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マッチング

京都の研修病院はどこを受けるか|第一志望が定員を上回った8院と、空席が5席しかない府(2025年度)

iwor 編集部16分で読めます
目次

答えを先に書きます。京都で第一志望者数が定員を上回ったのは8院で、そのうち第一志望者数の実数でも府内上位に入るのは、京都第一赤十字病院・国立病院機構京都医療センター・京都桂病院・京都市立病院・宇治徳洲会病院・京都岡本記念病院の6院です。候補集めはここから始めるのが早いです。そして京都には、先に知っておくべき事情があります。大学病院が府全体の定員248人のうち138人、56%を占めていて、その12プログラムがすべて埋まりました。府全体の空席は5席だけで、しかもすべて市中病院です。他府県で使える「空席の出た大学病院を登録先に足す」というやり方が、京都では成り立ちません。なお、席が空いていること自体が入りやすさを意味するわけではありません。採用試験を受けて病院側の順位表に載ることが前提です。以下の並びは第一志望に選んだ人数の多寡であって、研修の質の順位ではありません。[1],[2],[3]

候補をどこから集めるか

先に1つ断っておきます。登録する順番は、自分が行きたい順です。順位を実際の志望と違う順に付け替えても、有利にはなりません。動かせるのは、採用試験を受けて「行ってもよい」と言えるプログラムを1つでも多く登録することです。以下は候補の探し方であって、登録する順番の指示ではありません。[3]

  • まず見る……第一志望が定員を上回り、実数でも府内上位に入る6院(京都第一赤十字・国立病院機構京都医療センター・京都桂・京都市立・宇治徳洲会・京都岡本記念)を軸に、自分の条件で絞る
  • 次に見る……第一志望が定員ちょうど前後の病院(京都第二赤十字病院100%・京都済生会病院100%・京都府立医科大学附属北部医療センター100%・京都中部総合医療センター80%・京都民医連中央病院75%など)
  • 採用試験を受けたうえで「行ってもよい」と言える範囲で足す……空席が出たのは4プログラム・5席だけです。新京都南病院2席・京都鞍馬口医療センター1席・綾部市立病院1席・市立福知山市民病院1席で、いずれも定員2〜5人の枠です
[2],[1]

これは順位表に書く順ではありません。

空席の出たプログラムを順位表に加えておく意味は、こう整理できます。順位表は病院側もつくります。JRMPはマッチングにゲール・シャープレーのアルゴリズムを用いると公表しており、その性質から次のことが言えます——空席の出たプログラムを自分の希望順位表に書いていて、かつ病院側の順位表に載っていた人は全員、より上の希望に入れたか、その枠に入ったかのどちらかである、ということです。これは公表資料に書かれた記述ではなく、アルゴリズムから導かれる帰結です。ただし、採用試験を受けることと病院の順位表に載ることは同じではありません。JRMPは「参加病院は、採用試験の結果に基づいて採用しても良いと考える受験者のみを希望順位登録しますので、アルゴリズム上、そのようなケースも発生します」と明記していて、第1希望のプログラムに空席があるのに自分はアンマッチ、ということが起こりえます。2025年度のアンマッチは741人でした。だから空席は「受けておけば必ず入れた席」ではありません。それでも、マッチングの中でその席を受け皿にできるのは、採用試験を受けてそこを順位表に書いておいた人だけです。なおマッチング後に残った席が二次募集に回ることもありますが、募集を出さない病院もあります(マッチングでアンマッチだったら)。[3],[1]

京都で問題になるのは、マッチングの中で受け皿になる空席が府内にほとんどないことです。空席5席というのは、定員248人の府としては極端に少ない数です。空席が出るかどうかは年によって動くので、2025年度に空いたからといって2026年度も空くとは限りませんが、それを差し引いても府内で登録できる候補の数には限りがあります。登録数を増やしたいなら、近畿の他府県まで候補を広げることになります。ただしこれは出願と採用試験の段階(春から夏)で決める話です。順位表に書けるのは、行ってもよいと言えて、実際に採用試験を受けたプログラムだけで、書いても病院側の順位表に載っていなければマッチしません。順位登録の時期に入ってから候補を足すことはできないので、その段階で不安がある場合はマッチングでアンマッチだったらを先に読んでおいてください。大阪の内訳は大阪の研修病院はどこを受けるか、兵庫は兵庫の研修病院はどこを受けるか、近畿2府4県の比較は関西の人気研修病院はどこかにまとめています。以下、順に数字で示します。[3],[1]

京都府全体の数字

2025年度のマッチングで、京都府には34のプログラムがあり、23の病院に分かれています。募集定員の合計は248人、マッチした人数は243人で、充足率は98.0%でした。全国全体の充足率が84.6%なので、かなり埋まる府です。47都道府県で見ると、大阪の98.2%に次ぐ2位にあたります。空席は5席、空席が出たプログラムは4件でした。複数のプログラムを持つ病院は3つです。[1]

第一志望者数の合計は223人で、定員248人に対して0.90倍です。全国全体では0.88倍なので、ほぼ同じ水準です。定員に対して第一志望が少ないのに充足率は全国で2番目に高い、という組み合わせになっています。ただしこの比がそのまま個人の難易度になるわけではありません。誰がどこにマッチするかは、全員の順位登録と各プログラムの順位づけの組み合わせで決まります。なお第一志望者数は中間公表時点の断面値で、プログラム別の確定値は公表されません。[2],[1]

大学病院が定員の56%を占め、1席も空かなかった

京都でいちばん効いてくるのがこれです。府内の大学病院は、京都大学医学部附属病院・京都府立医科大学附属病院・京都府立医科大学附属北部医療センターの3つ。合わせて12プログラム・定員138人で、府全体248人の56%にあたります。そして12プログラムすべてが定員どおりに埋まり、空席は0でした。充足率100.0%です。[1]

  • 京都大学医学部附属病院……5プログラム/定員72人/マッチ72人/空席0/第一志望37人。第一志望者数は府内で最多です
  • 京都府立医科大学附属病院……6プログラム/定員63人/マッチ63人/空席0/第一志望34人
  • 京都府立医科大学附属北部医療センター……1プログラム/定員3人/マッチ3人/空席0/第一志望3人
[1],[2]

大学病院全体では第一志望者数が74人で、定員138人に対して0.54倍です。第一志望に選んだ人が定員の半分程度でも定員が埋まるのは、第1志望の枠から外れた人が順位表の第2志望・第3志望へと順に照合されるからです。第一志望者数が少ないことは、研修の質や教育体制の評価とは関係がありません。大学病院は併願先として登録されやすく第1志望率が低く出る、というのが iwor の見方です。大学病院と市中病院の選び方そのものは大学病院と市中病院どっちで扱っています。[1],[2]

この構図は、他の県とはっきり違います。たとえば埼玉では空席40席のうち32席が大学病院の枠で、大学病院を登録先に足す余地がありました(埼玉の研修病院はどこを受けるか)。京都では大学病院の空席が0なので、その手が使えません。市中病院は22プログラム・定員110人で、第一志望者数は定員の1.35倍、充足率95.5%。府内で空いた5席は、すべてこちら側に出ています。[1],[2]

空席の内訳は、新京都南病院臨床研修プログラム2席(定員2人・マッチ0人)、京都鞍馬口医療センター臨床研修プログラム1席(定員2人)、綾部市立病院臨床研修プログラム1席(定員2人)、市立福知山市民病院卒後臨床研修プログラム1席(定員5人)です。空席の多寡は立地・定員規模・併願のされ方に強く左右されるもので、研修の質や教育体制の評価ではありません。空席の読み方はマッチングの穴場病院の見つけ方にまとめています。[1]

中間公表の時点で第一志望者数が0だったプログラムは府内で3件あり、京都鞍馬口医療センター臨床研修プログラム(定員2人)、新京都南病院臨床研修プログラム(定員2人)、京都大学医学部附属病院群産婦人科重点プログラム(定員2人)でした。いずれも定員2人の枠です。京大の産婦人科重点プログラムは第一志望0でも定員2人が埋まっています。定員の小さい枠に何人が下位順位で登録しているかは公表されていないので、ここを「狙い目」と読み替えないでください。[1],[2]

第一志望が定員を上回ったのは8院

京都の病院を、定員に対する第一志望者数の比で並べます。定員を上回った(100%を超えた)のは8院でした。9位以下は3院が100.0%で並ぶため、この位置で切っています。第一志望者数はいずれも中間公表時点の断面値です。以下はいずれも第一志望に選んだ人数とその定員比の大小であって、研修の質の順位ではありません。[2],[1]

  • 京都桂病院……360%(第一志望18人/定員5人)
  • 京都岡本記念病院……250%(10人/4人)
  • 国立病院機構京都医療センター……244%(22人/9人)
  • 京都第一赤十字病院……208%(27人/13人)
  • 宇治徳洲会病院……175%(14人/8人)
  • 康生会武田病院……150%(3人/2人)
  • 京都山城総合医療センター……150%(3人/2人)
  • 京都市立病院……142%(17人/12人)
[2],[1]

このうち康生会武田病院と京都山城総合医療センターは定員が2人と小さく、第一志望が3人でも比が150%になります。定員が小さいほど比は振れやすいので、この2つは実数のほうも見てください。残る6院——京都第一赤十字病院・国立病院機構京都医療センター・京都桂病院・京都市立病院・宇治徳洲会病院・京都岡本記念病院——は、第一志望者数の実数でも府内上位に入ります。[2],[1]

第一志望者数の実数で並べると、上位2つが大学病院になります(こちらも中間公表時点の断面値です)。実数で並べると定員の大きい病院が上に来て、比で並べると定員の小さい病院が上に来る、という関係は、どの都道府県でも同じです。[2],[1]

  • 京都大学医学部附属病院……第一志望37人/定員72人(51%)
  • 京都府立医科大学附属病院……34人/63人(54%)
  • 京都第一赤十字病院……27人/13人(208%)
  • 国立病院機構京都医療センター……22人/9人(244%)
  • 京都桂病院……18人/5人(360%)
  • 京都市立病院……17人/12人(142%)
  • 京都第二赤十字病院……16人/16人(100%)
  • 宇治徳洲会病院……14人/8人(175%)
  • 京都岡本記念病院……10人/4人(250%)
  • 京都中部総合医療センター……4人/5人(80%)
[2],[1]

なお、比で「上位10」という切り方は京都では使えません。9位から11位に、第一志望者数が定員とちょうど同じ100.0%の病院が3つ(京都第二赤十字病院・京都済生会病院・京都府立医科大学附属北部医療センター)並ぶためです。だからこの記事では「定員を上回った8院」という区切りを使っています。ランキングの読み方の全体像は研修医マッチングの人気病院ランキングの読み方にまとめています。[2],[1]

この数字は、全国のどのあたりなのか

ここまでは京都の中だけで並べてきました。実際に志望先を決めるときに効いてくるのは「この数字は全国で見てどのくらいなのか」です。京都桂病院の360%という競争の激しさが全国のどのあたりなのか、京都大学医学部附属病院の51%をどう読むのかは、残り1,400件以上のプログラムの分布を知らないと判断できません。京都のように府内で候補が足りなくなるところでは、他府県まで見渡す必要があるぶん、この手間はさらに増えます。[1]

iwor はこの判断のために、JRMPの公表値から4つの指標を算出しています。定義は無料で確認できます。

  • マッチ難易度:席を巡る「本気の競争」の激しさを偏差値化したもの。本気倍率=(志望者数×第1志望率)÷定員 をもとに算出します。定員が4人以下のプログラムは、値のブレを補正しています。4指標のなかで唯一、全国順位も出ます
  • 志望集中度:志望者のうち、そこを第1志望に選んだ人の割合。大学病院は低めに出る傾向があります(併願先として登録されやすいから、というのは iwor の見方です)
  • 穴場度:0〜100。空きやすさ・低倍率・志望者の減少から算出した値。高いほど競争が緩い傾向です
  • 安定度:0〜100。直近の充足の安定性に、充足の水準を加味した値。毎年安定して埋まっているほど高くなります

この記事で見てきた定員・マッチ者数・第一志望者数・空席は、いずれもこれらの指標の材料そのものです。とくに志望集中度は、京都大学医学部附属病院のように「第一志望が定員の半分でも定員どおり埋まる」という状態を1つの数字にしたものです。京都の34プログラムをプログラム単位のまま倍率・定員・充足率で並べ替えたり、都道府県や区分で絞り込んだりするところまでは、無料プランのまま使えます。PRO なら4指標の数字とマッチ難易度の全国順位まで見られます。いずれも席の取りやすさの目安であり、研修の質・教育体制の評価ではありません。公表値からの推定であって、合否や受け入れを保証するものでも、個人の合否を予測するものでもありません。定員4人以上・志願者20人以上の15プログラムは京都府の研修病院で一覧にしています。この選別は機械的なもので、病院の評価ではありません。34プログラム全件はアプリの病院データベースで絞り込めます。

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この記事の数字の出どころ

本記事の集計は、医師臨床研修マッチング協議会が公表している2025年度の研修プログラム別マッチ結果(募集定員・マッチ者数・空席数・希望順位登録学生数の確定値)と、中間公表(第一志望者数)に基づいて iwor が独自に行ったものです。集計の単位は公表資料と同じくプログラム単位で、病院単位の数字は同じ病院名のプログラムを足し合わせて算出しました。なお大学病院と市中病院の区分は公表資料に列として存在しないため、iwor が病院名から分類したものです(医学部を持つ大学の附属病院に限り、分院・医療センターも含めます)。病院名は、公表資料の名称から法人格の部分を省いて表記しています(例:医療法人徳洲会宇治徳洲会病院→宇治徳洲会病院)。[1],[2]

本記事でいう第一志望者数とは、中間公表の前日14時時点で各プログラムを第1位で希望順位登録している参加者数です。中間公表の後も順位登録は変更できるため、最終結果とは一致しません。中間公表の位置づけはマッチングの中間公表とはで解説しています。[2]

よくある質問

京都の研修病院は結局どこから見ればいいですか

第一志望が定員を上回り、実数でも府内上位に入る6院から見てください。京都第一赤十字病院・国立病院機構京都医療センター・京都桂病院・京都市立病院・宇治徳洲会病院・京都岡本記念病院です。ここは「同学年が実際にどこを一番に選んだか」であって、研修の質の順位ではありません。候補をゼロから探すよりは早い出発点になります。そのうえで自分の条件(救急の体制、大学か市中か、通勤範囲、診療科の重点)で絞ってください。条件の決め方は研修病院の選び方にまとめています。

京都は空席が少ないと、何が変わりますか

登録するプログラムの数を府内だけで確保しにくくなります。JRMPは、登録数の多いプログラムを希望していて不安な場合に「登録順位の変更」ではなく「登録順位数を増やす」ことを勧めていますが、京都で空席が出たのは4プログラム・5席だけです。しかも他の府県と違い、大学病院には1席も空きが出ていません。具体的には、出願の段階で近畿の他府県まで候補を広げ、採用試験の日程が重ならない範囲で受験先を増やしておくことになります。近畿2府4県の比較は関西の人気研修病院はどこかを参照してください。[3],[1]

京都大学と京都府立医科大学は、どちらが入りやすいですか

2025年度の結果でいえば、どちらも定員どおりに埋まりました。京都大学医学部附属病院は5プログラム・定員72人でマッチ72人・空席0、京都府立医科大学附属病院は6プログラム・定員63人でマッチ63人・空席0です。第一志望者数は京都大学が37人、京都府立医科大学が34人で、比にすると51%と54%。どちらも第一志望者数は定員の半分程度ですが、第2志望以下で登録した人を含めて席が埋まっています。数字からは「どちらが入りやすい」と言える差は出ていません。プログラムの中身(たすきがけの有無、診療科を冠した重点コースの有無)で選ぶほうが実質的です。[1],[2]

大阪や兵庫の病院と併願する場合、京都はどう位置づければいいですか

京都の定員248人は全国11位の規模です。充足率98.0%・空席5席なので、「京都を滑り止めにする」という考え方は成り立ちにくいと言えます。近畿は全体として埋まる地域で、大阪は定員625人・空席11席、兵庫は定員397人・空席11席でした。[1]

併願するなら、採用試験の日程が重複しないかを各病院の募集要項で確かめてください。大阪の内訳は大阪の研修病院はどこを受けるか、兵庫は兵庫の研修病院はどこを受けるかを参照してください。

まとめ

候補は、第一志望が定員を上回り実数でも府内上位に入る6院(京都第一赤十字・国立病院機構京都医療センター・京都桂・京都市立・宇治徳洲会・京都岡本記念)から始めてください。そのうえで京都では、順位表を長くする先を府内だけで探さないことです。大学病院は3つで定員138人、府全体の56%を占めますが、12プログラムすべてが埋まって空席は0でした。府内で空いたのは市中の5席のみ(新京都南2・京都鞍馬口1・綾部市立1・市立福知山市民1)で、いずれも定員2〜5人の枠です。登録数を増やすなら、行ってもよいと言えて、実際に採用試験を受けた範囲で、近畿の他府県まで含めて候補を組んでください。[1],[2]

出典

  1. 1.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)令和7年度 研修プログラム別マッチ結果 jrmp2.jp2026-08-04 取得)
  2. 2.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)2025年度 医師臨床研修マッチング 中間公表 jrmp2.jp2026-08-04 取得)
  3. 3.一次資料医師臨床研修マッチング協議会(JRMP)2026年度版 研修医マッチングの手引き【6年生用・既卒者用】 jrmp.jp2026-08-04 取得)

本記事はiwor 編集部が作成し、医師が監修しています。掲載内容は一般的な学習目的の情報であり、 診断・治療の最終判断は必ず一次資料・指導医にご確認ください。 編集方針と監修体制

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