京都の研修病院はどこを受けるか|第一志望が定員を上回った8院と、空席が5席しかない府(2025年度)
目次
京都で第一志望者数が定員を上回ったのは8院です。そのうち第一志望者数の実数でも府内上位に入るのは6院です。京都第一赤十字病院・国立病院機構京都医療センター・京都桂病院・京都市立病院・宇治徳洲会病院・京都岡本記念病院です。[1],[2],[4]
そして京都には、先に知っておくべき事情があります。大学病院が府全体の定員248人のうち138人、56%を占めていて、その12プログラムがすべて埋まりました。府全体の空席は5席だけで、しかもすべて市中病院です。他府県で使える「空席の出た大学病院を登録先に足す」というやり方が、京都では成り立ちません。
なお、席が空いていることと入りやすさは別です。採用試験を受けて病院側の順位表に載ることが前提です。
候補をどこから集めるか
登録する順番は、自分が行きたい順です。順位を実際の志望と違う順に付け替えても、有利にはなりません。動かせるのは、採用試験を受けて「行ってもよい」と言えるプログラムを1つでも多く登録することです。以下は候補の探し方であって、登録する順番の指示ではありません。[4]
- まず見る……第一志望が定員を上回り、実数でも府内上位に入る6院を軸に、自分の条件で絞る
- 次に見る……第一志望が定員ちょうど前後の病院。100%が京都第二赤十字・京都済生会・京都府立医科大学附属北部医療センターの3院、ほかに京都中部総合医療センター80%、京都民医連中央病院75%など
- 採用試験を受けたうえで「行ってもよい」と言える範囲で足す……空席が出たのは4プログラム・5席だけです。新京都南病院2席・京都鞍馬口医療センター1席・綾部市立病院1席・市立福知山市民病院1席で、いずれも定員2〜5人の枠です
以上は候補の探し方で、順位表に書く順とは別です。
空席の出た枠を順位表に入れておく意味は、ひとことで言えば受け皿になりうるからです。受け皿になるには、条件が2つあります。
- 病院側の順位表にも載っていること……採用試験を受けても載るとは限りません。JRMPは「参加病院は、採用試験の結果に基づいて採用しても良いと考える受験者のみを希望順位登録しますので、アルゴリズム上、そのようなケースも発生します」と明記しています
- 行ってもよいと言える枠であること……マッチしたあとは基本的に動かせません
空席が残ったのは、そこを希望して病院側の順位表にも載っていた人が、全員より上の希望に入れたからです。これはJRMPが用いるゲール・シャープレーのアルゴリズムからの帰結で、公表資料にある記述ではありません。裏を返せば、第1希望に空席があるのに自分はアンマッチ、も起こります。2025年度のアンマッチは741人でした。残った席が二次募集に回ることもありますが、募集を出さない病院もあります(マッチングでアンマッチだったら)。
京都で効いてくるのは、受け皿になる空席が府内にほとんどないことです。空席5席は、定員248人の府としては極端に少ない数です。
空席が出るかどうかは年で動くので、2025年度に空いたからといって2026年度も空くとは限りません。それを差し引いても、府内で登録できる候補の数には限りがあります。登録数を増やしたいなら、近畿の他府県まで候補を広げます。
- 順位表に書けるのは、行ってもよいと言えて、実際に採用試験を受けたプログラムだけ
- 書いても、病院側の順位表に載っていなければマッチしません
- 希望順位登録は最終締切まで追加も変更もできます。JRMPは、中間公表を見て不安になったときは順位を入れ替えるのではなく、登録するプログラムを増やすよう案内しています
不安がある場合はマッチングでアンマッチだったらを先に読んでおいてください。大阪の内訳は大阪の研修病院はどこを受けるかにあります。兵庫は兵庫の研修病院はどこを受けるかです。近畿2府4県の比較は関西の人気研修病院はどこかにあります。
京都府全体の数字
2025年度のマッチングで、京都府には34のプログラムがあり、23の病院に分かれています。募集定員の合計は248人、マッチした人数は243人で、充足率は98.0%でした。全国全体の充足率が84.6%なので、かなり埋まる府です。47都道府県で見ると、大阪の98.2%に次ぐ2位にあたります。空席は5席、空席が出たプログラムは4件でした。複数のプログラムを持つ病院は3つです。[1]
第一志望者数の合計は223人で、定員248人に対して0.90倍です。全国全体では0.88倍なので、ほぼ同じ水準です。定員に対して第一志望が少ないのに充足率は全国で2番目に高い、という組み合わせになっています。ただしこの比は、そのまま個人の難易度にはなりません。誰がどこにマッチするかは、全員の順位登録と各プログラムの順位づけの組み合わせで決まります。なお第一志望者数は中間公表時点の断面値で、プログラム別の確定値は公表されません。[2],[1]
大学病院が定員の56%を占め、1席も空かなかった
京都でいちばん効いてくるのがこれです。府内の大学病院は、京都大学医学部附属病院・京都府立医科大学附属病院・京都府立医科大学附属北部医療センターの3つ。合わせて12プログラム・定員138人で、府全体248人の56%にあたります。そして12プログラムすべてが定員どおりに埋まり、空席は0でした。充足率100.0%です。[1]
- 京都大学医学部附属病院……5プログラム/定員72人/マッチ72人/空席0/第一志望37人。第一志望者数は府内で最多です
- 京都府立医科大学附属病院……6プログラム/定員63人/マッチ63人/空席0/第一志望34人
- 京都府立医科大学附属北部医療センター……1プログラム/定員3人/マッチ3人/空席0/第一志望3人
大学病院全体では第一志望者数が74人で、定員138人に対して0.54倍です。第一志望に選んだ人が定員の半分程度でも定員が埋まるのは、第1志望の枠から外れた人が順位表の第2志望・第3志望へと順に照合されるからです。大学病院は併願先として登録されやすく第1志望率が低く出る、というのが iwor の見方です。大学病院と市中病院の選び方そのものは大学病院と市中病院どっちで扱っています。[3]
この構図は、他の県とはっきり違います。たとえば埼玉では空席40席のうち32席が大学病院の枠で、大学病院を登録先に足す余地がありました。埼玉の研修病院はどこを受けるかで扱っています。京都では大学病院の空席が0なので、その手が使えません。市中病院は22プログラム・定員110人で、第一志望者数は定員の1.35倍、充足率95.5%。府内で空いた5席は、すべてこちら側に出ています。
空席の内訳は4件です。[1]
- 新京都南病院臨床研修プログラム……2席(定員2人)
- 京都鞍馬口医療センター臨床研修プログラム……1席(定員2人)
- 綾部市立病院臨床研修プログラム……1席(定員2人)
- 市立福知山市民病院卒後臨床研修プログラム……1席(定員5人)
空席の多寡は立地・定員規模・併願のされ方に強く左右されるもので、研修の質や教育体制の評価ではありません。低い倍率をどう読み分けるかはマッチングの穴場病院の見つけ方にまとめています。
中間公表の時点で第一志望者数が0だったプログラムは府内で3件で、いずれも定員2人の枠でした。定員の小さい枠でも、そのプログラムを順位表に登録した学生数は公表されています。第一志望0でも定員は埋まっていて、あるプログラムでは順位表に登録した学生が38人いました。ここを「狙い目」と読み替えないでください。[1],[2]
第一志望が定員を上回ったのは8院
京都の病院を、定員に対する第一志望者数の比で並べます。第一志望者数が定員を上回ったのは8院でした。第一志望者数はいずれも中間公表時点の断面値です。[2],[1]
- 京都桂病院……360%(第一志望18人/定員5人)
- 京都岡本記念病院……250%(10人/4人)
- 国立病院機構京都医療センター……244%(22人/9人)
- 京都第一赤十字病院……208%(27人/13人)
- 宇治徳洲会病院……175%(14人/8人)
- 康生会武田病院……150%(3人/2人)
- 京都山城総合医療センター……150%(3人/2人)
- 京都市立病院……142%(17人/12人)
このうち康生会武田病院と京都山城総合医療センターは定員が2人と小さく、第一志望が3人でも比が150%になります。定員が小さいほど比は振れやすいので、この2つは実数のほうも見てください。残る6院は、第一志望者数の実数でも府内上位に入ります。京都第一赤十字病院・国立病院機構京都医療センター・京都桂病院・京都市立病院・宇治徳洲会病院・京都岡本記念病院です。
第一志望者数の実数で並べると、上位2つが大学病院になります。こちらも中間公表時点の断面値です。実数で並べると定員の大きい病院が上に来て、比で並べると定員の小さい病院が上に来る、という関係は、どの都道府県でも同じです。
- 京都大学医学部附属病院……第一志望37人/定員72人(51%)
- 京都府立医科大学附属病院……34人/63人(54%)
- 京都第一赤十字病院……27人/13人(208%)
- 国立病院機構京都医療センター……22人/9人(244%)
- 京都桂病院……18人/5人(360%)
- 京都市立病院……17人/12人(142%)
- 京都第二赤十字病院……16人/16人(100%)
- 宇治徳洲会病院……14人/8人(175%)
- 京都岡本記念病院……10人/4人(250%)
- 京都中部総合医療センター……4人/5人(80%)
ランキングの読み方の全体像は研修医マッチングの人気病院ランキングの読み方にまとめています。[2],[1]
この数字は、全国のどのあたりなのか
ここまでは京都の中だけで並べてきました。実際に志望先を決めるときに効いてくるのは「この数字は全国で見てどのくらいなのか」です。自分の志望先の数字が全国では何番目なのかは、残り1,400件以上のプログラムの分布を知らないと分かりません。京都のように府内で候補が足りなくなるところでは、他府県まで見渡す必要があるぶん、この手間はさらに増えます。[1]
iwor はこの判断のために、JRMPの公表値から4つの指標を算出しています。
- マッチ難易度:席を巡る「本気の競争」の激しさを偏差値化したもの。本気倍率=(志望者数×第1志望率)÷定員 をもとに算出します。定員が4人以下のプログラムは、値のブレを補正しています。4指標のなかで唯一、全国順位も出ます
- 志望集中度:志望者のうち、そこを第1志望に選んだ人の割合。大学病院は低めに出る傾向があります(併願先として登録されやすいから、というのは iwor の見方です)
- 穴場度:0〜100。空きやすさ(空席・低充足)と低倍率を主に、志望者の減少傾向を加味した値です
- 安定度:0〜100。直近の充足の安定性に、充足の水準を加味した値。毎年安定して埋まっているほど高くなります
この記事で見てきた定員・マッチ者数・第一志望者数・空席は、いずれもこれらの指標の材料そのものです。とくに志望集中度は、志望者のうち何割がそのプログラムを第1志望にしているかを示します。大学病院は併願先として登録されやすく、低めに出ます。京都の34プログラムをプログラム単位のまま倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や区分で絞り込んだりできます。
いずれも席の取りやすさの目安であり、研修の質・教育体制の評価ではありません。公表値からの推定であって、合否や受け入れを保証するものでも、個人の合否を予測するものでもありません。定員4人以上・志願者20人以上の15プログラムは京都府の研修病院で一覧にしています。この選別は機械的なもので、病院の評価ではありません。34プログラム全件はアプリの病院データベースで絞り込めます。
京都の34プログラムを、全国の分布のなかに置き直す。
iwor は医師のためのワークスペースです。プログラム単位のまま、倍率・定員・充足率で並べ替えたり都道府県・区分で絞り込んだりできます。選んだ複数院の横並び比較、マッチ難易度・穴場度・志望集中度・安定度の数字、マッチ難易度の全国順位まで見られます。
無料ではじめるこの記事の数字の出どころ
本記事の数値は、医師臨床研修マッチング協議会が公表している資料から iwor が出しています。2025年度の研修プログラム別マッチ結果(募集定員・マッチ者数・空席数・希望順位登録学生数の確定値)と、中間公表(第一志望者数)です。[1],[2]
集計の単位は公表資料と同じくプログラム単位で、病院単位の数字は同じ病院名のプログラムを足し合わせて算出しました。医学部を持つ大学の附属病院に限り、分院・医療センターも含めます。病院名は、公表資料の名称から法人格の部分を省いて表記しています(例:医療法人徳洲会宇治徳洲会病院→宇治徳洲会病院)。
本記事でいう第一志望者数とは、中間公表の前日14時時点で各プログラムを第1位で希望順位登録している参加者数です。中間公表の後も順位登録は変更できるため、最終結果とは一致しません。中間公表の位置づけはマッチングの中間公表とはで解説しています。[2]
よくある質問
京都の研修病院は結局どこから見ればいいですか
第一志望が定員を上回り、実数でも府内上位に入るのは次の6院です。京都第一赤十字病院・国立病院機構京都医療センター・京都桂病院・京都市立病院・宇治徳洲会病院・京都岡本記念病院です。研修の質の順位ではなく、候補を探す出発点として見てください。
京都は空席が少ないと、何が変わりますか
登録するプログラムの数を、府内だけで確保しにくくなります。空席は4プログラム・5席で、大学病院には1席も出ていません。近畿の他府県も候補に入れるなら、そのプログラムの採用試験を受けておきます。
京都大学と京都府立医科大学は、どちらが入りやすいですか
2025年度はどちらも空席0で、定員どおり埋まりました。数字からは差が出ません。プログラムの中身(たすきがけ、重点コースの有無)で選ぶほうが実質的です。
大阪や兵庫の病院と併願する場合、京都はどう位置づければいいですか
京都は充足率98.0%・空席5席で、滑り止めにはなりにくいです。大阪も兵庫も空席は11席でした。併願するなら日程の重複を先に確かめます。
まとめ
第一志望が定員を上回り実数でも府内上位に入るのは、京都第一赤十字・国立病院機構京都医療センター・京都桂・京都市立・宇治徳洲会・京都岡本記念の6院でした。そのうえで京都では、順位表を長くする先を府内だけで探さないことです。大学病院は3つで定員138人、府全体の56%を占めますが、12プログラムすべてが埋まって空席は0でした。
府内で空いたのは市中の4プログラム・計5席のみで、いずれも定員2〜5人の枠です。登録数を増やすなら、行ってもよいと言えて、実際に採用試験を受けた範囲で、近畿の他府県まで含めて候補を組んでください。近隣の内訳は大阪の研修病院にあります。兵庫の研修病院も同じ形です。
出典
- 1.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修プログラム別マッチ結果」 jrmp2.jp(2026-08-04 取得)
- 2.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2025年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」 jrmp2.jp(2026-08-04 取得)
- 3.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「令和7年度 研修医マッチングの結果(記者発表資料・2025年10月23日)」 jrmp2.jp(2026-09-18 取得)
- 4.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)「2026年度版 研修医マッチングの手引き【6年生用・既卒者用】」 jrmp.jp(2026-08-04 取得)
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