学病院は第一志望者数が定員の0.49倍、市中病院は1.13倍です。三重はどちらも0.67倍で、差がありません。

充足率も同じ向きです。三重の大学病院の76.7%は全国の大学病院78.0%とほぼ同じ水準ですが、市中病院の71.1%は全国の市中病院88.7%を17ポイント以上下回ります。大学病院と市中病院の違いそのものは大学病院と市中病院を数字で比較するで扱っています。[3],[1]

ランキングは、何で並べるかで顔ぶれが変わる

病院単位で集計した場合、何で並べるかで結果は変わります。三重の病院を「第一志望者数の実数」で並べた場合と、「第一志望者数÷定員」で並べた場合で、上位5に共通して入るのは4病院でした。

実数で並べると、定員の大きい病院が上位に来ます。

  • 三重大学医学部附属病院……第一志望20人/定員30人(67%)
  • 市立四日市病院……15人/15人(100%)
  • 国立病院機構三重中央医療センター……13人/10人(130%)
  • 三重県立総合医療センター……12人/10人(120%)
  • 松阪中央総合病院……10人/12人(83%)
[2],[1]

比で並べると、定員の小さい市中病院が上位に集まります。

  • 国立病院機構三重中央医療センター……130%(第一志望13人/定員10人)
  • 三重県立総合医療センター……120%(12人/10人)
  • 市立四日市病院……100%(15人/15人)
  • 岡波総合病院……100%(3人/3人)
  • 松阪中央総合病院……83%(10人/12人)
[2],[1]

両方に入っているのは、市立四日市病院・三重中央医療センター・県立総合医療センター・松阪中央総合病院の4病院です。定員が小さいほど比は振れやすくなります。岡波総合病院の100%は定員3人に対する第一志望3人で、1人の増減が33ポイント動く規模です。ランキングの読み方の全体像は研修医マッチングの人気病院ランキングの読み方にまとめています。[2],[1]

なお、三重で複数のプログラムを持つ病院は三重大学医学部附属病院だけです。ほかの15病院は1病院1プログラムなので、病院単位の数字とプログラム単位の数字がほぼそのまま一致します。[1]

この数字は、全国のどのあたりなのか

ここまでは三重の中だけで並べてきました。実際に志望先を決めるときに効いてくるのは「この数字は全国で見てどのくらいなのか」です。自分の志望先の数字が全国では何番目なのかは、残り1,400件以上のプログラムの分布を知らないと分かりません。候補が増えるほど、全国の分布と突き合わせる手間は増えていきます。

iwor はこの判断のために、JRMPの公表値から4つの指標を算出しています。

  • マッチ難易度:席を巡る「本気の競争」の激しさを偏差値化したもの。本気倍率=(志望者数×第1志望率)÷定員 をもとに算出します。定員が4人以下のプログラムは、値のブレを補正しています。4指標のなかで唯一、全国順位も出ます
  • 志望集中度:志望者のうち、そこを第1志望に選んだ人の割合。大学病院は低めに出る傾向があります(併願先として登録されやすいから、というのは iwor の見方です)
  • 穴場度:0〜100。空きやすさ(空席・低充足)と低倍率を主に、志望者の減少傾向を加味した値です
  • 安定度:0〜100。直近の充足の安定性に、充足の水準を加味した値。毎年安定して埋まっているほど高くなります

この記事で見てきた定員・マッチ者数・第一志望者数・空席は、いずれもこれらの指標の材料そのものです。三重の18プログラムをプログラム単位のまま倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や区分で絞り込んだりできます。

いずれも席の取りやすさの目安であり、研修の質・教育体制の評価ではありません。公表値からの推定であって、合否や受け入れを保証するものでも、個人の合否を予測するものでもありません。主要な研修病院は三重県の研修病院に、18プログラム全件はアプリの病院データベースにあります。

三重の18プログラムを、合算せずに1つずつ見る。

iwor は医師のためのワークスペースです。プログラム単位のまま、倍率・定員・充足率で並べ替えたり都道府県・区分で絞り込んだりできます。選んだ複数院の横並び比較と、マッチ難易度・穴場度・志望集中度・安定度の数字と、マッチ難易度の全国順位まで見られます。

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この記事の数字の出どころ

本記事の数値は、医師臨床研修マッチング協議会が公表している資料から iwor が出しています。2025年度の研修プログラム別マッチ結果(募集定員・マッチ者数・空席数・希望順位登録学生数の確定値)と、中間公表(第一志望者数)。そして記者発表資料(大学病院・臨床研修病院の区分)です。[1],[2],[3]

集計の単位は公表資料と同じくプログラム単位です。病院単位の数字は同じ病院名のプログラムを足し合わせて出し、大学病院と臨床研修病院の区分は記者発表資料にそろえました。[1],[2],[3]

本記事でいう第一志望者数とは、中間公表の前日14時時点で各プログラムを第1位で希望順位登録している参加者数です。中間公表の後も順位登録は変更できるため、最終結果とは一致しません。中間公表の位置づけはマッチングの中間公表とはで解説しています。[2]

よくある質問

三重の研修病院は結局どこから見ればいいですか

第一志望が実数でも定員比でも上位に入るのは、市立四日市・三重中央医療センター・県立総合医療センター・松阪中央の4院です。研修の質の順位ではなく、候補を探す出発点として見てください。

三重は46席も空いたのだから、入りやすいということですか

県として席が余ったことと、志望先に入れることは別です。最も空いた枠でも、29人が登録してマッチは9人でした。定員どおり埋まったプログラムも4つあります。

三重は大学病院のほうが埋まっているのですか

2025年度はそうでした。大学病院の充足率76.7%に対し、市中病院は71.1%です。全国では逆で、大学病院78.0%・市中病院88.7%でした。

第一志望者が多いプログラムは避けたほうがいいですか

順位の付け方を変える理由にはなりません。アルゴリズムには「耐戦略性」があり、行きたい順に登録するのが最良です。不安なら、採用試験を受けて行ってもよいと思えるプログラムを順位表に足します。

まとめ

実数でも定員比でも県内上位5に入るのは、市立四日市・三重中央医療センター・県立総合医療センター・松阪中央の4院でした。採用試験を受けて行ってもよいと言える枠を、複数登録しておきます。三重は18プログラム・16病院で、定員165人に対しマッチ119人・充足率72.1%、14プログラムに計46席の空きが出た県です。

空席が1か所に集まらないこと、そして大学病院と市中病院で数字がほとんど変わらないことが、岐阜や群馬との違いです。県全体の充足率72.1%を、自分が受けるプログラムの競争と取り違えないことです。隣県の愛知は愛知の研修病院はどこを受けるかで分解しています。

出典

  1. 1.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修プログラム別マッチ結果」 jrmp2.jp(2026-09-19 取得)
  2. 2.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2025年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」 jrmp2.jp(2026-09-19 取得)
  3. 3.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修医マッチングの結果(記者発表資料・2025年10月23日)」 jrmp2.jp(2026-09-19 取得)
  4. 4.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2026年度版 研修医マッチングの手引き【6年生用・既卒者用】」 jrmp.jp(2026-09-19 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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